★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評9 > 197.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
【虚偽報道繰り返すメディアには不買・視聴拒否運動を!】ガセネタ溢れる日本【田中良紹の「国会探検」】
http://www.asyura2.com/09/hihyo9/msg/197.html
投稿者 傍観者A 日時 2009 年 3 月 29 日 01:13:43: 9eOOEDmWHxEqI
 

http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2009/03/post_179.html

ガセネタ溢れる日本

 私が「報道特集」のディレクターをしていた頃、プロデューサーから「売り込みネタがあるから話を聞いて番組にしろ」と言われた。某地方局からの「売り込み」で、「広島と長崎の両方で被爆をした珍しい人物がいる。その人物を取材してドキュメンタリー番組を作ったら、ローカル局の大会で優秀賞を取った。出来ればこの話を全国ネットで放送して欲しい」と言う「売り込み」だった。

 その人物は被爆者団体の幹部を務めていた。住まいは関西だが「反核運動」などで時々は上京する。たまたま「反核運動」の全国大会が東京であり、上京した本人と面会した私は、珍しい被爆体験の話を聞いた。本人によれば、戦時中陸軍の航空隊に所属し、偵察飛行を任務としていた。8月6日に偵察のため調布飛行場を飛び立って太平洋を南下すると、眼下に日本に向かう米空軍爆撃機の機体を見つけた。後を追尾すると爆撃機は広島方面に向かい、その後白い閃光に目がくらんだ。キノコ雲が立ち上る広島の上空を飛行し、水を求めて川に向かう被爆者の姿を上空から見た。その時飛行機の風防ガラスを開けたために空中被爆した。

 調布飛行場に帰還してその事を上司に報告したが、真剣に聞いてくれなかった。翌日、戦局ますます多難のため部隊に鹿児島移動の命令が出た。8月9日、沖縄の米軍偵察のために飛び立つと長崎方面に再びキノコ雲を発見し、この時も原爆投下直後の長崎市を風防ガラスを開けて低空飛行で見た。そのため二度にわたって空中被爆した。本人はそう語った。

 地方局が番組にしたとはいえ、私はにわかに信じがたく、ウラをとるため所属部隊名や上官、同僚の名前などを本人から聞き出した。旧陸軍の名簿を探し出し、上官の居所を突き止めるのに1週間ほどかかった。上官は群馬県に住んでいた。訪ねていくと快く会ってくれたが、被爆者団体幹部が言う話は記憶になかった。しかし彼が部隊に所属していた記憶は甦ってきた。その男はパイロットではなく整備士だった。従って偵察機には搭乗出来ない。部隊に所属していたことが事実なら彼は被爆する筈がなかった。話は作り話と思われた。

 ところが彼は被爆手帳を持っている。なぜ手帳が入手出来たのか。しかも今では被爆者団体の幹部である。この事実を暴く方が報道の使命ではないかと思った。私は男の関西の自宅を訪れた。近くに田圃が広がる郊外に質素な住まいがあった。裕福でない事は一目瞭然。上官に確認し、彼の話が嘘であることを突き止めた事は言わずに、被爆手帳を入手した経緯だけを取材した。話を聞きながら私には、戦後の混乱期を生き抜くためにどんな嘘でも突き通さざるを得なかった日本人の姿が浮かんできた。

 本来ならば社会を欺いてきたこの男を糾弾することが報道の使命と思いながら、私はこの取材を終わりにし、知り得た事は胸にしまい込もうと考えた。私の判断が正しかったかどうかは今でも分からない。しかしそれよりもなぜ地方局はウラも取らずに番組を作ったのかとその事だけが悔やまれた。20数年前の話である。

 この話を思い出したのは、日本テレビが「真相報道バンキシャ!」で虚偽報道を行い、また西松建設の事件を巡って新聞・テレビが数々の虚偽報道を続けているからである。「真相報道バンキシャ!」は、番組が「たれ込み」を求め、「たれ込み」をしてきた話のウラも取らずに「真相」として報道した。画面に顔を映さず、声も音声を変えた「おどろおどろしい」演出で、いかにも秘密を知る人物が「真相」を語っていると視聴者に思わせるやり方である。それが全くの嘘だった。

