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国の借金を減らすための大前プランを示そう
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投稿者 Orion星人 日時 2009 年 8 月 29 日 09:54:01: ccPhv3kJVUPSc
 

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090825/176233/?P=1

2009年8月25日
 国の借金が増え続けている(リアルタイム財政赤字カウンター)。財務省による8月10日の発表で、国債と借入金、政府短期証券を合計した国の借金の総額が6月末時点で860兆2557億円になったという。3月末に比べて13兆7587億円増加し、過去最大額を更新した。主な要因は、税収の減少や経済対策に伴う借金が膨らんだこととされている。
 次の政権を担うのが民主党であろうと自民党であろうと、この膨大な国の借金の解消に向けた政策が必要になる。だが現在のところ、両者のマニフェストはばらまき合戦。国の借金をさらに増やす方向にしか見えないのが嘆かわしい。
麻生政権のばらまき選挙対策で、日本の借金は増加
 もっとも、日本の借金がこれだけ増えたことは今更驚くべきことではない。
 日本経済は、ピークを迎えた1989年12月以降、衰退の一途をたどっている。その過程で、景気刺激という名のもとに国が無駄遣いをしたため、以前よりいっそう深刻な借金まみれの国家になってしまった。しかも“緊急”公共工事みたいなカテゴリーでこの間に300兆円以上のカネが無駄に使われている。バブル崩壊以降、税収が非常に少なくなっていたにもかかわらず、ほぼ一貫して政権を担ってきた自民党が将来から借金をしまくっていたのだから、当然といえば当然の結果である。
 日本国の借金を国民一人あたりの額に計算し直すと、実に約674万円にもなる。「国民一人あたり」とは日本国民全員、すなわち高齢者や乳幼児も含めてだ。しかし、本当の借金の額はもっと大きい。年金債務なども含めれば、この2倍くらいになる。日本の借金は対GDP(国内総生産)比で見た場合、OECD(経済協力開発機構)の中で最大の額である。
 かつては自民党も、小泉政権時代に多額の債務の解決に取り組んだことがあった。「プライマリーバランス」という言葉を打ち出して、借金への依存体制を改めようとして、国債の発行額を年間30兆円以内に抑えようとした。ところが現在政権を担っている麻生首相は、それをあっさりと翻した。今回の経済危機の中では、国債発行額30兆円以内という縛りをぶち破るのが責任政党としてのあり方だと、小泉路線を否定したのである。そして2兆円もかけて定額給付金をばらまき、さらに15兆円もの補正予算を成立させた。
 麻生政権がこうした無駄遣いをしたのは、選挙対策にほかならない。これだけばらまきをしたら麻生人気が上昇し、選挙が有利になると信じていたのだろう。さもしいことだ。おそらく麻生首相を取り巻いている人々が「経済を刺激して、多額のばらまきをしたら、我々はあなたを支援する」かのような甘い言葉でも言ったのではなかろうか。しかし、国民は「定額給付金」をはじめとするばらまきなど求めていなかったし、アンケート調査でも過半数が「不要」と答えていた。選挙民の見識である。
 そのうえ、麻生政権は15兆円もの補正予算を強行した。この15兆円の使い道については、税金を浪費することに長けた役人でさえ、使い道がなくて困ったほどだ。
 いずれにせよ、選挙を有利にするという目先の目的のために国の借金を増やした麻生政権のおかげで、国民は返却不能な借金が雪だるま式に増えてしまった。これは日本にとって非常に重い十字架である。この重い十字架を降ろすために、民主党政権(政権を取ったらだが)は道筋を示す必要がある。「自分たちは借金を減らすために、こう考えている」と自民党との違いを明確に見せなくてはいけない。


【無から有を生み出す大前流戦略的自由度】

 自民党は財源のない空約束はしない、経済のパイを大きくすることが出きるのは自民党だけだ、と今論陣を張っている。良くも真顔でこんなことが言えたものだとあきれるが、自民党が自慢しているGDPの回復も内容を見れば外需頼りであることが分かる。あとはばらまきによる公共工事分、というから一般の経済のパイはほとんど改善していない。

