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冤罪と死刑について考えた (鈴木邦男)
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投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 10 月 20 日 18:49:58: mY9T/8MdR98ug
 

http://kunyon.com/index.html

@足利事件の菅家さん、佐藤弁護士に会った!
 やっと会えた。前から、会いたい、会いたいと思っていた。足利事件の菅家利和さんと佐藤博史弁護士だ。今や「時の人」だ。テレビにもよく出ているし、本も随分と出ている。でも実際に話を聞いたのは初めてだ。10月10日(土)、死刑廃止運動をやっている「FORUM90」主催の集会に2人が出て話すという。これは聞かなくちゃ、と出かけた。

 冤罪で逮捕され17年も、獄中にあった菅家さんの話は、聞いてる我々も苦しくなる。「絶対に許せない」と何度も何度も言う。分かる。本当に酷い話だと思う。

 取り調べの過酷さに、つい「自白」する。女の子を殺した容疑だ。さらに、その前に2件、同じような事件があった。「それもお前がやったのだろう」と責め立てられる。それも「自白」する。しかし、全ては冤罪だった。警察と検察の「作文」だった。裁判の場で、「実は、やってません」と言うと、(前の)弁護士は、「それはマズイ」と裁判長にあてて上申書を書かせる。「あれは死刑になるのが怖くて口走ったことです。すみません」と。DNA鑑定もあるのだし、自白もしている。菅家さんは犯人だと弁護士までが思い、決めつけたのだ。だから、裁判長の心証を悪くしないように、情状を求める作戦だったようだ。誰も助けてくれない。

 救ったのは佐藤博史弁護士だ。初めて面会した瞬間から、「菅家さんは無罪だ」と確信し、弁護活動を展開する。調書を読み、「この自白は嘘だ」と見抜く。なぜ裁判官が見抜けないのか、それが不思議だ、と言う。そしてDNA鑑定をやり直させ、菅家さんを救出する。奇跡的な勝利だ。この問題では、過去の捜査、取り調べについて警察、検察は謝罪した。しかし、裁判所は謝らない。

 10月10日の集会で、終わった後、主催者の人が2人を紹介してくれた。「大変でしたね。よく頑張りましたね」と菅家さんに行った。何と声をかけていいのか分からない。「いや、全ては佐藤弁護士のおかげです」と菅家さんは言う。その佐藤弁護士は、「あっ!鈴木さん。いろいろ読んでますよ」と言う。ありがたかった。「さっきのアジ演説、凄かったですね。学生運動をやってたんでしょう」と言ったら、「いやー、分かりましたか」と照れていた。でも、今、 60才だ。全共闘世代ではないが、まだ学生運動が残っていて、闘ったのだという。やっぱりな、と思った。

 集会の時の話を聞いて、ピンと来た。集会は1時から6時まで。4部構成で、2人はそのうち1時間弱だ。皆、椅子に座って喋るが、佐藤弁護士は立ち上がり話す。熱弁だ。冤罪を打ち破る闘いの報告だ。でも報告・説明だけではない。警察・検察・裁判所を徹底批判する。攻撃する。国家権力を糾弾する。うわー、アジ演説だと思った。

 学生運動が盛んな頃、よく聞いていた。元気がいい。学生運動で培った情熱と技術をぶつけて、佐藤弁護士は勝利したのだ。この集会を主催した「FORUM90」代表の安田好弘弁護士も学生運動出身だ。一橋大学で闘っていた。今も、貫くものは「社会正義」だ。反権力だ。だから、「得にもならない闘い」も引き受ける。オウムの麻原彰晃、光市事件などの弁護だ。「なぜあんな極悪人を弁護するんだ!」と批判する人もいるが、それは、批判する人が間違っている。裁判制度があるのだし、悪人といわれる人も弁護しなければならない。いや、誰が見ても許せない人間こそ弁護士が必要なのだ。

 帝銀事件の主任弁護士だった遠藤誠さんは、『私は「悪者」に味方する』(筑摩書房)という本を書いている。挑発的なタイトルだが、弁護士活動の本質を衝いてると思った。

 「こんな悪党は弁護する必要がない。弁護士も必要ない。すぐ殺せ!」では、リンチだ。裁判ではない。遠藤さんは亡くなったが、安田弁護士の活躍を見ていると、遠藤さんのことをいつも思い出す。この安田さんに言われて私は、カレー事件の林眞須美さん支援に関わることになった。

