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オーマイニュース元社員が考える「ダメだった理由」(私は記者失格だった/非効率きわまりない編集作業/気概なき弱腰編集部)
http://www.asyura2.com/09/hihyo9/msg/293.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 04 日 15:59:34: eZ/Nw96TErl1Y
 

【ライブドアPJ】オーマイニュース元社員が考える「ダメだった理由」(私は記者失格だった/非効率きわまりない編集作業/気概なき弱腰編集部)

 

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http://news.livedoor.com/article/detail/4137282/

私は記者失格だった=オーマイニュース元社員が考える「ダメだった理由」(上)


2009年05月02日06時03分 / 提供:PJ

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初代編集長に祭り上げられた鳥越氏は、
創刊記者会見で市民記者の原稿料すら回答できなかった
   (06年8月、東京・虎ノ門、撮影:吉川忠行)
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【PJ 2009年05月02日】− 4月24日に参加型ニュースサイト「オーマイニュース(以下OMN)」が完全閉鎖となって1週間。失敗した理由は、すでに各メディアをはじめPJニュースでも、藤倉善郎氏(http://news.livedoor.com/article/detail/4128561/)と小田光康氏(http://news.livedoor.com/article/detail/4133803/)が言及しているが、かつて社員として勤めた人間として、OMNがなぜダメだったのかを考えてみたい。

 OMNを考える前に、まず私自身のことを総括したい。私は2007年4月から解雇となる08年7月末までの1年4カ月間、オーマイニュース正社員の記者として編集部に在籍し、07年9月からは写真部門の責任者を兼務した。OMNへは07年3月でライブドアの報道部門「ニュースセンター」が消滅しての転職だった。当時は元週刊現代編集長の元木昌彦氏が編集長代理を務められており、社長は韓国OMNのオ・ヨンホ代表が兼務。2、3週間に一度くらい来日していた。

 ちなみに鳥越俊太郎・初代編集長には、採用過程では一度も顔を合わせていない。鳥越氏の顔を見かけたのは、病気を理由に編集長を退任する直前、編集部へパソコンを引き取りにフラッと現れた時にただ一度、しかも2、3分の出来事だった。あとは、入社前に他媒体で06年8月のOMN創刊記者会見を取材した時ぐらいだ。このときは市民記者の原稿料すら回答できず、ヘラヘラするだけの態度に驚愕(きょうがく)したが…。

 私の総括に話を戻そう。私は記者として採用されたが、本来記事で市民記者に範を示すべき編集部員として、スクープをものにすることは一度もできなかった。社内業務が多忙であるなどの理由を付けて、最重要業務である取材をおろそかにし、たまに出稿した記事も編集部員として求められるレベルに達していたとは言い難い。私は記者失格だった。

 次に、編集者として読者に魅力的な企画を打ち出せなかった。OMNは比較的経費に寛容だったことが仇(あだ)となるわけだが、同じカネを使うなら、もっと読まれるコンテンツ作りに生かせなかったのかと、思い返すと情けない限りだ。私は編集者としても失格だった。

 また、問題を起こした市民記者への対応にも反省すべき点がある。何か起きても「おとがめナシ」としてしまう“弱腰編集部”と揶揄(やゆ)される編集部の中では、厳罰を進言するあまり、他の部員から“強硬派”呼ばわりされていた私だが、問題記者を自らの手で退会処分に処すことはなかった。最終決定は編集部の幹部が下すのだが、善良な市民記者を守るためにできたことはあったはずだ。

 総じて結果を残せなかった1年4カ月であったが、自分なりに改善策を講じてはいた。市民記者の原稿を編集する体制が、あまりにも非効率だったからだ。【つづく】

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http://news.livedoor.com/article/detail/4138210/

非効率きわまりない編集作業=オーマイニュース元社員が考える「ダメだった理由」(中)


2009年05月03日08時09分 / 提供:PJ

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入社して最初に驚いたのは1本の原稿に
3時間から数日かけて編集しているケースがあったこと。
創刊以来、なぜ改善策を講じなかったのか
   (08年4月、東京・虎ノ門、撮影:吉川忠行)
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【PJ 2009年05月03日】− (上)からのつづき。4月24日に参加型ニュースサイト「オーマイニュース(以下OMN)」が完全閉鎖となって1週間。前回は私の記者としての無能ぶりに触れたが、今回は入社直後に驚かされた編集部の非効率きわまりない編集作業について振り返る。

