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糞パフォーマンス、初の裁判員裁判4日目。
http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/819.html
投稿者 SOBA 日時 2009 年 8 月 07 日 17:15:05: LVbi13XrOLj/s
 

(回答先: 糞パフォーマンス、初の裁判員裁判3日目。 投稿者 SOBA 日時 2009 年 8 月 07 日 17:05:53)

【裁判員 判決】被告は「自分と同年代であれば…」と弁護士らに不満
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061742015-n1.htm
2009.8.6 17:39

 裁判員裁判の判決後、藤井勝吉被告(72)の弁護人、伊達俊二弁護士ら弁護側が会見し、判決について「懲役15年が長いというより、被告の言い分が認定されず不満」とし、控訴するかどうかは「今後、ゆっくり考えたい」と述べるにとどめた。

 伊達弁護士らは判決後、藤井被告と接見。藤井被告も主張が認められなかった判決内容に不満を漏らしていたといい、裁判員の構成について「年齢が若い人が多かった。自分と同年代であれば、近隣住民との問題について少しは想像してもらえたのではないか」などと語っていたという。

 「被害者側にも落ち度があると指摘した弁護方針が、裁判員に受け入れられなかったのではないか」と指摘されると、伊達弁護士は「被害者の言動が事件を誘発したという事情を訴えないと、真相は分からなかった。被告も葛藤(かっとう)があったと思うが、結果的に、裁判員には反省の態度がないと映ったと思う」と分析した。

 また、伊達弁護士は「判決を聞いていると、従来の裁判官の思考過程と同じだと思った」と語り、「色んな弁護技術を含めて、改善されていくと思う。今後、検証していきたい」と振り返った。

 
【裁判員 判決要旨(上)】「証人の供述は信用性高い」 (1/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061607012-n1.htm
2009.8.6 16:06

 裁判長が判決公判で読み上げた藤井勝吉被告に対する殺人事件の判決要旨は次の通り。

 【主文】

 藤井被告を懲役15年に処する。押収してあるサバイバルナイフ1本を没収する。

 【犯罪事実】

 藤井被告は、平成21年5月1日午前11時50分ごろ、東京都足立区関原の文春子さん=当時(66)=方で、文さんを死亡させると分かりながら、強い攻撃意思を持って文さんの左胸を2回、背中を1回、サバイバルナイフ(刃体の長さ約9・3センチメートル)で突き刺すなどした。その結果、文さんは同日午後3時13分、東京都荒川区の東京女子医科大学東医療センターにおいて、出血性ショックにより死亡した。

 【事実認定の補足説明】

 この事件では、藤井被告の文さんに対する殺意の内容が争点となっており、当裁判所は前記犯罪事実記載のとおり認定したので、この点について補足して説明する。

 1

 証人たちの各公判供述はいずれも信用性の高いものである。このことなどを踏まえると、関係証拠によれば、犯行に至るまでの藤井被告と文さんの関係と犯行前後の2人の言動について、以下の事実を認定することができる。

(2/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061607012-n2.htm

 (1)藤井被告は、平成6年ごろに離婚した前妻が家を出ていったのは、文さんが前妻に余計な知恵をつけたからだと思っていた。

 (2)藤井被告宅の斜め向かいに住む文さんの自宅前には、以前から多数の植木やバイク3台などが道路にまではみ出して置かれていた。藤井被告は、かつて軽自動車を使用していた際に、その植木やバイクが通行の支障になるなどとして、文さんに何度も文句を言ったことがあった。

 (3)藤井被告は、文さんと言い争いになると手を出すことになり、また刑務所に行かなければならなくなると考え、平成18年7月に出所した後、なるべく文さんと顔を合わせないようにしており、文句も言わないように我慢していた。

 (4)藤井被告は、事件犯行前日に競馬で大負けしてむしゃくしゃした気持ちになり、深夜までやけ酒を飲んだ。事件当日の朝、二日酔いで具合が悪かった藤井被告は、迎え酒として焼酎を2杯程度飲んだ。

 (5)藤井被告は、犯行前日も競馬に行こうと考え、出かける準備を整え、午前11時ころに出かけようとしたが、文さんが植木の手入れをしていたので、顔を合わせたくないと思い、出かけられずにしばらく待ちながら、いらだちを募らせていた。 そのような折、文さんと目が合ったことから、藤井被告は自宅を出ていき、庭先に置いていたペットボトルが2、3日前から倒れていたことについて、文さんに文句を言った。これに対し、文さんは藤井被告に何か言い返すような言葉を発した。

(3/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061607012-n3.htm

 (6)このようなやりとりがあった後、藤井被告は自宅からサバイバルナイフを持ち出す前後のいずれかの時点で「ぶっ殺す」と2回言った。

 (7)藤井被告は、文さんにサバイバルナイフを1回突き出し、そのナイフを握っている藤井被告の手が文さんの体に触れるほど深く、胸にそのナイフが突き刺さった。その後、藤井被告は文さんともみあいになるなどしながらも、胸や背中を1回ずつ深く突き刺すなどした。

 (8)その後、文さんは藤井被告の攻撃から逃れようとして藤井被告を突き倒した。それで文さんは、自宅玄関先から証人の家近くまで逃げた。藤井被告は起き上がり、いったん自宅方向へと移動した。その際、藤井被告は文さんの叫び声を聞いて自宅から出てきた証人に気づいていた。

 (9)その後、藤井被告は別の証人宅付近まで、逃げる文さんのあとを追い、文さんはさらに遠くに逃げていた。別の証人が騒ぎを聞きつけて出てきた際、文さんは「助けて」と叫んでおり、藤井被告は「くそばばあ」と言った。

 
【裁判員 判決要旨(下)】「被告の供述信用できない」 (1/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061625013-n1.htm
2009.8.6 16:25

 2

 ところで、藤井被告は文さんにサバイバルナイフを突き出す前に、脅すためにサバイバルナイフを見せると、文さんが「やるならやってみろ」などと言い、藤井被告のあごを押し上げてきたと供述する。

