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総裁選は党分裂への一里塚(田中良昭の「国会探検」、9.29)【冷徹な数の論理、そして小沢対小泉の最後の戦いへ】
http://www.asyura2.com/09/senkyo72/msg/333.html
投稿者 南青山 日時 2009 年 9 月 30 日 04:52:10: ahR4ulk6JJ6HU
 

http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2009/09/post_188.html

 第24代自民党総裁に谷垣禎一氏が就任した。私にすれば投票日には分かっていた当たり前の結論である。当たり前を決めるのに4週間も時間をかけ、自民党議員全員が特別国会で総理候補に「若林正俊」と書かされた。国民はそれを見て呆れたが、国民に呆れられてまで自民党は総裁選に時間をかけなければならなかったのか。最近の自民党のやる事は政治の常識を越えていて理解するのが難しい。

 2年前には参議院選挙で大敗したにも関わらず、開票速報が終わらぬうちに安倍総理が続投を表明した。私は総理辞任だけでなく議員辞職もあり得ると思っていたのでビックリした。安倍氏に政治家として捲土重来を期す気があれば、惨敗の責任を取って議員辞職をする選択肢もあった。まずはバッジを外し、臥薪嘗胆の日々を送り、その上で選挙の洗礼を受ければ、政治家としての再生はあり得る。しかしそれがないと惨敗の責任が終生つきまとう。二度と表舞台に立てなくなる。それが政治の常識である。

 ところが安倍氏は続投を表明した。続投を進言したのは麻生太郎氏である。この二人は政治の常識を越えている。その麻生氏が総理になると、今度は安倍氏が進言する側に回り、麻生内閣の支持率を下落させた。反小泉路線を標榜していた麻生氏に鳩山総務大臣の更迭を進言して内閣支持率を下げさせた。まさに二人は「迷コンビ」である。

 だから8月30日、すんなり谷垣総裁誕生を認めたくない勢力が時間を稼いで何かを仕組むため総裁選を遅らせたのかと私は疑い、開票速報の最中に再び安倍氏と麻生氏が何かを相談し合ったのではないかと邪推した。私の想像が当たっていれば、「自民党をぶっ壊した」のは小泉純一郎氏より吉田茂と岸信介の孫だと言う事になる。

 谷垣氏には申し訳ないが、今度の自民党総裁は来年の参議院選挙までの暫定である。参議院選挙の結果次第で責任を取らされ交代させられる可能性がある。実は来年の参議院選挙が終わらないと与党も野党も本物にならない。政権交代したと言っても現状は仮の姿である。民主党が参議院で単独過半数を握れば政治の局面がもう一つ展開する。

自民党がその先の衆院選で政権を奪取しても、議席が三分の二を越えない限り法案は1本たりとも通らない。すべからく民主党に従わざるを得なくなる。だから政権奪取の意味がなくなる。要するに参議院選挙に負けた時点で自民党は今よりもっと惨めになる。自民党にいても仕方がないと思う議員が出てくる。自民党は分裂含みとなり再編が起こる。それが容易に想像できる。

だから自民党は総裁選挙に時間をかける意味などなかった。むしろ時間をかければ党の分裂が促進される恐れがあった。自民党の再生のためには、速やかに暫定総裁を選び、来年の参議院選挙を戦う体制を作り、総選挙惨敗の総括を時間をかけて徹底して行うべきだった。半世紀以上も政権にあった政党の惨敗は歴史を遡り多岐に渡って行うべきで、短時間で出来るものではない。さらに自民党の今後の立ち位置についても、民主党政権のやり口をしばらくじっくり見定めないと間違う事になる。だから今は重心を低くして本物の野党になるための準備をする時なのである。そうすれば仮に参議院選挙で敗れても党の分裂に歯止めがかかり、その先の衆議院選挙に向け本格野党として反転攻勢をかける体制が出来上がった。

今回の総裁選挙に時間をかけた理由として「地方党員の意見を良く聞くため」と言われるが、それはもっともらしい嘘である。党員の声を聞くのならむしろ選挙惨敗の総括のためにより多くの時間をかけて聞くべきであった。「民意に耳を傾ける」と言うと聞こえは良いが、民主主義政治は「民意は間違う」と認識する所から始まる。「民意は尊重しなければならないが、だからと言ってその通りにはしない」のが民主主義政治の基本である。だから世界のどの民主主義国も間接民主主義を採用している。国民の利益のために民意を無視する事は大いにあり得る。ところがこの国では近年「民意こそ民主主義」という幼稚な思考がまかり通る。

