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経済フォーカス:信じ難い中国の黒字縮小(英エコノミスト誌 2009年9月5日号)-- JBPRESS
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投稿者 ミスター第二分類 日時 2009 年 9 月 12 日 15:44:20: syFUAx3Wc1pTw
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1721

経済フォーカス:信じ難い中国の黒字縮小(英エコノミスト誌 2009年9月5日号)-- JBPRESS
2009年09月09日(Wed) The Economist

■ 中国は貿易黒字の規模を意図的に小さく見せているのだろうか。

 中国の経常黒字は、一部の人には金融危機の根本原因として受け止められている。朗報は、経常黒字が毎年拡大を続けてきた時期を経て、今、黒字額が予想よりはるかに速いペースで縮小していることだ。

 今年上半期に中国の黒字は1300億ドルまで縮小した。前年同期と比べると3分の2に減り、2008年下半期の水準の半分程度になった。中国のモノの貿易黒字が縮小しただけでなく、中国が溜め込んだ外貨準備からの投資収益も減少している。

 経済調査会社ドラゴノミクスのアーサー・クローバー氏は、GDP(国内総生産)比で見た中国の経常黒字は、ピークだった2007年の11%から、今年は5%まで低下する可能性が高いと予測している。遅ればせながら、中国は世界経済のバランスを取り戻すために一役買っているように見える。

 しかし、中国の数字はどれほど正確なのだろうか?

 理論上、中国の対米貿易黒字は、米国が公表する対中貿易赤字と一致するはずである。中国政府は、対米黒字は今年1〜6月期に620億ドルまで減少したと主張している。ところが米国政府の公式統計は、同時期に米国が1030億ドルの対中赤字を計上したことを示している。

 他の貿易相手国との間でも同じような不一致がある。中国が公表する対ユーロ圏の黒字は、欧州各国の統計局が発表する数字のわずか半分だ。それよりさらに目を引くのは対日貿易収支である。中国の統計によれば、今年上半期は対日貿易収支が赤字だったが、日本のデータは逆に、日本が対中貿易で赤字を計上していたことを示している。

 中国の経済統計は信用できないことで有名だ。GDPの構成要素はつじつまが合わない。地方のGDPの合計は常に国の数字よりはるかに大きいのだ。中国の貿易統計もそれと変わらないように見える。

 さらに、不一致は一貫して一方向を向いている。中国が公表する2国間貿易の黒字は、中国の貿易相手国のデータが示すものより小さいのである。すべての国の対中貿易を合計すると(国際通貨基金=IMF=の「Direction of Trade Statistics」のデータベースを使用)、2008年の世界の対中貿易赤字は約6500億ドルとなり、中国自身が記録する2950億ドルの黒字の2倍以上に上る(図の左側参照)。

 3500億ドルという数字の開きは、10年前の差の4倍近い。ひょっとして中国は火星との間で多額の貿易赤字でも抱えているのだろうか。それとも、陰謀説を唱える人が結論づけるように、中国は呆れるほど多額の黒字を意図的に小さく見せているのだろうか。

 実は、中国の数字と中国の貿易相手国の数字との不一致の多くについては、それほど悪意のない解釈がある。最も重要なのは、中国の貿易の多くが香港経由で輸送されるという点だ。

 多くの場合、中国の統計機関がこうした輸出の最終目的地を追跡するのは難しく、そのため中国から香港に輸出され、そこからさらに、例えば米国に再輸出されたモノは、本土の役人によって普通は香港向けの輸出として記録される。

 これに対して、輸入国の税関職員が本当の原産国を確定するのは比較的容易で、そのため米国はそれと同じモノを中国からの輸入として正しく記録する。同様に、香港を経由する米国の中国向け輸出は香港向けの輸出として記録されるかもしれないが、中国はそれらを米国からの輸入として集計するわけだ。

 また、香港の再輸出業者は自分たちが取り扱うモノに25%程度の利幅を上乗せするため、それが中国の輸出価格と目的地での輸入価格との違いをさらに広げる。その結果、各国の公式統計が米国やその他の国の対中赤字の規模を実際より大きく見せる一方で、中国の統計は黒字を実際より小さく見せることになるのだ。

 香港からの再輸出分を中国の米国向け輸出に含めると、中国と米国が公表する貿易統計の開きは半分近く縮小する(図の右側参照)。

 それでもまだ大きな不足分が残り、中国の世界貿易黒字(対香港貿易をすべて含む)がなぜ諸外国が公表する2国間貿易の合計よりはるかに小さいのかという理由は説明されない。

 ■ 収支をごまかすBalance cheat?

 もう1つの要因は、各国が輸出と輸入を「通関ベース」で公表していることだ。輸入には保険料と輸送運賃が含まれるが、輸出はそうした費用を除いた「本船渡し(FOB)」で集計される。

 このため、モノが到着した時点で輸入業者が記録する価額は常に、それらが輸出国を離れた時よりも5〜6%高くなっている。


 すべての運賃を合計金額から差し引いたとすれば、中国の黒字は増えるが、中国の貿易相手国の赤字は小さくなるだろう。

 実際、中国政府は、半期ごとにまとめる国際収支勘定の一部として、輸入をFOBベースで集計した貿易黒字を公表している。2008年にはその額が3600億ドルとなり、通関ベースによる黒字より650億ドル多かった。

 米財務省による2007年の調査は、中国が100カ国以上と行う貿易を調整して、香港経由の再輸出を含める一方、運賃と保険料および香港の再輸出業者が上乗せした利幅を取り除いた。

 すると、中国の貿易黒字は2005年に750億ドル増え、世界のほかの国が公表する赤字の合計は1400億ドル少なくなった。その結果、2つの数字の開きは3000億ドルから900億ドルに縮小した。

 残る不一致の多くは、貿易黒字を小さく見せようとする中国の意図的な企てというよりは、粉飾された資金の流れを反映している。資本規制を逃れ、資金を中国国外に移すために、企業は輸出を実際の価値より少なく、あるいは輸入を実際より多く申告する。

 また企業はこのような手口を使って、香港など税金の安い地域に利益を移転させる。その後その資金は、より有利な税制上の措置を利用するために外国直接投資として中国に戻って来る。

 だが、このような粉飾された資金流出が増加している可能性は小さい。どちらかと言えば、中国は世界のほかの国より急速に景気が回復しているため、輸出業者にとっては、外国の資金を国内に持ち込む方法として、輸出価格を水増しする動機の方が大きい。このことは、中国の貿易黒字が、中国が主張するのと同じくらい速いペースで減少していることを示唆している。

 中国の貿易黒字が米国その他の貿易相手国が公表する赤字の合計よりはるかに小さいとしても、中国の貿易黒字――ひいては経常黒字――は、まず間違いなく中国が公表する数字より大きい。

 だが、世界経済のほかの国々にとって重要なことは、中国の黒字の正確な大きさではなく、それがようやく縮小しているという事実なのだ。

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