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自公政権の液状化は「政権交代→日本再生」への千載一遇のチャンス(二見伸明 THE JOURNAL)
http://www.asyura2.com/09/senkyo66/msg/266.html
投稿者 旅烏 日時 2009 年 6 月 26 日 09:51:47: SWN/9Stw90kzo
 

自公政権の液状化は「政権交代→日本再生」への千載一遇のチャンス
二見伸明氏(誇り高き自由人、元衆議院議員)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/06/post_303.html (全文転載)


 自民党内に「麻生おろし」が広がっている。パートナーの公明党支持者からも、「麻生離れ」「自民不信」が高まっている。液状化現象の本格化である。麻生総理の下では落選しそうなので、国民受けする人に、シャッポを変えたいという気持ちは、私も落選の経験があるので、わからないわけではない。しかし、日本社会の現状は、小手先の策で解決出来るような甘いものではない。また、麻生総理は「吉田首相の孫で、天皇の縁戚」というプライドの高い人だから、「麻生おろし」に屈服して、「大政奉還」することは頭の片隅にもない。必ず、解散をうってくる。解散の時期は、天皇がカナダ訪問に出発する前日の7月2日(この場合、投票日は8月2日)か、天皇が帰国する17日夜から7月28日の間であろう。7月28日解散なら、投票日は8月 30日か9月6日だ。それにしても「麻生おろし」はマスコミ向け、選挙区向けのパフォーマンスで、起死回生の気概は全くない。「麻生支持」を強調する閣僚や党幹部も気もそぞろで、言葉も上ずっている。

 1976年、三木武夫総理の解散権を封じ、三木総理の続投を阻止する「三木おろし」という凄絶な党内抗争があった。三木は、金脈問題で失脚した田中角栄に替り、椎名裁定によって、総理の座についたが、彼は戦前からの代議士で、対米戦争反対の論陣を張り、戦中は大政翼賛会に加わらず、鳩山一郎らとともに、非推薦で戦った骨の髄からのリベラリストである。この三木を潰すべく、田中派、福田派、大平派、椎名派など主要派閥が「挙党体制協議会(挙党協)」を結成して対決したのである。もしもそのとき、日本社会党、公明党など野党に政権奪取の気概があれば、自民党の混乱に乗じて、政権奪取の大技も考えられたであろう。しかし、そんな能力もなく、人材もいない野党(私もその一員だった)は、指をくわえて眺めているしかなかった。1993年夏、小沢一郎が、政治改革のために、野党暮らしも覚悟の上で、手勢を率いて自民党を脱党したときには、驚愕と感動で胸が一杯になったのである。

 数日前、友人の自民党長老は「かつては、ガバナビリテイのある実力者が、天下危急の時には汗もかくし、知恵も出した。いまは、そうした本物の実力者がいない。総理経験者なんぞ屁の役にも立たん。若手も経験豊富な先輩の話を、バカにして聴こうともしない」と嘆いていた。彼の嘆きは一面の真理を衝いてはいるが、私は、進行中の液状化は、半世紀もの間、日本を支配してきたシステムや政策が時代と民心の変化に対応出来なくなり、官僚機構も機能不全に陥り、修復不能になって、日本全体に波及したことが本質だと考えている。液状化=亡国を阻止するには、政権交代の数十倍のエネルギーが必要なことを銘記する必要がある。小沢が描いた<政権交代による日本改造のシナリオ>は、壮大なロマンである。

 ここで、17日の党首討論で、麻生総理が3年後の消費税増税を明言し「消費税論議を避けるのは、財源を避けて通ることになる。財源がなければ極めて無責任だ」と鳩山民主党代表に逆襲したことに、一言コメントしておこう。

 議会の誕生の歴史は政治執行権者の横暴から個人の生命、自由、財産を守ることと、年貢(=税金)の増税阻止である。国民に増税を求めるときは、政策の失敗の責任者と結果責任についての説明責任がともなうべきである。消費税を増税しなければならないほど赤字を垂れ流した責任は、半世紀以上政権の座にある自民党にある。15兆円のばらまき補正予算を組んで、その財源を消費税増税で賄おうとする愚策は、自公の合作である。失政のツケを国民に押し付けて、何の責任も感じず、平然としているどころか、消費税アップをしないことを明言する民主党を「政権担当能力がない」と決め付ける政府与党の態度は、無責任を通りこして、不遜でさえある。諸外国では、政府が自己の責任を棚上げして「カネがないから増税」と言った瞬間、暴動や反乱の大津波に襲われることだろう。

