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東京高裁「植草一秀氏名誉回復訴訟」、毎日新聞への請求は逆転敗訴:ひらのゆきこ(JANJAN)
http://www.asyura2.com/09/senkyo59/msg/221.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 2 月 20 日 23:25:15: twUjz/PjYItws
 

http://www.news.janjan.jp/living/0902/0902187781/1.php

東京高裁「植草一秀氏名誉回復訴訟」、毎日新聞への請求は逆転敗訴
ひらのゆきこ2009/02/20


 経済学者の植草一秀氏は、「サンデー毎日」がセクハラ事件≠ノ関係して事実無根の記事を掲載したため、名誉を毀損されたとして毎日新聞社を提訴、一審の東京地裁で実質勝訴したものの、二審東京高裁は18日、逆転敗訴の判決を出した。東京高裁は、記事に出ている「事実」について審理しなかったうえに、一審判決の解釈を変えて結論を導き出しており、裁判所の責務を果たしていない、といわざるを得ない。弁護団は「ほかの刑事事件との関連を考慮に入れた、結論ありきの裁判」と厳しく批判している。


 週刊誌に事実無根の記事を書かれ、名誉を棄損されたとして毎日新聞社を訴えている経済学者の植草一秀さんの、「植草一秀氏名誉回復訴訟」控訴審判決が18日、東京高裁から出されました。

 植草さんは、毎日新聞社のほかにも、小学館、徳間書店、講談社、朝日放送に対し、同種の民事訴訟を提起しており、いずれも一審で勝訴しています。小学館と朝日放送は和解ですが、両被告は植草さんに対し、慰謝料の支払いと謝罪文の掲載及びテレビでお詫び放送を行い、実質、植草さん勝訴の内容となっています。毎日新聞社以外の他の4社については、すでに判決が確定しています。

対毎日新聞社「名誉棄損訴訟」のこれまでの経緯

 毎日新聞社に対する訴えは、『サンデー毎日』(2004年5月2日号)に掲載された「女子高生のスカートの中をのぞいて御用『不当逮捕』を主張する植草一秀センセイの『天国から地獄』」というセンセーショナルな見出しの記事の中で、「セクハラ癖があることは業界では有名です」などとする記述は事実無根であるとして訴えられたものです。

 昨年9月に東京地裁で言い渡された1審判決は、植草さんの訴えを認め、毎日新聞に対し33万の支払いを命じました。毎日新聞はこの判決を不服として控訴しました。控訴審では口頭弁論が1回開催されましたが、問題となった記述について裁判長が弁護団に見解を求めるといった質問があったものの、実質審理はなく、今回の判決言渡しとなりました。

 新聞社が出している雑誌に事実無根の記事を書かれ、名誉を著しく毀損されたことを考えると、1審判決の33万円という損害賠償の額は、その被害の大きさに対し、あまりに少ないとの印象は否めません。

 また、過去の1つの事件をもって「セクハラ癖があった」と認定したことも、著しく説得力に欠けています。なお、この事件については女性の誤解(電車が揺れた際、向かい合って座っていた女性の膝に植草さんの指先がほんの一瞬接触し、女性がたまたま通りかかった車掌に被害を訴えた)から生じた可能性がきわめて高く、逮捕もされていません。

 一連の裁判で明らかになったことは、記事を書いた記者らが、事実確認をせず、警察のリークや根拠のない情報をもとにあたかもそれが事実であるかのように植草さんを誹謗中傷する記事を書いたということです。植草さんに対する重大な人権侵害が行われたと同時に、植草さんが巻き込まれた2つの刑事事件の裁判に、これらの記事が重大な影響を与えたことを思うとき、その罪の重さは極めて深刻なものがあります。

 本人が一貫して無実を主張している事件において、まだ起訴されていない段階で一方の当事者ともいえる警察関係者らの情報を鵜呑みにし、事実確認をせず、植草さんを誹謗中傷するような記事等を書くことによって、植草さんがどのような不利益を被ったか。誤った情報で世論を誘導し、無辜の市民が犯罪者とされる危険性を、この民事訴訟における植草さんの勝訴判決が厳しく問いかけています。

逆転敗訴の不当判決

 メディアによる重大な人権被害を断罪し、その責任を厳しく問い質す責務が司法に求められており、控訴審ではどのような判断が示されるのか、筆者は大きな関心をもって法廷に足を運びました。しかし、東京高裁の山?恒裁判長が言い渡した判決は、被控訴人(植草さん)の訴えを棄却するという、逆転敗訴の不当判決でした。

 判決文で、東京高裁は、この裁判の争点となっている「セクハラ癖があることは業界では有名です」という記述について、刑事事件で有罪判決を受けていることを理由に、「性的な面でモラルが低く、事件を引き起こしても不思議ではない人物であると認めることができる」などとし、名誉棄損には当たらないとして植草さんの訴えを退けています。

 上述したように、1審では、「セクハラ癖」については認定したものの、「業界で有名」という記述については、「真実性がない」として、植草さんの主張を認め、毎日新聞社に損害賠償の支払いを命じています。たった1回の事件をもって「セクハラ癖」と認定した1審判決は問題がありますが、「業界で有名」という記述については、はっきりその事実はないとしています。

