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別の優れた訳文です→ NYタイムズに鳩山由紀夫民主党代表が寄稿した論説です。以下、全訳。
http://www.asyura2.com/09/senkyo70/msg/372.html
投稿者 新世紀人 日時 2009 年 9 月 01 日 16:01:24: uj2zhYZWUUp16
 

(回答先: 【翻訳】「日本の新しい道」(鳩山由紀夫氏が27日付ニューヨークタイムズに寄稿した論文) 投稿者 新世紀人 日時 2009 年 9 月 01 日 15:47:09)

http://ngtn.blogspot.com/2009/08/new-path-for-japan.html

8/27/2009
A New Path for Japan(鳩山由紀夫の論説)
A New Path for Japan

By YUKIO HATOYAMA
Published: August 26, 2009

NYタイムズに鳩山由紀夫民主党代表が寄稿した論説です。以下、全訳。


冷戦後の時代において、より一般的にはグローバリゼーションと呼ばれる米国主導の動きにおける市場原理主義の風によって、日本は絶えず打ちのめされてきた。原理主義者による資本主義の追求においては、人々は目的としてではなく手段として扱われる。結果として、人間の尊厳は失われる。

どのようにすれば我々は、市民の暮らしと家計を守るために、無制限の市場原理主義と金融資本主義−それらはモラルと節度が欠如したものなのだが−を終わらせることができるのだろうか? それは我々が現在直面している問題だ。

今日、「自由(Freedom)」に生来的に内包されている危険を和らげる力として、我々は友愛の考えに戻らなければならない。フランスのスローガンである「自由、平等、博愛」のように。

私の言う友愛とは、現在のグローバル化している資本主義ブランドの行き過ぎに適応し、我々の伝統を通じて育まれたローカルの経済の慣習に適合することを目的とした原則であると説明される。

アメリカ式の自由市場経済が普遍的で理想的な経済秩序を表し、全ての国々は自分たちの経済を統治している慣習と規制を、グローバルな(もっといえばアメリカ的な)基準に合わせて変更しなければならないという考え方こそが、最近の経済危機を引き起こした。

日本においては、グローバリゼーションにどれくらい向かうべきか意見は分かれていた。ある者は、グローバリズムの積極的な採用と、すべてをマーケットの命令にまかせることを主張した。他の者は、社会的なセーフティネットを拡大し我々の伝統的な経済活動を守るために努力されるべきだと信じて、もっと控えめなアプローチに賛同した。2001年から2006年の小泉政権以来、自民党は前者を強調してきた。一方で我々民主党は、後者のポジションを取ってきた。

あらゆる国家の経済秩序は、長い年月をかけて作り上げられるものであり、伝統や習慣やその国のライフスタイルの影響を反映しているものだ。しかし、グローバリズムは、非経済的な価値や環境問題や資源の制約の問題などは考慮せずに発達してきた。冷戦終了後の日本社会における変化を振り返ると、グローバル経済が伝統的な経済活動にダメージを与え、地域コミュニティを破壊したといっても過言ではないと私は信じている。

市場の理屈からすれば、人々は単に人件費だ。しかし現実の世界においての人々は、地域コミュニティの骨組みを支え、そのライフスタイルや伝統や文化を物理的に具現化した存在だ。個人は、地域コミュニティにおいて職と役割を得ることによって、そして彼の家族の暮らしを支えることによって、一人の人間としての敬意を得る。

友愛の原則においては、我々は、農業や環境や医療といった人間の生活や安全に関わる分野をグローバリズムの慈悲に晒すような政策は実行しない。

政治家としての我々の責任は、グローバリズムの行進によって脇に投げやられてきたこれらの非経済的な価値をもつものに、我々の注意を再びむけることだ。我々は、人々の結びつきを再び作り出し、自然と環境により大きな注意を払い、福祉と医療システムを再構築し、よりよい教育と子育て支援を提供し、富の格差に取り組む政策を行わなければならない。

友愛の概念から浮かび上がってくるもう一つの国家としてのゴールは、東アジアのコミュニティの創設だ。もちろん、日米安全保障条約は日本の外交政策の土台であり続けるであろう。

しかし同時に、我々はアジアに位置している国家としての自分たちのアイデンティティを忘れてはならない。活力の増大を見せている東アジア地域は、日本の基本的な活動範囲として認識されなければならない。それ故、我々はこの地域における安定した経済的協調と安全保障についての枠組みを作り続けなければならない。

この金融危機は、アメリカの一国主義の時代が終わりにきていることを多くの人々に示唆した。それはまた、基軸通貨としてのドルの永続性についての疑念をもたらした。

また、イラク戦争の失敗と金融危機の結果として、アメリカ主導のグローバリズムの時代は終わりを迎え、我々は多極化の時代に向かっていると私は感じている。しかし現時点では、覇権国としてアメリカに取って代わる準備の出来ている国は一つもなく、ドルに代わって基軸通貨になる用意ができている通貨もない。アメリカの影響力は低下しつつあるが、今後20年か30年の間は、アメリカは世界最大の軍事力と経済力を保持し続けるだろう。

