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【ビデオニュース、Googleブック・サーチが問う出版の未来】(書籍も新聞も嘘や偏った論調のものは淘汰される時代です)
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak23/msg/273.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2009 年 6 月 27 日 20:31:03: 4sIKljvd9SgGs
 

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090624-01-0901.html
Googleブック・サーチが問う出版の未来
2009年6月25日 ビデオニュース・ドットコム
ゲスト:村瀬拓男氏(弁護士)

村瀬拓男氏
 またまたGoogleという黒船が日本の扉を叩いている。街中を写真に収めて回るストリートビューや空から世界中が見えてしまうGoogleアースなど、これまであり得なかった画期的なサービスで物議を醸してきたGoogleが、今度はグーテンベルク以来の出版のあり方を根底から変えようとしている。
 Googleは契約した図書館の蔵書をスキャンしてデータベース化を進め、いずれは世界中の全ての本をデジタル化する方針を明らかにしている。そして、これは紙の著作物の流通で収益をあげてきた出版業界にとって、自らの存在を根底から覆しかねない大問題となっているのだ。
 このサービスは「Googleブック・サーチ」と呼ばれるもので、アメリカでは04年、日本では07年に開始したもの。Googleが契約した図書館(米ハーバード大学図書館など。日本の慶應義塾大学が参加)の蔵書を片っ端からスキャンしてデータベース化したことで、既に利用者は本のページの画像をネット上で見ることができるようになっている。また、本の全文がテキスト化されデータベース化されているため、キーワード検察でその言葉を含む全ての本をリストアップすることも可能になった。本の全文がテキスト化されデータベース化されたことで、一般利用者は欲しい本を手に取ることなくネット上で見つけ、アマゾンなどで購入することができるようになっている。
 しかし、このサービスに対して、05年、米作家協会などが本の権利者の許諾を得ずに全文をスキャンすることは著作権侵害だとして、Googleを提訴した。Googleは米著作権法が定めるフェアユース(公正な利用)に基づいていると主張し、米作家協会らはスキャンは無許可の複製であると主張したが、昨年両者の間で和解が成立し、許諾なしにスキャンした書籍については1作品あたり60ドルをGoogleが支払うことや、このサービスから得られる収益の63%を権利者に支払うこと、版権登録機関の設立費用をGoogleが出すことなどが決まった。
 この和解の成立で、権利者(出版社、著者)は和解案に参加するか離脱するかを迫られることになったのだが、なんとこれが、日本の出版社や著者にも及ぶことが判明し、日本の出版界は蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった。
 そもそもこの和解は、アメリカで行われた訴訟が集団訴訟(Class Action)という形をとっていたため、そこで得られた和解や判決は原告のみならず、その被害を受けた人全員に効力を持っている。それでも普通であれば自分が関わっていない外国の裁判所の決定になど拘束されないものだが、こと出版に関しては、日本はベルヌ条約という著作権を相互に保護する国際条約に加盟しているため、アメリカで保護が決まった著作権はそれが自動的に日本にも適用されるという。
 そのため、日本の著者や出版社も、和解を拒否したい場合は申請が必要で、一定の期限までにその意思表示がない場合は、和解を受け入れたものとみなされてしまうという。何とも乱暴な話だが、それがGoogleブック検索がまさに「黒船」である所以なのだ。
 出版業界と深い関係を持つ弁護士の村瀬拓男氏は、この和解案は出版業界のあり方を根底から覆すような、本質的な問題提起をしていると説明する。
 今回の和解案では、現在も市販されている本は目録情報や連動広告などのみが表示され、全文をネット上で読めるのは、絶版された本と、市販されていない本に限ることになっている。
 確かに、絶版され、市場で入手できない本がデジタル化されてネット上で読むことが可能になれば、従来、紙の本が持っていた物理的制約から解放される。しかし、紙の本を出版し、それを流通させることでビジネスを成り立たせてきた出版業界にとって、書籍の全文がデジタル化され、ネット上でそれが入手が可能になることは、自分達のレゾンデートルを脅かす大問題となる。なぜならば、Googleブック検索で全文を読むことができるのは、現時点では絶版された本に限られるが、これがいずれは全ての本に拡大していくのは、時間の問題と考えられるからだ。しかも、このサービスによって、利用者にとっては全面的に利便性が高まることになり、また、著者も63%という十分な利益配分を受けることができるため(現行の著者印税は通常10%!)、出版業界の利害のみを理由にして、この流れを一概に否定することも難しい。
 しかし、その一方で、Googleという米国の一企業が世界中の書籍のデジタルデータを独占することへの懸念もある。Googleが私企業であるがゆえに、この事業が未来永劫続く保障はどこにもないからだ。仮に全ての書籍データがデジタル化され、紙の出版が消滅してしまった後に、Googleが何らかの理由で倒産したり、経営上の理由からサービスの廃止を打ち切った場合、人類の英知が蓄積された本が、この世から消えてしまうことさえ、あり得ないとは言い切れない。
 その他にも、日本語はアルファベットに比べ、デジタル化した際の漢字認識の精度に問題がある。著者と編集者が力を合わせた結果として現在の書籍のクオリティがあるが、Googleブック検索では、日本人は間違いだらけのテキストデータで検索を行うことを強いられる可能性もある。
 本の売り上げは年々減少し、雑誌も相次いで休刊している中、時折繰り出すミリオンセラーでなんとか持ちこたえている瀕死の状態にある書籍業界にとって、今回Googleが突き付けた選択はあまりにも重い。今後出版業界はどう変わっていくのか。利用者にとっては一見いいことずくめにも見える書籍のデジタル化に、落とし穴はないのか。村瀬氏とともに議論した。
 


