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年金改ざんは「無かった」。 遡及訂正は保険加入者間の負担の公平のための唯一の手段 郷原信郎 日経BO
http://www.asyura2.com/09/senkyo59/msg/1133.html
投稿者 倉田佳典 日時 2009 年 3 月 30 日 08:45:45: eahs5MlcSyO0.
 

(回答先: 「年金改ざん」批判は根拠のない「空中楼閣」バッシングの元凶は舛添厚労大臣の「人気取りパフォーマンス」(日経BO) 投稿者 南青山 日時 2009 年 3 月 03 日 00:44:33)

※重要だと思いますので、主意部分を転載しておきます。

会社をダメにする“法令遵守”
2009年3月2日(月)
「年金改ざん」を巡る思考停止が厚生年金を崩壊させる
舛添厚労大臣が断罪した「社保庁の組織的関与」の中身
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090227/187591/?P=2
郷原 信郎

 厚生年金については、給与や報酬の実態に応じて事業主が個々の保険加入者の標準報酬月額を申告することになっており、それを基準に毎月の保険料が決まり、将来年金を受給する権利も生じる。この標準報酬月額の「遡及訂正」、つまり遡って引き下げる手続きをしたことが問題にされている。それによって、支払うべき保険料が遡って安くなるので、保険料の滞納額が帳消しになる一方、将来受け取ることになる年金額も減少する。

 ただ、「改ざん」と言っても、事業主の申告もなしに、社保庁職員が勝手にやったというのではない。少なくとも事業主自身の申告に基づいて遡及訂正が行われている。給与から保険料を天引きされている従業員の報酬月額がその本人の知らないうちに事業主によって勝手に引き下げられて、保険料の滞納が帳消しにされたのであれば、事業主による保険料の着服・横領そのものであり、それによって従業員の将来の年金額が不当に減らされ実質的な被害が生じる。舛添大臣が「犯罪」「刑事告発」などという言葉を口にするのは、そういう事業主による保険料の着服に社保庁職員が関わっている疑いがあるという意味のはずだ。


しかし、そのような事業主の犯罪行為が実際にどの程度行われていたのかは、明らかになっていない。従業員分の報酬月額の遡及訂正に社保庁職員が関与したと疑う根拠はほとんどない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090227/187591/?P=3
 一方、事業主が自分の標準報酬月額の遡及訂正の申告をするのは、将来の年金が減ることを本人が納得したうえで手続きを行っているのだから実質的な被害はない。2008年11月28日に公表された調査委員会報告書で「社会保険事務所の現場で半ば仕事として定着していた」と述べているのは、このような事業主自身の標準報酬月額の遡及訂正だ。しかし、そのような行為が多くの社会保険事務所で恒常的に行われていたことには理由がある。


厚生年金は大企業向けに作られた制度

厚生年金は事業者に雇用される労働者を対象とする公的年金で、すべての法人事業者と従業員5人以上を常時雇用している個人事業主が厚生年金への加入が義務づけられ、従業員の保険料の半分は事業主が負担することになっている。個人事業主の場合は、事業主自身は厚生年金には加入できないが、法人事業者は、経営者もその家族も、法人から報酬を受け取っている限り厚生年金の加入の対象となる。厚生年金に加入すると、給与や報酬の額に応じて事業者の申告によって設定される標準報酬月額を基準に保険料の支払い義務と将来年金を受給する権利が生じる。

 このような厚生年金の制度は、経営基盤が安定し、経営者や従業員の社内での地位や待遇も明確に決められている大企業向けのものだ。大企業の場合、従業員の給与は給与規定などの社内規則で定められていて、その支払いの事実は賃金台帳に記載され、役員の報酬も取締役会決議などで定められているので、給与・報酬の金額が客観的に明らかでそれに応じて標準報酬月額を定めることが容易だ。

 資金繰りも計画的に行われ、社会的信用を重視するので、経営状態が変化しても社会保険料を滞納することもほとんどない。あらかじめ定められた標準報酬月額に基づいて保険料と年金受給額を定めるという方法での年金制度の運用に適している。

 しかし、中小零細企業の場合は、法人であっても、その実態は個人事業者に近いものが多く、事業主が代表取締役、その親族が取締役という場合が多い。経営も不安定であり、収支が悪化すると、借金返済や従業員の給与の支払いが優先され、社会保険料の滞納が生じやすい。