 しかもGDPが回復したと言っても、下のグラフの実額で見ると、ほとんど“ピクッ”と動いた程度だ。右側のグラフの一番右端に目を凝らして見れば、少し跳ねているのがわかるが、その程度である。実額GDPで見たら07年からの(福田・麻生の2代続いた)無責任内閣で大きく落ち込んでいる。「100年に一度」の金融危機の余波と自民党は言っているが、GDPの急激な落ち込みはリーマンショックよりも先行していたことがわかる。

 ところで、ばらまき批判に対して、民主党や自民党は、財源の一つにいわゆる霞が関の埋蔵金を挙げている。これはすでに実在するお金のことで、使い切ったら終わりである。国の膨大な借金返済には回らない。
 この問題に対して、わたしは拙著『企業参謀』(プレジデント社)などで古くから提唱している「戦略的自由度(SDF:Strategic Degrees of Freedom)」という解決策を使うべきだと考えている。大前流戦略自由度を使えば、無から有を生み出すことが可能になる。端的に言えば、何もない状態から新たな富を作り出して、それを活用して経済のパイを大きくし、国の借金を減らしていくのである。


【役所の規制を撤廃すれば、税金を使わずに富は創出される】

 そんなことが可能なのか? 実はわたしの考えはシンプルで、富の源泉、富の創出という点から思考していく。日本のように個人金融資産が1400兆円もある国で、それが市場に出てこない、すなわち経済のパイの拡大を邪魔しているものは何であるのかを考えてみてほしい。その答えは非常に簡単で、役所の規制である。これを撤廃すれば自然にお金は市場に流れ出してきて、税金を使わなくても富は創出される。
 もう少し具体的に論を進めよう。たとえば、東京湾の中の一等地は工業化時代の名残で工場や倉庫が海岸線を独占している。また昔からの漁業権によって漁港というものがある。勝どき、晴海、豊洲といったところを住宅地にして、同時に水際にボードウォーク(板張りの遊歩道)を作れるようにしたとしよう。また入り江や岸壁にはプレジャーボートが自由につけられるように規制を変える。つまり国民生活者が水際を使えるようにするのだ。
 そうすると湾岸の一等地に高層マンションが建ち、アウトドアも楽しめるとびきり上等な住宅エリアができる。大手町や丸の内、汐留への通勤は20分とかからない。その結果、新たに生み出される富は数兆円となり、すべては民間の資本でできる。税金を使う必要もない。しかも築地を含めて、この土地はすべて東京都が持っているのだから、複雑な地権者との交渉もあまり必要ない。マンションを買いたいと思う人が資金を持ち込むので個人金融資産が不動産に変わるか、あるいは郊外の不動産を売却して都心に移り住むことになる。
 今は勝どきなどには散発的にマンションができているが、全体計画がないし、水際の規制がかかったままだから、世界の大都市と比べると「途上国の雰囲気」の中に豪華な建物が「場違いな感じで」建っているだけである。雰囲気が一等地ではない。公共部門ができることは全体計画を示し、従来の利権や規制を撤廃して、まさに都心の楽園のような住宅街のビジョンを作ることである。そこで新たに創出される富の一部を債券として売り出し、地盤や公共インフラを構築したうえで街作りに取り組めば、さらに生まれる富は大きくなる。横浜の「みなと未来(MM)21」地区も同じようなことで大きく付加価値をつけることができる。
 MM21から幕張あたりまでこのようなコンセプトで工場・倉庫用地から本格的な生活圏とする「湾岸100万都市構想」は、わたしがかなり前から具体的に提案しているものだが、そのミソは個別の建物の許認可ではなく、大規模な“面”での住居地域への転換であり、これこそが工業化時代の日本からポスト情報革命以降の日本に相応しい湾岸一等地の使い方であると思っている。


【「湾岸100万都市構想」で経済を大幅に活性化する】

 すでにいろいろなところで使っているが、築地、勝どき、晴海の一体改造を示すと下図のようになる。おそらくすべての都民がここに住みたい!と思うような魅力ある街が誕生するだろう。東京オリンピックの選手村などという、将来性もないものに税金をかけて取り組んでいる場合ではないのだ。