 しかし、文さんが年配の女性であることや、文さんの長男が証言しているような日ごろの言動に照らすと、文さんがそのような言動をとったとはにわかには信用しがたい。

 その上、証言などによれば、藤井被告が「ぶっ殺す」と言ったころに、藤井被告が文さん宅方向に走っていることが認められる。また、捜査報告書などによれば、藤井被告がサバイバルナイフを持って自宅を出た際にはいていたサンダルの片方が藤井被告宅の庭に残されていたことも認められる。これらのことをあわせ考えると、藤井被告は、ナイフを持ち出して文さんの方に向かっていく際に、走ったと認められるが、ナイフを持って走り寄ってきた藤井被告に対し、文さんがそのような言動をとるようなことは、一層考えがたい。

 したがって、藤井被告の供述は、信用できない。

(2/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061625013-n2.htm

 
3 動機

 以上の事実を踏まえて動機について検討すると、藤井被告は、以前から文さんに一方的に憤懣(ふんまん)の念を抱きつつも、刑務所に行く事態になることを恐れて我慢を重ねていたところ、本件犯行前日に競馬で負けていらだっていた。

 その上で、犯行当日に競馬に出かけようとしたのに、文さんがいるために出かけられなかったことなどから、いらだちを募らせた。飲酒による抑制力の低下の影響とも相まって、文さんと目が合うと、言い返されたために怒りを爆発させ、突発的にサバイバルナイフを持ち出し、それで文さんを突き刺そうとの攻撃意思を持つに至ったものと認められる。

 4 殺意の内容

 このことも踏まえ、さらに、藤井被告の殺意の内容について検討すると、(1)サバイバルナイフを文さんの上半身に3回深く突き刺しており、そのうちの1回は、無防備な背中を突き刺している(2)文さんに対する怒りを爆発させ、文さんをナイフで何度も攻撃後、ナイフを持ったままの状態で逃げる文さんを追い、重傷を負わせた文さんに悪態をついていることに照らすと、検察官の主張するとおり、藤井被告は文さんを死亡させると分かりながら、強い攻撃意思で殺害行為を行ったと認められる。

(3/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061625013-n3.htm

 (量刑の理由)

 本件は、藤井被告が、衝動的に斜め向かいに住む文さんをサバイバルナイフで突き刺して殺害したという事案である。

 人の命を奪った結果は、取り返しのつかない誠に重大なものである。文さんは、2人の息子がまだ小中学生のときに夫に先立たれ、苦労してその子たちを育て上げ、その苦労を知る息子たちに慕われ、また、高齢の母親や兄弟からは長女として頼られ、人生の結実期を歩んでいたものである。このようなときに突如この世を去ることになった文さんは心残りであったろうと思われ、その無念さは計り知れない。

 慕っていた母親を失った息子たち、頼りにしていた娘や姉を失った母親や兄弟たち、被害者の遺族らの悲しみは深く、息子たちや母親はいずれも厳しい処罰を望んでいる。

 藤井被告は、サバイバルナイフで胸や背中を3回も手加減することなく突き刺すなどして文さんを殺害したものであり、死なせる危険性の高い行為を執拗(しつよう)に繰り返した犯行態様である。

 文さんが殺人という本件犯行を誘発するような言動を取ったとは認められず、その動機は、身勝手で極めて短絡的なものである。

 本件犯行により近隣住民に与えた不安感、恐怖感も軽視できない。

(4/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061625013-n4.htm

 藤井被告は、簡単に刃物を持ち出すなど暴力的な行動をしてはいけないという意識が低い。

 これらのことからすれば、藤井被告の刑事責任は極めて重い。

 他方、藤井被告は犯行後、自ら救急車を呼ぶなどせず、預金を下ろしに行ったり、酒を買って飲んだり、競馬新聞を買って競馬場まで行ったりしており、文さんの安否を気遣う様子がうかがわれないなど、本件犯行を深刻には受け止めていたのか疑問に思われるような自己中心的な行動を取っている。他方では、警察に出頭しようとし、逮捕後は、本件犯行を認める供述をしていること、公判においても、心の奥底から遺族に謝罪するという言動が見られず、本当に反省しているのかと疑いを持たれるような様子もあるが、後悔しているなどと述べて反省の弁を述べるなど、酌むべき事情も認められる。

 そこで、以上の諸事情を総合考慮の上、藤井被告には主文の刑が相当と判断した。

 
【裁判員 判決(上)】被告の「強い攻撃意思」認めた意味は?(14:37〜14:45) (1/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061540010-n1.htm
2009.8.6 15:40

 《日本初の裁判員裁判は6日、最終日(4日目)の判決公判を迎えた。裁判員として参加した一般国民の意見が、初めて裁判の判決に生かされることになる。東京地裁1階の104号法廷。午後2時37分、裁判長を務める秋葉康弘裁判官と殺人罪に問われた東京都足立区の無職、藤井勝吉被告(72)がすでに着席している。開廷予定時刻はすでに7分が過ぎている。傍聴席からみると柵を挟んで正面にある扉から、馬渡香津子裁判官、蜷川省吾裁判官とともに6人の裁判員が入ってきた》

 《6人の裁判員は、前日の午後に引き続き、6日も午前中から3人の裁判官とともに評議を行い、判決の内容を決めた。裁判員は当初、女性5人、男性1人だったが、3日目の5日、女性1人が体調不良で補充裁判員の男性と交代したため、評議は女性4人と男性2人で行われた》

 《藤井被告は、今年5月1日、東京都足立区の自宅前で、被害者の文春子さん=当時(66)=を、ナイフで刺して殺害したとされる起訴内容は認めている。そのため、有罪と認定されることはほぼ確定的で、主な争点は量刑となっていた。これまでの審理経過を踏まえると、「殺意」の強弱が量刑判断の基準の1つとなりそうだ。検察側は「ほぼ確実に死ぬ危険行為と分かって刺した」と述べ、強い殺意があったと主張して懲役16年を求刑している。これに対して、弁護側は「被害者を死に至らせるかもしれないという認識はあったが、確実に殺害しようとは思っていなかった」と述べ、比較的弱い殺意しかなかったと主張して軽い刑を求めている》

