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雇用不安の最中、なぜ多額の失業給付予算が使い残されるのか?〜知られざる雇用保険特別会計の実態〜(醍醐聡のブログ)
http://www.asyura2.com/09/senkyo74/msg/205.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 10 月 30 日 19:14:15: twUjz/PjYItws
 

http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-e7ad.html

雇用不安の最中、なぜ多額の失業給付予算が使い残されるのか?〜知られざる雇用保険特別会計の実態〜

自己都合退職の3割、実態は会社都合

 2009年10月27日の『毎日新聞』に「自己都合退職 3割『本当は会社都合』」という見出しの記事が掲載された(東海林智記者稿)。若者の労働問題に取り組む大学生らが立ち上げたNPO「POSSE」が18歳〜39歳の若年労働者を対象に行ったアンケート調査の結果を紹介した記事である。調査は東京都内4か所と京都市のハローワーク前で行われ(実施時期が記載されていない)、522人から回答を得た。それによると、離職した理由の69.9%は自己都合、19.3%が解雇など会社都合だったという。そこで、自己都合の理由を尋ねると、「パワハラやセクハラ」(12.5%)、「雇い止め」(12.8%)、「長時間労働」(6.9%)、賃金・残業代の不払い」(4%)となっていたという。しかし、後述のとおり、これらの退職理由はどれも会社都合となり得るものである。
 

 失業後の生活苦を加重する「自己都合」強要

 働きざかりの若年世代にまで雇用不安が広がる中、退職と失業保険に関して法律相談が目立っているのは「会社に自己都合退職を強要された」というものである。その一端を伝えた『中日新聞』の2009年1月30日の記事を紹介しておきたい。

 「人員整理や強要など、会社側の都合で退職したにもかかわらず、会社が労働者に原因をかぶせて「自己都合」にしてしまうケースが目立つ。解雇が多いと、新たに労働者を雇う際に国の助成金がもらえないという企業の論理が見え隠れする。労働者は自己都合にされると失業手当支給が先延ばしに。それだけに「会社の不当行為を許さない国の対策が必要」と指摘されている。
 東京都内の教育関連会社で編集業務をしていた女性(42)は昨年6月、営業への部署替えと賃金の大幅カットを提示され、社長から「嫌なら退職するように」と言われ、悩んだ末に退職した。
 ただ、残業代のことで納得がいかず、1人でも加入できる労働組合に相談したところ、退職理由が自己都合になっているのはおかしいと指摘された。交渉の末、会社は理由を会社都合に変更、残業代の訴えも聞き入れた。
 倒産や解雇など会社都合の場合、退職8日目から失業手当がもらえるが、自己都合だと3カ月間待たねばならない。希望退職の募集や退職の強要、セクハラなども会社都合だが、立証が難しいと泣き寝入りする例もある。
 事務機器メーカーで働いていた派遣社員の男性(38)は昨年9月、雇い止めに。同時に派遣会社も解雇された。離職票には、退職は自己都合だと記され、ハローワークに異議を申し立てたが認められなかった。
 失業手当受給までの3カ月の生活は預金を取り崩してももたない。男性は手当をあきらめて別の派遣会社に登録、事務の仕事に就いた。
 「失業手当があれば、じっくり仕事を探せた。一番苦しい時期に受給できないなんて」と憤る。派遣ユニオンによると「会社都合を自己都合とされるトラブルは、雇用保険に関して寄せられる相談の半分以上」という。」(下線は引用にあたって追加)

 このように実態は会社都合であるのに自己都合による退職を強いられると、『毎日新聞』の記事にも記されたように、離職後、給与所得が断たれるのに加え、失業給付も受けらなくなり、失業者の生活苦が加重され、求職活動もままならなくなる。そのため、会社の強要に「応じた」失業者の怨嗟の声がネット上にも溢れている。次のデータはILOが今年の3月に発表した失業手当受給状況報告書に収められた資料からの抜粋である。

   失業給付を受けていない失業者の割合
 中国(2005年現在)       84%
 日本(2006年度現在)    77%
 米国(2008年12月20日現在)  59%
 カナダ(2008年12月現在)   56%
 英国(2008年Q4現在)     45%
 フランス(2008年12月現在)  20%
 ドイツ(2008年10月現在)   6%
(ILO, The financial and Economic Crisis: A Decent Work Response, 23 March 2009, P.16)

