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政権担当能力とは何か (田中良紹の「国会探検」THE JOURNAL)
http://www.asyura2.com/09/senkyo65/msg/616.html
投稿者 旅烏 日時 2009 年 6 月 18 日 03:18:50: SWN/9Stw90kzo
 

Hot journal:2009.6.17 from田中良紹
政権担当能力とは何か(上)
http://news.www.infoseek.co.jp/special/j-is/hotjournal0906_007.html

 次期衆議院選挙で自民党は「政権担当能力」に焦点を当て、民主党との差をアピールしたいようだ。要するに経験の違いを浮き彫りにして民主党の未熟さをあぶりだす狙いである。なにせ日本は世界の議会制民主主義国家の中で唯一政権交代を経験したことのない国だから、「経験のない野党に政権を任せられるか」と言われると国民は一瞬考えてしまうところがある。

 93年の衆議院選挙で非自民の細川政権が誕生し、日本にも政権交代らしき事が起きた事はある。しかし細川政権は国民が選挙で選んだ訳ではない。国民が選んだ第一党は自民党であった。獲得議席数を多い順に並べると、自民党223、社会党70、新生党55、公明党51、日本新党35、民社党15、日本共産党15、新党さきがけ13、社会民主連合4、無所属30である。自民党が権力を握るためには28議席足りないだけで、日本新党やさきがけと連立を組めば容易に政権を担当することが出来た。

 ところが自民党を飛び出して新生党を結成した小沢一郎氏があっという間に共産党を除く8会派をまとめ上げ、日本新党の細川護煕氏を総理に担いで権力を握った。この時自民党には28議席を確保して権力を維持する能力、すなわち政権担当能力がなかった事になる。その細川政権が崩壊したのは国民の支持を失ったからではない。細川総理が突然政権を投げ出し、同時に「小沢剛腕批判」が湧き起こって8会派が分裂したためである。

 非自民政権の内部崩壊で自民党、社会党、さきがけの連立による村山政権が誕生、再び自民党が権力を握った。細川総理が政権を投げ出した理由は警察出身の自民党議員が中心となり、スキャンダルを材料に退陣を迫ったためだと言われているが、おそらく真相が明かされることはない。要するに自民党のスキャンダル攻撃を防げなかったところに非自民政権の政権担当能力の弱さがあった。

 それからの野党は離合集散を繰り返し、政権を狙える体裁が整えられたのは民主党と自由党とが合併した03年である。そして07年の参議院選挙で自民党が結党以来初めて参議院第一党の座から滑り落ちた。これによって自公政権は権力の半分を失い、野党の政権獲得が現実味を帯びたのである。

 そこで危機感を持つ自民党から「民主党に政権担当能力はあるか」との問いかけがなされている。先月行われた党首討論でも麻生総理は「官僚をバッシングするよりもやる気にさせなければ経営は出来ない」と民主党の政権担当能力に疑問を呈し、また新聞やテレビも「民主党の政策には具体的な財源の裏付けがない」、「安全保障政策に不安がある」など民主党の政権担当能力に疑問を呈している。


政権担当能力とは何か(下)
http://news.www.infoseek.co.jp/special/j-is/hotjournal0906_008.html

 しかしこうした「政権担当能力論」は世界の常識とかけ離れている。麻生総理の指摘は「官僚のご機嫌を伺わないと政治が機能しない」と言っているようなもので、税金で養われる官僚を国民の代表たる政治家が指導・監督してこなかった異常さをそのまま表現している。政策を官僚に丸投げしてきたために起きた政と官の主客転倒は、それこそが自民党の政権担当能力のなさを証明する話である。

 次に「民主党の政策には現実的な裏付けがない」との批判だが、「政策」を殊の外に重視するこの国の政治感覚も相当に世界の常識とは異なる。どこの国でも政権を握るまでの野党は現実よりも理想に近い公約を掲げる。そうしなければ現実に権力を握っている政権を選挙で倒すことは難しい。しかし選挙に勝利して政権を担当する立場になると、どの国の政党も理想を現実に近づける。

 例えばアメリカのクリントン政権は初めはリベラルな政策を掲げた。しかし国民の支持が広がらないと見るや、一転して共和党の政策を大胆に取り入れ、中道路線に転換した。そもそもクリントンは無名に近い田舎の州知事で、政権担当能力は全く未知数だったが、当選できた理由はクリントンの政策よりもブッシュ政権に対する国民の不満である。

 要するにどんなに経験豊富な政権でも、国民が政治に不満を感ずれば、政権交代をさせるのが民主主義であり、新政権の政権担当能力に疑問を感ずれば、国民はまた不満の声を上げれば良い話である。それで政策が修正されれば良し、されなければ次の選挙で再び政権を交代させる。民主主義とはそれだけの話である。だから未知なるものをあれこれ詮索しても始まらない。

未知なるものを詮索するよりも、現実に見える現政権の政権担当能力を吟味し、それを継続させるかどうかを判断する事が国民に必要な作業である。そして政権担当能力とは、政策の中身でも経験でもなく、政局を制する能力と国民の信任を得る能力で、世界の政治はそうして動いていると知るべきである。

(転載終わり)  

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