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寄稿 日本共産党の「建設的野党」路線 「過渡的性格をもった新政権のもとで歴史を促進する」現実的方針 (かけはし)
http://www.asyura2.com/09/senkyo73/msg/426.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 10 月 16 日 21:18:59: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame091019d.html

 七月の都議選で自公与党と民主党を同列にして批判した日本共産党は「政権交代」を求める有権者の動向を変えることはできず、議席を大きく減らした。この総括から総選挙では「民主党中心の政権」に対して「建設的野党」という現実方針に転換した。これをどうとらえるべきか樋口芳広さんの見解を掲載する。(編集部)

はじめに

 日本共産党は、今回の総選挙を、民主党中心の政権が生まれる可能性が高いという情勢判断にもとづいて、自公政権に決定的な審判を下すことを訴えるとともに、民主党中心の新政権ができた場合には「建設的野党」になるという方針を明らかにして闘った。結果として、比例区全体で七%、四百九十四万三千票を獲得し、現有議席を維持した。
 実際に民主党を中心とする新政権が生まれ、そのもとで、日本共産党がどのような役割を果していくのかが問われている。本稿では、「建設的野党」という方針は一体どういうものなのか検討するとともに、建設的野党という路線を実りあるものにするためにも、一九九八年の不破政権論の総括が必須であることを論じたい。

都議選を受けて路線転換

 日本共産党は、二〇〇三年に旧民主党と自由党が合同して現在の民主党ができて以来、自民党と民主党の両方を、「二つの政治悪」――異常な財界・大企業中心の政治、異常な「軍事同盟絶対」の政治――を共有するものとして、厳しく批判し続けてきた。この立場は、今年の六月に行われた第八回中央委員会でも確認されている。幹部会報告における志位委員長の報告から引用しよう。

 「自公も民主も、二十一世紀の日本の『進むべき道』について、国民の前に何らの『旗印』も示すことができない。それには理由があります。それは日本の政治の行き詰まりの大本にある『二つの政治悪』――異常な財界・大企業中心の政治、異常な「軍事同盟絶対」の政治を、共有しているからであります。一方は、『二つの政治悪』の担い手の勢力であり、他方もまた、同じ流れのなかにあります」

 しかし、七月十二日投開票の東京都議会議員選挙における民主党の大勝という結果を受けた七月十六日の幹部会声明において、来る総選挙では、自公政権を終焉させることを第一に掲げるとともに、民主党中心の政権が成立した場合は「独自の建設的野党としての立場を堅持」して「三つの仕事にとりくむ」として、(1)課題ごとに一致点で協力し政治を前に動かす「推進者」の役割を果たす、(2)民主党が表明している危険な諸政策を具体化する動きが起こったときには「防波堤」となる、(3)「国民が主人公」の民主的政権をつくるための国民的共同を探求、前進させる――と表明したのである。
 もっとも、この声明を受けた全国都道府県委員長会議での志位委員長の報告では、「二つの政治悪」を自民党と共有しているという民主党への「基本的評価、認識はいささかも変えていない」と強調された。志位委員長は、こうした問題点を事実によって示すことが大事だとしつつも、民主党はあくまでも野党であり実際に悪政の執行者になっているわけではないとして、自民党と民主党の両者を同列において審判の対象にするのは適切なやり方ではない、としたのである。これは、「国民のなかで圧倒的に広がっている『いまの政治をなんとしても変えたい』という前向きの流れに心から共感を寄せ、その実現の先頭に立って闘う」という根本姿勢に基づくものとされた。
 この方針は、民主党への流れが圧倒的に存在した今回の総選挙を闘う上では基本的に有効であったといえよう。筆者の周辺でも、「これだけ自公政権への怒りが強く政権交代への期待が強いのに、自民党も民主党も同列に並べて批判するようなことでは支持拡大の対話が非常にやりにくい」といった声が強かっただけに、「建設的野党」になるという立場を表明して闘うという方針は、おおむね好意的に受け止められていた。