 これをみると、日本では失業者の77%が失業給付金を受けていないことにあり、その割合は中国に次いで高く、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツと比べても突出して高い水準になっている。
 政府はこの3月に成立した雇用保険法の改正により、失業手当の受給に必要な保険料納付期間をそれまでの1年から半年に短縮するなどして受給条件をいくぶん緩和した。しかし、こうした措置だけでは、会社都合を自己都合とする強要がなくならないかぎり、会社都合なら退職8日目から失業手当がもらえるにもかかわらず、自己都合とされたがために3カ月間待たなければならないという不利益はなくならない。


その結果、失業給付の受給資格期間(1年)が自動的に短くなる。また、それ以前に、会社都合の退職であれば雇用保険の必要加入期間は半年以上のところ、自己都合の場合は1年以上が必要となる。

 平成21年に改正された「雇用保険法等の一部を改正する法律」(平成21年法律第5号)は、こうした事情を考慮して、「特定受給資格者」という制度を創設し、一定の救済措置を講じている。ここでいう「特定受給資格者」とは、「倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた者」と定められている。具体的には次のような基準で「特定受給資格者」に該当するかどうかを判断することになっている。
  「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/03.pdf
 
 これをみると、解雇以外の理由であっても、@労働契約で締結した労働条件(採用条件)と実際の労働条件が著しく異なったことにより離職した者、A3分の1を超える賃金の未払いが2ヶ月以上発生したことにより離職した者、B賃金が85%以上カットされたことにより離職した者、C離職の直前3カ月間に連続して労基法に定められた基準を超える時間外労働等があったことにより離職した者、D上司、同僚等から故意の排斥、著しい冷遇、もしくは嫌がらせを受けたことにより離職した者、E事業主から直接または間接に退職を強要されたことにより離職した者等の離職者は被保険者期間が1年以上でなくても、6カ月以上であれば失業給付の受給資格を得ることができる。また、期間工の場合もいわゆる「雇い止め」により離職した場合や体力の不足、心身の障害、疾病等により離職した場合等の場合には、上で述べた特定受給資格者と同様の受給条件の読み変えが適用される。
 このような現行法に照らすと、冒頭で紹介したNPO「POSSE」のアンケート調査で明らかになった自己都合による離職の理由――「パワハラやセクハラ」、「雇い止め」、「長時間労働」、賃金・残業代の不払い」の多くは会社都合により余儀なくされた離職に該当する可能性がある。
 ただし、実際にハローワークの窓口で離職票を記入する時の扱いがどうかは別途、具体的な実態把握が必要である。げんに、上記の判断基準も後段で、実際に受給資格を得るための条件を細かに定めている。たとえば、@労働契約で締結した労働条件(採用条件)と実際の労働条件が著しく異なったことにより離職した場合であっても、事業主が正当な手続きを経て労働条件を変更した場合は、この基準に該当しないとされている。しかし、事業主と労働者が対等の立場で労働条件の変更を協議できない場合が少なくない実態の下で、「正当な手続き」を経た労働条件の変更かどうかを離職者が立証することは困難が予想される。また、D上司、同僚等から故意の排斥、著しい冷遇、もしくは嫌がらせを受けたことにより離職した場合でも、「当該労働者が事業主(又は人事担当者)、雇用均等室等の公的機関にセクハラの相談等を行っていたにもかかわらず、一定期間(概ね1カ月)経過後においても、事業主が雇用継続を図る上での必要な措置を講じなかったため離職した場合が該当する」とされている。となると、離職前に上記のような相談等を行うことなく離職した労働者は失業給付の受給条件の読み変えを認められない可能性がある。
 こうした職場での労使の力関係の格差に起因する交渉力の不均衡が不本意な「自己都合」離職者に失業給付の面で不利益を生まないためには、離職者の立場に立った専門の相談員が応対するネットワークを強化する必要がある。この点で、冒頭で紹介したNPO、POSSEの活動は同じ世代の若者の雇用を守る自発的ネットワークとして貴重な運動体といえる。