 西松建設の事件でも民主党の小沢代表が「続投表明」の記者会見をした直後に、NHKは「秘書は容疑を認めて自供した事が関係者を取材した結果分かりました」と報道した。それを聞いて私は不思議な報道だと首をひねった。NHKは誰に取材したのか。「自供した」事が分かるのは取り調べた検事か、自白した本人に聞くしかない。おそらく検察に取材した結果だろう。ではウラは取ったのか。ウラは本人に聞くしかない。NHKが「分かった」と言うのは本人にウラを取っていなければ言えない話だ。どのようにして拘留中の本人に聞いたのだろう。

 これがまともな報道機関なら、「検察が自供したと発表した」と報道し、一方の主張だけでウラは取っていないことを明示する。よりしっかりしたメディアなら「検察は自供したと発表したが、被疑者に取材をしていないので確認は取れていない」と報道する。ところがNHKは「分かった」と断定した。これは秘書が否定すればNHKが意図的に「誤報」を流した事になる。

 私の想像では、検察は「検察が発表した」と言われると困る。なぜならそれは嘘だから。だから「検察」と明示しないようにNHKに要請し、NHKはその要請を受けて嘘だと知りながら「関係者への取材で分かった」と自らの判断という体裁を取った。権力をかばったことになる。おそらくはその報道でどこからも指弾されないと甘い見通しの下にやったのではないか。

 「真相報道バンキシャ!」の誤報問題で日本テレビの社長は辞任したが、私は社長が辞任した程度で済む話ではないと思っている。少なくも欧米でこの様な問題が起こればその程度では済まない。なぜなら民主主義の根幹を揺るがす大問題だからだ。社会主義国家や独裁国家と違って民主主義国家は極めて繊細に出来ている。何事を決めるにも時間が掛かるし、手間も掛かる。何せ民主主義は「愚かな」国民に判断をさせ、それが「愚か」な結果を生まないようにしなければならないから、それだけ大変である。

 民主主義を「最悪の政治体制」と言ったのはチャーチルである。なぜなら国民は判断を間違えることが多いから。しかしチャーチルは「それでも他の政治体制よりはましだ」と言った。国民が自分で判断を間違えて苦しむのは自業自得だが、独裁者や官僚の判断の間違いで苦しまされてはたまらない。だから民主主義の方が「まだまし」なのである。従って民主主義にとって最も重要な事は、国民の判断を左右する「情報」である。

 民主主義社会の新聞やテレビは「社会の公器」と呼ばれ、他の企業より税制でも何でもとにかく優遇されている。それがウラも取らずに嘘を流したというのであれば社長辞任程度ではないだろう。潰されて当たり前だ。テレビ局は「国民の電波をお借り」して営業させて貰っているのだから、国民が「電波を返せ」と言えば返さなければならない。国民は電波をもっとまともな人たちに与えるよう総務省に命令すれば良い。

 それを総務省がやらないなら、国民が「不買運動」を起こす事だ。日本テレビを「視聴しない運動」やNHKの「受信料不払い運動」を起こせば二つとも簡単に潰れる。それより運動が起これば両社は慌ててまともになるよう努力するだろう。消費者が自らを守る方法は、消費者庁を作って官僚に守って貰う事ではない。「不買運動」をして悪徳企業を潰す方が効果的である。このところ嫌と言うほど味わったメディアの情報被害から国民を守るためには「見ない」、「読まない」運動を起こすことだ。新聞とテレビがなくともこの国は潰れない。そしてそうなれば傲慢なメディアも初めて自らを省みる事になる。

投稿者: 田中良紹 日時: 2009年03月28日 17:02      

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > マスコミ・電通批評9掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。