 築地市場の豊洲への引っ越しは必要ない。今、市場はすべて電子取引になっているので、建家一つで出きるし、1階部分でやる必要もない。実際に競り落とされた魚や野菜の受け渡しは物流業者がもっと土地の安いところでやればよいし、このやり方なら海外で獲れたマグロなどはその瞬間に取り引きされることになる。
 レインボーブリッジから見た景色(下図)では、築地市場の跡地に未来都市東京のシンボルとなるような建物を配備してみた。新橋駅からウォータータクシーで浜離宮を右手に見ながらどこへでも行くことができるのもこの地区の際だった強みである。役所の縄張りと規制がなければ、東京はこのように「興奮する」再構築が無限にできるのだ。

 築地市場の場内・場外の今の雰囲気が好きだ、というノスタルジー派には、お台場のビーナスフォートを構想したのと同じようなノリで下図のような一階部分の構想を示している。

 要するに世界中から新鮮な食べ物が来て、それを満喫する、という雰囲気を持った巨大なフードコートが出現する、ということである。取り引きは階上のコンピューター室で行われることになる。
 このようなことは東京都や横浜市をベースに考えるとほぼ無限に構想することができる。そうなっていないのは中央省庁の縦割り行政で利権、既得権、あるいは監督権が一体となってがんじがらめになっているからであり、従来それが突き破れなかったのは都知事や市長など指導者のビジョンと力量に欠けていたからである。
 さいわい都議会も民主党が第一党となっているので、手始めに湾岸100万都市構想を進めるビジョンと意思を示してもらいたいものだ。このようなことが可能になれば、税金によらないでもほぼ無限の建設と資本の投入が行われ経済は大幅に活性化される。要は国民生活者のための都市再構築、工業化社会からの脱皮を、政策のトップに掲げて埋もれていた富を発掘することである。


【規制の一つ「容積率」は役人のさじ加減で決まる】

 このような発想方法を用いて考え始めると、無から有を生むことは「規制天国ニッポン」には数限りなくあることに驚かされる。いくつか例を挙げてみよう。
 役所の規制の一つに建物の容積率がある。容積率とは敷地面積に対する建物の延べ床面積の比率である。この容積率を超えて大きな建物を建てることは禁じられている。この容積率は、一般の家屋やビルなどの形態によっても違うし、周囲の条件も考慮される。一つの目安として役所は400%と言っている(東京全体で平均すれば200%も使っていない)。だが、この容積率の数値には根拠は乏しく、役人のさじ加減、恣意的な考えで決まっているようなものなのだ。
 それがいかにいい加減なものか、具体例を挙げよう。大阪市中之島の再開発で、朝日新聞大阪本社のビルが建て替えられることになっている。この地域の容積率は1000%とされていたが、「朝日新聞だから手強い」とでも役所が考えたのだろうか。新しいビルの容積率は1600%というとんでもない値が認められた。そうなった真相はわからないが、確実に言えることは、容積率などというものは役所のさじ加減で簡単に変えられるものに過ぎず、もともと基準などないということだ。
 ことほど左様に、容積率一つとってみても、役所の規制というものは恣意的なものなのだ。科学的に「安全」という証明がなされたわけではない。そもそも中之島は川の真ん中にある中州であり、地盤の脆弱な埋め立て地である。そのような場所に造られる建築物の容積率が日本トップクラスというのは、いかがなものだろうか。いかに役所の基準がいい加減かを示している。
 あとでそれが問題になると困るとでも思ったのか、その地域を「特区」に指定して、あそこは特別なのだから、という理屈まで考えている。しかし、この特区という考え方そのものが役所の「目こぼし」的な発想である。なぜそこが特区になるのか、という理由はない。規制を外すから特区だという。民主党は官僚依存からの脱皮を謳っているので、ぜひ特区になるものは日本全国特区にする、と言ってもらいたい。役所に許認可の権限があり、その例外を認めるという時に「特区」を使うが、順序が逆である。とくに容積率などは、物理的に、また安全性、耐震性などから自治体が決めるべきものである。全国一律に国土交通省が決める、という考え方そのものを撤廃することが必要である。
 話を大前流戦略自由度に戻すと、この容積率の上限を800%や1100%に増やせば土地の価値や活用法がまったく変わってくるのである。高い容積率を認めて、土地や道路を整理して大規格の建築物を容認すればいいのだ。例えば一辺が500メートルの四角い土地があるとする。これだけの大きな土地が有効に活用できれば、2倍、3倍もの富が創出される。もちろん、物理的な安全基準は必要だ。地震に耐えられる安全上認められる容積率を計算すればいい。共同溝や非常時の備蓄などを義務付けたり、道路に関してはかなりの幅とするとか、街並みの基準を住民参加で決めてもいい。要は住宅地として一等地となれば、富はいやがうえにも上がるからだ。
 もう一つ例を挙げよう。わたしが愚かしいと思うことに、市街化調整区域がある。これは「開発を行わないと決めた地域」のことだ。工場などを造ったりしないで田園のままにしておこうという地域である。
 では、市街化調整区域と決めるのは誰かといえば、これまた役人である。役人が恣意的に「はい、ここは市街化調整区域」と言えば、そうなってしまう。そんなものは廃止してしまえばいい。そして大きなプランで開発をしていけば、農地が商業地になったり宅地になったりして新たな富が創出される。これまた湾岸地域の倉庫街と同じく大規模にやらないと今のように虫食い的に、五月雨式に乱開発されていく。


