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自公政権の終わりの終わり (二見伸明氏 THE JOURNAL ニュース・スパイラル)
http://www.asyura2.com/09/senkyo64/msg/726.html
投稿者 旅烏 日時 2009 年 6 月 06 日 00:20:00: SWN/9Stw90kzo
 

自公政権の終わりの終わり
二見伸明氏(誇り高き自由人、元衆議院議員)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/06/post_288.html


 55年の歳月を経て、鳩山一郎元首相の孫が吉田茂元首相の孫を権力の座から追い落とし、総理の座に坐る(可能性が高い)。自由党総裁・吉田から政敵・日本民主党総裁・鳩山への政権移譲は、戦後日本の、米軍統治下での混乱期から安定期を迎える象徴的な出来事であった。麻生太郎から鳩山由紀夫への政権交代には、自民党の歴史的役割が終わり、新しい幕開けにしたいという時代の必然性と人々の期待感が込められている。歴史も味なことをするものである。

 それにしても麻生総理はおかしい。最たるものは、総選挙を意識して唐突に言い出した「厚労省分割」案だ。私は、厚労省のみならず、全省庁の機構をゼロベースから見直すべきだと考えているが、それはそれとして、麻生総理は年金、医療、介護を担う社会保障省と雇用、少子化を担当する国民生活省に二分割する案を提示し、指示した。にもかかわらず、関係閣僚の話し合いで慎重論が続出し、自民党からも猛反発が出ると、5月28日夜、いとも簡単に「分割には全然こだわらない」と豹変した。麻生総理が、日本を支えてきた仕組みが制度疲労を起こし、庶民の生活の土台が崩されている危機的状況を打開できるリーダーではないことを、改めて示す一幕の茶番劇であった。

 前日の27日、党首討論で麻生は「『一心同体、殉じる時は殉じる』と言っていた方が代表になっている。言葉は極めて大事にしなければいかんと思っているので、話が違うんじゃないかと、正直そう思う」と発言した。「一心同体」云々については岩見隆夫氏が5月30日の毎日新聞「近聞遠見」の中で「鳩山由紀夫新代表が選出前にそんな言葉を使ったという記憶がない」と否定しているが、私が問題だと思うのは「言葉は極めて大事にしなければいかんと思っている」と発言した翌日、厚労省分割について「組織のあり方を、一回精査したらどうかと言っただけで、指示していない」と、発言をすりかえたことである。「綸言汗の如し」でなければならない。麻生総理に「言葉は大事」と言う資格はない。麻生の言葉は、国民の信を失うだけである。

 麻生総理は5月16日の参議院予算委員会で、小沢一郎の公設秘書は「明らかに、違法なるがゆえに逮捕された」と答弁した。「推定無罪」の原則に反すると非難されたが、「検察ファッショ」など検察の捜査に批判や疑問が高まってきた中でのこの答弁は、検察を激励するための実質的・巧妙な指揮権発動である。その麻生総理が、党首討論の場で、行政の最高責任者として、内閣組織の一員である検察の意向を代弁し「国民からして、いま最大の関心事は西松の問題だと思う(筆者注:国民の最大の関心事は景気、年金、雇用など生活そのものであり、西松問題ではない)。現在の法律すら守られていない疑いがある。疑いがあるから逮捕されたと思っている」と鳩山代表を攻撃している図柄は、開発途上国の力の衰えた独裁者が、生活に苦しむ人民の不満のエネルギーを、巧妙に政敵に向けさせるのと同質のやり口である。

 1994年、中国の天安門事件の直前、中国人の経済学者、M大学のR教授と中国の経済開放政策について意見交換したときのことである。彼が「日本は資本主義経済ではない。会社主義経済だ。政策を作るのは中央省庁の高級官僚である。彼らは定年後、経済団体や大企業に再就職する。その天下り先で、かつて部下だった高級官僚から、今後の経済政策などの情報がもたらされ、企業は国の経済政策を事前に察知して、経営方針をたてる。目に見えないかたちで、国家が企業を指導している。だから、政府と企業が対立することは少ない。これは中国の開放政策にとって価値あるお手本」と言うのである。日本の仕組みの本質をみごとに衝いていると、内心、感嘆したものである。

 また、貿易自由化などで、アメリカの官僚と意見交換をしたときは、「日本の国会議員、特に執権党の国会議員の意見は参考にならない。官僚が了解すれば、反対していた自民党の議員も賛成する」と言われた。The Journalに寄稿された田中良紹氏の「『密約』から分かるこの国の姿」を読んで背筋が凍る思いがした。「日本/権力構造の謎」で知られるK・V・ウオルフレンは、日本では政策、方針について、立案した官僚は当然のこと、総理大臣、閣僚が、失敗の責任をとる習慣がないと指摘している。日本は世界の中で、国際問題のみならず、国民生活について、誰も責任をとらない不思議な国と映るのである。

 自民党は、きのうまでの小泉・竹中路線の推進者が、きょう、反小泉路線の旗振りをする変節漢が政権の中枢にいる無責任な党である。第二次大戦を推進し、満州国の経営に携わり、A級戦犯でありながら、いかなる理由かは不明だが、絞首刑を免れた岸信介を、平和・民主日本の総理大臣にした当時の日本人の政治文化と精神構造は変わっていない。

 民主党の政策の核心は「霞ヶ関改革」であろう。「霞ヶ関改革」とは官僚バッシングではない。組織、機構を改革するとともに、政治家と一体になり、ある時は手足となり、ある時は助言者となって、国の政策を立案し推進する官僚に意識革命することである。これによって、年金、医療、農業などの抜本改革は大きな第一歩を踏み出すことができる。これは大変な大事業である。官僚は優秀だが、狡猾でもある。それだけに、国会議員の質が問われることになる。各省庁のスポークスマン化している大臣や会合の挨拶要員に過ぎない副大臣には荷の重すぎる仕事である。政府・与党やマスコミは民主党の政権担当能力を疑問視しているが、むしろ、官僚の書いたシナリオの上で踊っているだけの自公政権こそ、本来の意味での政権担当能力はゼロに等しいと言わざるを得ない。この大事業に大鉈を振るえるのは、党派を超えて、小沢一郎の右に出る者はいないであろう。

 いま、この原稿を書いている時に、足利事件の菅家利和受刑者が釈放された。自由の身になった菅家さんの、もの静かだが、厳しい司法に対する憤りの言葉は、人々の胸をうつものであった。最高裁、検察庁、警察の責任は重大である。私は最高裁判事の国民審査のやり方に反対で、○×で適否を問うべきだと考えている。検察は必ずしも正義の体現者ではなく、善人を悪人に仕立て上げることのできる魔物でもあることを知るべきである。

 天安門事件について、中国共産党総書記だった趙紫陽は「国家の囚人――趙紫陽秘録」で「政党がその権力を監視しなければ、役人は簡単に腐敗する」と述べている。裁判の結果、小沢一郎が政治資金規正法違反にあたらないことが確定したときには、検事総長は責任をとって辞職すべきである。

投稿者: ニュース・スパイラル 日時: 2009年06月06日 00:04  

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