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『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う』副島隆彦、植草一秀:著 竹中平蔵は「グローバル・エリート」道半ばにして失脚
http://www.asyura2.com/09/senkyo66/msg/295.html
投稿者 TORA 日時 2009 年 6 月 26 日 17:10:15: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu194.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う』 副島隆彦、植草一秀:著
竹中平蔵は「グローバル・エリート」道半ばにして失脚するのではないか。

2009年6月26日 金曜日

◆『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う』 著者:副島隆彦、植草一秀
http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi

この本は出来るだけ早めにお求めになることをおすすめします。私は、普段はそういうことは思わないのですが、この本はたぶん、全国の書店で売り切れが相次ぐことになると予感しました。それだけ、この本に書かれている内容は、生々しいものなのです。

 生々しい内容としては、94ページに書かれている、ある外資系ファンドの人々の植草評価である。植草先生の知人で外資系の債券回収業を日本で立ち上げた人物がいる。その人が、外資系ファンドの人たちの集まりの中で、参加者の外資系の人々が、口々に、「ウエクサはガリレオだ。ガリレオを火あぶりにしろ!」と叫んだと植草氏本人に話したという。

 つまり、外資系金融業者が、竹中路線を否定する植草先生を「火あぶりにしろ」と叫んだというのである。この恐ろしいエピソードは、あの当時、主流派エコノミストにとって、小泉・竹中路線に反対することが命をかける行為だったのかを如実に物語っている。

  この本では、副島隆彦先生は持論を述べるというよりは、植草先生の聞き役に回っています。経済学者であり、国策捜査の犠牲者になった、植草一秀先生の緻密な経済分析、そして自ら体験してきた日本の政界との関わりについて、熱心に聞きに回っているのです。

 もちろん、聞き手のうまさ、相手から絶妙な答えを引き出す能力というのも対談本ではきわめて重要なのです。その点、副島先生の植草先生に対する合いの手は、要所要所で重要な証言を引き出すことに成功していると思いました。

 植草先生は、数年前に、痴漢(ちかん)えん罪事件で警察に捕まってしまい、拘置所に勾留されている際に書きまとめた原稿を集めた本、『知られざる真実−勾留地にて−』(イプシロン出版企画)を出版されています。この本の内容も凄かったのですが、今回はこの本の流れをくみつつも、さらにストレートに「権力犯罪」の真相を語っているのです。

 私が急いで読んだ印象では、この本の内容は大きく三つに分かれます。

 一つ目が、現在アメリカを襲い世界に波及している、アメリカ初の世界金融恐慌についての分析です。ここで植草先生は、的確に数字を引用し、現在の危機の深刻さについて議論を展開します。植草先生は、一級のエコノミストであり、この本でも書かれていますが、おそらく、竹中平蔵や小泉純一郎元首相のような「アメリカの手先」勢力の謀略にはまってしまわなければ、金融大臣になっていただろうと言われる人物です。(本書、83ページ前後)

 二番目が、そんな有力エコノミストである植草先生に襲いかかった、痴漢の罪をでっち上げて、「破廉恥(はれんち)罪」というレッテルを貼り、拘置所に閉じこめ、社会的に抹殺しようとした、「国家権力の手先」との熾烈な戦いの記録です。

 この事件の真相については、詳しくは本書をお読みいただきたいと思います。列車に乗っていた痴漢の被害者の女性の名前、素性(すじょう)すらわからない。こういうきわめて不可解な事件です。最近、立て続けに電車内での痴漢行為を働いたとして捕まった学者と若者の無罪が決まるなど、痴漢えん罪に対する世間の認識も変わりつつある。

 権力犯罪を行って、反対者を粛正(しゅくせい)しようとする勢力は、その人を殺さなくてもいい場合には、「社会的に抹殺する」という手段を選ぶ。植草先生は、小泉・竹中構造改革路線に反対した立場の学者であるがゆえに、権力の毒牙(どくが)に掛かった。

 これとはまったく逆の立場を取った、竹中の応援団の高橋洋一氏(東洋大学元教授)も、「銭湯のコインロッカーでの窃盗事件」という破廉恥罪の一種をでっち上げられたか、そうするように心理的に追い込まれた。このように、権力側が犯罪をでっち上げて失脚させるということは、その人のイデオロギーや信条にかかわらず行われる。言ってみれば、権力の「虎の尾」を踏めば誰でも犠牲になるのだ。