(2/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061540010-n2.htm

 《犯行の動機も争われている。検察側は「以前から被害者とトラブルになっていた上、事件前日、競馬で負けムシャクシャし、酒を飲んでいた」「ナイフを出しても被害者がひるまず、引っ込みがつかなかった」ことなどを動機として主張。対する弁護側は「被害者の性格や言動が犯行を誘発した」「被害者家族が社会のルールを守らず犯行の背景となった」と主張している。また、今回の公判では被害者参加制度に基づき、遺族側も出廷し、「事件の契機になるようなトラブルはなく、藤井被告が勝手に恨みを膨らませた」として、懲役20年以上の刑を求めている。こうした点を、裁判員と裁判官がどう判断するか注目される》

 裁判長「では開廷します」

 《裁判員6人が着席した直後の午後2時38分、開廷した。裁判員全員が緊張しているように見える。裁判長は藤井被告に、法廷中央に立つよう促し、被告がそこに移るのを待って判決を読み上げ始める》

 「主文、被告を懲役15年に処する。押収している(凶器の)サバイバルナイフは没収する」

 《やや伏し目がちに判決を聞く藤井被告。じっと手元に目を落とす裁判員。まばたきをする裁判員。被告を見る裁判員…。6人の裁判員の表情はさまざまだった。裁判長は、藤井被告に座るように促して、詳しい判決理由を読み上げる》

(3/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061540010-n3.htm

 「被告は平成21年5月1日午前11時50分ごろ、東京都足立区の小島千枝さん(文さんが日本で使っていた名前)こと文春子方玄関前で、小島さんを死亡させると分かりながら、強い攻撃意思を持って左胸を2回、背中を1回サバイバルナイフで突き刺した」

 《争点となっていた「殺意」について、「強い攻撃意思」と表現した。検察側の主張を認めたようにも聞こえるが、まだはっきりは分からない》

 「(出廷した)証人の供述はいずれも信用性の高いものである。このことをふまえ、以下の事実を認定する」

 《出廷した近所の住民3人の証言を信頼できるとした上で、細かい事実認定を説明していく》

 「被告は平成6年ごろに離婚した前妻が、家を出て行ったのは、小島さんが余計な知恵をつけたからだと思っていた」

 「小島さんの自宅前には以前から多数の植木やバイク3台などが道路にはみ出していた。かつて軽自動車を使用していた際に、通行の支障になったことがあり、何度も文句を言ったことがあった」

 《藤井被告が小島さんとトラブルを抱えていたことを認めた上で、「なるべく被害者に顔をあわせたくない」と考えたと認定し、犯行当日の状況を説明する》

(4/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061540010-n4.htm

 「被告は犯行前日に競馬で負けてムシャクシャし、深夜までやけ酒を飲み、当日の朝も二日酔いなのに、迎え酒をした。競馬に行こうと考え、午前11時に出かけようとしたが、小島さんが植木の手入れをしていて、出られず、いらだちを募らせた」

 《検察側がこれまで主張してきたように、被告が犯行前に、競馬や酒などで、イライラしていたことも判決は認めた》

 「小島さんと目が合い、自宅を出て行き、2、3日前からペットボトルが倒れていたことについて文句を言った。これに対して、小島さんが何かを言い返した」

 「被告は自宅からサバイバルナイフを持ち出し、小島さんに走り寄った。被告はその前後に『ぶっ殺す』と2回言った。被告はサバイバルナイフを突き出した」

 「小島さんは『助けて』と叫んでおり、被告は『くそばばあ』と言った」

 《「ぶっ殺す」という言葉を言ったかどうか、弁護側は疑問を呈していたが、判決はここでも検察側の主張を認めた。裁判員は、真剣な表情で自分たちが導き出した判決の内容を聞き続けた》

 
【裁判員 判決(下)】9人の総意?「人に危害加えることしないで」…歴史的公判が終了(14:45〜14:57) (1/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061558011-n1.htm
2009.8.6 15:57

 《秋葉康弘裁判長による判決の読み上げが続いている。犯行動機のくだりに入った》

 裁判長「(藤井勝吉)被告は以前から小島(千枝)さん(被害者の文春子さんが日本で使っていた名前)に一方的に憤まんの念を抱きつつも、刑務所に行く事態になることを恐れて、我慢を重ねていた」

 「前日に競馬に負けていらだっていた上、犯行当日に競馬に出かけようとしたのに、小島さんがいるために出かけられなかったことなどからいらだちを募らせ、飲酒による抑制力の低下の影響とも相まって、小島さんと目が合うと文句を言いたくなり、そのとき思いついた文句を言ったものの、言い返されたために怒りを爆発させた」

 《藤井被告がサバイバルナイフを持ち出した動機について、これまでの検察側の主張をほぼ認めた》

 「サバイバルナイフを上半身に3回深く突き刺しており、そのうちの1回は無防備な背中を突き刺していること、逃げる小島さんの後を追い、悪態をついていることに照らすと、検察官の主張するとおり、被告は被害者を死亡させると分かりながら、強い攻撃意思を持って殺害行為を行ったと認められる」

 《殺意の強さは公判での争点となっていた。検察側は論告で、心臓をひと突きにしている状況などから、「強い殺意は明らか」としていた。これに対し、弁護人は「ナイフで人を刺す行為によって、人が死ぬかもしれないということを認識していたに過ぎない」「被害者が死ぬことまでは意欲していなかった」としていた》

