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総論賛成、各論反対。鳩山総理、腕の見せどころ(NewsSpiral、二見伸明氏、9.21)【小沢は西郷+大久保?】
http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/640.html
投稿者 南青山 日時 2009 年 9 月 21 日 04:46:17: ahR4ulk6JJ6HU
 

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2009/09/post_373.html

 鳩山政権を、大臣・副大臣と、小沢一郎が決めた衆議院常任委員長人事をセットで見ることをお薦めする。大臣ポストには、私にも少々、異議はあるが、副大臣とセットでみると、なかなかの味わいがある。例えば、農相・赤松広隆である。寡聞にして、彼が農政に詳しいとは知らなかった。しかし、農協など農業団体とのしがらみが少ないので、かえって、思い切った施策がとれるというプラスはあるだろう。その赤松を支える副大臣が、「農家への戸別所得補償制度」をまとめた衆院議員、山田正彦と参院議員、郡司彰という農政の専門家であり、それを監視し、督促するのが、民主党農政の核心である筒井信隆である。彼は、今回、国土交通相に任命された前原誠司が、昨年、某月刊誌で「戸別補償制度」を批判した際、「副代表辞任」を要求した「剛の者」だ。岡田外相に対する外務委員長は鈴木宗男で、「外務省官僚にごまかされるな」と目を光らせるので、外務省には目の上のコブだろう。「毒をもって毒を制す」ではないが、鈴木委員長選任に自公が強硬に反対したのは、「核密約」など自民政権下のダーティーな部分が明らかにされることを恐れたからである。

 副大臣制は、自民・自由連立の時、小沢一郎が、政治主導を実現するために、政務次官という名の「見習将校」ではなく、認証官としての重みをもった副大臣を作り上げたものである。にもかかわらず、自公政権は、官僚の巧みな誘導によって、副大臣制を換骨奪胎して、イベントの挨拶要員におとしめ、政治家としての力量、政策をもった人材を送り込もうとはしなかった。民主党は違う。衆参の論客が副大臣として大臣を支える体制である。国土交通副大臣・辻元清美、財務副大臣・野田佳彦がイベントの挨拶要員になるはずがない。政権を支え、監視する衆院常任委員長の顔ぶれは、前述の鈴木、筒井を始め、田中真紀子、鹿野道彦、東祥三、玄葉光一郎、大畠章宏など個性豊かな、頑固者である。大臣答弁に官僚臭がにじみでると、委員長にどやしつけられるような場面もあるかもしれない。それもまた、楽しからずや、である。
 
 それにしても、今回の大臣、副大臣は、テレビの政治バラエテイー番組の常連が多いので、自己主張が強く、「言語明瞭・意味明解」で面白いが、はしゃぎすぎて、食言の心配もある。ちょっとした一言が政権の命取りになることもあるので、気をつけてもらいたい。「綸言、汗の如し」である。私が運輸相の頃の閣議は無味乾燥なもので、閣議後の閣僚懇談会の方が面白かった。閣議で侃侃諤諤の大議論を期待したい。

 鳩山政権の支持率は、期待と不安を交錯させながら、歴代二位の70%を超す高さである。世論調査によれば、民意は「政策への期待」ではなく「政治が変わることへの期待」である。政権を不動のものにするためには、「政策を実現」して、「政治が変わったこと」を国民に実感してもらう以外にない。総理は18日、麻生前内閣が編成した約14兆円の補正予算の執行見直しを指示した。藤井財務相の弁では「各省がそれぞれ独自の判断でお願いしたい」とのことである。「独自の判断」がミソで、官僚の忠誠度を知ることが出来るし、「苛斂誅求派」か「温情派」か、大臣の人柄もわかる、面白い見ものになるだろう。
 
 注目されるのは八ッ場ダム建設中止だ。半世紀以上、国と群馬県、これを後押しする東京、茨城など一国六都県のアメとムチに翻弄され、犠牲になったのは水没予定地の住民である。前原国交相は、この連休中に現地で、地元住民と話し合うようだが、生活再建、地域振興を最優先に、誠実な態度で住民や自治体の理解を求めるべきである。
 
 来年度予算編成は大変だ。子供手当てなど7兆円超の予算を確保するためには、その分、他部門の予算を削除したり、いくつかの事業を中止したりしなければならない。茨城県にも「霞ヶ浦導水事業」「六号国道石岡バイパス」「茨城空港」など、見直すべき事業がある。全国で、県知事を先頭に、民主党系地方議員や企業・業者を巻き込んで、反対運動が起こるだろう。「総論賛成、各論反対」の厳しい現実に、船出したばかりの鳩山政権は直面するわけである。
 
