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政権交代阻止を目論む断末魔の逆襲(植草一秀の『知られざる真実』)
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投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 1 月 12 日 09:09:39: twUjz/PjYItws
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-a726.html

2009年1月11日 (日)
政権交代阻止を目論む断末魔の逆襲


「官」僚は「天下り」の利権が何よりも大切。役所には大臣官房秘書課というセクションがある。企業の総務部人事課に該当する。役所内の人事もあるが、「天下り」を一括管理する。役所のなかでの最重要セクションである。財務省の場合、大臣官房に「秘書課」と「文書課」があり、事務次官に上り詰める人物はどちらかの課長を務めるケースが圧倒的に多い。「文書課」は国会に提出する文書を統括する部署で、各省庁を統括する部署でもある。


「天下り」を統括する責任者が官房長で事務次官に就任する者がほぼ確実に経験するポストになっている。


民主党を中心とする野党が衆議院選挙に勝利して政権交代を実現する場合、「天下り」が根絶される可能性が高まっている。もちろん、「渡り」も排除される。霞ヶ関は特殊法人、独立行政法人、公益法人、民間企業に膨大な「天下り王国」を築いてきた。


「官僚主権構造」の根幹に位置付けられるのが、この巨大な「天下り王国」である。民間企業への天下りを除外しても、公益法人などの「天下り機関」に国は毎年度12.6兆円もの国費を投入している。「天下り」を根絶すれば、巨大な財源を確保することが出来る。国民生活を苦しめるセーフティネットの破壊と庶民大増税を回避することが可能になる。


しかし、「霞ヶ関」は「巨大利権」を失うことになる。「霞ヶ関」は全精力を注いで、本格的な政権交代阻止に動いている。


大企「業」=大資本は、経済政策の基本が「市場原理主義」から「人間尊重主義」に転換することを、全力をあげて阻止しようとしている。小泉竹中政治は「市場原理主義」の経済政策を一気に日本に定着させた。


年末年始の「年越し派遣村」がクローズアップした製造業による一方的な「派遣切り」の横暴は、小泉竹中政治が生み出したものだ。


大資本にとっては、
@労働者の賃金が低く、A労働者をいつでも解雇でき、B労働者に対する福利厚生負担が低く、C法人税負担が低く、D株主と経営者の分配所得が高いこと、が常に望ましい。小泉竹中政治が追求した方向である。


製造業に対する「登録型派遣」解禁は、大資本にとっての福音(ふくいん)だった。企業は派遣労働者を「機械部品」のように扱うことになった。多くの企業で派遣労働者を管理する部門が人事部でなく調達部門であることが、企業の派遣労働者に対する基本姿勢を物語っている。


企業はせっかく手に入れた「魔法の杖」を手放したくない。2000年から2008年にかけて企業は、労働分配率を引き下げる一方で、役員報酬を倍増させ、史上最高益と史上最大の内部留保を蓄積してきた。「資本の利益拡大」は「非正規雇用労働者の犠牲」の上に実現したものだった。


重要なことは、政府が「働く国民の生活を確実に守る」ことを基本に据えて、労働市場のルールを設定することである。企業が自由に「派遣切り」を実行しても、「派遣切り」の被害者の生活を政府が責任をもって支えるのなら問題は生じない。


しかし、「超短期」の派遣労働従事者に対して長期の生活保障を実行すれば、労働者の生活を支える「雇用保険」的な制度は財政的に破綻してしまうだろう。


したがって、企業に対して一定の「責任ある雇用」を求めることが必要になる。製造業においては工場の稼働率の操作によって生産量が大きく変動しやすい特性がある。働く人間が「機械部品」であるなら、企業の事情で生産を急拡大したり、急減させたりすればよいだろう。


しかし、人間に対するこのような対応は「人間性」を無視した企業の蛮行(ばんこう)としか言いようがない。「法令遵守(じゅんしゅ)=コンプライアンス」、「環境問題重視」、「社会的責任投資重視」などを提唱する企業が労働者に対してだけ、「人間性無視」の行動を取ることは許されない。


労働者に対する企業の責任を重視することは、「企業の社会的責任」を重視する立場から当然に要請されることだ。現状での「派遣労働制度」は企業にとって好都合な制度であるだけで、「労働者」の生活を守る視点が完全に欠落している点に問題がある。賃金、各種社会保険、雇用の安定性、雇用保険のすべての面で「派遣労働者」の処遇が低位に設定されている。


