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『推定無罪の逆説』による自民党暴政(司法・行政癒着)への有罪宣告(Guilty)
http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/934.html
投稿者 鷹眼乃見物 日時 2009 年 8 月 09 日 21:12:27: YqqS.BdzuYk56
 

[暴政]『推定無罪の逆説』による自民党暴政(司法・行政癒着)への有罪宣告(Guilty)


<注記0>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090809


<注記>


・・・この内容は、いったん[2009-08-08 『ブーリン家の姉妹』と『推定無罪』が示唆する暴政(司法・行政癒着)の病状と政権交代の必要性、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090808]でUp済であるが、その表題が、やや分かり難いものであったので、改題して再Upする。


・・・ついでに、[記事の要点]、[若干の加除修正]、[新たな関連情報]などを追記した。


[f:id:toxandoria:20090808122605j:image]
・・・この画像は、チェコ中央駅にあるアールヌーボーのレリーフ(出典:田中充子著『プラハのアールヌーボー』(丸善))


【記事の要点】


「推定無罪(Presumed Innocent)」の裏には“有罪判決を出す立場でもある司法(制度)自身が法を犯すべきではない(=司法そのものが有罪同然であってはならない、それは絶対的に“法の支配”と“憲法による授権規範”の原則に従うべく、民主主義国家に相応しい周到な知恵が創意工夫されなければならない)”という意味(=推定無罪の逆説)が隠れている。つまり、“より客観的な民意を代表する検察審査会の権限強化を唄いながら、実は一方的な検察組織の保守・強化を意図する<検察審査会関連法>の改正”が行われた如く、まるで“カルト化と見紛うまで超官僚組織化しつつ司法と行政”が密かに裏で癒着・和合している『現代日本における自民党・長期政権下の暴政』の姿は、紛れもなく有罪(guilty)であり、それこそが一刻も早く政権交代を実現すべき理由となっている。


(プロローグ/現代日本における「三権分立」不在の事例)


Johnny Hallyday et Lara Fabian - Requiem Pour Un Fou(狂気の如き暴政へ捧げる鎮魂歌?)
[http://www.youtube.com/watch?v=9Pafs1G2h0g:movie]


・・・わが国は三権分立を建て前とする民主主義国家であるはずだが、下のブログ記事(★)で、必ずしもそうではないらしいことを裏付ける現実があることを知った。


・・・それによると、“竹内行夫氏(小泉首相時代に外務事務次官(外務行政庁トップ)として、自ら積極的にブッシュのイラク戦争を支持し、自衛隊のイラク派兵を決定し、それを先導した外務行政の責任者)が最高裁裁判官に任命されているという現実”がある。


・・・ブッシュ元大統領でさえ「間違いであった」と反省し、名古屋高裁が違憲判断を出したイラク戦争を積極的に支持・先導した人物を日本行政のトップ(麻生内閣総理大臣)が最高裁の裁判官に任命したということは、明らかに三権分立(法の支配の原則)の否定であろう。“・・・外形的な手続きは合法だ!”で済ますべき問題ではない(詳しくは、下記★を参照乞う)


★『竹内行夫を最高裁裁判官から罷免し、日本に三権分立を取り返そう』(村野瀬玲奈の秘書課広報室、http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1346.html


(古典的“暴政”・・・“三権分立、法の支配”以前)


「啓蒙期〜市民革命期」以前の欧州では、むしろ、暴政化した政治権力が世界史の流れをすら方向づけたと見なすことができる。その典型は、才能ある君主としての名を歴史に刻むテューダー朝イングランド王・ヘンリー8世(Henry 8/位:1509-1547)の統治に見られる。熱心なカトリック教徒であったヘンリー8世は、キャサリン王妃(元は早世したヘンリー8世の兄・王太子の妃であった)との離婚およびアン・ブーリン(ブーリン伯爵家の娘)との再婚を巡る問題から教皇クレメンス7世と対立して破門され、結局は、首長令を発布し自らを英国国教会長としてローマ・カトリック教会から離脱した。


実は、このアン・ブーリンには妹メアリ(そのとき既に人妻であった・・・)がいたことが知られており、そのメアリはヘンリー8世に見初められ、やがてメアリもヘンリー国王を深く愛するようになる。このためメアリは姉アン・ブーリンから愛憎半ばする感情をぶつけられる過酷な運命を背負うこととなる。最後に王妃の座に昇りつめたのはアンだが、今度はジェイン・シーモアにヘンリー国王の寵愛を奪われることとなり、アンは無実の罪(反逆・姦通・近親相姦・魔術の咎)を背負わされ断頭台に送られる。