 07年4月に入社して最初に驚いたのは、1本の原稿に3時間から数日かけて編集しているケースがあったこと。無論、すべての作業についてではないが、あまりにスローペース過ぎる。大量の未編集原稿が生じたのも当然である。06年8月の創刊から半年以上、なぜ改善策を講じないのかが不思議だった。

 入社直後、韓国OMNのオ代表が来日した際に韓国の状況を尋ねたところ、「韓国では1本あたり平均30分で編集している」とのことだった。原稿を大切に編集したい気持ちは理解できるが、人的・金銭的資源が限られている以上、どこかで妥協して効率を上げなければならない。

 また、OMNのサイトは文字サイズが小さいこともあり、3000字を超える「一大巨編」の原稿が送られてくることも多々あった。しかし、OMNでは記者登録時に「ニュースとは何か」「記事はどう書けばよいか」などの講習がないので、市民記者だけを責めるわけにはいかない。やはり、創刊時にこうした最低限のガイドラインを明示しておくべきだっただろう。いや、正確に言うとリニューアル前のサイトには教材らしきものが存在したが、見つけるのが困難だった。

 市民記者が自分で取材したニュース記事よりも、テレビや新聞を肴(さかな)に「○○はけしからん」と、くだを巻いたオピニオン記事が増長した一因や、編集に時間がかかっていた理由も、こうした登録時の教育不足や方針の不明確さにあると感じた。創刊当初に編集部が方針を明確に示していたら、ここまでの迷走は防げたのではないか。

 ニュース記事の良さをわかってもらおう──。私は試しに07年9月から08年3月までの半年間、写真記事と動画を掲載する「TV・Photo」面をひとりで編集することにした。写真記事は文章の長さも短く、取材しなければ写真が撮れないからだ。ひとりならば編集方針もぶれない。このコーナーは、07年4月のサイトリニューアル以来、ほぼ無編集で記事が掲載されており、数カ月前に撮られた写真や、庭に生えた雑草の写真などが平気で「写真記事」として幅をきかせるなど、常軌を逸した状態になっていた。

 方針転換した当初は「なぜ私が撮った写真を全部載せない。今までは載っていたぞ」などと市民記者から苦情が来たが、理由をひとり一人説明すると、大半の人は理解を示してくれた。3カ月ほどすると、徐々に編集に要する労力が減り始めてきた。同時に、原稿料だけが目的で、まったくニュース性のない記事を送り続けていた市民記者は投稿しなくなっていった。アクセス数は相変わらず芳(かんば)しくなかったが、おかしな原稿は来なくなったのだ。

 私が退職後、ある編集部幹部から「TV・Photoの記事は編集が楽だ。どうしてだろう」と言われた。記事の書き方や長さを半年かけて市民記者に理解してもらったたまものである。しかし、私は以前、彼に「市民記者に書き方などを理解してもらった結果、編集に要する時間が減った」と報告したのだが……。

 創刊当初から載せるべき記事は載せる、ダメな記事は載せない、編集不能な記事は手を付ける前に差し戻す──。こうした至極まっとうな判断を徹底していれば、ここまで状況が悪くなることはなかっただろう。そして、市民記者に粘り強く編集方針を説明することが、編集部には欠けていた。

 OMNの失敗で「市民メディアはダメだ」とする人もいるがそれは違う。OMNは市民メディア以前に、会社として、編集部としての体をなしていなかった。【つづく】

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http://news.livedoor.com/article/detail/4138913/

気概なき弱腰編集部=オーマイニュース元社員が考える「ダメだった理由」(下)


2009年05月04日07時35分 / 提供:PJ

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再開発のため08年4月でオーマイニュースが退去したビル。
すでに無人化したとはいえ建物は健在だ
    (1日、東京・虎ノ門、撮影:吉川忠行)
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【PJ 2009年05月04日】− (中)からのつづき。4月24日に参加型ニュースサイト「オーマイニュース(以下OMN)」が完全閉鎖となって1週間。前回は編集部の非効率きわまりない編集作業に触れたが、今回は韓国OMNのオ代表の指導力や組織面での問題点を考える。