企業の事情で「いつでも首を切れる一番便利な社員」(坂本哲志総務政務官HPに見られる表現)が「派遣労働者」であるとの派遣労働制度の本質を踏まえれば、現状では「製造業」に対する「派遣労働」を禁止することがもっとも現実的な対応である。


民主、共産、社民、国民の野党4党は協調して製造業に対する派遣労働禁止に動き始めた。「大資本」は「資本の利益」にとってきわめて有利な、非人道的な「労働者の機械部品化」を容認するこの制度を手放したくない。麻生首相は「資本の論理」を代弁して、製造業への派遣労働を存続させようとしている。


「外」国資本は、外国資本に巨大利益を供与し続ける自公政権の存続を強く求めている。ブッシュ政権がイラクに軍事侵攻したときも、小泉政権は正当性の根拠を精査することもなく、「ポチ」のように従順に米国の行動を絶賛した(詳しくは拙著『知られざる真実−勾留地にて−』を参照されたい)。


米国は米国の利益のために「郵政民営化」を強力に要請した。小泉竹中政権は米国の指示通りに郵政民営化を実現した。また、小泉竹中政権は2003年にかけて日本経済を破壊して、日本の資産価格を暴落させ、米国資本に日本の優良資産を破格の安値で提供した。日本企業を容易に買収できる制度変更も実施した。


米国に隷属し、米国の指示通りに動き、米国に巨大な利益を供与する政権は米国にとってかけがえのない存在である。イラク戦争での米国の不正義が世界の常識になった今も、ひたすら米国に隷属し続ける自公政権を米国資本は必死で温存させようとするだろう。


小泉竹中政権時代の外貨準備を通じた50兆円もの米国への資金提供も、帰ってこない金になる危険が日増しに高まっている。麻生首相は総理に就任すると、米国への「恭順の意向」を示す印なのか、すぐさま10兆円の外貨準備資金をIMFに、2000億円を世界銀行に献上することを国会の承認も得ずに約束してきてしまった。


もはや日本は独立国ではない。米国の完全な植民地と化している。


小泉竹中政権は「官」、「業」、「外」の利権を追求する政治を実現するために、マスメディア=「電」波の完全支配戦略を重視して実行した。新聞、テレビのマスメディアが政治権力によって完全支配されるようになった。


田原総一郎氏、みのもんた氏などの報道番組司会者だけではなく、北野たけし氏、テリー伊藤氏、宮崎哲哉氏などのタレント、三宅久之氏に象徴される政治評論家などが、情報操作に総動員されてきたと考えられる。


民間放送局、新聞社は事業活動の大半を企業からの広告収入に依存している。政治権力、大資本、広告代理店の意向に逆らえないのがマスメディアの宿命であり、企業の営利目的とより強い情報源獲得のために、マスメディア自身が進んで、政治権力に擦り寄る行動が拡大した。


「霞ヶ関」で圧倒的な権力を有するのが財務省だが、マスメディアは財務省関連の審議会等に取り込まれ、「霞ヶ関」とも「利権互助会」の一員として癒着するようになった。「警察」、「検察」へのマスメディアの迎合も持続している。


「官」、「業」、「外」、「電」の巨大利権を死守することが「麻生政権」=「自公政権」の至上命題である。「市場原理主義」の破綻が明白になり、「郵政民営化が売国政策の一部であったこと」が誰の目にも明らかになり始めて、「政官業外電=悪徳ペンタゴン」の利権構造が崩壊に危機に直面している。


しかし、巨大利権を維持しようとする「断末魔」のエネルギーが、想像を絶するほどに強烈であることを十分に認識しなければならない。


衆議院解散権が内閣総理大臣の「私物」のように取り扱われ、総選挙が先送りされている最大の理由は、自民党惨敗の可能性が濃厚であるからだ。田原総一郎氏は相変わらず権力の走狗(そうく)として偏向報道を続けている。具体的内容については機会を改めて記述する。


渡辺喜美新党が創設される場合、その目的は本格的政権交代の阻止にある可能性が高い。最後の最後まで気を抜くことは許されない。「敵」はいかなる手段をも用いる勢力である。政治を「利権互助会」の手から「国民」のもとに取り戻すまで、全力をあげて闘い続けることが不可欠である。

 

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