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「防衛」は安全を保障しない……マクナマラは「戦争の家」で「九条」の真理を学んでいた! by 大沼安史の
http://www.asyura2.com/09/senkyo66/msg/1023.html
投稿者 ヤマボウシ 日時 2009 年 7 月 08 日 13:35:09: WlgZY.vL1Urv.
 

机の上の空 大沼安史の個人新聞
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2009/07/post-da29.html

2009-07-07
〔コラム 机の上の空〕 「防衛」は安全を保障しない……マクナマラは「戦争の家」で「九条」の真理を学んでいた! 

 7月10日は、仙台大空襲の記念日だ。
 ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%99%E5%8F%B0%E7%A9%BA%E8%A5%B2  

 私の母も、昭和20年(1945年)のその日未明、焼夷弾によるファイアー・ストームの中を逃げまどい、死にかけた。
 死ななかったのは、倒れていた母の手を、兵隊さんが無理矢理、引っ張り上げ、助けてくれたからだ。
 「戦争はヤンダ(嫌だ)」と、母は子どもの私に何度も言った。
  
             *
              
 米陸軍航空隊の爆撃隊による、無差別空爆だった。
 その爆撃機の大群の背後に、ハーバード大学ビジネススクールの助教授が「頭脳」として控えていた。
 統計分析の専門家、ロバート・マクナマラだった。統計の手法を駆使し、空爆による破壊を最大化する任務に就いていた。

             *

 そのマクナマラが、仙台大空襲を含む日本に対する空爆を、生涯、後悔し続けていたことを、私は、ジェームズ・キャロル氏(米国の作家、コラムニスト)の『戦争の家』という大河ドキュメントを翻訳する中で、知った。〔緑風出版刊。上巻はすでに刊行。目下、後半=下巻部分を翻訳中〕

 私は、マクナマラを「ベトナム戦争=マクナマラの戦争」を戦ったタカ派の元国防長官とばかり思い込んでいたから、意外だった。

             *

 なかでも、驚いたのは、マクナマラが、泣いたことだ。嗚咽したことだ。

 晩年、キャロル氏の電話インタビューを受けた時のこと、マクナマラは日本空爆のことを思い出し、受話器を握ったまま、泣いたという。

             *

 1967年10月21日、マクナマラが国防長官執務室に座る「戦争の家=ペンタゴン(国防総省)」に、大規模な反戦デモが行われた。そのデモ隊の中に、若き日のキャロル氏もいた。

 その日、「戦争の家」の(文字通り)「悪魔祓い」をした(最後には『聖し、この夜』を歌った)デモ隊の、誰もが気づかなかったことが、ひとつあった。
 「戦争の家」において、マクナマラ対軍制服組首脳との間で、実は「戦争」が起きていたことだ。

 ベトナム戦争のエスカレーションに反対していたマクナマラは、デモ警備の米兵の実弾装着を許さなかった。

             *

 ジョンソンに首を切られたマクナマラは、最後の閣議で、切れたそうだ。「こんなクソな戦争が」と叫んだのだそうだ。

             *

 「戦争の家」と闘い、敗れたマクナマラは、世銀総裁を務め、そのまま平穏な引退生活に入ればよいものを、『振り返って思う』という回想録を書いて、ベトナム戦争は誤りだったといい、核の廃絶運動にも乗り出した。怒りを、侮蔑を、一身に浴びた。

             *

 私は彼の自己批判を評価する者である。

 よくぞ、自己批判したものだと思う。

 この日本の戦時中の指導者で、戦後、自ら、自己批判した人を、私は知らない。 

 ロバート・「ストレンジ」・マクナマラと揶揄された男は、嗚咽する男だったが、私は偉いと思う。

             *

 マクナマラ氏が6日、亡くなった。93歳。

 ⇒ http://www.nytimes.com/2009/07/07/us/07mcnamara.html?_r=1&hpw
 
 「核のない世界」を誓ったオバマが、モスクワへ核削減の合意をしに飛び立ったあとのことだった。
 安心して――いや、少なくとも、未来に希望を抱いて、亡くなったのではないか。

             *

 翻訳中に出合った、マクナマラの言葉で、忘れがたい言葉がある。

 それは「防衛(軍事力)の強化は、相手の攻撃(力)の強化を招く」だけだ、という指摘だ。

 すなわち、「防衛」は絶対的な「安全保障」にはなり得ない……「防衛」という名の「戦力」は、かえって「安全」を脅かす……

 マクナマラは、日本の「九条」に含まれた真理を、「戦争の家」の長官として、実体験を通して学び取っていたのである。  

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