 失業給付歳出予算が3割近くも使い残されている現実

 連年、特別会計に多額の不用額が発生しているにもかかわらず、一部の例外を除いてそれが放置されることはこのブログでも何度か指摘した。しかし、特別会計の歳出予算額と歳出済み額の差がすべて文字通りの不用額かというとそうではない。中には、給付条件を過度に厳しくした結果、本来給付(執行)されるべき歳出が抑制された結果、使い残しが生じている例もないわけではない。社会保障関係の歳出予算の使い残しにはこれに該当する例が少なくない。地方公共団体の介護保険給付金と並んでこの失業給付金はその典型例といえる。

失業給付額(労働保険特別会計の雇用勘定の歳出項目)と雇用安定化基金の決算状況
                              (単位:億円)
   年  度      2003  2004   2005   2006  2007
  失業給付額
   歳出予算現額(A) 23,475  22,676 21,782 20,459 16,783


   支出済歳出額 19,618 14,672 13,772 12,803 12,598
   不用額(B) 3,858 8,004 8,010 7,657 4,185
   不用率(B/A) 16.4% 35.3% 36.8% 37.4% 24.9%
  雇用安定化基金
   支出(取り崩し) 0 0 0 0 0
   年度末残高 3,011 4,070 5,674 8,106 10,004
   (財務省主計局『特別会計決算参照書』各年度版より作成)

 上の表をみると、過去5年間、失業給付予算は連年、3,000〜8,000億円の「不用額」が発生し、不用率は16〜37%にも達している。国会に提出された歳入歳出決算書では「不用額を生じたのは、一般求職者給付の受給者が少なかったこと等のため」とそっけなく説明されている。しかし、実態はどうかというと、歳出予算の甘い査定による無駄の放置を意味するものではなく、国会で議決された歳出予算が失業給付の受給資格要件の過度の規制や離職者の正当な受給の権利が事業主による自己都合離職の強要によって侵害され、本来受給すべき離職者が受給できない状況に追いやられている実態を直視する必要がある。しかも、上の表からも明らかなように雇用の安定のために積み立てられたはずの基金は過去5年間、1円も取り崩されず増加する一方で、2007年度末時点で残高は1兆円を超えている。
 このような事実を知れば、新たな財源措置を講じるまでもなく、国会で議決され、財源を確保済みの歳出予算を適正に執行することによって、失業者の生活難の緩和、再就職活動の支援を可能にする財源が現に確保されていることがわかるのである。多くの市民が雇用保険特別会計のこうした実態を知ることがぜひとも必要である。

2009年10月30日 (金)
 

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コメント
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じっさい、労働基準法を厳格に施行するだけでも、この社会は、かなりよくなると思う。監督官庁は、仕事しろよ。
2009/10/30 19:29
会社を辞めるのは労働者の権利、自己都合で3ヶ月待たせるとは許せない。

