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裁判員・参加せずとも罰則なし:大久保太郎(元東京高裁部総括判事)(2)(Voice)
http://www.asyura2.com/09/senkyo63/msg/732.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 5 月 22 日 09:13:26: twUjz/PjYItws
 

(回答先: 裁判員・参加せずとも罰則なし:大久保太郎(元東京高裁部総括判事)(1)(Voice) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 5 月 22 日 09:11:16)

http://news.goo.ne.jp/article/php/life/php-20090516-11.html

裁判員・参加せずとも罰則なし:大久保太郎(元東京高裁部総括判事)(2)
2009年5月19日(火)13:00

不出頭者が増えたら……

このようにいっても、あるいは「それは理論上のことであって、実際上は過料の制裁があるのではないか」との疑問が提出されるかもしれない。しかし、そうではないのだ。

「過料」とは一種の金銭罰だが、罰金ではなく(受けても前科にはならない)、交通違反に対する反則金のようなものである。これを課す手続きも、呼び出しを受けた裁判員候補者が選任手続期日に出頭しないと、追いかけるように過料の制裁がくるのではなく、あらためて、非訟事件手続法という法律の規定(161条以下)に従って、「過料についての裁判の手続」として、検察官の意見および当事者の陳述を聴き、証拠により「不出頭につき正当な理由のないこと」を確認したうえで、裁判で課されることになっているのだ。

全国で何千人も生じるであろう不出頭者1人ひとりについて、公平にこのような手間のかかる手続きを行ないうるほど裁判所はひまではない。

しかも、裁判員制度には数々の違憲問題がありながら、これについて何の説明もないまま、嫌がる国民に三拝九拝しておいでを願っているのが、いまの司法の実情である。過料の制裁を発動することなど、この制度の強権性をいっそう露わにし、ますます国民の反発を買うことになるだろう。

たまたまある不出頭者に対してだけ過料を課すような、軽はずみの裁判官は1人もいないはずだ。

以上の理由から、実際に過料が課されることはないと考えられる。過料の罰則は、出頭を促すための“おどし”なのである。むしろ心ある不出頭者が増えれば増えるだけ、この制度の本質的な無理が白日の下に晒されることになるだろう。

最高裁の変節

裁判員制度は、裁判官でない国民に裁判官と同等の評決権を与えて裁判官とともに裁判を行なわせるもので、いわゆる参審制の一種である。

ところが憲法には、裁判員制度はもとより、参審制について何の規定もないから、国は裁判員制度をつくって国民に参加を呼び掛ける以上、当然この制度が憲法上許容される理由を説明しなければならないはずだ。

しかし、法務省も最高裁も、一言半句も説明しない。じつは、まともな説明ができないのである。

元最高裁判事の東京大学名誉教授伊藤正己著『憲法入門』(第4版補訂版230頁)には、「素人を裁判官として参与させる参審制は、憲法にそれについての規定がなく、しかも裁判官の任期や身分保障について専門の裁判官のみを予想しているところから、違憲の疑いが強い」とあり、これが従来の通説である。

さればこそ、ほかならぬ最高裁自身が、過般の司法制度改革審議会において、平成12年9月12日、「陪審制、参審制を採用する国では、憲法上これを保障又は許容する旨の規定が置かれている国が少なくない。しかし、わが国の憲法では、司法権の担い手としての裁判官について身分保障等の詳細な規定が置かれている一方、陪審制、参審制を想定した規定はなく、果たしてこれが憲法上許容されるかどうか問題である。(中略)陪審制について憲法問題を回避するためには、旧陪審のように陪審員の事実認定に裁判官に対する拘束力を認めない形態のものが考えられるであろう。また、参審制について憲法上の疑義を生じさせないためには、評決権を持たない参審制という独自の制度が考えられよう」と述べたのであった。

ところが、この提案が審議会の反対に遭うや、最高裁は沈黙し、やがて参加者に評決権を与える裁判員制度が提案されると、何の説明もなく賛同し、その後は懸命に推進役を演じているのである。この最高裁の変節には、法律家一同、呆気にとられているのが現実だ。

もっとも、大日本帝国憲法24条には「日本臣民ハ法律ニ定メタル裁判官ノ裁判ヲ受クルノ権ヲ奪ハルルコトナシ」と規定されていたのに対し、現憲法32条が「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」と規定している点を主な理由として(傍点引用者)、現憲法上参審制、裁判員制度は許容されるとする異説があり、法務省も最高裁も内心この説を頼りにしてきたようである。しかし、この説の根拠のないことは、近時、新潟大学大学院教授・西野喜一氏の労作『裁判員制度批判』(平成20年、西神田編集室発行。223頁以下)により明らかにされており、いまや筋道の立った合憲論は存在しないのが実情である。

当局は合憲性を説明しようにも説明できないのだ。


 

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