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【ビデオニュース、ブッシュ政権の8年とは何だったのか】(八百長に始まり八百長に終わった8年であり、日本も相似形でした)
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak15/msg/337.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 1 月 22 日 09:22:32: 4sIKljvd9SgGs
 

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090122-02-0901.html
ブッシュ政権の8年とは何だったのか
2009年1月22日 ビデオニュース・ドットコム
ゲスト:渡部恒雄氏(東京財団研究員)

渡部恒雄氏
 1月20日、ブッシュ政権の8年の任期が終了し、オバマ新大統領が就任する。やり残したもの、手つかずだったもの、食い散らかしたものをすべて引っくるめ、ブッシュ政権の遺産が、そのままオバマ大統領の課題となる。そこで今週のマル激では、ブッシュ政権の8年間とは何だったのか、その変遷と歴史的な意味を、ワシントンのCSIS(戦略国際問題研究所)でブッシュ政権をつぶさにウォッチしてきた渡部恒雄氏とともに考えた。本企画をブッシュ政権への送辞としたい。
 ブッシュ政権はなんとも不幸な出自を背負ってスタートした。現職の副大統領だったゴアと争った2000年11月の大統領選挙はまれに見る大接戦となり、AP通信などが一度はゴア当確を打ちながら、最終的には大票田のフロリダ州にその結果が委ねられることになった。そして、フロリダで票の再集計が繰り返された末、ブッシュ候補の弟が知事を務めるフロリダ州の選挙管理委員会は、ブッシュの勝利を宣言する。しかし、無効票の扱いなどをめぐり、大統領選挙は未曽有の訴訟沙汰となる。最終的には連邦最高裁がフロリダ州の決定を有効と判断し、ゴアが自ら身を引いたため、投票日から一月以上も遅れて、ようやくブッシュの当選が確定した。しかしそれは、アメリカ史上で3人目となる、一般投票の得票数で相手候補を下回った、しかも、弟が知事を務める州の党派性に多分に救われた、正統性で大きなハンデを負った大統領としての船出だった。
 再集計だの裁判だので準備不足の政権が発足してから約8ヶ月後の2001年9月11日、ブッシュ政権にとって、そしてアメリカにとっても、その運命を変えるような大事件が起きる。9.11同時多発テロだ。
 これでフロリダ再集計問題などは一気に吹っ飛び、そこからブッシュ政権は、誰もが予想だにしなかった未知の世界に足を踏み入れていくことになる。9.11が、ブッシュ政権の性格をがらりと変えてしまったと言っても過言ではないだろう。そして、それはまた、政権内部の政治力学も、パウエルらの良識派から、ラムズフェルド、チェイニーといったネオコン陣営へのシフトを加速させていくことにつながっていく。
 アフガン侵攻とそれに続くテロリスト掃討作戦、国論を二分したイラク攻撃とイラク占領の泥沼化、イラク戦争の最大の根拠だった大量破壊兵器疑惑の撤回と、時として人権をも無視した徹底的なテロ対策等々、ブッシュ政権は、テロとの戦いに終始する中で、その一期目を終える。
 2004年11月、ブッシュは僅差で再選を果たすが、イラク情勢は泥沼化。大量破壊兵器も見つからず、正当性を失った戦争の後始末に大勢の若い兵士たちが日々犠牲になるアメリカを、未曽有の激甚台風カトリーナが襲う。死者1500人超、50万都市のニューオーリンズをゴーストタウンにしたカトリーナは、内政よりも戦争を優先させ続けたブッシュ政権一期目の矛盾と欺瞞を一気に噴出させた。そこからブッシュ政権は、坂道を転がり落ちるように失速し始める。2006年の中間選挙で共和党は議会両院の過半数を一気に失い、ブッシュ政権はいよいよレームダック化していく。
 そして2007年、ブッシュ政権で唯一うまく回っていたはずの経済までが、サブプライム・ショックで失速を始める。当初共和党の伝統的な市場万能主義的な立場から介入を躊躇していたブッシュ政権に、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズなどの金融機関の破綻が追い打ちをかける。大恐慌以来とも言われる金融危機に直面したブッシュ政権は、これまでの主義主張をかなぐり捨て75兆円の公的資金投入による金融機関の救済に舵を切るが、危機はまったく収まる気配を見せない。そうした中、「チェンジ」を掲げる民主党のオバマが、共和党でブッシュ路線の継承を謳うマケイン候補を破って次期大統領に当選する。
 ブッシュの8年間とは何だったのか。この8年間はアメリカ史の中で、どのような意味を持つのか。なぜブッシュ政権はこのような運命を辿ることになったのか。それは避けられないものだったのか。そして、それを踏まえた時、オバマに残された課題とは何なのか。
 神保哲生、宮台真司両キャスターが希代のアメリカ政治ウォッチャーの渡部氏と、じっくりと議論した。


アメリカの大義は傷ついたのか

神保: ブッシュ大統領の最後の記者会見の印象はどうだったか。
 
渡部: 正直な人だというのが一貫した印象だ。アブグレイブ刑務所での虐待や大量破壊兵器が見つからなかったことに対して、本当にがっくりしていて、失望していた。おそらく彼は自分の思うところではベストを尽くしたが、結果としてうまくいかなかったし、世間からの評価は悪い。悔しさよりも寂しさが漂っていた。
 
神保: 唯一の失敗は、03年5月に船上でイラク戦争の戦闘終結宣言を行ったことで、他は一切失敗ではないとも言っていた。未だに強気というか、反省していないというか。今さら虚勢を張る必要はないと思うので、やはり本音でそのように思っているのか。
 