 「明治維新」は西郷隆盛の「情」だけで成就したわけではない。倒幕という総論に賛成した地方武士は、自分の身分、生活不安という各論の立場から、萩の乱など中央政府に反抗し、ついには、「西南の役」で「情の人」西郷を担ぎ出して、敗れた。西郷の盟友、大久保利通は「非情の人」として西郷を討って明治政府の基盤を固め、翌明治十一年、暗殺された。「情に掉させば流される。知にはたらけば角がたつ」。激動期のリーダーは強靭な精神の持ち主でなければ務まらない。小沢一郎の本質・本心は「情の西郷隆盛」だが、尊敬する歴史上の人物は大久保利通である。
 
 三国志の主役、劉備玄徳が蜀の帝王になれたのは、大軍師・諸葛孔明あったればこそである。宰相・鳩山由紀夫と軍師・小沢は不可分である。マスコミは、細川政権を例にとって、「小沢支配」を喧伝するが、細川護煕総理の秘書官を務めた成田憲彦は、「小沢支配」を否定している。細川政権が自壊したのは、与党第一党の日本社会党に連立を束ねる力量がなく、武村官房長官などが自己顕示に明け暮れ、剛腕・小沢にしても、連立各派間の仲裁、苦情処理に専念せざるを得なかったことにある。それでも、細川・羽田政権は、二大政党制を育てるために小選挙区制導入という抜本改革を成し遂げている。鳩山総理の意思と指示が明確であれば、それの実現を目指して身体を張るのが小沢一郎である。

 2009年9月14日午前(日本時間)、降雨のため4時間遅れて始まったレンジャーズ戦ダブルヘッダーで、イチローが9年連続200本安打の新記録を樹立した。私はおもわず、「やったー」と叫んだ。そしてその瞬間「雨でノーゲームになり、幻のヒットにならないように」と祈った。1919年、ワールドシリーズでの八百長事件「ブラックソックス事件」で大リーグ人気が危機に陥ったとき、それを救ったのが本塁打を連発したベーブ・ルースだった。以来、大リーグは本塁打を中心としたパワー全盛の時代になった。そのパワー志向が、ゆがんだ形で表面化したのが、マニー・ラミレスら球界を代表する大打者の薬物疑惑だ。イチローは内野ゴロをヒットにし(走)、「人のいないところに打つ」バットコントロール(攻)、走者を刺す「レーザービーム」(守)の三拍子揃った名選手で、野球本来の醍醐味を具現した。アメリカ球界に新たな時代の幕開けが来たのである。

 イチローと一郎がダブった。日本を敗戦の廃墟から世界第二の経済大国に押し上げたのは、田中角栄の「日本列島改造論」を象徴とする大型公共事業だった。そして、いま、公共事業は、汚職・腐敗、環境破壊、国土荒廃という「負」にさいなまれ、「質」の転換を迫られている。鳩山は歴史の分岐点で、後続の政権が後戻りできないように、舵を前にきる歴史的な使命をになった総理である。細川政権を自壊させた歴史を他山の石とせよ。

★前段の分析も見事だが、ここでのポイントは後段にある。
小沢一郎は西郷隆盛と大久保利通の二つの資質(一方は本質・本心、一方は尊敬)を持つという話はなかなか興味深い。
たしかに西郷と大久保がいた明治維新と同様に、「情」と「知」どちらに転んでも(偏っても)今回の大事は果たされなかっただろう。
ところでマルクスは「ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日」の冒頭で、必ず引用される「歴史的大事件や大人物は二度現れる、とヘーゲルは述べているが、こう付け加えるのを忘れていた。一度目は悲劇として、二度目は喜劇(ファルス)として」のくだりのあとで、つぎのようなことを言っている。
「人間が一生懸命自己を変革し、現状を覆し、新しいものを構築しようとするとき、過去の亡霊を呼び出し、名前とスローガンと衣装を借り、この由緒ある扮装と借り物のセリフで世界史の新しい場面を演じようとする」と。
これを読んだときはあまりぴんとこなかったが、今回の政権交代を明治維新になぞらえ、小沢一郎を西郷や大久保になぞらえたこの文を読むと、なるほど、マルクスが言おうとしていたのはこういうことかと得心がいった。
そこにはマルクスが指摘するように思いもかけぬ陥穽が潜んでいるかもしれないが、この司馬遼太郎的心性とでも呼ぶべきもの(対比、類推、感慨)は、多くの日本人の心を熱くするのだろう(小生もその一人だ)。
今回の政権交代という歴史的大事件が、マルクスが描くような悲劇でも喜劇でもないことを願っている。  

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