そして、このヘンリー8世と二番目の王妃アン・ブーリンの間に生まれたのがエリザベス1世(Elizabeth 1/位:1559-1603)である。彼女は、異母姉メアリー1世(Mary 1/王位:1516-1558/ヘンリー8世と最初の王妃キャサリン・オブ・アラゴンの子)と同じ様に私生児扱いされるが、ヘンリーの最後の妃となった学識豊かなキャサリン・パー(Catherine Parr/ca.1512 - 1548)の嘆願によって王女に復権され、彼女の元で養育された。


ところで、英国国教会の本格的な活動は、1558年に早世したメアリー1世(カトリックへの復帰を強行した/その苛烈さから仇名がブラッディ・メアリー)の後を継承したエリザベス1世の治下で始められており、英国国教会が正式にローマから離別するのは1559年だ。この時、英国議会はメアリー1世の時に廃止された「すべての霊的・教会的事柄における唯一至上の統治者(supreme governor=教権と俗権の統一者)にして信仰の擁護者」(つまり首長)をエリザベスであるという認識を復活させる「国王至上法(Act of Supremacy)」を議決し、反プロテスタント的諸法を廃止した。


その後、エリザベス1世が選んだ「中道」(Via Media/混在するプロテスタントとカトリックがお互いを否定・排除することなく、共存できる道)とよばれる政策の下で大陸系プロテスタント諸派がイングランドへ流入する一方で、エリザベスの寵臣サー・ウオーター・ローリー(Sir Walter Raleigh)によるヴァージニア植民地の建設などが新大陸開拓の橋頭保を作り、約150〜200年後のアメリカ合衆国誕生を準備することとなり、同じく、このことは英国内で清教徒革命(1642-49)と名誉革命(1688-89)を準備することにもなった。


良きにつけ悪しきにつけ、ヘンリー8世に見られるような古典的な政治権力の特徴は支配者の圧倒的パワーが目に見える形でその中枢に潜む暴力性(ファスケス/関連参照、下記◆)と結びついていたことである。そして、側近らをも含め、強大な権力に支配される側の人々にとって、その暴力性を帯びた政治権力が実行される場面では、“天命”(神の摂理、神意/Providence)と“権力者の意志”(Sovereign‐Power)の間に明確な意味上の区別はつけ難かったのだ。


◆民主党「小沢・公設秘書逮捕劇場」の奥深くで不気味に“あざ笑う”ファスケスの暴走、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090307


[f:id:toxandoria:20090808125934j:image]なお、ナタリー・ポートマン(Natalie Portman、アン役=画像右/『宮廷画家ゴヤは見た』など出演)とスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson、メアリー役=画像左/『真珠の耳飾りの少女』など出演)が主演するイギリス映画『ブーリン家の姉妹』は、ここで例示した “古典的な運命(暴政)に翻弄されるアンとメアリーの悲劇”をリアルに映像化しているので、ぜひ鑑賞をお勧めしておく(関連参照、下記▲/画像は、http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/typh/id330947/より)


▲映画『ブーリン家の姉妹』公式HP、http://www.sonypictures.com/homevideo/theotherboleyngirl/


▲Film Reviews『ブーリン家の姉妹』、http://www.kazoishi.com/film%20review/boleyn1/boleyn.html


(現代日本“暴政”の特徴・・・背後で“超官僚化した司法”と行政が密かに癒着)


思うに、『宿命=運命の力』(fate)の意味するところは、西欧における市民革命(啓蒙思想の定着)期の前後で異なっていたはずだ。つまり、市民革命(啓蒙思想の定着)期より前における“宿命”の意味では、“天命”(神の摂理、神意/Providence)と“権力者の意志”(Sovereign‐Power)の間で明確な意味上の区別はつけ難かった。しかし、市民革命(啓蒙思想の定着)期を超えた頃になると、“天命”はともかくも、現実的政治の世界における“権力者の意志”の行使では国家の主権者たる国民一般によって一定の民主的手続き内で制御されて然るべきと理解されるようになった。それが政治権力にかかわる法(憲法)による授権規範意識の問題である。


