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与党議員17名造反で「バカヤロー解散」へ(植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/09/senkyo57/msg/178.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 12 月 25 日 18:21:48: twUjz/PjYItws
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/17-dc20.html

2008年12月25日 (木)
与党議員17名造反で「バカヤロー解散」へ


『金利・為替・株価特報081号』の発行日を12月25日に変更させていただきました。2008年の年間回顧、2009年の見通し、景気情勢、政局、「日本版CHANGE」、為替変動、投資戦略など、8項目について記述しました。ご購読者のお手元に配送されるのは12月26日以降になりますので、なにとぞご了承賜りますようお願い申し上げます。


麻生首相は12月24日の記者会見で、通常国会に提出する第二次補正予算案について、民主党が提案している定額給付金を切り離す提案について民主党との協議に応じることを拒否した。


政府が提出する予算関連法案審議について、野党が政府案に反対すると3分の2条項を活用せざるをえなくなることなどについて記者から質問されると、麻生首相は次のように答えた。


「これが通らなければ減税にならないという状況に置かれるということになるにもかかわらず、それを通さないとか、引き延ばすということの方が、国民からの理解を得にくいのではないか。


基本的に今の景気の厳しさというものを、分かっている国民にとりましては、この減税というのは極めて大きいと、私はそう思っていますので、その意味で、この種の関連法案が通らないというようなことは、私どもとしてはなかなか考えにくいと。基本的にはそう思っています。」


世界は麻生首相を中心に回っていない。子供のころから、すべてが自分中心に回ってきたのかも知れないが、それはあくまで私的な世界でだけ通用することだ。


首相は日本で最も大切な公的な職務だ。政治は政治家のために存在するのでない。国民のために存在する。日本国憲法やさまざまな法律で制度が決められているが、根本の規定として、「日本国民が主権者であること」を踏まえて首相の職責を果たさなければならない。


世論調査によると麻生内閣を支持する国民は17%しかいない。65%の国民は麻生内閣を支持していない。定額給付金については、国民の7−8割が評価していない。また、総選挙の早期実施を求める国民が6割−8割に達している。


麻生首相が「100年に1度の暴風雨が荒れているから、補正予算、本予算、関連法案審議を迅速に行なって欲しい。野党が予算や関連法案の成立を阻止することに対して国民が批判するだろう」と発言しても、「唇寒し」だ。


麻生首相は10月10日発売の月刊誌で、臨時国会冒頭の解散総選挙を宣言したのに、自民党の選挙予測調査で自民党敗北予想が出たために、解散総選挙を先送りした。首相は自分の言葉に責任を持たなければならない。解散総選挙を宣言したからには総選挙を断行すべきだ。総選挙を実施しないなら、月刊誌での宣言を撤回して謝罪すべきだ。予算委員会で民主党の石井一代議士が麻生首相を厳しく追及したのは当然だ。(なお、youtube映像のタイトル「石井一氏の質疑が酷い」の「酷」は「凄」の漢字間違いと考えられる。)


10月30日の記者会見では「追加景気対策で重要なのはスピード、迅速にということだ」と述べた。「企業の年末の資金繰りが大変だ」とも述べた。誰もが「スピードが大切だ」と思った。


ところが、麻生首相は補正予算案の国会提出を2009年にまで先送りした。民主党の小沢代表が党首会談を申し入れて、予算案の臨時国会提出を強く求めた。麻生首相がかねてから念願していた党首討論が11月28日についに実現した。


「国民の前で堂々と論議すること」を強く要望したのは麻生首相だった。党首討論でも小沢民主党代表は補正予算案の臨時国会提出を求めた。麻生首相は「第一次補正予算で年末までの対策は十分だ」と、10月30日の発言と完全に矛盾する説明をして、補正予算案の国会提出を拒絶した。


小沢代表は「100年に1度の金融危機で、景気対策が優先されるから総選挙を先送りしたと言うが、景気対策を迅速に具体化しないで良いと判断するのなら、12月に1ヵ月の時間があるから、十分に選挙を実施できるではないか」と詰め寄った。


麻生首相は国民に理解できる説明を示せなかった。党首討論後の世論調査で麻生内閣の支持率が暴落した。首相にふさわしい人物についての質問でも、小沢民主党代表が麻生首相を完全に上回る状況が生じた。


国民は一連の経緯をしっかり注視している。麻生首相がいかにいい加減な発言ばかりを繰り返しているのかをよく知るようになった。解散総選挙を宣言したのに、自民党敗北の予想が出たから総選挙を先送りする行動は、理解できなくはないが、総選挙を先送りするなら、潔(いさぎよ)く発言を撤回するべきだった。総理の椅子にしがみつく麻生首相の卑怯(ひきょう)な行動が国民の不興(ふきょう)を買っている。


