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【田中良紹氏、検察が説明責任を果たさず裁判の場で説明すると言うのなら小沢代表もその時に説明すれば良い。】
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投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 5 月 01 日 15:58:58: 4sIKljvd9SgGs
 

小沢辞任論の「公」と「私」
2009年4月2日 The JOURNAL
 幕末維新に生きた勝海舟は「公」と「私」を峻別した政治家である。「公」とは天下国家の見地から政治を行なうことであり、「私」とは自らの利益を優先して政治を行なうことである。
 
 勝は徳川幕府の幕臣でありながら、徳川家を守る事は日本国全体の利益、すなわち「公」にはならないと考え、坂本龍馬ら尊皇攘夷を叫ぶ反体制の若者を周囲に集めて指導した。幕府打倒の先頭に立つ薩摩藩の西郷隆盛に対しても幕藩体制より「共和制」政治の実現が必要だと説いた。徳川家を守ろうとする人々から見れば「裏切り者」だが、勝にすればそんな考えこそが「私」の政治という事になる。
 
 その勝は薩長が戊辰戦争を起こして幕府を武力で倒した事を「私」であると批判した。勝によれば明治維新は薩長が権力を欲した「私」の政権交代である。勝は徳川慶喜の「大政奉還」こそ「公」であると主張した。「大政奉還」は徳川家が権力を朝廷に返して平和的に政権交代し、その後の新体制を挙国一致で作り上げようとしたものである。幕府を支えた人材と反徳川の人材で新時代を構築しようとした。それこそが「公」の政治だと勝は言う。
2年前の「大連立」騒ぎの時、私はこの「大政奉還」を思い出した。それを決断した福田総理と仕掛けた小沢民主党代表の両者を「公」の政治家として評価した。ところが民主党もメディアも国民も「大連立」には強く反発した。国民の「民意」を無視する「裏切り」だと言った。私は政権交代についての考え方の違いにやりきれない思いを抱いた。
 
 民主党が選挙で勝って政権を取っただけで日本が良くなる訳はない。今この国が行き詰っているのは、戦後続いた自民党と官僚との協力関係が限界にぶつかったからである。官僚がシナリオを書き、それに政治が乗って、経済を主導した。その政官財の三角関係が世界を驚かす高度経済成長をもたらした。しかしそれゆえに世界はその成功の秘訣を解き明かし、日本という国の弱点を探り当てた。
 
 失敗は成功の母だが、成功は失敗の素になる。高度成長の成功に酔いしれた官僚と自民党の間に腐敗が生まれ、それが国民の目にも明らかとなった。日本を世界第二位の経済大国に押し上げた構造が今度は日本を凋落させる要因となっている。それを変えるところに政権交代の意義がある。新たな構造を作る作業は政権を取った民主党だけで出来るものではない。与党と野党は政策を巡る対立を抱えながら、官僚と政治との関係を変えることでは協力していかなければならない。民主党が政権を取ろうが自民党が政権を取ろうが、政治が官僚を主導する体制を作らないと冷戦後の国際政治に対応する事が出来ない。
 
 大連立で一時的な協力関係を構築した自民党と民主党が、次に政策を巡って対立し、選挙によって政権交代が図られれば、そうした新時代の政治体制になりえたと私は思ったが、その考えは理解されなかった。選挙でひたすら戦う政治は私には「私」の政治に見える。
 
 政権交代目前に起きた西松建設の政治献金疑惑を巡る検察の捜査は、献金疑惑の全容を解明しようとはしていない。多数の政治家や地方自治体の首長の名前が取り沙汰され、中には自殺をした人間までいるのに、それらの全容を解明する検察の意志が感じられない。感じられるのは小沢代表を辞任に追い込もうとする意志だけである。
 
 まず秘書の「逮捕」という衝撃によって辞任させようとした。それがうまく行かないと、与党の側から二階経済産業大臣一人を立件の対象にした。どのみち麻生内閣は改造目前である。それでなくとも二階大臣は辞任するはずだ。それを小沢代表の辞任を促す材料にするつもりに見える。それ以外にも世論調査や知事選の結果などが全て小沢辞任論の根拠となるよう仕向けられている。
 
 そこで小沢辞任論の根拠をひとつずつ考える。まず秘書逮捕という事実は辞任の根拠となりうるか。秘書が罪を認め、小沢氏も罪を認めれば辞任は当然と思われる。しかし秘書も本人も罪を認めていない。それならば裁判で判決が出るまで辞任はないと考えるのが普通である。二階大臣が仮に辞任をしても同様である。むしろ認めてもいないのに辞任する方が辻褄が合わない。
 
 「国民の声が辞任を求めているから謙虚に従うべきだ」という考えがある。世論調査の数字の事を言っている。しかし昨年以来7割近い国民が「総理を支持しない」つまり「総理を辞めろ」と言っているのに麻生総理は辞めない。その時に野党党首が同じ数字で辞めてしまったらお笑い種だ。それではとても政権交代を求める野党の党首足り得ない。大体、世論調査の数字だけで辞める政治リーダーなど世界にはいないのではないか。そんな気弱な人間は政治家にならない方が良い。国民の声とは世論調査ではなく選挙で示されるものだ。
 
 「説明責任を果たしていない」との批判がある。確かに検察の言う事と小沢代表の言う事は真っ向対立しているので「説明不足」に見える。しかしこれは検察と食い違っているためだから、小沢代表がいくら説明しても理解されない。検察と小沢代表の両方に説明を求めなければならない。検察が説明責任を果たさず裁判の場で説明すると言うのなら小沢代表もその時に説明すれば良い。説明がないから辞任しろと言うのは一方的な話である。
 
 「この問題が選挙に影響し政権交代が出来なくなるのは困る」と言う意見がある。これには多少の理がある。それを理解しているから、24日の記者会見で小沢代表は「辞任しないことの是非を国民に聞きたい」と言って早期の「解散・総選挙」を求めた。そのために党独自で選挙情勢分析を実施すると言う。その結果で政権交代に結びつかない事が判明すれば自ら身を引く覚悟だろう。それが今考えられる唯一の辞任の根拠である。つまり多少「公」を感じさせる辞任論である。
 
 それ以外は全て自分の選挙が苦しいから「辞めてもらった方が有利になる」とか、「選挙民に批判されるのが困る」とか、世間体を気にするようなつまらない「私」の辞任論ばかりである。もっとも私はただ単に選挙で政権交代することも「公」とは言えないと思っている人間だから、小沢代表の辞任論は全て「私」の政治の領域であり「公」はないのではないかと、泉下の勝海舟先生に聞いてみたいところである。
(田中良紹)

 

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