A死刑囚の絵画、作品を見た
安田さんは港合同法律事務所に所属している。ここには大口昭彦弁護士もいる。早大全共闘議長だった。早大政経の同級だ。学生時代は毎日、激突していた。でも今は仲がいい。「昨日の敵は今日の友」ですよ。「あの頃はよくやられたよ」。「いや、こっちこそ殴られてたよ」と過去の闘いを懐かしく振り返っている。日露戦争後の乃木大将とステッセルのような感じかもしれない。

 40年前、早大では毎日、左翼学生(全共闘や民青)と殴り合いをし、論戦をやっていた。そんなミニ〈戦争〉を体験したからこそ、皆、たくましく成長したのだ。弁護士になったり、政治家、学者になってる人が多い。早大だけでも、高野孟、大谷昭宏、高橋伴明、呉智英、宮崎学、立松和平…と、数え切れないほどいる。

 では再び、「集会」の話だ。第1部は、「報告・政権交代と死刑廃止への道」。「死刑廃止を推進する議員連盟」会長・亀井静香さんのメッセージが読み上げられる。そして「議員連盟」事務局長の保坂展人さんが現状を報告する。保坂さんは衆院選で落選したが、「引き続き事務局長をやってくれ」と亀井さんに言われたという。民主党政権になり、死刑は「停止」という観測もあるが、それは甘いという。自民政権下では死刑を執行すると「よくやった。毅然としている」と、支持率が上がったという。不気味な話だ。周りから責められて法相がサインするかどうか。させないように国民の死刑反対の声が必要だ、という。

 第2部は、「死刑囚の表現をめぐって」。大道寺幸子基金の発表とシンポジウム。2004年に亡くなられた死刑囚の母・大道寺幸子さんが残された基金により始められた死刑囚の作品募集(文芸作品、絵画、イラスト等)に寄せられた作品を展示・紹介しながら、選考委員の皆が語る。選考委員の太田昌国さん、加賀乙彦さん、川村湊さん、池田浩士さんが語る。評価する点は評価するが、厳しい批評もある。小説は、自分の事件を題材にしたものがあるが、自己弁護に陥っているものもある。それらには厳しく批判もする。又、俳句、短歌もいいものがある。絵画も、A4の紙しか中に入らないので、15枚を続けて大作を描いたものもある。大変だ。

 それに驚いたのは、ミッキーや名探偵コナンを描いたものがある。以前なら、こんなことはあり得なかったと太田さんは言う。以前は、写経をするとか観音像を描くとか。それ位だったという。多分、「死刑囚だから」という(見えない)圧力があったのだろう。自分でも、そう思ったのだろうし、外部の眼も、「殺した遺族のことを考えろ」と迫ってくる。だから写経や観音像しか描けなかったのだろう。太田昌国さんとは最近、よく会う。終わってからもいろいろ話をした。蓮池透さんとの対談本を出してるし、私も勉強になった。加賀乙彦さん、川村湊さんとは久しぶりに会ったのでお話をした。

B死刑反対のデモに出た

 第3部は足利事件の菅家利和さんと佐藤博史弁護士が登場する。司会は岩井信弁護士だ。いかに冤罪がつくられたかが詳しく報告される。取り調べの厳しさに菅家さんは「自白」する。しかし、裁判官がなぜ「自白の嘘」を見抜けないのか。弁護士は見抜いたのに。検察、裁判官が「劣化」しているのだ。だから裁判員制度で民間人の「普通の視線」を取り入れようとする。全共闘出身者で弁護士になり、闘っている人は多い。全共闘という権力との闘いをやってきた戦士たちだ。だから優秀だし、闘いの覚悟も実践スキルもある。それに比べ、検察、裁判官はそれがない。劣化するのも当然だ、と思った。

 第4部は「裁判官の証言」。元裁判官の井垣康弘、生田暉雄、木谷明さんが出席。司会は安田好弘弁護士。これに先だって、元裁判官の方々に「裁判員制度と死刑に関するアンケート」を広く行った。回答者の8割は「誤判は避けられない」と答えていた。これも驚きだが、さらに木谷さんの発言が驚きだった。「私は残り2割の人が、避けられると答えたことが驚きだ。そこまで断言できるのか」と。なるほどと思った。「一生懸命やったが、自分だって誤判がなかったか、いつも考えている」と言う。謙虚な人だ。少しでも誤判を避けるような方法をとるべきだろう。