現在の発展は、中国が世界トップクラスの経済国になるであろうことを、同時にその軍事力を拡大し続けるであろうことを明確に示している。中国の経済規模は、遠くない将来に日本を追い抜くだろう。

覇権国としての現在の地位を保とうと戦っているアメリカと、次の覇権国になろうと模索している中国に挟まれた時、日本はどのようにして自国の政治的・経済的独立性と国家の利益を確保してゆくべきだろうか?

これは日本についてだけの問題ではなくて、アジアの中小国家についての問題でもある。彼らは、アメリカの軍事力が地域の安定性のために効果的に働くことを望んではいるが、同時に政治面と経済面ではアメリカの過度の介入は望んではいない。彼らはまた、中国の軍事的脅威を削減することを望んでいて、一方で中国の拡大する経済が秩序だった方法で発展していくことを保証することを望んでいる。これらは、地域的な統合を加速させる大きな要因である。

現在、マルキシズムとグローバリズムの超国家的な政治的・経済的哲学が、好むと好まざるとにかかわらず停滞するにつれて、様々な国でナショナリズムが再び大きな影響を持ち始めた。

我々が国際的な協力のための新たな機構を作り上げようとする際には、我々は過度のナショナリズムに打ち勝ち、ルールに則った経済的な協力と安全保障への道を進まなければならない。

欧州とは異なり、この地域の国々は大きさや経済発展の段階や政治的なシステムが様々に異なっている。それ故、経済的な統合は短期間ではなしえないだろう。しかしそれでもなお、日本に始まり韓国と台湾と香港が続き、それからASEANNと中国が達成した急速度の経済成長の自然な拡張として、我々は地域通貨の統合を目指すことを切望すべきだ。我々は、通貨統合に不可欠である永続的な安全保障の枠組みを構築する努力を惜しんではならない。

アジア共通通貨の設立は、おそらく10年以上かかるだろう。そのような単一通貨が政治的統合をもたらすのには、確実により長い時間がかかるだろう。

ASEAN、日本、香港を含む中国、韓国そして台湾は、現在では世界のGDPの1/4を占めている。東アジア地域の経済力とその地域内での相互依存関係はより広くより深くなってきた。それゆえ、地域経済ブロックの形成に必要な機構は既に整っている。

一方で、国家安全の利益の衝突と同様に歴史的・文化的な衝突が原因で、多くの困難な政治的な問題が存在することを我々は認識しなければならない。軍事力増大や領土の問題は、例えば日韓、日中のような二国間の交渉では解決され得ない。二国間でこれらの問題を議論すればするほど、感情が燃え上がりナショナリズムが強くなるリスクが高くなる。

従って、いくらか逆説的ではあるが、地域統合への障害はより大きな統合を目指すことによってのみ解決されると私は提案したい。EUの経験は、地域統合がいかに領土問題を鎮めることができるかを我々に示している。

地域的な統合と共同的な安全保障は、日本国憲法によって提唱されている平和主義と多国間協力の原則を実現する、我々が進むべき道であると私は信じている。それはまた日本の政治的・経済的独立を守り、米中に挟まれた我々のポジションにおいて利益を追及するための適切な道である。

”汎ヨーロッパ”(私の祖父である鳩山一郎が彼の著書”全体主義国家対人間”を邦訳した)に85年前に書かれた、最初の統一ヨーロッパ運動の創始者であるクーデンホーフ・カレルギー伯爵の言葉を引用することで、締めくくらせて欲しい。
「全ての偉大な歴史上の考えは夢想的な夢として始まり、最後に現実化した。それぞれの考えが夢のまま終わったか、それとも現実になったのかは、その理想を信じそれに従って行動する自らの能力を信じることのできる人々の数に左右される。」


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すごく読みにくい英語でした。私はイデオロギー的なことは不勉強にして良く知らないのですが、いくつか思ったことをコメントします。


冷戦後の時代において、より一般的にはグローバリゼーションと呼ばれる米国主導の動きにおける市場原理主義の風によって、日本は絶えず打ちのめされてきた。
⇒日本が高度成長できたのは、そのグローバリゼーションや市場原理主義のおかげじゃないの?その後の停滞は、前進する努力を止めて新興国にキャッチアップされたってことじゃないの?