(2/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061558011-n2.htm

 《判決は量刑の理由へと移る。裁判員の6人は手元の紙に目を落としている時間が長かったが、時折、顔を上げている女性裁判員もいる。藤井被告の様子を見ているのだろうか》

 《息子2人が小中学生だったときに夫を亡くした被害者の文さんが、苦労して2人を育ててきたことなどに触れた上で、遺族の被害者感情の強さを強調。こう断罪した》

 「小島さんが殺人という犯行を誘発するような言動を取ったとは認められず、動機は身勝手で極めて短絡的なものである。犯行により、近隣住民に与えた不安感、恐怖感も軽視できない。被告は簡単に刃物を持ち出すなど、暴力的な行動をしてはいけないという意識が低い。これらのことからすれば、被告の刑事責任は極めて重い」

 《弁護側は「被害者の行動が犯行を誘発した」と主張していたが、判決はこれを全面的に否定した。この厳しい判決に、藤井被告は時折、「はい」と声を出して大きくうなずいている。公判も最終盤だが、裁判員6人はいずれも口を結び、厳しい表情だ》

 「犯行後に自ら救急車を呼ぶなどせず、預金を下ろしに行ったり、酒を買って飲んだりしている」

 《こう指摘した上で、こうも述べた》

 「犯行を深刻に受け止めていたのか疑問に思われるような自己中心的な行動を取っているものの、他方では警察に出頭しようともし、逮捕後は犯行を認める供述をしていること、本当に反省をしているのかと疑いを持たれるような様子もあるが、反省の弁を述べていることなど、酌むべき事情も認められる。そこで、すべて考慮した上で、先ほど言った刑ということにしました」

(3/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061558011-n3.htm

 《裁判長の説諭を、藤井被告は両手をひざについて、うつむき加減で聞き入っている》

 「これからあなたに責任を取ってもらうわけですが、自分のやったことの重みを日々考えて、亡くなった小島さんの冥福(めいふく)を祈る気持ちを持ち続けて、毎日を過ごしてもらいたいと思います」

 《藤井被告は頭を下げて「はい」と答えた。裁判員全員の視線が藤井被告に集まっている。説諭の内容は、藤井被告に裁きを下した裁判員の総意ということなのだろうか。裁判長が横に並んで座る裁判員らに、視線を送り、言葉を続ける》

 「そして、今後一切、人に迷惑や危害を加えることをしないで生きていくという気持ちを、日々強めていってもらいたいと思います」

 《藤井被告がまた頭を垂れ、「はい」と答えた。裁判長は控訴の手続きなどを説明した》

 「それでは閉廷します」

 《3人の裁判官が退廷し、続いて6人の裁判員も席を立った。藤井被告に視線を送ることはなく、静かに法廷の扉をくぐっていった》

 《藤井被告に再び手錠がかけられる。藤井被告はその瞬間、刑務官になにかをつぶやき、なぜかにやりと笑った。そしてまた席に座り、無表情になった》

 
【裁判員 語る(1)】「ほっとした」「ビジネスのプレゼンに似ていた」…“大任”を終えた一般国民 (1/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061749016-n1.htm
2009.8.6 17:48

 《国民が刑事裁判の審理に参加した全国初の裁判員裁判の判決公判終了から30分。裁判に参加した裁判員経験者の会見が午後3時40分から東京地裁2階の裁判員候補者待合室で行われた。横長の室内には、100人を超える報道陣が待ちかまえている》

 《会見には、体調不良で解任された裁判員と必要がなくなり解任された補充裁判員を除く、裁判員6人、補充裁判員1人の計7人が出席した》

 《これまで日本新聞協会などは、裁判員制度への理解を深め、司法権が正しく行使されているかどうかを検証するため、裁判員に対し、裁判終了後に記者会見へ出席してくれるよう協力を求めていた。今回は判決公判まで残った7人全員が、その趣旨を理解し、出席に応じたことになる》

 《会場向かって右端には裁判所職員が立っている。裁判員法では、裁判員経験者は評議の経過や評決結果など職務上知り得た内容を漏らしてはならず、違反した場合は懲役または罰金に処すとしている。職員は、会見で守秘義務違反になるような質問、回答があった場合に指摘する役割を担っている》

 《午後3時40分。まず写真撮影に応じた4人の裁判員と1人の補充裁判員の計5人が入場してきた。報道陣からの拍手を受け、緊張感を漂わせ、イスに座る5人。代表質問が始まった》

 記者「全国で初めての裁判員裁判で裁判員を務め終えた今のお気持ちをお聞かせください」

(2/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061749016-n2.htm

 《裁判員経験者は法廷と同じ順番でイスに座っている。最初に答えたのは、向かって一番左、「裁判員1番」と呼ばれていた会社員の女性(50)だ》

 会社員女性「4日間、長い時間でした。ほっとしています」

 《次に補充裁判員から裁判員となった「7番」のアルバイト男性(61)がマイクを取る》

 アルバイト男性「やはりほっとしているというのが正直なところ。大役を終えたのかな、というところです」

 《次は「5番」の契約社員の女性(38)だ》

 契約社員女性「本当に、私みたいな主婦が参加できるのか不安でしたけど、裁判官の方や、他の方と一緒になしとげることができました。ああ、終わったな、一段落ついたかなという感じです」

 《次は「6番」の会社員の男性(43)》

 会社員男性「やっと終わったなという気持ちです。非常に多い情報の中、どの情報が大事かを受けとめ、集中してやっていかなければダメだということで、仕事とは違った疲れ方をしました」

 《最後に、法廷では裁判員席の後ろに座っていた補充裁判員だった会社員の男性(38)が口を開いた。向かって一番右端に座っている》

 会社員男性「通常のビジネスと違い、人を裁かなければならないということで緊張しましたが、社会的重責を無事精一杯、務めあげたという気持ちでいっぱいです」

 《ここで、写真撮影に応じなかった2人の裁判員が入場し、席に座った。「2番」と呼ばれたピアノ教師の女性(51)と、「4番」と呼ばれた栄養士の女性(41)にも同様の質問が投げかけられる。まず、2番のピアノ教師の女性が答えた》

 ピアノ教師女性「本当に、率直な気持ちは、まず疲れたのでほっとしたという気持ちです。こういう場は慣れていないんですけど…。いろいろと勉強させてもらったなと思います」