 この植草×副島対談本の三番目の柱は、エコノミスト植草一秀の目から見た、「流行の経済思想の流通業者・竹中平蔵」の分析、解説というものだ。私はこの三番目の部分こそがこの本の読みどころだと思っている。植草先生は、東大経済学部を出て、そのあと大蔵省財政金融研究所研究官を務めた。そして、その後アメリカのスタンフォード大学フーバー研究所の研究員を務め、やがては野村総研の首席エコノミストになったほどの人物である。

 最初の方で、私が小泉サイドの圧力がなければ、大臣として入閣した可能性があると書いた理由がわかっていただけただろうか。

 対談集なので、三つの論点は、話の流れに沿って随時、説明されていく。植草先生は、大蔵省で働いていたこともある人なので、若い頃の竹中平蔵の姿も実際に見ている。この時代の目撃者である植草先生の証言は、実に生々しいものである。

 最近、佐藤優氏、天木直人氏などの元国家公務員の人が、実際に自分の目で見た政治の現場、生々しい権力闘争について描いた本が次々と出ている。政治権力の犠牲者になった、佐藤氏や天木氏、そして植草氏の例だけではなく、定年退官したので真実を話そうとした憂国者の暴露本もある。(次回のこの広報ページでは、定年退官した元外務官僚で、岡崎久彦氏とも同僚関係にあった、孫崎 享(まごさきうける)・元外務省国際情報局長の『日米同盟の正体』について書評する)

 さて、この植草×副島対談本『売国者たちの末路』の内容について、私としては、詳しく引用して紹介したい。そういう欲望に駆られた。しかし、それでは本が売れなくなる。だから、私が読んでみて、強く印象に残った部分を一カ所だけ引用したいと思います。

 植草先生は、竹中平蔵・元金融大臣と小泉純一郎・元首相の二人が実際に政権担当していたときに起こった権力の乱用(りそな銀行救済を巡る自民党議員のインサイダー取引)、そして、最近の「かんぽの宿」の安値払い下げの問題までカバーしている。

 植草氏は、「かんぽの宿」のオリックス(宮内義彦会長)への安値払い下げ問題には、払い受け企業の選定、その払い下げ価格を巡る資産価格査定について、外資も関与した不可解な状況があるとして次のように述べている。本書の一〇〇ページ以下から引用してみよう。

 (引用開始)
 植草 郵政民営化は多くの問題を日本に残しました。一番わかりやすいのが「支配権」の問題です。郵貯・簡保の資金300兆円が丸裸にされ、市場で売却された「ゆうちょ銀行」などの株式を買い集めれば、外国資本が郵貯・簡保資金を完全に支配することも可能になります。

 ここで気になるのは、旧郵政公社時代までの資金については政府保証がつくことです。仮に損失が生まれても日本政府がその穴埋めをすることになっている。つまり、長銀売却のときに問題になった「瑕疵(かし)担保(たんぽ)特約」と非常に似た部分があるのです。このことはあまり認識されていません。

 これ以外にも知られていない大きな問題があります。それは日本郵政が保有する不動産です。ご存じのように日本郵政グループは「株式会社ゆうちょ銀行」「株式会社かんぽ生命保険」「郵便事業株式会社」「郵便局株式会社」の4社からなります。そして、全国に及ぶ膨大な不動産を持っており、郵便事業会社と郵便局会社の2社の保有分だけで2兆4000億円という簿価(ぼか)になる。すなわち、三菱地所や三井不動産なみの不動産を所有しているのです。

 郵政事業と不動産というとピンと来ませんから、感覚的にはなかなか捉えにくい。それだけに、この不動産がたぶん大きな狙いになっている。

『売国者たちの末路』(102ページ、)
 (引用終わり)

 以上、この本の中でもとびきりに重要な指摘を行っている部分を引用した。私(アルル)から見てもこの指摘は衝撃である。郵政民営化法案の審議が行われていた、2005年当時、この段階では不動産の問題が注目されることはなかった。

 注目されたのは、米保険業界が狙いを付けた簡易保険の数百兆円の資金、そして、金融機関としうて誕生させられた「ゆうちょ銀行」の二つを、いつアメリカの外資系投資銀行が乗っ取るのか、あるいは、これらの資金の「運用委託」をどこが引き受けるのかという問題であった。

 郵政民営化法成立直後も、地方の郵便局が閉鎖されるという不安や、銀行窓口での過剰とも言える投資信託の販売の問題がやり玉に挙がるばかりで、不動産の問題は、この「かんぽの宿」問題が発覚して初めてクローズアップされた。(後略)