従って、現代における暴政とは、普通の意味では、政教分離と三権分立が確立した現代民主主義国家において、国民主権を無視する形で政治権力が暴走することを意味する。ゆえに、その暴政なるものの本性は、人間にとって不可抗力な古典的意味での神意に流されたり、その神意と融合したりするような類のものではなく、普通の人間である我われ一般国民の意志が、ある程度まで、理性的な判断に従って制御できる対象であるべきはずだ。


然しながら、現代日本では、例えば「法制・学問・教育・芸術」などが「新自由主義(ネオリベ)思想」なる“まるで神憑りの如きイデオロギー”に基づく「市場競争原理」なる権威の下で、あるいは「偽装極右勢力」の圧力を受けた粉飾的な「改革の美名」の下で国民主権が『暴政』に屈服させられる現象が数多く観察されるようになってきている。そこで、わが国の司法官僚組織における、その忌まわしき事例を二つだけ列挙すると以下のとおりである。


(1)形骸化した<検察審査会の権限強化>=検察組織の超官僚化(検察カルト化)


これは、「裁判員制度」と対をなす司法改革の一環とされる「憲法審査会(一般市民11人が審査する制度)にかかわる法改正」にともなう<検察審査会の権限強化>のことだ。この法改正によって、『もともと検察審査会の議決には強制力がなく、起訴相当との決議があっても検察は判断を変えないことが多かったので、今回の法改正では、これを改めて“ 起訴相当の決議”が2度出れば、自動的に起訴される』ということになった。


ところが、この法改正にはとんだ二つの罠が仕掛けられていたのだ。一つは、『結審した事件について“起訴相当の審査会の議決 ”が2度出て、自動的に起訴されることになった』ときに起訴・公判を担当するのは検察官ではなく、裁判所が選ぶ指定弁護士が それを担当することになっているという点である。


より具体的に言うなら、問題は、そのときに起訴・公判を担当するのが検察官ではなく、裁判所が選ぶ指定弁護士だということにある。なぜなら、この指定弁護士は法的に<捜査権が与えられていない>からである。つまり、指定弁護士が再捜査の必要性を判断しても、その捜査の実際の仕事は検察官へ依頼しなければならないことになっているのだ。


結局、そこでは、当然のことながら検察官僚組織を保全・保守する意志が最優先されることになり、殆どの場合は、検察官がその再捜査の仕事を拒むことになると思われるのだ。これは、 まさに羊頭狗肉の“偽装法改正”に他ならず、指定弁護士による再度の公判がいかに難渋を極めることになるかが目に見えるようだ。


二つ目は、『公判中の事件について“起訴相当の審査会の議決 ”が2度出て、自動的に起訴されることになった』ときの問題だ。これは、具体的なトンデモナイ事例が起こっている。それは《西松建設献金事件:二階氏秘書再び不起訴 検審議決受け再捜査−−東京地検、http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090801ddm012040076000c.html》で報じられたことだ。


このポイントは“公判中の事件は、検察審査会の2度の議決を受けて再捜査が行われる場合、再び、同じ検察へ再捜査が委ねられる”という点にある。このため、この『二階氏秘書再び不起訴』の事例では、担当検事が代わっただけで前と全く同じ捜査のプロセスをなぞったのみで、やはり不起訴だ”との結論を出した、ズバリ言えば形式的に再捜査をやり再び同じ結論(不起訴)を出したということになるのだ。これは一体何なんだ!と、言いたくなるではないか?


このことについては、告発した市民団体「政治資金オンブズマン」共同代表の阪口徳雄弁護士は「まともな再捜査がなされたとは思えず、極めて遺憾だ」と述べたとされているが、下記の二つのブログ記事(▼)は、その問題点を詳細に検証して『2人の検事がお互いに「不起訴」処分を追認しているだけではないか!』、『地検特捜は“不起訴”を2検事でキャッチボールしている・・・ふざけるな!・・・』と厳しく当法改正の欺瞞ぶりを指摘している。


▼2人の検事がお互いに「不起訴」処分を追認しているだけではないか!(上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場)、
http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51223498.html


▼地検特捜「不起訴」を2検事でキャッチボール/西松「二階ルート」、検察審の重なる「不起訴不当」を無視(さとうしゅういち/Janjan)、
http://www.news.janjan.jp/living/0908/0908048286/1.php