12月には野党が雇用対策関連法案を参議院に提出し、参議院では可決した。参議院が可決した雇用対策関連法案は麻生政権が提案している政策の多くを取り込むものだった。年末を控えて日本経済はつるべ落としに悪化し、多数の国民が不当な解雇に遭遇(そうぐう)して「命の危険」に直面している。


湯浅誠氏のように困難に直面する人々に対して直接支援の力を注ぐ素晴らしい人物が存在する一方で、麻生首相は「政局」を理由に、雇用対策関連法案を衆議院で廃刊にしてしまった。国民の幸福よりも総理の椅子の方が大切であることを、取り返しのつかない行動で示してしまった。


「それを通さないとか、引き延ばすということの方が、国民からの理解を得にくいのではないか。」と通常国会での野党の行動を牽制(けんせい)しても、「国民から理解を得にくい」行動を取ったのは「あなたの方ですから!」と大半の国民は判断する。


24日の衆院本会議で野党が提出した衆議院解散決議案に自民党の渡辺喜美議員が賛成した。決議案は否決されたが自民党から造反者が出た影響は極めて大きい。麻生首相に対して明確に反旗をひるがえしたにもかかわらず、自民党は渡辺議員に対して、造反容認と受け止められる「戒告」の処分しか行なえなかった。


「定額給付金」政策は、国民の7−8割が評価していないだけでなく、与党議員の多数が疑問視している政策である。野党が補正予算案から定額給付金を切り離して、定額給付金以外の補正予算を早期成立させようと提案するのは、極めて建設的である。


麻生首相が野党の建設的な提案を拒絶する結果として、補正予算成立、本予算成立、関連法成立が立ち行かなくなるとすれば、国民の批判が麻生首相に向かうことは間違いない。


野党が反対する法律成立には衆議院での3分の2以上の多数での再可決が不可欠だ。与党から17名以上の造反が生じると再可決は成立しない。自民党から17名以上の造反が出ることは確実な情勢だ。


福田首相が行き詰まったのも国会の現実を直視しないことが原因だった。国会は衆議院だけで構成されていない。衆議院と参議院の二院構成になっている。予算と首相指名については衆議院の決定が参議院に優越するが、一般の法案については、参議院の同意を得られない場合、衆議院で3分の2以上の多数で再可決しないと衆議院の決定を生かすことができない。


参議院の過半数は野党が確保している。野党が参議院で過半数を制したのは2007年7月の参議院選挙の結果だ。直近の国政選挙は2007年7月の参議院選挙であって、このとき安倍晋三首相は参議院選挙が政権選択の選挙だと明言した。この選挙で野党が大勝した現実、安倍元首相の言葉を自民党は噛みしめるべきだ。


福田首相は野党の主張を無視して財務省出身者の日銀幹部への天下りに執着し続けた。党首討論で「かわいそうなくらい苦労している」と愚痴をぶちまけたが、参議院の過半数を野党に付与した国民の意思を無視した政治行動が、福田首相を「無責任極まりない政権放り出し」に導いたのだ。直近の国政選挙で国民は野党を信任し、与党を見限ったのだ。


「議会制民主主義」ではない「議員内閣制」のルールに則(のっと)って麻生太郎氏が首相の地位にあるのは事実だが、「国民主権」の根本原則を踏まえるなら、衆議院だけでしか多数を確保していない政治勢力を代表する首相は、野党の主張を最大限尊重して政権運営に臨まなければ、政権運営は確実に行き詰まるのだ。


麻生首相が自分の信念と価値観、哲学に基づく政策を全面的に展開したいのなら、その前に国民の意思を確認することが不可欠である。総選挙のマニフェストに麻生首相の掲げる政策を掲げ、国民が麻生政権を支持するなら、麻生首相は国民の支持を原動力にして強いリーダーシップを発揮すればよい。


国民に信を問うこともせず、野党が過半数を確保している参議院の意思を無視して政権が主張する政策をゴリ押ししようとしても、円滑(えんかつ)に議会を通過するはずがない。


麻生首相は「政治は国民のために存在すること」、「意思決定の主権は国民にあること」という、議会制民主主義制度の「いろは」から学び直すべきだ。


17名以上の与党議員が造反するとき、麻生内閣は崩壊する。内閣総辞職か衆議院解散・総選挙のいずれかが選択されることになる。麻生首相は恐らく造反議員に対して「ばかやろー」の言葉を浴びせて解散・総選挙の道を選ぶだろう。


日本の命運を分ける歴史的な総選挙が2009年4月までに実施される可能性が濃厚になった。

 

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