(私のコメント)
選挙が近くなったせいか、政局がらみの話題が多くなりますが、自民党の小泉・竹中路線からの脱却がなかなか進まない。「株式日記」は小泉内閣の経済政策を当初から批判してきた。当時は小泉内閣への支持率は80%を超えており、それだけ国民の期待は高かったのですが、小泉純一郎は見事に国民の期待を裏切った。

そのいい例が次男の小泉進次郎への世襲であり、構造改革といいながら自民党の一番古い部分を守ろうとしている。国会議員でいることだけでも利権であり親子代々で利権を守り続ける事が家業になってしまっている。小沢一郎が東北一帯の建設利権を持っているように小泉純一郎も神奈川一帯の利権を持っている。何かやろうとすれば小泉純一郎に政治献金しないと話が進まない。

だから政治家とヤクザはコインの裏表であり、小泉純一郎は稲川会の政界部門の窓口だ。だから山口組と縁が深い野中広務などと戦えたのであり、政界から追放する事に成功した。稲川会はアメリカとも縁が深くブッシュファミリーとも縁が深い。だから小泉純一郎はアメリカの意のままに動いて郵政民営化を断行した。

「株式日記」は郵政民営化法案に反対してきましたが、「かんぽの宿」問題でその問題点が明らかになった。郵貯簡保が持つ340兆円の資産以外にも郵政公社は不動産だけでも2兆4000億円の莫大な資産を持っている。「かんぽの宿」も2400億円かけて作られたものですが、オリックスに105億円で売却されようとしていた。

竹中平蔵は未だにテレビなどに出ては世論工作をしていますが、小泉内閣が出来る前は植草一秀氏のライバル的存在だった。しかし竹中平蔵は植草氏との討論を徹底的に避けてきた。私も「売国者たちの末路」の本を買って読みましたが、状況から言って植草氏は神奈川県警に嵌められたのだろう。詳しい事は分かりませんが、最近は高橋洋一氏なども同じ手でやられたようだ。

小沢一郎の秘書が検挙されて、自民党の二階大臣はお咎めなしのようですが、同じ事をしても恣意的に検察や警察が動くのは納得できない。自民党政権が末期に来ているからなりふり構わぬ「国策捜査」が行なわれている。警察や検察が政治的に動くのは独裁国家に良くある事なのですが、日本は民主主義国家なのだからあまり露骨な事はやって欲しくない事だ。

同じ事を繰り返していれば警察や検察の信用が無くなり、やがては政権も信用されなくなる。西松建設は賄賂と認めているのに受け取った二階大臣は賄賂との認識がなかったという事で、小沢氏の大久保秘書だけが起訴されるようだ。建設業界は地域のボスに金を配らないと公共工事などをさせてもらえない。

それに対して小泉純一郎は神奈川の都市議員だから公共工事にはあまり縁が無いが、アメリカなどとの通商利権で政治力を伸ばしてきたのだろう。二階大臣は中国との通商利権を持っており、口利きビジネスでは相手国の言いなりになりやすい。政治家という商売は利権と口利きで成り立っており、だから世襲政治家が増えてきたのだ。

政権が交代してしまうと利権や口利きビジネスが成り立たないから自民党は何が何でも政権にすがりつくはずだ。しかし麻生内閣は世論に反して日本郵政の西川社長の続投を認めて、日本郵政を三井住友やゴ−ルドマンサックスへの利益誘導を図っていくようだ。そうしないと小泉竹中両氏はアメリカからのリベートがもらえないのだろう。だからなりふり構わず麻生内閣に圧力をかけた。

「売国者たちの末路」という本を読めば竹中平蔵の末路も読めてくるだろう。日本郵政を外資に売却するというシナリオは、アメリカの金融危機で半ば頓挫しているのですが、ゴールドマンサックスは手負いの獅子の様に日本郵政に襲い掛かってくるだろう。340兆円の資金運用や2兆4000億円の不動産売却は喉から手が出るほどの利権だ。

最近のマスコミ報道は竹中平蔵の暗躍によって全く信頼性が無い。「かんぽの宿」問題も国会では連日大討論が行なわれているのにテレビでは報道されず、鳩山大臣と西川社長との対立が何で起きたのかも分からないほどだ。政治とカネは切っても切れない関係なのですが、長期政権が続けば政権交代して利権や口利きビジネスの繋がりを断ち切ることが大切だ。そうしなければ警察や検察が一方的な捜査を続けるからだ。民主党政権が出来れば小泉・竹中逮捕という逆「国策捜査」が行なわれて行くようになるのではないかと思う。


 

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