 しかも、いったん滞納すると、年に14.6%という“サラ金”並みの延滞金がかかるので、滞納額は雪だるま式に膨れ上がっていく。一方、事業主も、形式的には法人の取締役などの地位にあっても、その報酬が「客観的に定まっている」とは到底言い難い。経営が悪化すると、報酬を受け取るどころか、売掛金や従業員の給与の支払いを事業主の借金で賄うというような「持ち出し」になることも珍しくない。

 一方、標準報酬月額は、厚生年金加入の時点で事業者の申告によって定められ、毎年度改定することになっているが、中小零細企業の場合、改定が行われないまま放置されていることも多い。経営悪化のため保険料を滞納している事業主の場合、標準報酬月額が実際の報酬額より高い額のまま放置されている場合が多い。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090227/187591/?P=4
 中小零細企業の場合、あらかじめ給与・報酬の実態に応じて定められた標準報酬月額に基づいて保険料と年金受給額を定めるという厚生年金制度を適用していくことが、もともと困難なのだ。


保険料を払っても払わなくても将来の年金額は変わらない

 そして、重要なことは、厚生年金の場合、加入期間の標準報酬月額に応じた年金受給権は、保険料を滞納していても、事業主の倒産などで支払い不能が確定しても、全く変わらないということだ。要するに、厚生年金は保険料を払っても払わなくても将来もらえる年金は変わらない。労働者のための公的保険で、労働者は給与から保険料を天引きされているので、事業主が保険料を払わなかったからと言って年金がもらえないのはかわいそうだというのが、その理由だ。しかし、その結果、保険料を払わなかった事業主自身も、払った場合と同額の年金が受給でき、その分は、まじめに保険料を支払っている他の年金加入者が負担することになる。

 「そんなバカな!」と思われるかもしれない。調査委員会の調査を始めた段階では、委員も調査員も誰もこのことを認識していなかった。調査の過程で、厚労省の側に説明を求め、ようやく、それが確認できたのだ。このような厚生年金制度の下では、事業主の保険料滞納を放置すると保険加入者間の負担の公平を害することになる。

 徴収率を維持するために社保庁職員が行うべきことは、まずは粘り強く説得して保険料を支払ってもらう努力をすることだ。しかし、経営不振で資金繰りに苦しんでいる中小零細企業に滞納している保険料を支払わせることは容易ではない。その場合、法律が予定している正規の手続きは、調査委員会報告書でも言っているように「毅然たる態度で滞納事業者の財産の差し押さえを行うこと」だ。

 しかし、中小零細企業には差し押さえて換価処分できるような会社名義の財産などほとんどないし、事業に不可欠な設備や売掛金が入金される銀行口座を無理に差し押さえたりすればただちに倒産してしまう。実際には、財産の差し押さえで保険料の滞納を解消することは容易ではない。


遡及訂正は保険加入者間の負担の公平のための唯一の手段

 そうなると、支払い困難な中小零細企業の事業主の保険料滞納を解消する唯一の方法は、事業主の標準報酬月額を遡って引き下げて、支払うべき保険料自体を遡って減額することだ。経営不振で資金繰りに困って長期間にわたって保険料を滞納している事業主であれば、まともに自分の報酬など受け取ることすらできない場合も多い。そのような事業主の標準報酬月額を遡って引き下げるのは、基本的に報酬の実態に近づけるもので、必ずしも「不適正」とは言えない。

 保険料が支払い困難な経営状態の事業者の滞納事案を放置した場合には、その事業者が倒産して多額の滞納が確定すると、保険料を支払わなかった事業主に将来多額の年金が支給されることになり、その資金は他の保険加入者が負担するという不合理な結果になってしまう。何とかして、そのような滞納を解消しようとするのが当然であり、それを放置する社保庁職員の方がよほど無責任と言えよう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090227/187591/?P=5
 このように考えると、中小零細企業も含めて法人事業者にはすべて厚生年金への加入を義務づけている現行制度の下では、支払い困難と思える事案について、最終的な手段として、事業主側の納得を得たうえで標準報酬月額の遡及訂正を行うことは、加入者間の負担の公平を確保しながら年金財政を維持していくためにやむを得ない措置であったと言える。
 

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