【無から生み出された富で、国の借金を返していく】

 無から生み出された富のうち、3分の1は公共部門、つまりインフラ整備に使えばいい。そして残りの3分の2はその地域に新たに流入してくる人々が支払う。個人金融資産のお出まし、ということになる。こうすればその地域に民間のお金が入ってくる。税金など投入する必要はない。大規模な民間投資が行われるために景気は当然良くなる。無から有が生み出されるというのは、こういうことである。
 というわけで首都圏の湾岸地域は活用されないまま存続しているのだが、これを商業地や住宅地に転換すれば、その価値は何倍にもなるだろう。もともと湾岸地域を工業地にするとしたのは役人だ。そのルールを改めるだけでいいのだから、話は簡単ではないか。10年以上前からこのプランをわたしは湾岸100万都市構想と呼んで拙著『感動経営学』(小学館)などで公表している。前述したように、そこで生み出される富から、3分の1を公共部門がもらってインフラを整備したり、借金を返すために使っても良い。これだけ魅力あふれるインフラ投資が行われるのであれば、アジアの金持ちも東京や横浜に住みたいと思うであろうし、海外から資本を引いてくることも十分可能だ。
 わたしのこの考え方は、これまで自民党がやってきた緊急経済対策とはまったく違う発想である。自民党は、地方、それも極めて辺鄙なところにある買いやすい土地、楽に転換できる土地を買収して道路や橋、建物を造ってきた。住民のニーズがないところにお金を投入してきたのだから効果も得られない。公共投資の乗数効果が下がり続けてきたのはこれが原因である。
 ニーズがあるのは大都市なのだ。ところが大都市の土地には役所が勝手に決めた規制があるから、これを撤廃して、基礎自治体がルールを決めればいい。人口30万人をベースにしたコミュニティーである基礎自治体(東京では区の単位)が科学的に立証された安全性を考慮して容積率などのルールを決めるのである。
 特に東京のような大都市の場合、無から生み出される富は大きい。都市再生法のもとに住民の51%以上が合意している地域を優先的に開発していけばいいだろう。そうすれば、20年や30年は大建築ブームが続く。フランス革命の前にルイ14世がパリを大々的に開発したが、東京にもあのような建築ブームが訪れるはずだ。
 そうして無から生まれた富の一部を用いて、国の借金の返済に回す。こうすれば、国民の税金を上げなくても済むではないか。これはわたしの戦略的自由度のほんの一部である。この考えを多方面に応用すれば、いくらでも経済ブームを起こして、無から富の創出が可能になる。皆さんも同じような手法でいろいろ構想を練っていただきたい。(もし政権を取ったら)民主党には、ぜひこのプランを実行してほしいと願う。
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