 1988年秋、私は消費税国会の税制特別委員会の理事だった。当時、官房副長官だった小沢一郎は政府与党側の実質的な総司令官だった。私たち野党は彼に徹底審議を要求し、小沢は「重要法案なので十二分に審議してもらいたい」と応じた。小沢は、逆進性、複数税率の是非など消費税の抱える問題点や課題を知り尽くしていた。消費税に手をつける前に、まず、天下り禁止、公務員制度の改革、予算の抜本的組み換え、政策の優先順位、補助金制度の廃止など行財政の革命的な改革がなされなければならない。この改革を中途半端にして増税論議をすれば、結果として消費税アップだけ食い逃げされかねないのである。鳩山代表が、増税ではなく「まず、徹底的に無駄遣いをなくす方向からスタートしたい。随意契約の見直し、不要不急なものを後回しにする」と切り返したが、これが正論である。

 私が不可解に思うのは、本来は増税に反対のはずのマスコミが、政府与党のお先棒を担いで「消費税増税」の旗振りをしていることである。消費税が上がれば、その分だけ新聞購読料も上がり、新聞購読者は間違いなく減る。収入の65%を購読料に依存している新聞各社にとって消費税増税は致命的なはずである。アメリカでは「新聞は頭の古い『大人』用に毎日発行される『情報の定食』で、面白くない」と若者にソッポを向かれている。日本でも新聞購読者は減少し、ネットに侵食されている。にもかかわらず、政府をヨイショするのは、再販制度維持と「押し紙」問題を不問にしてもらいたいという下心があるのではないか。また、マスコミ各社「横並び」の、執拗な「小沢批判」も、政官大手マスコミの癒着の温床である記者クラブ制度廃止を明言し、実践している小沢一郎に対する恐怖心と憎悪の現れであろう。記者クラブ制度が廃止されれば、総理の記者会見はもちろん、午前午後、二回行われる官房長官の記者会見をはじめ、すべての記者会見がオープンになる。そうなれば、いままで記者会見から排除されてきた有能な外国人特派員、週刊誌記者、フリーのジャーナリストも取材出来ることになる。結果として、ゴマすり記事を書いていた大手マスコミの取材陣の無能力と怠慢が明らかになるだろう。それは新聞各社にとって、この上ない屈辱である。マスコミ界も日本列島液状化のまっただ中にあるといえよう。

 野党は自民党の液状化現象を、「これで衆院選は勝てる」と浮かれていてはならない。20年前、北京の天安門事件のとき、「中国は変わる」とTVに映る100万人デモを見て楽観視した日本人に、中国事情に詳しい友人は「数千万人の血であがなって手に入れた権力だ。ケ小平と共産党は、100万、200万の人民を犠牲にしても守り抜く」と予見していたが、その言葉は権力の本質を見事なまでに衝いている。権力はアメーバーだ。アメーバーは生き延びるために、どのような姿にでも変身する。情け容赦もなく、自民党や公明党を捨てて、民主党に取り付き、血を吸い取ることもあるし、ときには、支持率上昇という「絵に描いた餅」に喜んでいる民主党に食い込んで、土壇場での大逆転を画索しているかもしれない。私は日本のために、小沢一郎のような「本物の革命的改革者」が、自公政権打倒だけではなく、民主党に厳しい目をもち続けるべきだと考えている。

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【プロフィール】 二見伸明(ふたみ・のぶあき)
1935年2月10日生まれ。69年12月の衆院選に初当選し、以後8期23年。小沢一郎、羽田孜、石井一、森喜朗と同期。公明党政策審議委員長、副委員長、運輸大臣を経て、94年、新進党。97年暮の新進党解体により、小沢の自由党結党に参加。総務委員長、国対委員長。2000年春、自由党分裂に際し、小沢と行動を共にする。小沢対羽田の一騎打ちの新進党党首選では「四海波穏やかなときは羽田がベストだが、激動期は小沢の豪腕がベスト」と表明し、小沢の推薦人になる。

投稿者: 《THE JOURNAL》事務局 日時: 2009年06月26日 07:48  

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