 《最後に、裁判員として法廷で最初に口を開いた「4番」の栄養士の女性がマイクを取った》

(3/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061749016-n3.htm

 栄養士女性「ほっとしているの一言です」

 《これで、全裁判員がそろった。代表質問は次の質問に移る》

 記者「刑を決めて言い渡すことに心理的な負担を感じましたか。感じたとしたら、どれはどういった負担でしたか」

 会社員女性(50)「えー、やはり、刑を決めるにあたって、簡単に決められるようなことではないので、何日も証言を聞いたりして、いろんなものを見つけていくにあたり、それだけでない、私たちの心情もかかわって決めていくんですが、最後まで、これでよかったかどうかというのは分かりません。私たち裁判員が入って決めることになりましたが、『いままで専門家の方が人としていろいろ考えて決めたことだろうな』と思い、はっきりいってつらい部分を感じております」

 ピアノ教師女性「心の負担をどう表現していいか分からないのですが、気持ちが揺れて大変でした」

 アルバイト男性「やはり、1人の人の自由を奪ってしまう重大な決断。被告の人も生きているわけで、そういう形で判断しなければならない。何が正解かは分かりません。最後は自分自身の考え方でやるしかないという不安感が大きかったです」

 栄養士女性「限られた時間の中で知識もないのに証拠などの中から決めなきゃいけないというのは大変でしたけど、貴重な体験でした」

 契約社員女性「私も、ほんとうに当たり前ですけど専門的知識はないので…。裁判官が刑を決めると思っていたんですけど、求刑というのがあるのを知りました。最初は自分たちで決めなきゃいけないと思ってたんですが、知識がないと他の例も気になって、そういうのも含め、裁判官の方々に例を出していただいて。あまり自分たちが決めなきゃという思いよりかは、被告人と被害者の気持ちを汲(く)んで、どうするか。あと裁判官は平等に考えることが大切なんだな、と今回初めてわかりました」

(4/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061749016-n4.htm

 会社員男性(43)「人を裁くという重大なことですが、一般市民の自分が担わされているということを、ひしひしと感じました。いろんな証拠などを含め協議してきましたが、自分なりに真摯(しんし)に精一杯やったと思います。(公判)途中、『自分が』という気持ちが強かったけど、3人の裁判官と6人の裁判員みんなで最終の結論を持って行くんだと考えて、気持ちが楽になりました」

 会社員男性(38)「私は補充裁判員でしたが、みんなと同じ立場になって考えました。(これが)これまでのように裁判官の方だけに任せず、一国民として課された責任なのかなと思いました。みんなが一生懸命考えることで、納得できるものができたと思います」

 《次に、これまで一般市民には分かりづらい点も多かった裁判の進行について、裁判員裁判でどれだけ理解できたか質問が飛んだ》

 記者「裁判の手続きや流れは十分理解できましたか。検察側・弁護側の主張や立証は分かりやすかったですか」

 会社員女性(50)「裁判を初めて経験させてもらいましたが、私としては分かりやすいものになっていました。『こういう形で進めていたのでしょうか』と休憩中、裁判官の方に伺ったのですが、『一般の方にわかりやすいようにかなりいろいろ工夫してきている』と言っていました。理解できず、分からないなというのはなかったように思います」

(5/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061749016-n5.htm

 ピアノ教師女性「とても分かりやすかったです。すごく気を遣ってもらってわかりやすくて良かったです」

 アルバイト男性「私も同じですけど、補充裁判員に選ばれて、たくさん資料がでるのかなと思ったんですけど、大変分かりやすく事件の全容や流れが書かれていて、よく理解することができました」

 栄養士女性「学校の授業で配られるプリントよりも、色とかもついていたし、わかりやすかったです。わからないことはありませんでした」

 契約社員女性「私も同じで、テレビで見ている方が難しいくらいと思いました。検察官、弁護士、裁判官が何回も模擬裁判を重ねて努力をしていただいたんだな、と分かりました」

 会社員男性(43)「プレゼンテーションソフトをディスプレイ(モニター)に映すなど、想像していたより工夫されているなと思いました。非常に目で追いやすい形でした。検察官、弁護士も一般市民に対して理解させようと簡単な言葉で言い直してくれたりとか、そういう気持ちが伝わってきました」

 会社員男性(38)「重要な部分を落とすことなく分かりやすくするのは難しいことですが、コンパクトに、情報を漏らすことなくまとめられた資料やプレゼン(提示)してくれたので、かなり努力していると思いました。ビジネスのプレゼン資料にかなり近いものになっていました。被告人や傍聴する方にも分かりやすいもので、非常に意義深いものだと思いました」

 
【裁判員 語る(2)】「裁判官を含めゼミ的雰囲気」裁判官の“誘導”なかった評議 (1/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061829018-n1.htm
2009.8.6 18:28

 《報道陣を前にした裁判員経験者らが、緊張した面持ちながら、しっかりした口調で質問に答えていく。次の質問は評議についてだ。強引な裁判官の誘導や、度を超えた意見の対立、あるいは長い沈黙などの問題点はあったのだろうか》

 記者「評議の雰囲気はどのようなものだったでしょうか。言いたいことをお話になれましたか」

 裁判員1番と呼ばれていた会社員女性(50)「集まったメンバーがとても話しやすく、今となっては、かなり前から知り合いだったような感覚を持って話せたと思います。お互いが不安の中で、いろいろな話ができた。自分たちが思っていたことを素直に話し合えるメンバーでした。裁判官、裁判長がいい雰囲気を作ってくれたのだと思います」

 裁判員2番と呼ばれたピアノ教師の女性(51)「初日は緊張して、思ったことを言えなかったのですが、だんだん話しやすく、思っていた意見を言えるようになりました。裁判長も裁判官もよくしてくれて、いい雰囲気を作ってくれたと思います」

 補充裁判員から裁判員となり「7番」と呼ばれたアルバイト男性(61)「硬い雰囲気を予想していましたが、裁判官を含めてゼミナール的な雰囲気でした。言えないようなことなのに本心がでて、率直な意見交換ができたと思います」

