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旧グッドウィル折口氏、「札びらの復讐」の代償 最近は「地下鉄で英語学校通い」とも・・・ (日経BP)
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/256.html
投稿者 ブッダの弟子 日時 2009 年 9 月 14 日 10:34:44: WrVq5GKL9DWTY
 

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090909/204321/?P=1


 人材サービス大手の旧グッドウィル・グループ(現ラディアホールディングス=ラディアHD)を創業した折口雅博元会長が個人破産していたことが明らかになった。

 債権者である大和証券担保ローンが資産管理会社「折口総研」(東京都大田区田園調布)の破産を申し立てたのは6月11日。東京地裁による破産手続き開始決定は9月1日のことだった。折口総研の負債は債権者5名に対し302億円。折口氏個人の負債も債権者1名に対して10億円に上る。

 人材サービス大手の旧グッドウィル・グループ(現ラディアホールディングス=ラディアHD)を創業した折口雅博元会長が個人破産していたことが明らかになった。

引き金はラディアHDの経営不振

 昨年3月にサーベラスとモルガンスタンレーの米系投資家連合に経営権を譲り渡して会長を辞任して以降、折口氏は米ニューヨークに渡った。グループの米国法人の顧問というのが唯一残された肩書だったが、「毎日、地下鉄に乗って英語学校に通っている」(サーベラス関係者)のが実態だったようだ。グリーンカードの取得を目指していたともされる。

 実質的な所有権が投資家連合に移った保有株には「先買権」(買い戻しの権利)が付され、折口氏の経営復帰にかける執念が憶測を呼んだこともあったが、巨額の買い戻し資金を工面できるはずもなく、結局は破産への道を転げ落ちた。

 債権者が第三者破産という異例の手段を行使して回収に走ったのはなぜか。

 指摘されるのは、経営不振が深刻化する一方のラディアHDが事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請したことだ。同社がADRの申請方針を明らかにしたのは6月15日で、破産申し立ての時期と符合する。9月1日にはADRの手続きにおいて100%の減資をすることが発表された。

 折口氏が金融機関に担保提供している資産で最も潜在価値が高かったのは、まだ手元に残されていた一部のラディアHD株。その価値がゼロになるわけだから金融機関も黙って見ているわけにはいかない。裁判所の破産決定と減資の発表が同じ日だったのは、偶然ではないと考えることもできる。

「利益は自分、負担は会社」の構図

 折口氏のこれまでを振り返ると、これほど自らの会社に執着した経営者も珍しかったような気がする。

 そもそも折口総研が巨額の負債を抱えるに至った原因は、折口氏が自らの支配権を維持したいがためだった。2006年2月に折口総研は旧グッドウィルの転換社債を大量に取得。その資金はみずほ銀行からの借入金で賄った。借入総額は272億円に達した。

 これに対して折口氏は「私の持ち株比率を増やして買収防衛しようという目的で借りた。借入金があっても金利負担があるだけだと思っている」(2007年6月のインタビュー)として、この時点では意に介するようなところがなかった。

 自らの会社への執着は、個人と会社が渾然一体となる危うさを抱えていた。言い換えれば、公私混同である。

 旧グッドウィルはジャスダックから東京証券取引所1部に鞍替えする過程で、折口氏や個人会社、それにほかの役員が保有する介護子会社コムスンの株式を買い取ったことがあった。なぜ親会社の経営者が、子会社の株式を個人で所有していたのか。

 明らかに利益相反リスクのある構図だが、コムスンは一時期、新規株式公開を目指しており、折口氏が個人で上場益を享受しようとしていた疑いは濃い。そのような不透明な資本関係を東証が許すはずもなく、本体での買い取りは厳しい指摘を受け、泣く泣く行ったものだった。

 折口氏は2002年に会社の損失穴埋めのため、個人資産を拠出したことがあった。東京・南青山の権利関係が複雑なことで有名な土地に絡んでトラブルを抱えた不動産子会社の処理に30億円、創業者が暴力団関係者とともに逮捕される直前に売却した美容子会社のトラブル解決費用に約12億円を拠出したのである。

 経営者の英断と捉えることも可能だが、やはりどこか危うさが否めないのも事実だった。穴埋め費用の大部分はコムスン株による現物拠出でもあった。

 結局、これらにより旧グッドウィルが抱える「のれん代」は2003年6月末までの1年半で14億円から86億円まで急増。個人は利益を先取りして、会社に償却負担をつけ回しするような構図だった。

 旧グッドウィルがプライベートジェット機を約30億円で購入した件も同じ文脈で語ってよいエピソードだろう。「海外出張で入国手続きが早く済むため」などと、折口氏は機関投資家らを前に購入理由を真顔で説明していたというが、それを信じる人間などいるはずもなかった。プライベートジェットは稼働率が低く、私用目的で折口総研に貸し出されていたから、公私混同ここに極まれりだった。

介護はストックビジネスだった

 日商岩井時代に巨大ディスコ「ジュリアナ東京」を手掛け、退社後も六本木で「ヴェルファーレ」を開業させた折口氏は当初、バブルの申し子のように見られた時期がある。しかし、彼の経営者としての振る舞いを俯瞰すると、何か世間に復讐を果たそうとしていたようにも感じられる。