つまり、今までのことから透けてみえるのは「形だけの新しい制度」を一般国民へ下賜して国民の司法参加を唄いつつ、実は<司法官僚組織のヒエラルキーそのものの保守・保全にこそ狙いがあるのではないか>という疑いをもたれている「裁判員制度」と文字通り瓜二つの構図だ。言い換えれば、それは「法務・検察官僚組織がカルト(内向)化した邪悪な意志」の存在と いうことだ(この問題の詳細については、下記記事▼を参照乞う)


▼2009-06-01・toxandoriaの日記/ 裁判員制度、記者クラブ制度、麻生・国営漫画喫茶/三つの癒着事例に見る、“暴政”日本のおぞましき潜在光景http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090601


そこでは、いかにも「審査会関連の法改正」で検察審査会制度の改善を図った風を装いつつ、実はその真の狙いが<法務・検察官僚組織の合法を装った超法規的保全>という、まことに邪悪で傲慢な<検察官僚組織の絶対閉鎖的意志=“小泉←→検察”ハネムーン(偽装司法改革が完成するまでのプロセス)の名残(なごり)である国策捜査のエネルギー源≒闇勢力と検察権力の談合すら窺われる>にこそあるのではないか、という疑念が浮上する。ここに見えるのは、まさに恐るべき程まで重症化した日本司法制度(法務・検察官僚組織)の姑息で腐臭漂うまで病み爛れた実像ではないか。


(2)裁判員制度における「公判前整理手続き」と「短すぎる(4日の)審理日程」の問題


今、メディアは初めて行われた「裁判員制度」(メディア合作の国民向け広報・プレゼンテーション)が大成功に終わったという「祝賀報道」一色で埋まっている。しかし、それが、小泉構造改革の美名の下で、ひたすら司法の効率化を狙った『ネオリベ型司法改革』の一環として、ここで見たトンデモナイ「憲法審査会法改正」とセットになったものであることを思えば、そんなにお目出度いこととは言えないだろう。これは、たんに小泉「偽装構造改革」が遺した“国家的司法詐欺”の片棒を担いでいるだけではないか。ただ、今のところ僅か一件であるが、下(★)のように冷静な報道もあることがいささかの救いではある・・・。


★裁判員裁判は「ショー」=制度反対派が批判会見−東京、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090807-00000053-jij-soci


この裁判員制度の根本的な問題については、下の記事(◆)で纏めたことがあるので繰り返しは避けるが、強いて再確認のため二つの問題点だけを指摘しておく。それは、「公判前整理手続き」と「短すぎる4日間の審理日程」の問題である。


◆2009-06-01・toxandoriaの日記/ 裁判員制度、記者クラブ制度、麻生・国営漫画喫茶/三つの癒着事例に見る、“暴政”日本のおぞましき潜在光景、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090601


「公判前整理手続」とは、審理日程へ入る前に法解釈と事件の資料整理などが裁判官・弁護人・検察官によって行われ、争点のみを裁判員へ示すための準備作業のことである。問題は、そのプロセスで何らかの証拠と論点が外されてしまう恐れがあることだ。また、何故に4日間という審理日程が固定されたのかも理由が定かではない。これらが、ただ裁判の効率化だけを狙ったとするのであれば、何か最も大切なこと(例えば、推定無罪(Presumed Innocent)の原則など)が刑事裁判からスッポリ抜け落ちた可能性がある。


検察官のみならず、たとえ人格高潔な(?)裁判官といえども、やはり彼らは我われ一般国民と同じく欲望に苛(さいな)まれる人間であり、人間として共通の弱点や欠点を持っており間違いや法律違反を犯すのが当然と見るべきであり、検事や裁判官というだけで無条件で彼らに全幅の信頼を与えてしまうのは誤りだ。


[f:id:toxandoria:20090808130046j:image:right]ちょうど、このような問題を素材とした米国のサスペンス映画『推定無罪(Presumed Innocent)(シドニーポラック監督、ハリソン・フォード主演/ Presumed Innocentは“有罪判決が出るまでは被告人は無罪と推定される”というアメリカの刑事裁判における大原則)をDVDで観たので簡単に紹介しておく(このDVD関連HPはコチラ → http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD4674/story.html/画像は、http://www.allposters.com/-sp/Presumed-Innocent-Posters_i937557_.htmより)