 アンケートでは、死刑については真っ二つに分かれていた。現行法下では死刑があるから、判決しなくてはならない。しかし、本当はやりたくないのだ。死刑さえなければ死刑判決を下さなくてもいいのに。…といった苦悩が現れていると思った。

 1時から始まった集会は、5時半に終わる予定だったが、延びて6時に。それからデモだ。なんか、デモというと不安になる。デモ→機動隊との衝突→逮捕と。条件反射的に連想してしまうからだ。でも、弁護士さんが多いし、そんな「危ないデモ」にならんだろう。と思って参加する。しかし、デモなんて久しぶりだな。2003年(平成15)2月15日〜24日に開戦直前のイラクに行った。反米デモをした。あの時以来かな。じゃ、6年ぶりだ。いや、小田実さんが亡くなった時、追悼デモに出たな。その時は、小熊英二さんと一緒に歩いた。そうだ。日教組の人達とデモに出たこともあったな。

 と回想しながら歩いていたら、隣りにオウム真理教の荒木浩さんがいた。あっ、久しぶり。見たら、アムネスティの旗を持っている。私も、ペンライトを持っている。皆、いろんなものを持たされる。そのうち、お年寄りから「かわってくれ」と言われ、横断幕を持たされた。いつも、「オウム」と言ってるが、今は「アレフ」になったんだ。安田さんは麻原の弁護をやってるし、その繋がりかもしれない。荒木さんとは、いろいろ話しながら歩いた。

 死刑廃止を訴える静かなデモだ。交通整理の制服警官は仕方ないが、沿道には公安が大勢いて、写真を撮っている。なんでこんな大人しい集会やデモに公安が大挙して来てるのだろう。アッ、荒木さんがいるからか。「いや、鈴木さんがいるからでしょう」とお互い、譲り合いました。美しい光景です。新宿のビル街を歩いていると、ビルの巨大なスクリーンに、「オウム真理教逃亡犯!目撃情報をお寄せ下さい!」と逃亡犯の写真がデカデカと出る。あっ、荒木さんがデモしてるんで、意図的に出したんだ。「そんな!偶然ですよ」と謙遜していた。

それにしても、かなり歩いたな。万歩計を見たら、2万歩も歩いていた。2日分の「徒歩ノルマ」を達成した。人生は全て、ノルマですよ。デモだって、今までに一生分のノルマを達成したから、もういいだろうよ。

C安田弁護士の孤独な闘い

 そのあと新宿の居酒屋で打ち上げ。安田さん、太田さん、加賀さんたちとお話ししました。「鈴木さんは太らないね。節制してるの?」と安田好弘弁護士に言われました。「いや、太ってますよ。メタボ鈴木と言われてますよ」「そんなことないですよ。運動してるんでしょう?」。

 そうか。最近、バンドエイドを買った。違った。ブルワーカーを買った。8千円だ。テレビを見ながら、やっている。そのせいかもしれない。「そうですか。私はロデオ・ボーイで失敗しました」と言う。あっ、そんなのあったな。馬の格好をした器具で、乗ると動く。それだけで痩せる。手軽でいいじゃないか。「と思って使ったら、さっぱり痩せない」と言う。それどころか、馬(ロデオ)から落ちて怪我をした、と言う。

 「じゃ、ロデオ・ボーイをくれた人が犯人です。相手側が裁判に勝とうとして、ロデオを贈ったんです。訴えたらいい」とアドバイスしました。「いや、自分で買ったんです」。3万円で買った。乗ってるだけなら楽だと思った。酔っ払って家に帰り、ロデオに乗り、裁判調書を読んでいた。そんなことをするからだ。もっと、真面目に取り組まなくちゃ。ロデオもムッとしたんでしょうな。暴れた。それで振り落とされた。落ちたら受け身をとればいいのに、板の間だ。それに家が狭いから、落ちる前に壁に激突した。額を切った。二次被害だ。じゃ、ロデオを訴えて、裁判闘争をやったらいいじゃないか。でも、多分、「酒を飲んで乗らないで下さい」とか注意書きが書いてあるんだろうな。訴えても、弁護士の敗訴だよ。困ったね。敏腕弁護士も太刀打ちできない。