 《不安を共有する裁判員たちの評議には、本音で話し合える雰囲気こそが、重要なのかもしれない》

(2/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061829018-n2.htm

 裁判員4番と呼ばれた栄養士の女性(41)「初めて会った方々だったのですが、前から知り合いだったような雰囲気の中で話ができたと思います」

 裁判員5番を務めた契約社員の女性(38)「今回はたまたま抽選、くじで選ばれたメンバーだったが、本当にみなさん、人の話を…。当たり前なのかもしれませんが、きちっと聞いて理解できる方々でした。裁判所というと年配の男性が多いイメージがあったのですが、女性の裁判官の方や若手の裁判官もいました。女性の裁判官がいたのはホッとしたし、話しやすかったです」

 裁判員6番を務めた会社員男性(43)「私も硬い雰囲気を予想していましたが、自分自身の経験…もちろん素人なんですが、経験から推し量った気持ちをもとに、率直に意見ができたと思います」

 補充裁判員だった会社員男性(38)「想定外だったのが、裁判官中心の評議ではなく、裁判官も1メンバーとしてスムーズに話ができて、ときにはいいアドバイスをくれました。意見が反映しやすい評議の場ができていたと思います」

 《裁判官の誘導という懸念された問題は、なかったようだ。続いて、別の質問に移る。今回の裁判では、裁判員が被告に質問をする前に、裁判長がいったん審理を中断し、裁判員と法廷から消えるシーンがあった。質問の前に打ち合わせのようなものがあったのか、なかったのか。このやり方を裁判員はどう解釈しているのだろう》

(3/5ページ)
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 記者「法廷で裁判員が質問をする前に、いったん審理が中断しました。その手法についてはどう思いますか」

 会社員女性「初日、午前中に来て、かなり緊張していて、午後から審理のスタートでした。何も分からずスタートしたまま毎日が過ぎていき、質問といっても、頭が回っていない状態。記者の方も大勢いて、裁判所自体も初めて来た。すぐに、ふとした疑問を聞ける状態ではなかったです。それを裁判長の方が察してくれて、深呼吸の意味で中断したのだと思います。誘導とかそういうものではなく、あくまで緊張を整えてからということだったと思います」

 ピアノ教師の女性「意見(を言うの)が得意ではないので、ピント外れなことを言ったりしないか、それが1番心配だった。裁判官の方が『意見を言ってもいいですよ』と言ってくれたので、私は良かったのかなと思います」

 アルバイト男性「裁判員は(法廷内では)横並びで(座っていて)、お互いの顔が見えず不安。ブレークタイムでホッとする。ある種の活力を生める、いいブレークタイムだったと感じました」

 《法廷では私的な会話もできない上、傍聴人の視線にもさらされる裁判員。緊張を解くことも、重要なテーマのようだ。また、「質問しなければならない」というプレッシャーに悩んだ裁判員経験者もいたようだ》

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 栄養士の女性「裁判中、その場で『はい!質問』とか期待されてたみたい(に感じていました)。ニュースでも『きょうも質問なし』と言うのを見ました。(しかし)質問の(ために)理解(するの)が精いっぱいで、私は頭がそこまで回りませんでした」

 契約社員の女性「自分たちは素人なので、裁判のやり取り全部を頭に入れるのは大変でした。そこで、審理を中断して裁判官の方に捕捉してもらうのは重要でした。また、皆さん(傍聴人)の目線(視線)から少し外れて考えられる時間があったことも、良かったと思います」

 会社員男性(43)「きちんとした評議を行うためには、質問ができる時間が必要でした。裏で話し合いができる時間があり、ほっとしました」

 補充裁判員だった会社員男性(38)「たびたび休憩がはさまれるのは、傍聴をしている方にとってはフラストレーションになると思いますが、私たちには休憩が必要でした。(法廷でのやり取りなどを)咀嚼(そしゃく)したり、どんな質問をしようかと考える時間は、必要な時間でした」

 《裁判員はたびたびはさまれる中断について、考えを整理する必要な時間と判断していたようだ。質問は裁判員の守秘義務に移った。裁判員は評議の詳しい内容を話すことを禁じられ、違反した場合は刑事罰の対象になる》

 記者「評議の内容などに守秘義務があることについてどう考えますか。今後、生涯にわたって守れる自信はありますか」

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 会社員女性「この事件について、さまざまなことを決めていく中で、いろんなことを知りました。言ってはいけないことについても知ったし、秘密は守ろうと思います」

 ピアノ教師の女性「私も守っていこうと思います。それ以上、言うことはありません」

 アルバイト男性「義務として、生涯守っていきます」

 栄養士の女性「私も同じように守ります」

 契約社員の女性「私も、守らなければいけないという自覚があるので守っていきます」

 会社員男性(43)「守っていきたいと思います」

 補充裁判員だった会社員男性(38)「公表すべきことは明らかになっています。この制度を守るために、守らなければいけないと思っています」

 《それぞれが守秘義務を強く自覚していることを強調した。ただ、公開すべき情報と秘すべき情報の線引きは難しいのも事実だ》

 
【裁判員 語る(3)】「被告、被害者のこと考えると非常に無常観」 (1/4ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061853019-n1.htm
2009.8.6 18:51

 《裁判員経験者6人と補充裁判員だった1人に対して記者からの質問が続く》

 記者「これから裁判員になる人にメッセージがあったらお願いします」

 「裁判員1番」と呼ばれていた会社員女性(50)「裁判員は、経験しないと分からないことです。社会を勉強できる機会になるので、人によってさまざまな考えがあるとは思いますが、裁判員に選ばれた方は成し遂げていただければと思います」

 「裁判員2番」と呼ばれていたピアノ教師の女性(51)「裁判員は『すごく大変でストレスもたまりそう』と考えられ、心配されている人もいらっしゃるようですが、やらせていただいて『見えないことが見えたいい経験ができた』という感想を持ちました」

