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臓器移植法案をめぐる衆議院本会議が終わって(保坂展人のどこどこ日記)
http://www.asyura2.com/09/senkyo65/msg/672.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 6 月 18 日 21:34:13: mY9T/8MdR98ug
 

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/5c00f75a2b3efb6e2651ca12c4e130e2

衆議院本会議で臓器移植法案の採決が行われた。あっさりとA案が賛成多数で成立したが、「郵政選挙」で巨大議席を獲得した自民党議員の多くが賛成にまわったことが、かなりの大差でのA案成立をもたらしたと思う。続いて提案されていたB案、C案、D案は、先にA案が成立してしまったために議決をされずに廃案となった。「脳死は人の死である」ということを「臓器移植の場合に限って」認めている現行法から、その制約条件を今回のA案が削除していることについて私は大きな危惧を持ち、金田誠一・阿部知子さんらのC案の賛同者となった。また、本会議採決に付すのは時期尚早ではないかとも主張してきた。

数日前、障がい者団体の人たちから直接要請を受けて、改めて気づいた。「脳死=死」という定義が一人歩きすると、臓器移植に関わるかどうかを別として「死」と断定されてしまう危険を感じる。とりわけ子どもの「脳死」については、長期にわたって身体的な成長を遂げる子どもも現に存在していて、かつての「脳死臨調」の議論をもう一段ひきあげる「第2次脳死臨調」が必要だというのがC案だ。提案者の阿部とも子議員が、ホームページで昨夜、次のように書いている。全文をここにに紹介することにしたい。

[阿部とも子HP]
http://www.abetomoko.jp/

連休明けから審議、採決が話題となっていた臓器移植法の改正に関わる4つの法案を、明日(6月18日)衆議院本会議で採決することに、自民・民主の2大政党が合意した。私の所属する社民党と共産党は「審議がまだまだ不十分」であるとして採決そのものに反対したが、国会運営についてはまさに2大政党の国会対策委員長の政治的かけひきで全ての段取りが決められていく以上、小政党の割り込む余地はない。法案処理など国会運営をめぐっては、極めて政治的な判断が優先される世界である。

 しかし、そもそも人間の生と死をめぐる最も重要な法案の扱いをそうしたかけひきの中で取り決めてよいのか、大きな疑問が残るし、こうしたやり方は必ずや私たちの社会に取り返しのつかない禍根を残すと私は考えている。

 元々この国会はいつ解散・総選挙となってもおかしくない不安定さの中にあり、先週末には鳩山邦夫総務大臣の辞任という事態まで加わって、政治はさらなる流動期に入ったと考えてよい。「心ここにあらず」の議員達が、「人間の死」を法律で決めてしまいかねない法案への賛否を表明することは恐ろしいことですらある。

 それでもなお採決を強行しようとする論理を支えるものは、いわゆる「立法府の不作為」論であるが、そうした主張をする人々は、たとえば官僚と政治家の癒着の結果出来上がった障害者自立支援法が、いかに障害者の生存権や人権を脅かしたか、考えてみるべきである。法律はその背景にある現実をしっかり見つめて、その目的や趣旨を明確に示し、さらにその法律が及ぼしうる種々の社会的影響を勘案してはじめてその社会に暮らす人々のための規範(法)となる。

 とりわけA案にあっては、3年前の付帯決議が求める「臓器移植全般に関わる見直し」をまったく行うことなく、ひたすら「臓器移植のドナーを増やす」ことを目的に、本人同意の不明なケースにまで臓器提供者の範囲を拡大している。さらに「脳死は人の死」とする価値判断を移植以外の医療現場や社会にまで広く及ぼそうとする極めて乱暴な法案であり、ドナーの人権や重度の脳障害を持った人たちへの配慮に欠けたものである。

 去る6月11日に自民党内で行われた勉強会に出席した日本医師会の木下理事は「日本医師会は、近い将来WHOの決議により臓器取引及び移植ツーリズムが禁止される方向にあるとはいえ、我が国においては年齢に関係なく臓器移植が可能となる法整備は拙速であってはならないと考えている。特に日本人の精神風土、親の子に対する計り知れない深い心を考えれば、15歳未満の子どもに対して臓器移植が可能となるために、医師会や都道府県医師会、日本小児科学会さらに移植関連学会とともに、上記課題に対して国民的にも広く十分に議論を尽くした上で臓器移植法の改正を行うべきである」と述べられたことに私は正直なところ大変驚いた。

 なぜなら医師会は過去一貫して「本人が臓器提供について意思表示をしていない場合は、年齢にかかわらず、遺族の書面による承諾で、死体(脳死体を含む)からの臓器提供が可能となるような法の改正を要望する」としてきた団体だったからである。その医師会からみても今回の立法府のやり方は拙速と映るのである。

 議員としてこの指摘をどう受け止めて行動すべきか。私たちはC案の提案で第二次脳死臨調を設置して、広く国民に論議を開き、しかるべき後に15歳未満の小児についてどんな立法作業が必要であるのかを考えるべきであるとした。小児科学会の皆さんが去る4月19日に発表した「小児脳死判定基準(2000年)を用いて脳死と判定しても、100%の症例で脳機能が戻らないとは医学的には断言できない。意見表明できない子どもにとっては人権が損なわれる恐れがあるので、見解以上の脳死臓器移植適応拡大には危惧の念を表す、従ってA案には賛成できない」とする声明は極めて重い。

 小児科医としての私自身の30年余に渡る脳死論議を振り返ってみても、今の立法府の危さには戦慄さえ覚える。悪法は人を苦しめ、時に殺こともある。今は立法府に身を置く者として明日の採決が愚かな立法とならぬことを願わずにはおられない。

[引用終了]

しかし、阿部議員の願いとは反対に衆議院ではA案に軍配があがった。しかし、参議院では必ずしもそうならないと聞いている。もし、参議院でA案が通らずに、別の案が可決された時こそ、衆参の両院協議会の存在が生きてくる。党派横断的に提出されて党議拘束を解いている以上は「3分の2で再可決」ということはありえないからだ。明日の衆議院本会議では、なんと「海賊対処法案」「国民年金法案」など3本がまとめて「3分の2で再可決」される。まるで、巨大与党の最後のあがきにも似た「3分の2規定」の濫用である。明日は、外務委員会と法務委員会で質問に立つ。

 

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