「自由(Freedom)」に生来的に内包されている危険を和らげる力として、我々は友愛の考えに戻らなければならない。
⇒自由はアブないという思想ですか。全体主義者の方ですかね。この論説では、この文章が一番怖いと思った。

私の言う友愛とは、現在のグローバル化している資本主義ブランドの行き過ぎに適応し、我々の伝統を通じて育まれたローカルの経済の慣習に適合することを目的とした原則であると説明される。
⇒意味わからないですよね。私もわからないです。日本語訳も変だと思いますが、英語でも理解不能でした。

冷戦終了後の日本社会における変化を振り返ると、グローバル経済が伝統的な経済活動にダメージを与え、地域コミュニティを破壊したといっても過言ではないと私は信じている。
⇒鎖国でもしますか。

友愛の原則においては、我々は、農業や環境や医療といった人間の生活や安全に関わる分野をグローバリズムの慈悲に晒すような政策は実行しない。
⇒保護主義へようこそ。それとも社会主義かな。マニフェストにあった最低時給1000円などもそうですが、結果をまず決める社会主義的なやり方をしても、まあロクなことにならないと思います。

この金融危機は、アメリカの一国主義の時代が終わりにきていることを多くの人々に示唆した。それはまた、基軸通貨としてのドルの永続性についての疑念をもたらした。
⇒アメリカの新聞でいちいちこんなことを書かんでも・・・。

日本に始まり韓国と台湾と香港が続き、それからASEANNと中国が達成した急速度の経済成長の自然な拡張として、我々は地域通貨の統合を目指すことを切望すべきだ。
⇒金融政策を放棄するのですかそうですか。経済成長率もインフレ率も全然異なるのに。

アジア共通通貨の設立は、おそらく10年以上かかるだろう。そのような単一通貨が政治的統合をもたらすのには、確実により長い時間がかかるだろう。
⇒ 政 治 的 統 合 ? 

地域的な統合と共同的な安全保障は、日本国憲法によって提唱されている平和主義と多国間協力の原則を実現する、我々が進むべき道であると私は信じている。それはまた日本の政治的・経済的独立を守り、米中に挟まれた我々のポジションにおいて利益を追及するための適切な道である。
⇒最初はネトウヨが言うような売国政策を目指すのかなと思って読んでましたが、実はこの人は大日本帝国を目指すようなファシストの要素があるのかなと思い始めました。


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おまけ。
Wikiの全体主義のページから、全体主義についての概要を引用。現在、該当すると私が思う部分を太字に。
個人的には民主党がどうかよりも、ポピュリズム万歳な雰囲気や、それに迎合する政治家や、マスメディアによって簡単に流される国民性に疑問を持っています。政治がどうのというよりも、まずは自分の努力でしょう。


1. ユートピア的イデオロギーによって正当化されることが多い。
2. 個人の放埓を制限し集団で力を合わせて危機を乗り切ろうという意図から産まれる。
3. しかし、批判勢力の口を封じるうちに、集団の中心人物・中心グループが集団を私物化して制御不能の状態に陥り、悲劇的結末を招く場合が多い。
4. 解決策を示す事ではなく、資本家・左翼勢力(その国が資本主義国家か社会主義国家かによって異なる)・外国(人)など判り易い「国民の敵」「大衆の敵」を作って攻撃し、大衆に爽快感を味わわせる事によって支持を集める。
5. 基本的に、善意を装って生まれる。
6. しばしば新時代への希望が喧伝される。
7. 労働者階級等の貧困層、少産階級のように、政治に不満を持つ階層を取り込むポピュリズムによって生まれやすい。
8. 貧困層が多数派の、普通選挙制度を採用する国で生まれやすい。
9. 国民に主権者(国主)としての自覚がなく、どうすべきか考えず、公僕を指揮して問題解決するより、贔屓の英雄/独裁者の指揮下に入って助けてもらおうとして自ら奴隷に落ちる場合(自由からの逃走)に発生する。
10. 軍事力によるクーデターだけではなく、ナチスのように政治パフォーマンスで人民の人気を得て合法的手続きを踏んで権力を掌握する場合も多い。
11. 完全主義の人々が主導力となる。
12. 大衆の好意を獲得しやすい。
13. 異端を排除する度合いが、徐々にエスカレートしていく。 <-new! ***********************追記************************ どうやらこの論説を要約して英文にしてNYタイムズに寄稿したようですね。こっちを読んだ方がわかりやすいと思います。私の邦訳は、日本語⇒英語⇒日本語という伝言ゲームみたいなことになっていますし。 祖父・一郎に学んだ「友愛」という戦いの旗印
posted by NGTN at: 20:24
category: 和訳, 日本

(後略)


[新世紀人コメント]
この訳者は素直で生真面目な人柄であるようで、自らの力量を率直に告白しつつ訳文を提出している。
そのせいで優れた翻訳作品となっている。
上に出した訳文と比較しつつ読んでいただきたい。
優劣を論ずる為に紹介したわけではない。

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