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【興味深い論考】なぜ日本では欧州のように極右勢力の支持が拡大しないのか。【Munchener Brucke】
http://www.asyura2.com/09/senkyo75/msg/636.html
投稿者 傍観者A 日時 2009 年 12 月 05 日 20:35:15: 9eOOEDmWHxEqI
 

転載者注:個人的にも興味深いと思っただけでなく「はてなブックマーク」も200近く付いているという点でも無視できない記事と思い、あえて阿修羅に転載する。

http://d.hatena.ne.jp/kechack/20091202/p1
2009-12-02 なぜ日本では欧州のように極右勢力の支持が拡大しないのか
- Munchener Brucke

 日本で極右勢力の支持が伸びないのは、その主張と生活が結び付かないからである。つまり左派勢力の支持が伸びないのと同じ。左派が平和や護憲といったところで、それで我々の生活はどうよくなるの?ということで支持を伸ばせないのと同様だ。

 欧州で極右の支持が拡大しているのは、移民の存在が大きい。労働者にとって安い賃金で働く移民は脅威であり、その排斥を訴えることでナショナリズムと生活が符合するからである。労働者階級が、リベラルで移民受け入れに寛容な左派に愛想を尽かし右傾化しているのである。極右政党も、貧困層を明確なオルグのターゲットとし、経済政策では貧困層の受けのいい社民主義的な政策を取り入れている。

 ところが日本の右派には冷戦構造を引きずっている人が多く、弱者に厳しいのが保守だ。社会主義的な政策は許せないという空気がまだまだ強い。確かに55年体制というのは社会主義に対抗するために、伝統的価値を守りたいという右派勢力と、資本主義を守りたいという勢力が握手してできたのだ。つまり伝統を守りたい右派勢力は資本主義を尊重し、資本主義者は日本の伝統を尊重するというお付き合いの関係であった。ところが冷戦が崩壊し、社会主義の脅威がなくなると、資本主義勢力は伝統的価値観を省みずに、剥き出しの利益追求に走るようになった・ホリエモンや村上ファンドは55年体制の握手を止めた資本主義者の類型と言える。

 ところが右派勢力はとってもお人よりで、資本主義者たちが平気で伝統的価値観を蔑ろにしているにもかかわらず、律儀にも弱者に甘い政策は悪だとか、競争を促せといった資本主義的な価値観へのお付き合いを止めようとしない。欧州のように貧困層をターゲットにして極右が弱者の受け皿になれば、もっと右派勢力の支持は拡大できたはずなのに、そのチャンスをみすみす逃したのである。

それでも、日本で90年代後半以降、プアな若者が右傾化したのは、自分のやるせない心境のはけ口を、嫌韓や嫌中に求めたからだ。ただそれは一時の気晴らしに過ぎず、右派を支持したところで自分の生活がよくなることはないと悟った人も多く、支持を固定化できたとは言い難い。

この停滞状態を打破するには、一旦政治が極端にリベラルな方向に振れた方がいいのではないか。例えば、日本の人口の20%くらいが外国人になれば、極右勢力の支持は大きく拡大し、政治的なインパクトも大きくなるだろう。極右はリベラルな政治状況で支持が拡大し、左派は保守的な政治状況で支持が拡大するのがセオリーだ。自らの支持拡大のためには、真逆な政治体制が構築されるのことは実は望ましいのだ。

もちろんみすみすそれを望む右派などいないであろう。ただ運動を通じて敵が強い時ほど運動が盛り上がることを彼らは知っているはずだ。そのために組織率を大幅に低下させ、さして影響力もなくなった日教組を、まるで今でも日本の教育を支配しているか如く過剰に敵の存在を喧伝するのである。だが、弱い敵を強いかの如く喧伝するより、本当に敵が強い方がもっと運動は盛り上がるのだ。

折しも政権交代により民主党政権が誕生したが、この政権は極右勢力が考えているほどリベラルな政権ではない。彼らは敵の脅威を喧伝して自らの運動を盛り上げるために、民主党の左派性を強調しているのであるが、実態とはだいぶ違う。また民主党は労働組合を支持母体にしているので、外国人労働者受け入れにはあまり積極的ではない

むしろ外国人労働者を積極的に受け入れる政権が誕生した方が極右政党への支持は高まる。欧州の政治状況を見ると、安い労働力を確保したいという自国の産業界の意向を受け、また国際競争力を保ちたいという狙いから、保守政党によって外国人労働者を積極的に受け入れる政策を行った国が多い。左派政党は労働者の利益より寛容主義を重視してそれを追認しているケースがほとんどだ。日本で極右政党の支持を拡大させるとしたら、自民党の中川秀直や河野太郎やみんなの党の山内康一といった新自由主義的でかつリベラルな勢力が政権を握った時だと思う。  

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コメント
 
右翼は国土を憂い愛国の立場から発言する人々と理解しますが、
反米を唱える人がいない日本のウヨクの存在は大変奇妙です。
2009/12/05 21:12
たしかに、極右政党といえば、維新政党新風がありますが、伸びませんね。
「在特会」など「行動する保守」と称する極右勢力は、勢力を伸張させていますが、政党じゃありませんしね。
来年の参院選で、新たな極右政党が台頭するかどうか。
2009/12/05 23:39
右翼の人たちって、日本を愛していない人たちだから。
自己矛盾してるので支持する層がいないのでしょう。(愛国者ではないもんね)
たから、時給もらって右翼やってるひとしか支持者いないんじゃない。
2009/12/05 23:50

ですよねえ。かつて日本の歴史に名を刻んだ内田良平、頭山満、宮崎滔天、新垣弓太郎、北一輝,大川周明等の「国士」の系譜と明らかに断絶がありますね。革命を目指したこれら先達と、敗戦後日本を占領したGHQの対日工作機関「パイナップル・ブリゲード」のパシリでしかなかった児玉誉志夫、赤尾敏等に始まる現在の「右翼」とは絶望的なほどの溝があります。その出自からして「対米批判」なぞありえないのです。その構成員の出身がどうのこうの辛気臭いことは言いませんが、そこらあたりを街宣車の車列を組み拡声器でがなりまくっている衆には、自分達が米国のいわゆる「ジャパン・ハンドラーズ」に踊らされていることも知らないのでしょう。三島由紀夫の「憂国」の情、村上一郎の「撃攘」の志も今の彼らには「何じゃそれは」で終わりそうです。(防人三代目)
2009/12/06 00:11

こういう人たちが昔ならソ連、今なら中国とかに利用されるんです。
2009/12/06 01:09
↑こういう人が、ユダヤ金融資本の利用されるんです。
2009/12/06 01:15
というか、日本の右翼ってアメリカン奴隷の売国奴でしょ?
そんな奴らを愛国国民が支持するわけないじゃん。
2009/12/06 02:17
今回のアメリカ大使恫喝の件、
あの役割を戦後ずうっと分担していたわけで。
2009/12/06 06:58
09 2009 年 12 月 06 日 18:42:24
>つまり左派勢力の支持が伸びないのと同じ。左派が平和や護憲といったところで、それで我々の生活はどうよくなるの?ということで支持を伸ばせないのと同様だ。

共産党が福祉や雇用を訴えても支持が延びませんよ。
なぜかというと有権者の大部分は政策で投票しませんからね。
大部分はマスコミの印象で決めているのでしょう。
右派でも石原とか橋下とか河村たけしとかマスコミの出番の多い人は当選しますよ。


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