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【Commons、仮想敵国日本】(米国はヒモであり、ヒモを更生させるには、馬鹿でない首相を選ぶ事から始めるべきです)
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak18/msg/616.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 4 月 13 日 11:43:29: 4sIKljvd9SgGs
 

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090413-01-1301.html
仮想敵国日本
2009年4月13日 The Commons
 アメリカが日本を「仮想敵国」と見て作戦計画を立てた事が二度ある。一度目は戦前で、日本が日露戦争を始めた明治37年に「ウォー・プラン・オレンジ(オレンジ作戦計画)」が策定された。計画では米軍がサンフランシスコからオアフ、ミッドウェイ、グアム、フィリッピン、沖縄というルートで日本本土を攻撃する。
 
 ところがその翌年に日本海海戦で日本はロシアのバルチック艦隊を撃破した。世界も驚いたが、最も驚いたのはアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領である。太平洋が日本海軍に制覇される恐怖を感じた。ルーズベルトは議会の反対を押し切ってハワイの要塞化を進め、大西洋艦隊に太平洋巡航を命じた。日本攻撃の予行演習である。大統領は勿論日本に対しては味方のような顔をした。日本を対ロシアの防波堤にする必要があったからである。そのせいか日本は大西洋艦隊の演習をアメリカが日本との同盟を強調していると勘違いし、時事新報は日本に寄港した艦隊を「友好の印」と書いた。「仮想敵国」に味方と思わせることこそ外交の要諦である。後に太平洋戦争でアメリカは「オレンジ作戦」の通りに日本を攻撃した。
 
 二度目は戦後の経済戦争である。日本の高度経済成長は世界を驚かせた。そして自動車、家電製品などの集中豪雨的な輸出攻勢に海外の製造業は大打撃を受けた。「日本は倒産と失業を輸出している」と外国は非難したが、日本の輸出攻勢は止まらなかった。最も深刻な影響を受けたのはアメリカである。ベトナム戦争の出費もあり、双子の赤字に苦しむアメリカは反撃を開始した。
 
 第一撃は1971年の「ニクソン・ショック」である。アメリカのニクソン大統領が突然金とドルとの交換を停止、金に裏打ちされた固定相場制を変動相場制に変えた。1ドル360円時代は終わり、円高が始まって日本の輸出産業は打撃を受けた。しかしそれでも日本の輸出は止まらない。輸出で外国からドルが流れ込み、それを外国に貸してまた利息を得る。1985年、遂に日本が世界一の金貸し国、アメリカが世界一の借金国になった。
 
 アメリカは第二撃を繰り出す。「プラザ合意」である。1ドル200円台の円相場を100円台に誘導した。日本の輸出産業は再び打撃を受けたが、それでも外需依存は変わらない。それどころか日本の低金利政策はバブル景気を作り出し、国中が土地投機に走り、金融機関の弱みを握った暴力団が銀行の資金でアメリカの不動産を買い漁った。日本経済はアメリカにとってソ連以上の「脅威」となった。日本にもソ連と同様の「封じ込め戦略」が必要と認識された。
 
 アメリカは日本の経済構造を徹底的に分析し、政官財の癒着構造をあぶり出し、司令塔が官僚機構にあることを突き止めた。日本の弱点を知り尽くした上でアメリカは日本の牙を抜く作業に取りかかった。ところが冷戦崩壊とバブル崩壊が一緒に来て、アメリカの作業を待たずに日本経済は自滅した。
 
 高度成長のからくりは「官僚主導の計画経済」とそれを支える「国家総動員態勢」にある。官僚の作る「政策」が完全遂行されるように、政権交代を求めない野党と行政指導に逆らわない企業、そして国民の目をくらますメディアの協力で高度成長は成し遂げられた。その構造にひびが入り、日本は「失われた時代」を迎えた。
 
日米安保体制は日本をアメリカの核の傘で守ると同時に日本を自立させない方法である。それは中国も北朝鮮も知っている。彼らは日米安保こそ日本を強力な国家にしない「ビンのふた」だと思っている。彼らはアメリカだけを向いていれば自国の安全を図る事が出来る。日米安保の存続は、アメリカ、中国、北朝鮮のいずれにも共通の利益である。
 
 そこでアメリカは考えた。戦前は日本の軍事的脅威、戦後は日本の経済的脅威にさらされた。冷戦後は二つの脅威を同時に封じ込める必要がある。冷戦崩壊後の世界をこれまでとは全く異なる視点で見ているアメリカが、アジアにだけは冷戦が残っているとの口実で日米安保を存続させ、それに経済を絡めた。
 
 アメリカにとって中国は最大の市場であり、朝鮮半島、ロシア、中央アジアをにらむ時のパートナーである。北朝鮮の存在は日本にアメリカの軍事力のありがたさを思い起こさせる。奇妙なことだが、中国と北朝鮮は日米安保があるから日本を脅威に感じず、日本は中国と北朝鮮の脅威があるから日米安保を必要とする。そして自力で自国の安全を守れない国はどのような経済的要求にも応えなければならない。
 
 日米安保はアメリカにとって見事なまでに「日本封じ込め」を可能にした。だから金融危機で苦境に立つアメリカが苦境を分け与える相手は日本である。日本にカネがある限り日本のカネを利用できる。これがアメリカの対日戦略である。何が起きても日本は「日米同盟強化」を言い続けなければならない。こうして「仮想敵国日本」はアメリカの前から消え失せた。 
(田中良紹)

 

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