去年の秋、自民党は総裁選挙を行い、民主党は代表選挙を見送った。するとおバカなマスコミが「開かれた自民党と民主主義的でない民主党」という図式でこれを報じた。その時私は「参議院選挙で勝利した民主党が代表を代えないのは世界の常識。自民党が派手に総裁選をやれば分裂が起こる」とコラムに書いた。現実は私の言う通りになって自民党町村派に深刻な分裂が生まれた。

その分裂が今回の総裁選に再び現れた。本命谷垣氏の対抗馬として河野太郎氏が手を挙げたが、その後ろには小泉純一郎氏や中川秀直氏がいる。すると河野氏の足を引っ張るために森喜郎、町村信孝氏らが、安倍氏と親しい西村泰稔氏を立候補させた。去年の総裁選で小池百合子氏の足を引っ張るために石原伸晃氏を出馬させたのと同じやり方である。河野氏は選挙を通して名指しで森、町村氏を批判した。そして谷垣氏の言う「全員野球」を全面的に拒否した。総裁選をやったばっかりに自民党には本命選出の裏側で町村派の派内戦争が再び勃発した。

 これを見て思ったのは、神奈川県選出参議院議員の浅尾慶一郎氏が民主党を離党して「みんなの党」から衆議院選挙に出馬した事と、中田宏横浜市長が任期切れを待たずに辞任して新党結成を臭わせている事との関連である。河野太郎氏も「みんなの党」との連携を公言して離党をほのめかした。小泉純一郎氏が政界引退した事を私は次なる政界工作のためだと見ている。それは民主党から不満分子を引き剥がし、自民党の小泉シンパと糾合させて新党を作る工作である。それをやるには政界から身を引いてしがらみを断ち切った方がやりやすい。

 今の自民党に民主党から政権を奪還する力と人材がいるかと問われればかなり難しいと答えざるを得ない。どうしたら良いかと聞かれれば、自民党の外か民主党の中から人材をリクルートする以外に方法はないと答えてきた。そのリクルート工作が始まった可能性を今回の自民党総裁選は感じさせた。この流れにもしも大阪府の橋下徹知事や埼玉の上田清司知事らが加われば政治の局面はまた転換する。そうした可能性は民主党の小沢幹事長も当然想定しているだろうから、それを念頭に党内運営を進めている事だろう。

 いずれにしても現在の政治状況は二大政党制に落ち着くまでのプロセスの途上にある。そのプロセスで誰が主導権を握るのか。小沢氏の描くシナリオと小泉氏のシナリオが火花を散らす時が来るのか。自民党総裁選は党分裂への一里塚となり、次の政局への幕開けになったと私には見える。

★次の決戦は当然、来年の参院選だ。
そこで民主が過半数を獲得すれば、もう完全に自民はアウトだ。
これまで自公で三分の二以上衆院議席を持っていたからこそ、安部、福田、麻生とどうしようもない総理が二代、三代続いても何とか国会を運営できたわけだ。
次の参院選で敗北すれば、当面自民の出番はなくなり、あとは自壊を待つだけになる。
その意味で、次の参院選こそ最後の、最大の決戦かと思っていたら、この記事によればどうやらその先に深く暗い闇が待っているようだ。
田中によれば、それは小沢対小泉の、一大決戦になるという。
なるほど、と思った半面、本当にそうなるのだろうか、とも思った。
たしかに、民主の体制が固まると、そこで何人か冷や飯を食わされる議員が出てくるだろう。
今のところ予想されているのは枝野だが、社会民主主義的な、労組と憲法遵守に向かいそうな民主の方向性に違和感を持つ浅野のような議員が、枝野らと組んで浅野の後に続く可能性がある。
みんなの党はそれなりに認知されており、それに民主離脱組と自民の残党(河野や桝添、石破、石原など)らが加われば、それなりの勢力になるかもしれない。
しかし、現政権の対抗勢力の旗印は、構造改革、規制緩和、新自由主義、市場原理主義といったものになるだろう。
それをはたして大多数の国民が支持するのだろうか。もう一度小泉時代の日本に戻ろうとするだろうか。
もちろん、民主政権の経済運営が失敗して、国民が破れかぶれになる可能性もゼロではない(まずないだろうが)。
さらに、そのわずかな可能性にかける一団が今なお存在することを忘れてはならない。
一団とは、既得権を奪われた大小さまざまな利権勢力、一部の官僚、輸出中心の大企業、金融・資産家層、そして大メディアである。
八ッ場ダム騒動ではその一端が顔を見せた。
民主政権が越えなければならないハードルは、まだまだ数多く残されている。
もちろん小沢はすべてを承知で、十全な対策をいまから講じているだろう(それには当然公明党の動向も絡んでくるはずだ)。  

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