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【驕った発言をしている民主党議員に読ませたい】武藤功:連立政権が意味するものー民主党は少数党尊重の政治革新を 
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/458.html
投稿者 アルカディア 日時 2009 年 9 月 17 日 20:03:17: jjR5cYzLvBZKE
 

http://www.the-journal.jp/contents/yoronz/2009/09/post_16.html
「THE JOURNAL」
 

民主党、社民党、国民新党は9月9日、三党連立政権合意によって、新しい連立政権樹立の方針を示した。鳩山次期政権によって実現した画期的な政治的な出来事といっていい。これは民主党に迎合して言うのではない。むしろ、民主党に厳しい自覚をしてもらいたいために言うことである。

 なぜなら、現在の党リーダーである小沢氏と鳩山氏には、過去の政界編成時に少数政党との対応で誤りを犯した経験があるからである。とくに深刻だったのは小沢氏の場合で、1994年の院内会派更新時に日本社会党を排除したことによって、同党を羽田政権連立から離脱させてしまった。このため、自民党はその排除された社会党を抱き込み、村山首班の連立政権を作り出した。小沢氏は羽田内閣をみすみす潰す結果に導いたのである。

 鳩山氏の場合は、1996年の民主党結党時の社民党との合流に際して、ある種の選別をして民主党に入れる議員と入れない議員とに分断したことである。このため、村山富市氏らは止むを得ず民社党として残留することになった。これは自民党による政権奪取に直結した小沢氏の時と比べると罪は軽いが、政党の再編にかかわる結集論理としては、小沢氏の原理と同じ性格の問題を含んでいた。政治的な結集論理においてイデオロギーを優先させるという性格である。

 もちろん、政党はイデオロギーを基軸に作られる政治集団である。その意味では再編や連立においても政治イデオロギーが重視されるのは当然のことである。しかし同時に、政党再編や政権連立においては、一つの党派イデオロギーでは律し切れない状況への対応という問題がある。この場合、イデオロギーは「小異」となり、新たな状況への対応が「大同」となる。小異を捨てて大同に就くということが求められるゆえんである。

 今度の9日の三党合意は、この「大同団結」を意味したといえる。このプロセスにおいて重要な点は二つある。一つは民主党が選挙戦のなかでも三党共同の路線を明快に打ち出し、それを「衆議院選挙にあたっての共通政策」(8月14日)として有権者に示して選挙戦をたたかったことである。これは政権連立に有権者の意思を反映させたということにおいて、新生党が軸となった細川政権の時とも、自民党が軸となった村山政権の時とも違う重要な点である。細川政権(八党会派連立)も村山政権(自社さ連立)も、政局波乱のなかの政党連立によって一種「瓢箪の駒」のようなかたちで生み出されたが、今度は明快な「政権交代」のスローガンをかかげる鳩山氏のもと、その三党の共同を念頭において有権者が選択できる「政府像」を示してきたからである。

 もう一つ重要な点は、この政権構想を鳩山氏も小沢氏も自覚的に推進したことである。すでに指摘したように政局的結集にしろ、政党的結集にしても、そのなかにあらわれる多数派と少数派との関係を民主的に解読して統合するという課題は両氏にとって鬼門ともいうべきものであったが、小沢氏にあっては1994年の羽田政権以来の、鳩山氏にあっては1996年の民主党結成以来のそれぞれの経験と学習によって、「ニュー小沢」「ニュー鳩山」として新しい立憲的結集論を提起できる地点にまで到達していたという問題である。民主党が衆院では単独過半数を制しながら、その三党連立構想を守って先の合意に達したのはかれらの立憲的モラルの順守のあらわれとみることができる。

 それゆえ、すべての問題が始まるのは、これからであるともいえる。何しろ、今度の三党連立合意は、日本の政治が明治憲法以前の政党草創期から今日までの百数十年間において経験したことのない新しいかたちの立憲的な成果だからである。これまでも連立政権はさまざまあったが(戦後では1947年の片山政権から、昨日の自公政権まで)、しかしそれらは選挙において公約された立憲的な連立というよりも、政局がらみの離合集散の産物であって、明快なかたちで国民的な合意を基礎にしたものではなかった。これまでの連立政権問題や政局再編に「読売新聞」グループの渡辺恒雄会長や労働界の山岸連合会長、あるいは池田創価学会名誉会長らが蔭に陽にさまざまかかわったというのも、そうした非立憲的な連衡合従劇の性質をよくあらわしていた。以前の小沢氏もまたその種の再編劇を演出したり、また自ら巻き込まれたりもしてきたのである。