可変的要素を内包

 総選挙の結果、民主党を中心とする政権が生まれ、「建設的野党」は現実の路線としてその是非が問われるべき段階になった。これが妥当なものかどうかは、いうまでもなく新政権の評価にかかわる。では、志位指導部は、新政権の性格をどのように評価しているのだろうか。
 志位委員長は、九月九日に行われた党創立八十七周年記念講演において、日本の戦後政治史の流れの中での新政権の位置づけについて語っている。
 志位委員長は、二〇〇三年の総選挙を前にして旧民主党と自由党が合併して現在の民主党が誕生したことを、経済同友会や経団連の「提言」を根拠として引用しつつ、財界主導の「二大政党」づくりの動きの本格的な発動の現われとしてとらえる。さらに、この総選挙の際の民主党マニフェストには「自公政権打倒」といった文言はなく「政権交代が実現すれば、日本も本格的な二大政党時代に突入します。そして、自民党も自己改革を迫られ、日本の政党政治も二十一世紀にふさわしいものに本格的に脱皮していくでしょう」とあることに着目し、〇三年の総選挙を「財界の手のひらの上での『悪政の競い合い』」と特徴づけるのである。
 しかし、〇五年の郵政選挙での自民党大勝をはさんで自公政権のもとですすめられた「構造改革」路線によって、「貧困と格差が社会を覆い」「国民の激しい批判と怨嗟の声が、抑えようもなく高まった結果」、次のような変化が起きたというのである。

 「民主党の側も、二〇〇三年の総選挙の時のように同じ政策目標を掲げて実行力を競い合うというやり方を変更しなければならなくなりました。いわゆる『対決型』の選挙への転換であります。今回の総選挙で民主党は『政権交代』を打ち出し、『自公政権を終わらせよう』ということを打ち出しました。今回の民主党の『マニフェスト』には、『国民を苦しめている古い仕組みを終わらせよう』という訴えがあります。……(中略)……そして、『自公政権を終わらせよう』ということを打ち出したことにともなって、民主党の政策には、従来の『悪政の競い合い』の側面とともに、国民の要求を部分的に反映した政策という側面も生まれました。たとえば、温室効果ガスの中期削減目標を二五%にするなどの、財界の意思とは明らかに矛盾する公約も打ち出されました。財界主導で始められた『二大政党』づくりの動きのなかで、いまや財界の手のひらに乗りきらない、そこからこぼれ落ちる部分も生まれてきているのであります」

 その上で、新政権(この講演の時点ではまだ誕生していない)の基本的な性格について次のように評価する。

 「民主党の政策・路線には、『財界中心』、『軍事同盟中心』という自民党政治の『二つの政治悪』から抜け出す立場はいまのところ見られませんし、国民の利益に反する問題点も少なくありませんが、部分的には国民の要求を反映した政策も打ち出されています。こういう過渡的な性格をもった政権が生まれようとしているのであります」

 ひとことでいえば、新政権誕生の意義について過大評価も過小評価もしない、ということであろうが、この評価自体は基本的に妥当なものであるといえる。この志位委員長の講演によれば、「建設的野党」とは、あくまでも「財界中心」「軍事同盟中心」という「二つの政治悪」から抜け出すという日本共産党の大目標を堅持した上で、「過渡的な性格をもった新政権のもとで歴史を促進する」ための方針として出されているものであり、その限りにおいては適切なものであると評価してよいだろう。
 もっとも、これは現象としては「良いことには協力する、悪いことにはきっぱり反対する」という形をとらざるをえないために、新政権の政策になぜ「良いこと」と「悪いこと」が混在しているのか、その背後にある構造的な必然性にまで常にたちかえりつつの対応でなければ、たんなる議会内取引の問題だけに矮小化されてしまう危険性が存在している。また、その延長線上に、「建設的野党」からさらに踏み込んで、与党という立場を選択するかどうかの問題が浮上してくることもありえないではないのである。この問題に関連しては、一九九八年の不破政権論の再検討が必要である。
 不破政権論とは、一九九八年の参議院選挙で日本共産党が八百二十万票を獲得して大躍進するという結果を受けて、当時の不破哲三委員長が、日本共産党を含めた野党による暫定連合政権の可能性について言及したものであった。ここでは、日米安保条約の廃棄をめざす党の政策を棚上げし、安保条約の現状での「凍結」で合意して「安保廃棄論者と安保維持・堅持論者のあいだの連合政権」(不破)をつくるのだ、とされていた。
 これは直接的な政権構想の提唱ではないとされたが、近い将来に民主党(自由党と合併する前の旧民主党)などと政権が組めるかもしれない、との思惑があったことは間違いない。これ以降、指導部は、民主党との連立政権の可能性に幻惑され、新自由主義改革や憲法「改正」への志向を持った民主党への批判を弱めると同時に、自衛隊活用論の提起や海上保安庁「改正」への賛成、財界団体への接近など、急速に路線の右傾化を進めるという二重に誤った方向へ深く突っ込んでいくことになったのである。
 結局、指導部が民主党への批判を本格的に始めたのは、二〇〇三年十一月総選挙の直前であった。転換はあまりに遅すぎ、そのツケは大きかった。この点に関して、筆者は、本紙〇四年八月二日付に書いた「七月参院選と日本共産党の大敗」において、「九八年『不破政権論』以来の路線的誤りの根本的総括が必要である」と主張したが、いまだにそのような総括はなされていない。先に触れた今年九月九日の志位講演でも、九〇年代後半の日本共産党の大躍進に危機感を燃やした財界が直接乗り出して「二大政党」づくりの動きを本格的に発動したのだ、というストーリーを描くだけで、日本共産党が安保容認の暫定連合政権を追求した一時期があったことには触れられていないのである。