この映画は、あくまでもサスペンス仕立てなので、その殆どが地味な法廷シーンであるにもかかわらず意外などんでん返しを仕組んだ面白さ(同僚が殺された事件の容疑者として裁判にかけられた主席検事補の主人公ザビッチが証拠不十分で告訴却下(無罪)となり、それでは真犯人はだれか?という展開になる・・・)が取り柄である。


従って、その事件の真犯人が誰であるかはネタバレにもなるのでどうでもよいという観点で取り上げておく。それよりも、まず、この映画の原作を書いたスコット・トゥロー(Scott Turow)なる人物が元シカゴ地区連邦検察局の現職検事補であることに注目すべきだ。つまり、この映画に出てくる裁判の内容、裁判官・検事・検事補らの人間関係と裁判の進め方など、あるいは司法現場に隠れたスキャンダルなどは満更デタラメで荒唐無稽なものではないということだ。


また、日米の司法制度の違いも念頭に入れておかぬと、この映画の解釈は上っ面だけとなり、司法ドラマのリアルさと重厚な味わいが半減する。アメリカの地方検事局の構成は、公職選挙で選ばれた地方検事をトップ(ボス)として、その地方検事が採用した検事補が百数十名存在するのが普通だ。この映画の主人公の主席検事補サビッチは、検事局の中でナンバー2の地位にあるが、検事補の採用権は地方検事にあるため、ボスの選挙結果に左右されるという非常に不安定な立場でもある。


事件の容疑者として裁判にかけられた主席検事補の主人公サビッチは証拠物件の紛失(検察側のミス?)と辣腕弁護士による“担当判事(実は薄汚れた悪徳判事/参照、下記の注▼)に対するスキャンダル暴露を仄めかした揺さぶり作戦”が功を奏して陪審評決を受ける前に起訴却下となり無罪放免となる。そして何よりもこの裁判を準備するプロセスでの「公判前整理手続」に相当する部分についての司法内部でのやり取りは非常に興味がそそられる。“整理”という言葉が綺麗ごと過ぎると思われるほど、それは狡猾でドロ臭い“取引”に見えるのだ。


(注▼)米国・州裁判官の任命について


・・・・地方検事と同様に殆どの州では選挙で選ばれるが、ごく一部では知事ないしは議会が任命する(出典:『米国司法制度の概要』、http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-outline-legalsystem7.html。米国の陪審制度のルールは裁判員制度と根本的に異なる点が多いので一概の比較はできないが、ともかくも、米国司法の内部に身を置いた原作者が“司法制度と言えども無謬なものではなく腐敗するのは必然だ”と言い切っている点が印象深い。これはコトの是非の問題ではなく、“現実とは、人間とはそういうものと受け取るべき”だと言うことだろう。わが国の裁判員制度でも、同じ様な視点(=司法に携わる者といえども腐敗する可能性は大きいものだということ)を絶対に見逃すべきではない。問題は、市民、マスコミなど外部の客観的な多くの眼差しが、そのことを明確に意識し、的確に批判できるかどうかだ。


いま、8/30の総選挙を前にマニフェスト合戦なることが行われている。誰が言いだしっぺか知らないが、いかにもアカデミックでエラソーな人がマニフェストなどと外来語を掲ると聞こえは良いが、所詮、それは見積書であり、企画コンペであり、飲み屋のリップサービスの類と大して変りがない。その本質は“絵に描いた餅”であり、言い換えれば“スマートな偽装看板”である。


それよりも、いま重要なのは、戦後、約60年間にも及ぶ「自民党独裁政権」をほぼ許し続けてきた結果として、腐れ切った自民党の汚染が至る所に拡がり浸透して、日本全体が“腐敗し悪臭を放つため飲めなくなった古酒のような状態”になってしまったことだ。この状態をもたらした“日本政治の余りの異常さ”(=自民党政権の腐敗ぶり)に一人でも多くの日本国民が気づき、そのことが自分の問題に直結すると理解できるようになることだ。従って、まず今回は総選挙の投票行動へその自覚的な意志を直結させることが肝要なのだ。