 「裁判員7番」と呼ばれていたアルバイト男性(61)「最初はなんで自分が当たったのかと思ったけれど、考え方が変わりました。個人個人で集合している社会なので、個人が声をあげていかないと社会は変わらない。制度には色々な見方がある。少しでも社会を住みやすくするために自分が何をできるかと考えれば、制度は発展していくと思います」

 「裁判員4番」と呼ばれていた栄養士女性(41)は「まさか自分が選ばれるとは思っていませんでした。やりたくてもできないことだと思う。すごく貴重な経験したと思います。(裁判員候補者に選ばれたときは)私も『えっ』という気持ちが正直な気持ちだったけれど、今はよかったと思っている」

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 《「裁判員5番」と呼ばれていた契約社員の女性(38)は、裁判員の1人が体調を崩して、途中で補充裁判員と交代したことに触れ、こう話した》

 契約社員の女性「1人体調を崩してメンバーが代わったことで体力的、精神的にも辛いと思われたかもしれない。でも、私はのどの調子が悪かったら、飴(あめ)を用意してくれたり、裁判所の人はすごく気を使ってくれた。(よく知らない人にとって)裁判所の人はいいイメージではないかもしれないが、本当に気さく。煙たがらずに自分の目で確かめてほしいです」

 「裁判員6番」と呼ばれた会社員男性(43)「当たったときは、のけぞりました。仕事もあり『まさかでしょ』という感じで。けれど、裁判員の仕事をさせてもらい、裁判所や検察の方たちと貴重な経験をさせてもらいました。また次に選ばれる方も頑張ってほしいと思う。会社では仲間がフォローしてくれたので非常に感謝しています」

 《「当たった」というのは、裁判員に選任されたときのことを言っているようだ》

 補充裁判員だった会社員男性(38)「皆さん仕事や日常生活があり、折り合いを付けなければいけないこともあると思います。(選ばれたら)嫌な気持ち(が)するかもしれないが、自分自身考える機会を与えられた。煙たがらずに参加いただければ自分のためになると思います」

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 記者「補充裁判員として(途中から)裁判に参加した方に質問します。途中からの参加に違和感はなかったですか」

 補充裁判員から裁判員となったアルバイト男性「自分の中に違和感はなかった」

記者「人を裁くのは大変だと思います。昨晩はどう過ごしましたか」

 会社員女性「自宅に戻ってからは、かなりぼーっとした状態で、かなり疲れていた。早く床について休もうと思う毎日だったが、あまりぐっすりと眠れたというのはありませんでした」

 ピアノ教師の女性「昨晩に限らずだが、プレッシャーがあるので、いつもより寝付きが悪かった。けれど眠り始めるとぐっすり眠れました」

 アルバイト男性「昨晩は家族がたまたまいなかったので、1人でお酒を飲みながら、判決を出す上で色々なことを考えました。被告、被害者のことを考えていると非常に無常観。世の中の不条理を感じました。すごく涙腺(るいせん)がもろくなって、やはり緊張していたのでしょう。こういう社会がどうやったら少しでもよくなるのかと考えました」

 栄養士女性「いつもは子供より先に寝てしまうのですが、この(裁判員裁判が行われた)3日間は気持ちが高ぶっていたのでしょうね。珍しく遅くまで起きていました。朝も目が早く覚めてしまいました」

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http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061853019-n4.htm

 契約社員女性「私も子供がいます。色々やることがあったけれど、いつもより手際が悪くなって食事も45分ぐらいずれこんじゃいました。意識はしなくても、いろいろ考えてしまっていることがあったのかな、と思います。裁判自体のことよりも被害者の立場になったらどうしようとか。この事件のことじゃなくても、被害に遭われた方はどうしているのかなと考えました。なぜこういう犯罪を起こすような世の中ができてしまったのだろうと…」

 会社員男性(43)「昨日は、疲れていたのか食事後に2時間ぐらい寝てしまった。夜起きてから今日の判決のことを思ったら、3時ぐらいまでは寝れなかったのが正直なところでした。あと、不謹慎かもしれないが、家族とかの顔を見てちょっと幸せな思いが胸をよぎりました」

 会社員男性(38)「私は平常心を保つため、普段と変わらない生活をしようと務めました」

 
【裁判員 語る(4)完】衝撃画像に「自分が大丈夫な場面以外は視線そらした」 家族や職場に支えられた4日間 (1/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061945021-n1.htm
2009.8.6 19:43

 《記者会見も終盤。裁判員を務めた6人と補充裁判員だった1人は、途切れない記者の質問に淡々と答えている》

 記者「4日間裁判員に選ばれたことで、家族や仕事先の反応は」

 裁判員1番と呼ばれていた会社員女性(50)「家族の者はやはり、ちょっと私の疲れを気にしていました。特別それ以上に、何かはありません。平常と変わらないようにしてくれているという(家族の)優しさを感じることができました。勤め先では(裁判員に)選ばれた期間、お休みをもらえました。会社にもいろいろ協力してもらえました」

 裁判員2番と呼ばれていたピアノ教師の女性(51)「家族、主人が一番気にしてくれていたようで、会社は5時ぐらいに終わるんですが、メールで『どうだった』と聞いてくれて、感謝しています」

 《裁判員の1人が体調不良で交代し、ニュースなどで報じられた際には、ほかの裁判員の家族も不安に感じたようだ》

 ピアノ教師の女性「母親も(別の裁判員の)1人(が)具合悪くなっ(て交代し)たというとき、メールで『大丈夫?』と聞いて、気にしてくれました」

 裁判員7番と呼ばれていたアルバイト男性(61)「家族は非常に気にはしていて、全員『頑張ってね』ということでした。仕事はスケジュール通り、何ら支障なくやってきました」

 裁判員4番と呼ばれていた栄養士の女性(41)「仕事は休みを取っていたので、“お任せ状態”でした。家族のほうは、子供が裁判というものに興味を示して『どうだったの?』と(聞かれて)話をしたことはあります。いい勉強になったと思います」