関連して、雇用に助成金を出すのはヘンだ。助成金は税金であり、新規雇用だけに出すと言うのはおかしい。至急止めるべきだ。

ともかく政府ぐるみで労働者を苛めるのは止めるべきでしょう。
2009/10/30 20:10

だって「労働保険」なんてものは、「やらず、ぶったくり」みたいなもんなんだよ。
まず、「労災保険」。労災事故だと訴えて裁判に持ち込むまでが大変なんだ。多くの支援者がいなければまず不可能。そして、特に大企業は労災事故ゼロを唄って、よっぽど「シンブン沙汰になる死亡事故以外」は、下請け業者が泣かされる。「労災申請」なら「出入り禁止」と中小下請けの「息の根を止めに掛かる」。いい例がIHI知多工場で一昨年起きた爆発火災事故。真夏のフライパンになるホールドで、ガタガタ動くボロ扇風機ひとつで塗らされたペンキ屋のアンちゃんが吹き飛ばされた。遺族の悲鳴と抗議に何一つ答えようとせず、もみ消しに走る。なにせ、安全担当が自嘲げに「おとぼけの**」「殺しの**」というぐらいだ。せいぜい面倒見がいいのは「女房三菱」と「命と金のコーカン」ぐらいなもんだ。
このごろはCDSの関係か、下請け業者には「猫とアヒル」の労災保険に上乗せで入れと強制だ。だから、「労働者派遣法」の廃案−廃棄に「経団連」が抵抗するんだよ。みんな、派遣業者に押し付ければいいんだからな。よって、徴収した労災保険料はたまる一方なのだ。
セットの雇用保険とておなじ。「会社都合」は全て紙切れ一片で「自己都合」なのだ。
労働基準法による厳正な調査−指導−適用と大企業の「自己責任の隠れ蓑」−労働者派遣法の廃案化こそが鳩山の提唱する理念に合致するのだ。派遣会社なんかは俗に言う「ケタコ」なのだ。山谷、寿、釜が崎、新開地のお兄さんたちが背広ネクタイで派遣業法の説明会に大挙押しかけたんだからな。
2009/10/30 20:44
各国の失業給付を受けていない失業者の割合を見ると、その国の労働福祉政策の理念、が分かります。
ECのドイツ、フランスは、原則給付、中国、日本は、原則給付せず、米国、カナダ、英国は、その中間の政策理念と思われます。
私は、数十回離職を経験していますが、失業給付を受けたのは1回のみです。
自己都合の場合3ヶ月の待機期間は長すぎて、ほとんどの場合、再就職してしまいました。日本の労働法制は、はっきり言えば、労働者保護という目的を果たしていない。派遣労働法は、象徴的である。私の若い頃は、人件費のピンはねは、原則禁止でした。現在は、原則、適法です。この数年の間に労働福祉政策は、大幅に後退しました。
鳩山民主党には、せめて、昔の日本の労働福祉政策に戻してもらいたい。

2009/10/30 22:20
8月からは、現勤労者の給与平均が下がったとかで失業給付も減額になってます。今年の予算が余るのではないでしょうか?
結局、給付制限がある限り「雇用の流動化」など無理でしょう。転職したくても貯蓄がないと無理ですし。
ハロワの職員見て極論言うと、「クビ」の心配があまりない特権階級の奴らが労働行政を担っているので、現在の「雇用情勢」なんてどうでもいいという感じです。
2009/10/31 01:26
うえのヒトは、労働保険料を申告したり、払ったことがないな。そして、失業保険ももらつたことないな。
泥舟-ジミンの政治屋連中が失業率の問題に悩まされて、アキバのアホーがいい例で、偉そうに「仕事を選ぶからじゃないか」なんて抜かして、ハローホークまで行って「人気取り」しようとしたのが、非難をうけて仇になったように、「仕事作れない」政権−企業が全て「働く者」が悪いようにいってきたのだ。そして、泥舟−ジミンと企業のなすがままであった労働行政に問題があった。
しかし、今一番窓口がごった返している「雇用調整助成金」の窓口にこの八月から変化がおきている。労働組合−労働者代表との休業協定についての指導、休業補償金についての指導。「これは労働基準法に基づいて指導しているんですよ。指導に従わなければ申請を是正するまで保留します」と労働局のおねえさんが禿げ頭の経営者にさとす。
ハローワークの窓口にも変化がある。泥舟−ジミン時代には、紙に書いて、登録し、あとは探してだったが。いまは会社も仕事探しに必死になってもなかなか無いようだし、部屋代も払えないと言うと、こと親切に、生活保護の窓口に電話したりしてくれる。もともと、窓口の人間は景気の良いときでも、「電車の仕事がしたい」と言う「少し足りないアンちゃん」でも、私鉄の電車区に電話して「電車名好きな青年がいるんですけど」なんてやっていたんだ。
うえに座る政権が変われば、一生懸命やるヒトはがんばるんだ。
だから労働基準法の厳正な適用と「企業のやりたい放題の隠れ蓑」−労働者派遣法の廃案−廃棄が労働・福祉行政の核心なのだ。



2009/10/31 04:51

この雇用保険特別会計は失業保険給付に制限を加え、支給を抑制しているのに雇用調整促進機構などの天下り法人には「私の仕事館」などのでたらめな使い方や天下り職員の多額な人件費に消えている。失業者に行くべき税金が役人に流れている。いい加減にして欲しい。 このような実態を正すために、国民は民主党を支持したのである。
2009/11/01 03:08

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