米著作権法のフェアユース規定とは何か

武田: Googleは、自分たちのやっていることというのはアメリカの著作権法が定めるフェアユースであると言っている。これは著作権法の対象にならないのか。
 
村瀬: そのような使い方であれば著作権侵害にならないという考え方を示しているということだ。日本の著作権法では、教育用に使うとか、図書館において一部分を複写するとか、そういった使い方が個別的、限定的に列挙されているが、アメリカにおいては限定列挙とは別に、公正な利用に関しては著作権侵害にならないという包括的な規定がある。日本では個別に規定されている引用なども含めて、権利者を侵害しないような使い方だったら自由にさせていいのではないかという発想の下にアメリカでは包括規定が置かれている。それがフェアユース規定だ。
 
武田: この範囲に入っているのでGoogleのやっていることは問題ないという主張ということか。しかし、そこには連動広告が出ていて、Googleは収益を上げている。日本の感覚だと営利行為なのにフェアユースなのかと思ってしまうが、アメリカでは考え方が違うのだろうか。
 
村瀬: 営利か営利ではないかはあまり本質的な違いではないのだが、少なくともアメリカにおいてはフェアユースの範囲内だとGoogleは主張している。それはなぜかといえば、このように図書館にあるものをデジタル化して、とくに図書館を集中的に利用するようなユーザーに提供するようなことは、これまでの権利者はきちんとやっていなかったじゃないかと。これまでの権利者がきちんとやっていなかったことを我々はやっているのだから、文句あるまいという主張だ。


和解後のGoogleブック・サーチ

武田: 和解案に書かれている、市販されている本は非表示使用とするとはどういうことか。
 
村瀬: 絶版や、すでに市販されていない本に関してはGoogleブック・サーチの中で本のページイメージなどを原則として表示をして、読ませることできる。逆に言うと、市販されている本は中身まで読むことはできないことになる。非表示使用というのは中身を読むことは出来ない形でのみ使われるということを指し、具体的には、キーワードを入力したときに、表示使用可の本であれば画面上に本のイメージがでるが、非表示使用の本に関してその本の存在があるという情報までは出ても、その中身については一切表示されない。
 
武田: 和解では絶版された本、市販されていない本については表示使用とするとなっているが、ここで問題になってくるのが絶版の定義だ。日本の場合は、出版社は絶版だと認めず、品切重版未定であると説明することが多い。
 
村瀬: そこのところが日本の出版慣行と密接に関係しているところで、Googleが各国の事情を想定したとしても、品切重版未定は入手できていないわけだから、これは表示使用のカテゴリーに基本的に入るだろう。今のGoogleの解釈に置いてもそういうことになると思う。問題は、果たしてそれでいいのかということ。とくに出版社の側に問題がある。
 出版社にとって品切重版未定というのは、多くの場合、純粋に商売上の問題で、常に在庫を持っているとそれなりに在庫のコストがかかる。そのため在庫を最小限にしたいわけで、ある程度注文がたまってからおもむろに重版をして売り切って、またしばらく品切れのまま置いておく。ただし、出版できる権限だけはずっと自分のところにホールドしておくと。それには一定の合理性というものが、少なくとも紙の流通においては、商売のことを考えるとあったのだと思う。
 ただデジタルの場合は在庫コストというのを基本的に考える必要はないわけだから、このような品切重版未定というステータスを著者との関係で出版社に対してどのぐらい認めるべきなのかというのが、国内問題として浮上してきた。具体的に今回のGoogleの和解においては、許諾なしにデジタル化した書籍に対しては60ドルが支払われることになるが、絶版のものはダイレクトに著者に対して支払われるが、Googleとしては入手不可能なものであっても著者と出版社のあいだになんらかの契約関係がある場合には、出版社に対して支払うというルールになっている。そうすると出版社は品切重版未定のものに関しては60ドルを受け取って、それを著者に対して分配しなければいけない。出版社としては、その本は自分にとって権利があるのかないのかというのを、Googleに対して意思表示をしないといけないことになる。意思表示をしなければ著者のもので純粋な絶版扱い、もし品切重版未定で自分のところに権利があるというのだったら、同じようにGoogleに対しても自分のところに権利があるのだから60ドルよこしなさいというようにオファーすべきだということになると思う。
 