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 裁判員5番と呼ばれていた契約社員の女性(38)「私も仕事をしていますが、会社のほうは、こういう制度に採用された場合はお休みをいただけることになっていました。でも周りの方には迷惑をかけたと思います。家族は最初、選ばれたときは『えーっ』と驚いていましたが、裁判の内容については聞いてきませんし、あえて普段と変わらないといえば変わらない生活をしていました。妹が同じ職場だったので、ニュースでみて、『目の下にクマができていたよ、と書かれていたよ』と報告してくれたりしました。化粧直しをしなかったからかなと」

 《契約社員女性はこう言って笑ってみせた。その上で、真顔に戻って「みんな、周りも聞いてこないですね、興味本位では」と話した》

 裁判員6番と呼ばれていた会社員の男性(43)は「仕事は仲間のフォローがあって非常に感謝しています。お盆という季節柄もあって、来週が私の本来の休みですが、なんとか予定通り休めるんじゃないかと思います。みんなに感謝しています。家族は最初、非常に驚いて『えーっ』ていう感じでしたが、毎日一生懸命がんばっているところが伝わったのか、非常に優しく接してもらいました。子供も腰をもんでくれました」

 補充裁判員だった会社員の男性(38)は「家族、上司とも、快くサポートしてくれて感謝しています」

(3/5ページ)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061945021-n3.htm

 《会見開始から約1時間が過ぎた。裁判員経験者らの疲労に配慮して、ここで報道陣で司会役を務めている記者が「あと1問か2問でお願いします」と発言する》

 記者「補充裁判員から裁判員になった方に質問します。涙腺がゆるんだという理由は」

 アルバイト男性「無常、不条理を感じたというのは、これは公判でもでていますが、こういう犯罪を犯す上で、(被告の)家庭環境、育った経緯、そういったものが非常に普通ではないという不幸な情報がありました。自分と10歳ぐらいしか年齢が違わないのに、やることがなかなかうまくならなかった、不器用な生き方をした人だと思います。自分も還暦を迎えて、行く先や自分の人生を振り返るようなことが、非常にあったと思います。世の中というのは、うまくいかないんだなと改めて思いました。(判決前夜には)お酒がはいった疲れで非常に興奮していたので、そういう部分で涙腺がゆるんでいたのだと思います」

 記者「裁判員制度で集中審理のスケジュールは適切だったでしょうか」

 会社員女性「これは4日間と決められていたので、私たちはその中で事を進めていかなければなりませんでした。これが適切な日数だったのかという判断は私からは出せません」

 ピアノ教師女性「私も同じように、4日間というのは与えられてやっていますので、違ったらどうか、というのは判断できません。裁判長は『長くゆっくりやることもできるけれど、そうすると証言などを忘れちゃう、というか繰り返して話さないといけない場合がある』と(言っていました)。そういうこともあるらしいので、4日集中のほうがいいかなと思うときもありますが、はっきりとは言えません」

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 アルバイト男性「今となっては良かったと思っています。このような殺人事件の場合、少しでも早く事件に対する司法の結論を出すというのが、せめてもの、国ができることだと思います。集中審議という中で記憶が鮮明なうちにやったほうがいい。だから今回の期間は適切だと思います」

 栄養士女性「限られた時間でやるのは難しいことです。でも長ければいいというのもどうかと思います。私たちは4日という時間を与えられたので、その中でやるしかないと解釈しています」

 契約社員女性「自分の立場的にも、4日間ぐらいが(仕事などを)休む目いっぱいかなと。今回の事件も、4日あれば理解できるんだな、大丈夫だなと思いました」

 会社員男性(43)「3日では絶対無理です。4日の中で精いっぱい頑張ってなんとかできたかなという感があります。もっと複雑な事実とか証人がもっと多かったりとか。死刑が絡んでいたりとか、いろんな事件があると思います。そのときには4日ではできないと思います」

 会社員男性(38)「評議の時間がこれ以上あったほうがいいとか短い方がいいかとかいろいろ考えましたが、これ以上長いと集中力が切れてしまうし、短いと納得できる結論を出すには時間が足りないと思います。今回の裁判については4日というのが、個人的には『ぎりぎり』の、裁判員の調整をつけたりするには『ぎりぎり』の、最適な選択だと考えます」

 記者「今回の公判では、モニターで(事件に関係する)衝撃的な画像をみることがあったと思いますが、精神的な負担などはありましたか」

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http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090806/trl0908061945021-n5.htm

 会社員女性「裁判が始まる前に前もって『そういうものが出ます』という話があったので、必要以上に見ることは避けられたので、私の中では自分が大丈夫な場面以外は視線をそらすという措置を取らせていただきました」

 ピアノ教師女性「今回はCG(コンピューターグラフィックス)を使っていたので、半分以上生々しさがなくなっていました。写真も裁判長が『見たくなかったら見なくていい』と言ってくれました」

 アルバイト男性「そういう感じはありませんでした」

 栄養士女性「私は精神的負担はそんなに感じませんでした」

 契約社員女性「私も今回たまたま、刺された感じとか出ましたが、私的にはそんなに気持ち悪いとかは全然なく、普通に『見ておくものかな』と思って見させていただきました。特に不快な場面はなく、大丈夫でした」

 会社員男性(43)「『見なくてもいいですよ』という“指示”はあったんですが、評議その他のことを考えても、見ておくべきだと思って見ました」

 会社員男性(38)「人それぞれ感じ方はあると思いますので、裁判長は裁判員1人1人の顔色を見つつ、適切に処理をしていただいたおかげで、ショックを受けて審理に影響がないように配慮されておりました」

 司会の記者「これで終わります。ありがとうございました」

 《裁判員経験者たちは一礼し、会見室を出ていった。会見に際して、「裁判員の守秘義務に関して問題がある発言があれば報道しないように」と裁判所側から要請があったため、報道各社の代表記者は数分間残っていた。しかし、その後、裁判所職員から「守秘義務違反にあたる部分はなかった」と告げられた》

 =(完)
 

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