 大量の札びらで人々を屈服させる――あえて戯画的に表現すれば、そんな復讐劇である。自らの会社に対する執着もここから来ていたような気がする。

 旧グッドウィルが成功するまで折口氏の人生は貧乏や挫折、裏切りによって占められていた。父親の会社は倒産、陸上自衛隊少年工科学校から防衛大学校に進んだのは学費がないからだった。ジュリアナ東京とヴェルファーレでも仲間に裏切られ、途中で経営から外される屈辱を味わっている。

 折口氏の語り口は柔らかで、特に押し出しの強い経営者ではなかった。しかし、相手を射抜くような冷酷な目つきは、内に秘めた情念を垣間見せるようでもあった。そのあたりは、同じ頃にもてはやされた堀江貴文・元ライブドア社長ら、ほかのヒルズ族の“軽さ”とは決定的に異なっていた。

 開業初期の大量出店が災いしてコムスンは大赤字を出したが、そこで折口氏が挫けなかったのは、情念がなせる業だったという気がしてならない。

 そういうわけだから、折口氏がビジネスに期待したものは自らのパワーの源泉となる利潤だけだった。ディスコを手掛け、軽作業請負(後に日雇い派遣と呼ばれるようになった)で起業を目指したのも、それが儲かると考えたからだ。ビジネスそのものに対する個人的思い入れはなかった。

 「これほどのストックビジネスはないと思っている」(2000年8月の決算説明会)

 介護事業について折口氏はことあるごとに「ストックビジネス」を強調していた。いったん契約者を獲得すれば、後は安定的に毎月の報酬が入ってくるというわけだ。そこには介護という人間相手のビジネスに対する真摯な姿勢がほとんど見られなかった。

 優秀なヘルパーに対してポケットマネーから賞金を出すようなことはしていたが、それは従業員を目一杯働かせるためのニンジンみたいなもの。折口氏が介護に対する理念を語るのをついぞ聞いた覚えがない。

 折口氏率いる旧グッドウィルのピークは2006年秋に人材サービス最大手の「クリスタル」を買収した時だった。持ち株比率維持のため転換社債を取得したのは、それより半年ほど前の出来事に当たる。この頃、折口氏は自分の将来に微塵も不安を感じていなかったのではないか。

 しかし、そこから転落は始まった。883億円というクリスタルの買収額は明らかに高値づかみ。仲介役の公認会計士や格闘家ら3人は約380億円もの“中抜き”をしていた。この件は今年になって脱税事件にも発展、海外逃亡した公認会計士は逮捕状をとられ、行方が追われている。

 そして、反貧困キャンペーンの世論が燃え広がるや、折口氏は格好のターゲットとなった。厚生労働省は2007年、コムスンの事業停止命令に踏み切り、翌年には日雇い派遣のグッドウィルにも同様の処分を下した。

 コムスンの問題が持ち上がった頃、折口氏は「自分の経営が間違っていたとは思わない」(前出インタビュー)とあくまで強気を貫いていた。しかし、“祖業”の日雇い派遣まで失ったところで、さすがに自力再建を諦めるよりなかった。クリスタルの巨額買収資金を出したみずほ銀行も債権を米サーベラスに売却して旧グッドウィルを見放していた。

「少しなめられてる気がしますね」

 かつて折口氏に個人資産について尋ねたことがある。その際、こんな返事が返ってきた。

 「株式公開した時に50億円を換金して、そのうち使ったのは7億5000万円で自宅を買っただけ。私は財テクはやらない。7億5000万円くらい銀行に行けばすぐに振り込めますよ。そうした質問は少しなめられてるという気がしますね」(2001年11月のインタビュー)

 すべては一場の夢だったのか。折口氏は48歳。まだ再起は可能な年齢だ。しかし、今度の挫折ばかりはこれまでと異なる。

 復讐劇の結果、世間に残されたのは、悪名ばかりだったのではないか。折口氏が経済界で再び復讐に立ち上がる日が来る可能性は、あまり高くないように思われる。


関連 こんな時代もあった

折口・安倍対談 コムスンを称賛 07年6月15日
http://www.a-koike.gr.jp/hilight/2007/2007_06_15_2.html

安倍首相は二〇〇三年の「コムスン通信」十号で対談。「やはり民間の方の機動力で『事業が成り立つ』ことが大切」と営利企業への開放を強調したうえで、「コムスンは一生懸命やっておられる」と称賛。「(日本で)一位になる」と豪語する折口氏に対し、「高卒者1000人を採ると一位ですか。それはすごい」と拡大路線を評価し、二人が握手する写真が大きく掲載されています。
http://www34.atwiki.jp/jimin_rakusen/?cmd=upload&act=open&pageid=1&file=avegwg.jpg

シリーズ:グッドウィル廃業を追う 元社員「ピンハネに罪悪感なかった」【京都民報】 08 年 7 月 15 日
http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/475.html  

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