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サンプロがかんぽの宿疑惑適正検証を行なうか(植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/09/senkyo66/msg/428.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 6 月 28 日 17:46:24: twUjz/PjYItws
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-8728.html

2009年6月28日 (日)
サンプロがかんぽの宿疑惑適正検証を行なうか


 麻生首相は7月2日の衆院解散を断念しかけている。7月12日の東京都議会選で自民党が敗北しなければ、直ちに衆議院を解散し、8月2日の総選挙に臨むことになるだろうが、都議選で自民党が敗北すれば「麻生おろし」の突風が吹くことになる。自民党は総裁選を前倒しすることになるだろう。


総選挙は8月30日、9月6日、ないし10月4日に先送りされることになる。自民党はお祭り騒ぎの総裁選を実施して、その勢いで総選挙になだれ込むことになるだろう。国民は総選挙目当ての4度目の総裁選を容認するだろうか。


6月28日のテレビ朝日『サンデープロジェクト』に鳩山邦夫前総務相が出演した。「かんぽの宿」疑惑について田原総一朗氏が鳩山前総務相に質問した。


田原総一朗氏−竹中平蔵氏−大谷昭宏氏−高野孟氏−財部誠一氏の「サンプロペンタゴン」は、一貫して西川善文日本郵政社長の続投を支持してきた。


鳩山邦夫氏の語り口は、田原氏が在野で西川続投擁護論を唱える中心人物の一人である事実を鳩山氏が把握していないことを示すものだった。鳩山氏は麻生首相周辺の「振付師」が麻生首相を恫喝して西川社長続投をごり押ししたとの推測を述べたが、田原氏自身が「振付師」の一味であることに気付いていない様子だった。


「サンプロペンタゴン」の主張の概要は以下の通りだ。


@「かんぽの宿」は年間40〜50億円の赤字を垂れ流している。


A3200人の従業員の雇用維持条件が付されており、109億円は安すぎる価格でない。


B27社による価格競争入札でオリックス不動産選定への売却が決められた。


C日本郵政は民間会社であり、政府が人事に介入すべきでない。


D一連の騒動は郵政民営化反対派による陰謀であり、109億円でしか売れない物件に2400億円もの巨費が投入されたことが非難されるべきだ。


「サンプロペンタゴン」の主張が間違っていることを本ブログで詳しく説明してきた。概要については


「テレ朝報道ステーションの救いようのない欺瞞」(6月13日)


「鳩山総務相更迭問題を逃げたテレ朝サンプロ」(6月14日)


「千葉市長選民主大勝と日本郵政の巨大犯罪疑惑」(6月15日)


「それでも日本郵政西川社長を解任すべき理由」(6月23日)


「国会出頭要請をもう逃げられない竹中平蔵氏」(6月24日)


を参照いただきたい。


鳩山前総務相が「李下(りか)に冠(かんむり)を正さず」と述べた。


「かんぽの宿」は貴重な国民財産であるから、その売却にあたっては、不正が入り込まないよう厳正な手続きが必要であり、客観的な透明性を確保することが絶対に必要である。


日本郵政の内規(総務省に届け出たもので会計法に準じている)は、資産売却の手続きについて、「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」の三類型を定めている。


日本郵政は「かんぽの宿」売却を「競争入札」による売却と説明してきた。「競争入札」には「一般競争入札」と「指名競争入札」の2種類があるが、国会審議を通じて明らかになった「かんぽの宿売却」はこの二つの類型のいずれにも属さない「随意契約」であった。


「かんぽの宿」売却先決定プロセスが不透明極まりないものだったのだ。この不透明性から鳩山総務相が「出来レース」との疑惑を指摘した。鳩山氏の指摘は、国会審議で明らかになった事実に照らして正論である。単なる言いがかりではない。日本郵政の行動が「李下(りか)に冠を正さず」の姿勢からかけ離れていることは間違いない。


「かんぽの宿」は2400億円の資金を投じ、時価1000億円以上の価値があると判断される不動産である。時価評価の最も有力な基準は固定資産税評価基準額だが、固定資産税評価基準額は857億円である。


1000億円の価値がある「かんぽの宿」資産を109億円(承継負債を含めると129億円)で売却することを正当化した根拠は、「かんぽの宿」の簿価が日本郵政内部で129億円に引き下げられたことにあった。


「かんぽの宿」の簿価は2006年3月期から、突然大幅に引き下げられたのだ。「週刊ポスト2009年3月13日号」に掲載された「かんぽの宿79施設」の簿価推移を以下に示す。日本郵政から総務省に運ばれた「17箱の段ボール」資料に示された数値だ。


2003年4月 1726億円
2004年3月 1620億円
2005年3月 1535億円
2006年3月  672億円
2007年3月  326億円
公社閉鎖時    129億円
2008年3月  125億円
2008年9月  123億円


2007年3月の326億円を129億円に書き換えたのが「承継財産評価委員会」で、その中心的役割を果たしたと見られているのがオリックス関連企業取締役を務める奥田かつ枝氏である。


宮内義彦会長の著書「経営論改訂新版」(2007年)には、宮内氏の「かんぽの宿」に対する認識が記述されている。


「「かんぽの宿」は、料金の割に施設が充実しているため、主婦層を中心にした顧客基盤をしっかりと築いています。こうした施設に民間のホテル、旅館業が対抗していくのは容易ではありません。」


オリックスグループは、ここ数年、経営難に直面したホテルや旅館を買収する「再生ビジネス」に力を入れてきた。宮内氏はかねてより「施設の充実した「かんぽの宿」」に注目し、「かんぽの宿」が民間宿泊施設よりも「競争力」を有しているとの認識を有してきたのである。