不破政権論の根本的総括を

 不破政権論がきちんと総括されていない以上、今後の政治状況の展開次第で、指導部が再び安保廃棄という政策を棚上げにしての政権参加を追求する危険性が厳然として存在することに注意しなければならない。実際、九八年当時の不破委員長のインタビュー(「しんぶん赤旗」1998年8月25日付)を読めば、鳩山新政権に対して、「建設的」とはいいながら野党の立場にとどまったことが不思議にすら思えてくるものである。
 このインタビューの中で、不破は、日本共産党の政権参加をめぐる基本的な態度について「民主連合政府をつくりあげる条件が成熟するまで、私たちは、政権問題にノータッチでいいのか、民主連合政府以外は頭から問題にしないという一本槍の態度でいいのか」と自ら問い、「それでは、国民に責任を負う立場で、実際の政治に前向きにとりくむことはできません」と答えている。
 また、細川政権の失敗のくりかえしにならないかとの質問に対しては「細川内閣は、自民党政権の基本政策の継承を方針とした内閣であり、その一方、自民党政治を改革するプログラムはまったく持たなかった内閣」だったと特徴づけ、一方で自らの言及している暫定政権は「自民党政治からの転換の大きな一歩をふみだす政権」であるから根本的に違うと述べ、「国民生活や民主主義にかかわる大事な点で、自民党政治のわく組みを突きやぶるという保障がなければ、日本共産党がこの政権に参加したり協力したりすることは、もちろんありえない」と述べているのである。
 逆にいえば「国民生活や民主主義にかかわる大事な点で、自民党政治のわく組みを突き破るという保障」があれば、たとえ民主連合政府をつくりあげる条件が成熟(いいかえれば安保廃棄論が多数派になる)していなくても、政権参加を追求すべきである、ということである。もしそうであるならば、自民党政治の継承を方針とした細川内閣とは異なり、「自公政権を終わらせよう」と掲げて部分的には国民の要求を反映した政策も打ち出している鳩山新政権――志位委員長は、民主・社民・国民新三党の連立合意は「全体としておおむね肯定できる方向」と評価している――に対して、何故に「建設的野党」という立場にとどまらなければならないのか、ということにもなってくる。

98年時に比して
国会内の比重低下

 現在の「建設的野党」路線は妥当なものと評価することができるが、これは志位指導部が政治的に適切な判断を下したというよりもむしろ、九八年当時に比較して日本共産党の国会内における比重が著しく低下しているという状況によって、日本共産党の政権参加が現実的な可能性のあるものとして受け止められる余地がまったくなかった、ということに起因しているといえよう。仮に、今後の国政選挙の結果、日本共産党が首班指名においてキャスティングボートを握る状況が生じた場合、指導部が安保廃棄という政策を棚上げにしての政権参加を追求する危険性は強いといわざるをえないのである。
 しかし、仮にこのような場合であっても、日本共産党は、首班指名の決選投票において「よりまし」な候補に投じるという行動にとどめておくべきであり、入閣するという選択をとるべきではない。その政権がたとえ個々の政策で自民党政権よりもまともであるとしても、日本共産党が日米安保条約の廃棄をめざしている以上、日米安保条約堅持を掲げた政権の政策に全体として政治的責任を負うことができないのは明らかであるし、もしあえてそれをやるならば、安保条約廃棄をめざす運動について決定的なダメージを与えることになるであろう。
 日本共産党は、「過渡的な性格をもった新政権のもとで歴史を促進する」ために、「民主連合政府をつくりあげる条件が成熟」するまで、「建設的野党」の立場を堅持すべきである。そのためにも、不破政権論についての根本的な総括がいまこそ求められている。
(樋口芳広 日本共産党員)

 

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