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北朝鮮ミサイル発射が突きつけたもの(最終回)天木直人のブログ
http://www.asyura2.com/09/senkyo61/msg/355.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 4 月 06 日 22:38:05: twUjz/PjYItws
 

(回答先: 北朝鮮ミサイル発射が突きつけたもの(その2)天木直人のブログ 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 4 月 06 日 22:36:21)

http://www.amakiblog.com/archives/2009/04/06/#001375

北朝鮮ミサイル発射が突きつけたもの(その最終回)
 ―核ミサイルの脅威から日本を守る最善の方策は何か


 今回の北朝鮮のミサイル発射が我々に突きつけたもの、その最終回は、
究極の問いかけに対する答えである。

 それは何か。核ミサイルの脅威が現実のものになったとき、日本を守る
最善の安全保障政策はなにか、という問題である。

 実はこの深刻な問題は、今回のミサイル発射予告がなされた時から、
突きつけられていた。

 その事について私は3月1日のメルマガ第80号と11日の第99号で書いた。

 最終回のこのメルマガでズバリ本質に切り込んで見る。

 今度のミサイル発射は人工衛星かミサイルか不明だ。たとえミサイルで
あってもテポドン2号は日本向けではない。

 だから迎撃の対象はミサイルをロケットから切り離した後の落下物であった。
それが間違って日本に落ちてきた場合に粉砕すればいいというものであった。

 その可能性は極めて少ない事は分かっていた。間違って落ちてきた残滓を
ミサイル戦争の迎撃ミサイルで撃ち落す。こんな緊張感の無い迎撃でも
これほど騒いだのだ。

 しかし北朝鮮は日本向けのノドンミサイルを多数持っている。それが実戦に
使えるものである事は確認されている。

 北朝鮮が小型核弾頭の実用化に成功しているかどうかについては見方が
分かれているが、早晩保有する事は間違いない。この見方は一致している。

 つまり北朝鮮のミサイル核の脅威は現実のものなのだ。

 もし日本が今回落下物をめがけてミサイル発射をしていたらどうか。もし
北朝鮮が、米国のように、正当防衛だ、先制攻撃だ、と言って核弾頭を搭載した
ノドンミサイルを日本に撃ち込むという宣戦布告したら日本はどう対応するのか。

 ミサイルの応酬となる。ミサイル戦争となる。日本も独自で北朝鮮の
核ミサイルの脅威に対応できる軍備を持たなくてはならない。そうでなければ
舐められる、となる。

 この考え方は、なにも保守・右翼的な人の専売特許ではない。大方の日本国民
もそう考えるだろう。

 いいだろう。この考えに立って、ならばどうすればいいのか。行き着く先は
日本の核武装しかない。

 因みに、あの田母神前航空幕僚長さえ、日本の核武装を主張する事を
ためらっている。米国の核兵器の発射ボタンを日本が共有させてもらえばいい、
などという馬鹿な事を言ってごまかしている。

 米国が日本に核兵器のボタンを自由に使わせるはずはない。米国が日本を守る
保証がないことは今度のゲーツ国防長官の発言で証明された。

 北朝鮮の核の脅威を、「武力で抑止する」前提に立てば、日本も核兵器を
持たなければならないのだ。これは誰もが認めざるを得ない現実である。

 繰り返して言うが、もし、「武力で北朝鮮の核ミサイル脅威に対抗する」の
であれば、それを上回る核兵器を日本は持たなくてはならない。中途半端な
防衛力ではむしろ危険が高まる。

 日本が核兵器を持つことを米国は決して許さないだろう。国際社会は日本の
核保有に懸念を有するだろう。日本は孤立するだろう。今から核武装を行なえば
多額の予算が必要となり、ただでさえ苦しい国民生活は一層圧迫される。

 しかし、これらのマイナスをもろともせずに、一気に核武装に走らざるを
得ない。「武力で北朝鮮に対抗する」には、それしかない。

 問題はその後である。それでも日本の安全保障は確保されない。一発でも
北朝鮮の核ミサイルを撃ち損じれば、人口が密集し、機能が東京に集中して
いる日本が受ける打撃は壊滅的だ。

 政府は、そして国民は、その犠牲を覚悟できるか。

 しかも問題はまだある。最後の究極的な問題は、孫崎享氏がその著
「日米同盟の正体」(講談社現代新書)で述べているように、「核ミサイル
の脅威は北朝鮮だけではない。ロシアも中国もある・・・」のだ。

 つまり核ミサイル戦争を想定した場合、北朝鮮のみに適用できる装備では
不十分なのである。

 しかし、核大国のロシア、中国を仮想敵国としたミサイル防衛は、もはや日本
は不可能なのだ。何があっても日本は核戦争で国土の広い、人口の多いロシアや
中国に勝つ事はできない。

 今回の北朝鮮のミサイル発射事件に抗議して右翼が街宣車で弱腰日本を
怒鳴っていた。主婦らしき女性が、こんな情けない日本でどうするとわめいて
いた。それをテレビが映していた。

 その一方で評論家が、食うに困る最貧国の北朝鮮が世界で十指に入る
核ミサイル保有国になったのだ、この高揚ぶりは、WBCで優勝して国威発揚
している日本とは比較にならない、と言っていた。

 見ているがいい。核兵器がテロに渡る事が避けられないと見るや、米国は
核の全廃を世界に訴えるようになる。すでに米国はそう言い始めている。

 北朝鮮のミサイル実験が突きつけたもの、それは憲法9条こそ最強の安全保障
政策であるという事である。

 今こそ日本は世界に率先して平和外交の重要性を訴えるべきだ。

 安保理決議で北朝鮮に対する制裁強化を訴えるような愚を犯している場合では
ない。

 

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