 まさにこの裁判で争われているのはその点であり、毎日新聞社はそのことを立証できなかったからこそ、1審判決では、「真実性」がないとして断罪されたのです。東京高裁の判決は、この記述が事実であるか否かに言及せず、それが真実であるか否かを立証することもなく、毎日新聞社が指摘してもいない刑事事件を持ち出し、「性的な面のモラルが低い」と決めつけ、「業界では有名」という記述の違法性を、「事件を引き起こしても不思議ではない人物と指摘する内容」にすり替え、論点を巧みにそらし、「(記事の内容は)真実であると認めるのが相当で名誉棄損には当たらない」などと結論付けています。

 事実を審理する場であるべき裁判所で、裁判官が事実と向き合わず、この裁判で争点となっていない刑事事件を持ち出し、記事の内容を正当化するのは著しく公正さを欠いており、不当判決といわざるをえません。あくまで、「セクハラ癖があることは業界では有名」という記述が事実か否か、そのことを毎日新聞社が立証できない限り、1審判決を覆すことはできないと思います。

 ちなみに、東京高裁がその拠り所としている刑事事件について、植草さんは一貫して無実を訴えています。平成16年の手鏡事件と平成18年の京浜急行事件における裁判所の審理は著しく公正さを欠いていることが、裁判を傍聴した支援者らの傍聴報告等で明らかになっています。

 手鏡事件については、現場を実況見分した支援者らが、この事件の唯一の目撃者と言われている、横浜から品川まで植草さんを尾行してきた警察官の目撃証言の信ぴょう性に疑義があることを唱えています。また、植草さんが自らの無実を立証する決定的な証拠であるとして求めた防犯カメラの映像が消されていたことも明らかになっています。

 京浜急行事件については、犯行があったとされる時間帯に植草さんがなにもしてなかったことを目撃した証人が法廷で植草さんの無実を証言したにも関わらず、裁判所は説得力のある根拠を示さず、その証言を「信用性がない」として退けています。また、弁護団の求める鑑定を行わないなど、極めて不公正な審理が行われたことも明らかになっています。

弁護団「不思議な判決」

 裁判が終わったあと、弁護団にお話を伺いました。弁護団は、東京高裁の判決について「控訴人(毎日新聞社)が主張していないことを裁判所が解釈して被控訴人(植草さん)の訴えを棄却している」と厳しく批判しました。事実について言及せず、解釈の仕方によって1審判決が覆されたことに対し、「論点がすり替わっている。あとの事件を見ると(記事の内容が)真実であるといっている、不思議な判決」との感想を述べました。

 争点となっている部分について真実性を争っているのに、全体として読めるなどと裁判所が解釈していることについて、「納得がいかない」「結論ありきの裁判」などと批判しました。記事が事実であるか否かを争っている民事裁判で、なぜ、東京高裁は論点をすり替え、このような判決を出したのか、疑問を感じたので、率直にその疑問を投げてみると、刑事裁判との関連で事件を見ているのではないか、との答えが返ってきました。

筆者の感想

 今回の東京高裁の判決は、1審で確定したほかの4つの判決をも否定する、きわめて問題の多い不当判決であるといわざるを得ません。事実無根の記事を書かれ、名誉を棄損されたとして争っている裁判で、その記事についての真実性を立証するべき責務を負っている毎日新聞社が立証できなかったために、1審では真実性がないとして毎日新聞社に対して33万円の支払いを命じました。

 東京高裁はその1審判決の解釈を変え、記事の全体の文脈のなかで強調したにすぎないなどとして、その記述が事実であるか否かを問わず、逆転敗訴の判決を言い渡しました。しかし、このような判断を裁判所がするなら、そもそも裁判で審理をする必要性がなくなります。東京高裁は自らの責務を放棄し、自らの存在さえも否定したことになります。改めて司法が絶望的な状況にあることがわかります。

 なお、植草さんは現在、自らのブログ(植草一秀の『知られざる真実』)を毎日更新し、「かんぽの宿」の疑惑を追及し続けています。植草さんが巻き込まれた刑事事件(京浜急行事件)が起こる直前も、「直言」というサイトで、植草さんは小泉・竹中政権の経済政策を厳しく批判していました。とくに、りそな銀行の国有化における疑惑について関係機関に調査を強く求めていました。事件によって植草さんの言論は封じ込められましたが、再度、権力の闇に果敢に挑み、告発を続けています。

 郵政民営化の実態が「郵政利権化」であった疑惑が野党などの追及でしだいに明らかになりつつありますが、大手メディアがその事実を伝えないなか、植草さんはオリックス不動産への「かんぽの宿」一括売却について、なぜ、109億円という安値がついたか、そのからくりについて専門家の立場から鋭い指摘をしています。

 植草さんの主張に多くの人たちが関心を持ち、その警鐘に耳を傾けていることは、植草さんのブログが人気ブログランキングの政治部門の順位が2位となっていることからもわかります。多くの困難を抱えながらなお信念を貫き、権力の不正を告発し続けている植草さんの勇気にエールを送るとともに、無実の訴えが1人でも多くの人に届くことを願っています。

◇ ◇ ◇

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