宮内氏が指摘する「顧客基盤」に関連して重要な事実は、「かんぽの宿」が会員数100万人を超える「メンバーズ」を保有していることだ。オリックス不動産が昨年年末にHPで明らかにした「かんぽの宿」取得の広報では、この「メンバーズ」に対して、オリックスグループ商品を供給する方針が示された。


79施設の一括売却が、「オリックス」のビジネスモデルに合わせて設計されたとの見方十分に成り立つのである。全国チェーンに見合わない物件は、それ以前に売却されており、オリックスが必要とする物件だけが売却対象に盛り込まれたとの見方が十分に成り立つ。


安値売却を生み出した二つの「マジック」は、


@事業収支に基づく不動産鑑定評価


A3200名の従業員の雇用維持と転売規制


である。


安値売却を正当化する人々は、かんぽの宿の「40〜50億円」の赤字を前提とした不動産鑑定評価と、雇用維持条件を「正当性の根拠」に持ちだす。


ところが、この「40〜50億円の赤字」が不透明極まりない。


「かんぽの宿」事業収支の赤字は2008年3月期では5億円に過ぎない。2010年3月期には10億円の黒字計上が見込まれていたことも明らかにされている。「40〜50憶円の赤字」の意味が明らかにされなければならない。


そもそも「かんぽの宿」は「加入者福祉施設」であって、赤字であることが予定されている施設である。したがって、この事業収支を前提とする鑑定評価は適正でない。総務省は「取引事例比較法」に基づく鑑定評価を実施する必要がある。


3200名の従業員の雇用維持が強調されるが、オリックス不動産に課せられた雇用維持条件は次のものだった。


3200人の従業員のなかの620人の正社員のなかの550人について、たったの1年だけ雇用条件を維持するとの条件が付されただけだったのだ。また、転売規制にも抜け穴条項が用意されていた。


550人の雇用だけが雇用維持条件の対象であるなら、これらの人々に全員1000万円の早期退職勧奨金を支払っても、その合計金額は55億円である。55億円の支払いを実施して、純粋不動産として売却すれば、はるかに大きな売却代金を確保できるはずである。


貴重な国民資産である以上、日本郵政は最高の価格で資産を売却する責務を負っている。ところが現実には、オリックス不動産に対して、法外に低い価格で国民財産を横流ししようとしたとの疑いを払拭できない。


鳩山前総務相も指摘したが、今回の売却には当初、400億円の価格を打診した買い手が存在した。この業者が門前払いされ、不透明な選考手続きを経て、3社にだけ第二次選考への参加が許された。


その1社が住友不動産で、住友不動産には別の物件が提供され、住友不動産が二次選考への参加を辞退したことが明らかになった。第二次選考に参加したHMI社に対しては、応募締め切り後に、目玉物件の世田谷レクセンターが外され、HMI社も結局辞退した。その結果、オリックス不動産への売却が決まった。これらの経過を見て、「出来レース」と考えない方がおかしい。


今日の「サンデープロジェクト」でも「サンプロペンタゴン」一員の財部誠一氏は、「100億円でも高い」などと叫んでいたが、上述した検証に対する説得力のある反論はまったく示されていない。


田原氏は「サンプロ」で次週、この問題を扱うと発言した。どのような検証が行なわれるのか注目される。


予想されるのは、総務省が実施した250億円の鑑定評価を報道することだ。この鑑定がどのような経緯で実施されたのかが定かでないが、西川続投擁護派が関係しているはずである。


また、高い鑑定評価額提示は「承継財産評価委員会の決定」を完全否定することをもたらす。この場合、さらに大きな問題に発展し、多くの関係者の責任問題が浮上する。総務省がこの責任を回避した可能性が高い。


適正な数値を得るには、「収益還元法」ではない、「取引事例比較法」に基づく鑑定評価が不可欠である。


温泉旅館の全国チェーン展開を計画していたオリックス不動産にしてみれば、1000億円の価値を持つ「かんぽの宿70施設プラス9ヵ所の首都圏社宅施設」を129億円で取得できれば、巨大な利得になる。


雇用条件は550人に対して1年だけ保証すればよいのだ。全国展開を図る際に、逆に従業員を確保することが大きな仕事になるが、雇用条件を維持しないでよい2650人の旧従業員が存在するのだから、まったくコストをかけずに従業員を確保することができる。


「かんぽの宿」メンバーズの100万人の会員は、オリックス生命が販売する保険商品のターゲットとなる100万人である。オリックスにとって、これほど有利な取引は存在しない。


鳩山前総務相が指摘したように、西川社長が更迭され、清廉潔白の新社長が就任し、これまでの悪事の山を白日の下に晒(さら)すことを、力づくで阻止しなければならない人々が存在するのだと考えられる。


収益還元法に基づく不動産鑑定評価と取引事例比較法による不動産鑑定評価の相違は、1万円で売却された物件が直ちに6000万円で売却された事例を考えれば分かりやすい。


「サンプロ」が次週、総務省が実施した鑑定評価額250億円を適正売却の根拠に持ち出すとしても、これだけでは「正当性の根拠」にはならない。「取引事例比較法に基づく不動産鑑定評価」が実施され、その鑑定評価額と比較することが不可欠である。


「かんぽの宿不正売却疑惑」はまったく払拭されていない。検察は政治権力の意図に従ってしか行動しないから、疑惑が解明されるのは、政権交代後になるだろう。この意味でも政権交代を実現しなければならないのである。

 

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