宮台: 著者と出版者の間でトラブルが起きそうな気がする。
 
武田: 品切重版未定の本は市場にないわけで買えないわけだから、自分で自費出版をしたいと思う人もいる。でも出版社としては権利が残っているので、それはできない。著者としては、非常に辛い状況にある。
 
村瀬: ただ、今は、品切重版未定でも厳密には紙の契約書が存在しない場合も多いし、契約書があったとしてもあまりにも市場に流通させない状態であれば、著者自らが出版権の取り消しも請求できるというような規定が、実際に著作権法にもある。これまでは著者自身が紙しか流通できる方法がなかったから、出版社の都合に合わせて我慢せざるを得なかったということなのだろうと思うが、今回のGoogleブック・サーチを含めてデジタルで展開するとなったときに、ここで表面化してきて問題というのはわりと大きな問題だと思う。
 


私企業であるGoogleが運営することに問題はないのか

武田: フェアユースの議論ではある種の公益性が問われていると思うが、Googleが私企業であるということが引っかかる人がいると思う。それについてはどのように考えたらいいのか。
 
村瀬: 一概には言えないが、Googleは高邁な使命を掲げている。これは当然のことながら、創業者の人たちがそのように発想したことではあるが、少なくとも営利企業として存在している以上、その創業者の枠を離れて、二代目、三代目となってきたときに、その使命が果たして保証されるかどうかというのは全くコントロール不可能だ。そこのところを私企業に任せていいのかというところが、純粋経済的に続いていくその運営者の移り変わりで、誰も担保できないと言ったところと関係しているのだろうと思う。その点、図書館とか国の機関というものはかなりガチガチに固められているからこそ、そこを担当する人間はそれを実現することが目的で、利益を上げることが目的ではない。その意味で使命というのは守られやすい。
 
武田: 構造的にはそのとおりだと思う。
 
村瀬: 仮に公共的なものであってもヘッドが恣意的に無茶苦茶することもあるし、逆もまた然りなので、一概に私企業だからダメで公的なものだからいいとは言い切れないが、50年100年という時間の流れを考えた時には、公的な枠組みの方が存続させやすいというぐらいの違いはあるのかなと思う。
 
宮台: 物事を変えること自体は悪いことではないが、急速に変えるといろいろ問題が生じる。例えば、人には、適応限界、適応の速度の限界というものがあって、そんな素早くは適応できないし、例えばそこから出てくる副作用もちょっとずつであれば対処しながら前に進めるけど、一挙に出てきたら対処できないよということもある。変化の速度は結構大事だというのが、例えば科学哲学なんかでよくテクノロジーの変化を評価するときに言うことだ。変化自体はいいかもしれない。しかし、いい変化も、速く起こればいい変化ではなくなる。
 例えば、それはスティグリッツという人が、グローバライゼーションはおそらくいいことだと思うけど、速度が速ければ、ネガティブな副作用の方が大きくなるので、グローバライゼーションはいいとは言えなくなるし、人々はそれに同意しなくなってしまうので速度が大事だと言った。私企業としてのGoogleも、やはり事業を一挙に拡大することが彼らにとってビジネス上のメリットがあるということと、それとは別に、例えば和解に向かって丁寧に進むであるとか、とくに疑わしき繁栄については早めに結論を出さないでホールディングした状態で進んでいくようにすると、私企業であるけれどもパブリックマインドがあるのかもしれないなと人々が信頼をおきはじめるということがある。そういう意味で、くれぐれもGoogleしてもらいたいと思うが、そうしないと自分たちの首を絞めることになるのかなという気がする。


出演者プロフィール

村瀬 拓男(むらせ・たくお)
弁護士。1962年大阪府生まれ。85年東京大学工学部卒業。同年新潮社入社。週刊新潮編集部、電子メディア事業室等を経て05年退社。06年弁護士登録。
 
武田 徹(たけだ・とおる)
ジャーナリスト。国際基督教大学大学院博士課程修了。84年二玄社嘱託として編集・執筆を担当し、89年よりフリー。著書に『NHK問題』、『偽満州国論』、『隔離という病い』など。07年より恵泉女学園大学文学部教授を兼務。
 
宮台 真司(みやだい・しんじ)
首都大学東京教授/社会学者。東京大学大学院博士課程修了。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授を経て現職。専門は社会システム論。博士論文は『権力の予期理論』。著書に『制服少女たちの選択』、『14歳からの社会学』、『<世界>はそもそもデタラメである』など。

※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。

 

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