渡部: 本音だと思う。ブッシュ大統領は、歴史的に長い目で見れば、イラクが解放されたことで自分がどこかの時点で評価されるとまだ信じているのだと思う。ブッシュ大統領は新聞を読まないし、客観情報を得ようという気がなく、そのシステムもない。うすうすわかっているが、あえて見ていないという葛藤、寂しさが表れていた。
 
神保: 「アメリカの大義が傷つけられたとは思わない」とブッシュ大統領は話したが、この点についてはどのように考えるか。会見の中では、moral standing(道徳的立場)という言葉を使っている。
 また、「エリートたちの間では傷ついたかもしれないが」と述べていたことが印象的だった。自分はエリート向きに政治をやっているのではないという反エリート主義が、ブッシュ大統領の一貫した立場だ。北東部のエスタブリッシュメントや民主党のエリートは大義が傷ついたと言っているかもしれないが、アメリカの国民はちゃんとわかっているというように考えているという意味なのか。
 
宮台: 大義の定義が「アメリカの自由を守ること」であるがゆえに、大義が傷つけられているのか。「武力でアメリカの独立、市民の平和を守ること」がアメリカの大義の定義であるがゆえに、その通りにふるまっただけなのか。
 
渡部: アメリカの大義は明らかに傷ついたと思う。なぜかというと、大義とは何かが明確にされていなかった。つまり、勝てば官軍の理屈で成功すれば大義になる。ブッシュ政権は、ばくちを打ったが失敗をしたので、大義は傷付いた。
 また、歴史的にも重要な点だが、アメリカの反知性主義、反エリーティシズムは根強く、局面では政治を動かしている。ブッシュ大統領は人気が無かったように見えるが、2期8年を務め、支持率が70%以上の時期もあった。残念ながら、一般のアメリカ人は、草の根であってもすでに支持していないが、ブッシュ大統領はそれを記憶しているのだろう。
 
宮台: moral standing(道徳的立場)をいかに禁欲して、設定された目的との兼ね合いの合理性に殉じるかが倫理的な立場なのだと昔から言われてきたが、アメリカの政治学者が最近も述べている。
 その意味で言うと、アメリカは合理的な国に見えるが、反知性主義がある。また、倫理は人々に禁欲を要求するので人気をとれないため、多くの場合、モラル、つまり善か悪かという尺度で人々をたきつけて動機づけを行うというメカニズムの強さが、アメリカではなかなか無くならない。動員の装置であると同時に、アメリカの国の成り立ちにも関わる感情だ。
 
渡部: 9.11同時多発テロの後に、ブッシュ大統領が敵か味方か、白か黒かに分けたのは、力として非常に大きかった。アピールとしては良かったが、結果としてマイナスに作用したのだろう。
 また、レーガン大統領の時は、相手がソ連で国だったため、これが作用した。しかし、テロリストは非対称で、憎悪を持っている人は増える。特徴の違いを理解していなかったのがブッシュ大統領の失敗だ。
 
宮台: 敵・味方論について補足したい。大統領選挙は戦いなので、きれいごとではなく敵・味方の図式を使うのだが、オバマ次期大統領は演説で、敵も味方も無いのだ、という言い方はしない。敵と味方を分けて、アメリカを分裂させようとする者が敵なのだというメタ的なずらしを行っているのが巧妙だ。うまい言い方だ。
 
渡部: 人事にもその部分が表れており、かつての敵、ヒラリー・クリントンを閣僚に加えている。明らかに意図的に行っている。


ハリケーン「カトリーナ」の意味

神保: 2005年8月のハリケーン「カトリーナ」の意味とは何だったのか。50万都市のニューオーリンズが、ゴーストタウンと化した。天災、災害であり、ブッシュ大統領のせいではないはずなのだが、なぜブッシュ大統領に影響を与える大きな出来事になったのか。
 
渡部: アメリカ人は災害だと考えず、カトリーナを人災だと見たのだろう。どういうことかというと、それまでアメリカ人は敵がくるということでイラクやアフガンのことを考えていた。ところが、ハリケーン「カトリーナ」が襲った。
 その被害を見た時に、なぜ危険だと分かっていながら堤防を整備できなかったかというと、予算がすべてテロ対策やイラク戦争に費やされて余裕がなく、予算が回っていなかったということに気が付いた。
 もう一つは、アメリカの都市部の実態に気が付いた。金のある者は皆、自分の車や飛行機で逃げ、残された者たちには人種的にもマイノリティが多かった。大変な格差がアメリカには残っているという足元の問題に気が付くきっかけになったのがカトリーナだ。
 
神保: イラクに派遣された人たちの多くが、実は低所得者層のROTC(予備役将校訓練隊)ということも盛んに言われた。軍に予備役や州兵として登録することで奨学金をもらうという人が非常に多い。お金がないためにROTCで奨学金を貰わざるをえなかった人たちが、イラク戦争に駆り出されたわけだ。拒否すると、収監される。
 カトリーナは、戦争に浮かれていたアメリカに、足元の問題を気付かせる意味があった。
 
渡部: カトリーナの被害を受けた地域の州兵の多くがイラクに派遣されていたため、本来なら災害救助に動ける人たちがいなかった。
 また、悪のりという部分もあったが、「ゴアのたたり」だと当時言われた。つまり、温暖化対策を行っていれば、ここまでハリケーンは大きくならなかったかもしれない。カトリーナは、地球温暖化対策は大切だと思わせた。
 
神保: ハリケーン対策としてルイジアナ州立大学が、何度も堤防のかさ上げが必要であるとレポートを書いていたが、ゴアが大統領になっていれば、あれだけ地球温暖化について言及しているのだから、堤防の工事が行われていた可能性は高い。そうすれば、被害は起きなかったかもしれないということも、考えられる。

 

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