 今度の三党連立合意が注目されるのは、そうした過去の政治との関係だけからではない。なによりも未来の政治にかかわっている。明治以来、日本の立憲政治は自由民権運動に対する抑圧とその後の明治憲法によって制限を受け、戦後憲法下においても、連合国の占領政策とその後の米国追随の「55年体制」といわれる自民党の一党独裁的な冷戦構造型の長期政権によって健全な発展を妨げられてきた。十年前に発足した自公政権もこの「55年体制」の延長線上にあった。今度の政権交代選挙は、明治以来の官僚政治とこの「55年体制」の閉塞状況を一挙に打破し、その桎梏から政治を解放したところに最大の意義がある。

 つまり、この今日において、国民は自らの手で国民のための国民の政治(リンカーン風にいうと「人民による人民のための人民の政治」)を創造できる地点に立ったのである。この政治の「チェンジ」はオバマ氏のチェンジ以上の意味を持つ。なぜなら、明治憲法からは120年、戦後憲法からは62年目にしてはじめて国民が達成した偉業といっていいほどの意味を持っているからである。単なる二大政党間の政権交代ではない。ましてや「風」の仕業でもない。国民は長い間、それと明確には認識しなかったかもしれないが、自前の民主政治を求めてきた。新聞の論調は、今度の政権交代には「国民はワクワクしていない」というのであるが、それは表面的なところだけしか見ていないからである。その点では自民党指導部が「国民の怒りをよく理解できなかった」といっている方が正しい。戦後政治が明快な希望のビジョンを示してくれなかったから、国民が自ら希望の枠組みを描き出したのが今回の政権交代選挙である。

 したがって、その国民が示した政治の枠組みに魂を入れることができるかどうかは、民主党以下の三党の政治そのものにかかっている。その際、肝腎なのは多数派を持つ民主党が立憲的な政治のモラル(少数派の尊重)を順守することである。三党にはそれぞれの党のマニフェストと連立政権合意のなかの「政策合意」があるが、これらの実行もそう簡単ではないし、その実行に至るプロセスにおいてはさまざま軋轢も生じよう。そうした時、多数派党である民主党の自己抑制的な指導力の発揮によって、三党のそれぞれに独自な政治イデオロギーを社会の多元的で多様な価値意識と整合させるかたちで調整、統合してもらいたいものである。

 もちろん、そのためには少数派党の社民党と国民新党が大政党となった民主党に埋没させられないための正当な自主性の発揮が極めて重要になる。いまのうちから、次回の参議院選挙までの多数派工作の駒に終わるのではないかなどという心配は無用である。なぜなら、社会の多様な政策要求に応えるための立憲的な連立体制の確立という本筋のもとでの三党合意なのであるから、それを正面から受け止めることが新しい共同と連帯を創造する道だからである。

 そうした共同の政治文化を創ることが日本の民主主義にとってきわめて重要なのだ。日本の政治の貧困の最大理由は、その共同性の欠如にあったからだ。保守の側でいえば、翼賛政治的な共同しかないし、革新の側でいえば原水爆禁止運動の分裂はその象徴であろう。それゆえにこそ、政治的な共同性を創り出し発展させることができれば、世界に誇れる日本的な立憲政治のモデルを創り出することも可能となろう。三党が合意した憲法事項、つまり「平和主義」「国民主権」「基本的人権」の三原則の順守によって国民の生活を再建するという政治が開かれるのも、そこにおいてである。

 政治権力は統合にも分断にも作用するが、究極にはそれが国民主権に根差すものであることを肝に銘じた三党合意であると理解したい。禁物なのは、リーマン・ショクから丁度一年目の現在の言葉でいえば、「強欲」である。金融の世界であれ、政治の世界であれ、強欲は墓穴のもとである。民主党にとっての強欲とは、党(パーティ)とはパート(部分)なのだという自覚を忘れて300議席を超える党勢力は国民全体を代表しているのだと錯覚することである。そうした数への錯覚を持たなければ、官僚政治の地獄めぐりを経験してきたリーダーを持つ民主党には、日本の人情と国情に合った共同の民主的「友愛」政治を開くことが可能であろうし、期待できる。(文学誌「葦牙」編集長)  

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