 日本のオーマイニュースは韓国OMNとソフトバンクのジョイントベンチャーだった。両株主の意向で会社の存続が決まる。08年の今ごろ、追加融資が決まりそうだと連絡があっては立ち消え、しばらくして再び決まりそうだと話が持ち上がることの繰り返しだった。

 第2代編集長を務めた元木昌彦氏が07年末に社長に就任するまで、日本のOMNは専任の社長が不在で、韓国OMNのオ代表が兼務していた。このため、重要な決定事項はオ代表が許可するまで進められなかった。編集部幹部によれば「オ代表は右から左に決めてただけ」というが、スピーディーに決断しなければならないことでも、2週間に1度ほど来日するオ代表が編集部へ来ない限り、大きく前進することはなかった。

 オ代表が承諾して、一度は決まりかけた話が来日時に覆されることも日常茶飯事で、OMN創刊当初から意義が問われていた「銀行口座による本人確認」を取りやめる決定も、こうした事情で一進一退を繰り返していた。サイトを改善したくても会社としてゴーサインが出ない状況が続くと、社内のモチベーションは日を追うごとに低下していった。

 社内の問題だけではなく、会社の存続にかかわる重要事項すらなかなか決まらず、好機を逸することが続発していたOMN。私はオ代表の決断力のなさ以外にも、韓国OMNとソフトバンクのコミュニケーション不足や、編集部内の意思疎通が不十分だったことも失敗の要因だと思う。私が入社した直後の07年4月に行われたサイトのリニューアルも、「第二の創刊」と位置づけた割には、当時開発を担当したウェブディレクターたちと編集部員の間にコミュニケーションがほとんどなかったというから驚いた。

 私自身の反省に始まり、非効率な編集作業、会社組織としての問題に触れてきた。最後に編集部の弱腰体質に触れたい。

 私が入社する以前に起きた問題で、ある新人女性市民記者の記事のコメント欄に、古株の男性市民記者がネットでその女性について検索した内容を貼(は)り付けるという、ストーカーまがいの行為が発生した。この男性はその後もたびたび問題を起こしたが、注意されることはあっても退会処分にはならなかった。私が「退会処分が妥当ではないか」と進言しても、「かわいそうだ」などと言われるのがオチだった。

 また、韓国OMNの市民記者学校へ行くツアーが開催された際、何度も自分の都合で予定変更を告げてくる市民記者に対し、ご丁寧にも変更の都度応じていた。この例だけでなく、ごく一部の市民記者に限ったことであるが、「自分たちは編集部員より偉く、連中は下僕だ」「適当に書いて投稿したから、あとは編集部で形にして」といった態度の人がいたのは事実。市民記者うんぬん以前に、人間としてどうなんだろう、という人たちの姿を、これだけ短期間にまとめて見たのは私の人生で初めてだ。

 もちろん、こうした人はごく一部で、毎日コツコツ記事を投稿してくださる方も多かった。その方たちには廃刊は申し訳ない限りだ。しかし、「悪貨は良貨を駆逐する」ではないが、問題記者の行動に目がいきがちになってしまった。

 鳥越俊太郎・初代編集長は、掲示板「2ちゃんねる」をゴミため呼ばわりし、自分を取材したITmediaの記者に責任をなすりつけるなど、OMN創刊の足を引っ張るだけ引っ張った。そして、創刊当初の編集部は、市民記者が登録した時の教育や方針の説明が不足しており、悪質な者を排除できなかった。私はこうした状況下で入社したわけだが、記者としてメディアとしての存在感を出せなかった。存在感が出れば、“不幸な創刊”を覆せたかもしれない。

 社員としてOMNにかかわった立場としては、創刊当初のつまずきに始まり、複合的な要因で廃刊となったと思う。だが、一番の問題は自分も含めて編集部に踏ん張りが足りなかったことだ。どうしても、絶対成功させるという、気概がなかった。

 オーマイニュースの事例が、市民メディアのみならず、組織のあり方の教訓になればとの思いで、この記事を終えたい。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 吉川 忠行【 東京都 】

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