それで政権交代が実現すれば、漸く日本が本物の民主主義へ一歩近づき始めたということが言えるだろう。小泉政権以降の自民党政権によるデタラメな実績(格差拡大、雇用環境劣化、金融犯罪横行、福祉・医療・教育地盤の崩壊など)を見るだけでも、今や民主党が完璧なマニフェストを書いたかどうかなどは、さして重要ではなかろう。そこまで、日本は追い詰められ危機的な状況に嵌っているのだから。そして、政権交代ができれば、そこで初めて、下の「オバマのプラハ宣言」の意味が理解できるようになり、日本もこのような世界の新たな潮流へ乗ることができるはずである。無論、今回の政権交代(それが実現すればだが・・・)は、戦後の日本が、そのための第一歩(=多様な齟齬と蹉跌を乗り越える地盤の構築)を初めて踏み出すことになると見るべきだ。


「オバマのチェコ・プラハ核廃絶宣言」・・・全文は下記◆を参照乞う・・・


◆2009年春/チェコ・プラハの印象(3)(自民党、詭弁・偽装マニフェストの真相)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20090805


・・・・・


[f:id:toxandoria:20090808130225j:image]換言すれば、それは、これまでの政治・経済のあり方の根本を徹底批判しつつ「人間主義の視点を回復させた新たな統治手法」に取り組むことで政府(EU及び各国)の統治機能それ自体の信用を復興させない限り、昨年末いらい世界を覆っている「米国発の大金融危機」は、その根底から絶対に終息し得ないという危機感を共有することであり、この考え方は「Trans‐Atlantic Agenda」として、米国の理念(プラハ宣言で核廃絶を唱えたオバマ大統領のCHANGE)とも繋がっています。また、そのEU(欧州連合)の中枢に位置するベルギーで『非核三原則を法制化する動きがある』ことも視野に入れておかなければなりません(画像“プラハ城で演説するオバマ”は、http://wedge.ismedia.jp/articles/print/425より/関連参照、下記★)


★ベルギー「非核三原則」法制化へ 米の配備困難に/ベルギーで禁止法が成立すれば、撤去を求める動きが他国に波及する可能性がある、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090719-00000005-mai-int


・・・・・


冒頭に掲げた【要点】の繰り返しとなるが、「推定無罪(Presumed Innocent)」の裏には“・・・だから、有罪判決を出す立場でもある司法(制度)自身が法を犯すべきではない(=司法そのものが有罪同然であってはならない、それは絶対的に“法の支配”と“憲法による授権規範”の原則に従うべく、民主主義国家に相応しい周到な知恵が創意工夫されなければならない)”という意味(=推定無罪の逆説)が隠れている。このことからすれば、“カルト化と見紛うまで超官僚組織化した司法と行政”が密かに裏で癒着・和合している『現代日本における自民党・長期政権下の暴政』の姿は、紛れもなく有罪(guilty)であり、それこそが一刻も早く政権交代を実現すべき理由となっているのだ。


・・・・・


最後に、参考まで我が国の司法の腐敗を窺わせる直近の事例・関連情報を下に纏めておく。


●最高裁にも裏金疑惑、元高裁判事が指摘/情報開示請求に最高裁はナシのつぶて(小倉文三、JANJAN)、http://www.news.janjan.jp/living/0907/0907227533/1.php


●西松(&自民)と検察の蜜月関係(or臭い関係)の状況証拠?(新任取締役候補者=社外取締役: 逢坂貞夫/元 大阪高等検察庁検事長) → 
http://www.nishimatsu.co.jp/press/2009/20090515_1.pdf


●国策捜査、麻生政権の走狗となった検察の暴走、http://blog.goo.ne.jp/fuku555siba/e/32ad31de60fb0845a92e5b40ace3035f


●現行の検察制度だと冤罪事件は繰り返される/地方検事は選挙で(裁判員制度だけでは片手落ちだ)、http://iza-ryusoo.iza.ne.jp/blog/entry/1069706/


●元裁判官「誤判は不可避」82%、裁判員制度「反対」61%、
http://jp.reuters.com/article/kyodoNationalNews/idJP2009080801000733


●衆院選挙で、もう一つの重い選択「最高裁判事の罷免」・・・「一票の格差」を容認した2判事に「×」を付けよう(江口征男、JANJAN)、
http://www.news.janjan.jp/election/0907/0907307978/1.php


Hiroshima: Dropping the Bomb
[http://www.youtube.com/watch?v=NF4LQaWJRDg:movie]


加古隆「パリは燃えているか」
[http://www.youtube.com/watch?v=Iv-FTxisEpM:movie]
 

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