 でも、どうしてロデオ・ボーイなんか買ったんだろう。「それで痩せた人がいたんです」「何人?」「1人です」。1人じゃ「実証例」にならんよ。千人位、アンケート調査をして、何割の人が、それで痩せたかを調べて、それから買えばいいんだ。裁判官に大々的なアンケートを実施したんだから、その時、一緒にやってもよかった。「ついでですが、ロデオ・ボーイを使ったことのある人は答えて下さい」とか。裁判官は使わないか。じゃ、ネットで広く、訴えて、回答をもらってもいい。それで、8割が痩せたという。よし、じゃ、買おうと思えばいい。

 甘いよ。弁護士のくせに。それに「痩せた1人」は、そんな馬に乗らなくても、痩せたんだよ。酒も飲まず、ストイックに生活してたんだよ。たまたま、馬に乗ったかもしれないが、覚悟が違う。酒に酔って、ちょっと馬に乗って痩せようなんて甘いんだ。と、敏腕弁護士に説教してやった。

D遠藤誠先生の本を読んでたら、アララ…

 家に帰って、遠藤誠弁護士の『私は「悪者」に味方する』(筑摩書房)を本箱から取り出した。これこそ弁護士の原点だ。読み返していたら、「逮捕は他人事ではない」と書いている。そうだよな。足利事件のように、普通の人が突然、逮捕され、「犯人」にされてしまう。恐ろしい世の中だ。

〈1984年(昭和59)の話です。ゲリラか何かをやったというので、警察は縁もゆかりもないところでいっせいにガサ(捜索)をはじめました。その一環として、私の知人である鈴木邦男氏の自宅と、当時彼が代表を務めていた新右翼の政治団体・一水会が、その関係のないゲリラ事件で捜索、差し押さえを受けました〉

エッ、私のことが出てるよ。

〈その時、鈴木氏は「令状を見せろ」といい、それをゆっくり見てると、「もういいだろう」と警察はひったくり、その時、ビリッと令状は破れた。ヤバイと思った警察官は、自分の責任になるのを恐れて、いきなり「お前が破った!」と鈴木氏を逮捕。典型的な「転び公妨」です。自分でわざと転んで、「お前が突き飛ばした!」と言って、難癖をつけて逮捕する手口です。鈴木氏は、あぜんとなり、警察に行って説明したら分かると思ってパトカーに乗せられた。しかし、いくら説明しても分かってくれない。検事も分かってくれない〉

〈以来、毎日毎日、朝5時にたたき起こされ、夜の12時まで取り調べが続きます。調べるほうは入れ替わり立ち替わりです。「おまえが令状を破ったんだろう。警官は破ったときの様子を事細かに述べているぞ」と、執拗に責め立てるのです。
 そのうちに、勾留期間が切れる時期になりました。検事は10日間の勾留延長請求を裁判所に出したのです。これで合計22日間です。21日目になり、激しい取り調べを受けているうちに、鈴木氏はだんだん自分が本当に令状を破ったような気持ちになり、破っている様子までが目に浮かぶようになってきたそうです〉

〈自分が破ったと思いかけたときに勾留期間が切れたからよかったものの、あと二、三日勾留が続いていたら、偽の自白調書をとられていたに違いありません。
 鈴木氏のような武道の有段者でさえ、過酷な取り調べの前では、偽の自白をしそうになったのです。毎日毎日「おまえがやったのだろう」と責められると、次第に自分がやったような気になってしまうのが人間であると、自身の体験から鈴木氏は私に語ったことがあります〉

 思い出しましたよ。恐怖の勾留体験が。本当に、そう思ったんですよ。こんな時、武道なんて何の役にも立ちません。だから、他の事件で、「お前が殺したんだろう」と責め立てられたら、半年もしないうちに、何でも「自白」するでしょうね。
 じゃ、「この事件もそうだろう」「SPA!に書いてるじゃないか」と言われたら、「すみません。私です」と「自白」するだろう。そうしたら私は死刑にされていたでしょう。もうこの世にはおりません。
 恐ろしい話です。皆さんも気をつけて下さい。でも、どうやって、気をつけたらいいんだろう。いつも誰かと一緒にいて、アリバイを証明できる人を確保するとか。難しいな。そんなことをしてたら、気分が滅入って、つい酒を飲む。でも、酒を飲んでロデオ・ボーイに乗るのだけは止めて下さい。

 

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コメント
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鈴木邦男は運動家のくせに佐藤博史の別の面を知らないようだ。

「足利事件」で名を馳せた人権派「佐藤博史」弁護士が裁判所で暴れ「男性負傷」
http://news-tag.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-f867.html

他にも「佐藤博史 サンラワールド」で検索すればぞろぞろ出てくる。
2009/10/21 14:06

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