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(ルポにっぽん)行政無策「受け皿ない」『朝日新聞09/5/4』
http://www.asyura2.com/09/social7/msg/182.html
投稿者 有島実篤 日時 2009 年 5 月 05 日 11:25:08: JnUMLBjEgL1oc
 

(回答先: (ルポにっぽん)無届け施設、人生の終着点 『朝日新聞09/5/4』 投稿者 有島実篤 日時 2009 年 5 月 05 日 11:21:59)

( 全文引用です)

 ●「無届け」頼り、入居待ち100人
 4月のある日、東京都心のある区役所を、1台の白いワゴン車が出発した。車には区の生活保護の担当者と、ふるさとの会の職員が乗り込んでいた。高速道路を使って向かった先は、他県にある「無届け」の高齢者施設だ。
 目的地には、同区が生活保護費を支給しているお年寄りが入居している。訪問の目的は、その人たちを同会の宿泊施設で引き取れるかどうか、健康状態や生活力などを確認することだった。
 道すがら、同会理事の滝脇憲さん(36)の携帯電話が鳴った。相手は別の区の福祉事務所の職員だった。「受け入れ先が見つからないんです。部屋は空いていませんか」。滝脇さんは「いっぱいですぐには空かないので、少し待ってください」と答えた。
 ふるさとの会は三晃のほか、墨田区内にも施設を持ち、計8カ所で約200人を受け入れている。待機者は100人を超える。会のなかで宿泊事業の責任者をしている滝脇さんには、急な入居依頼の電話がしばしばかかる。
 「ケースワーカーさんも必死です。ここで断られると他がないんです、と訴えてきます。受け皿がないんです」
 高速を下りてしばらく行くと道は次第に細くなり、カーブが続く山中に入った。周辺には商店はおろか、民家さえない。車は霧の中に入った。そのとき、山の斜面に張り付くように立つ施設が現れた。「姥(うば)捨て山……」。車内でそんな言葉が漏れた。
 滝脇さんらは施設を見学し、入居者と面談をした。
 帰り道、滝脇さんは言った。「怖いのは、施設が社会から隔絶されていることです。往診や訪問介護の地域サービスをうまく使えば、都内でも高齢者を支えられる。でも、制度が必要なところに届いていない。国や東京都は、ニーズに応えてほしい」
       ◇
 かつて、介護が必要なお年寄りたちの受け皿の多くは病院だった。しかし、増え続ける医療費を抑えるため、00年に在宅介護に軸足を移す介護保険が導入され、06年にはケアや治療が必要な高齢者の受け皿だった療養病床を大幅に減らすことが決まった。多くのお年寄りが行き場を失い、また、失いつつある。
 東京都台東区の古い商店街から1本入った路地に、新築の建物がある。ハイビスカスの絵が描かれた看板を付けた宿泊施設「コスモスハウスおはな」だ。ハワイの言葉で「家族」を意味する。11日以降、低所得のお年寄り13人が入居してくる。
 4月末、車いすに乗った柴崎貞夫さん(74)が、おはなを訪ねた。
 「いいね。きれいなところだね」
 柴崎さんは長年、山谷のドヤで暮らしてきた。日雇い仕事をしていた40代のころ、胃を壊したのをきっかけに生活保護を受けるようになった。結核を患ったこともあり、最近では酸素ボンベが手放せない。要介護度は年々重くなり、今では3になった。
 柴崎さんは04年から、商店街の中にあるNPO法人「訪問看護ステーションコスモス」の訪問看護を受けてきた。その縁で今回、コスモスが運営する「おはな」に入居できることになった。
 おはなは耐震、耐火の木造3階建て。1階には約20畳の天井の高い食堂とバリアフリーのふろがある。3畳の個室は13あり、ベッドとナースコール、煙探知機が付いている。1〜3階の移動には、車いすに乗ったまま乗れるエレベーターもある。
 職員1〜2人が常駐し、薬を預かって飲ませ、ちょっとした生活の手助けをする。そのほか、訪問看護師が血圧測定や酸素ボンベの確認をしたり、ヘルパーが入浴を手伝ったり、医師の往診もある。1カ月の部屋代は6万9800円。ほかに食事代、光熱費や管理費などで7万円が必要。三晃と金額が同じなのは、生活保護費でまかなえるようにしているからだ。
 柴崎さんはこれまで、夜中に胸が苦しくなったときも、どうにもできずにうずくまっていた。真新しい施設を見て回り、「もったいない。罰が当たるよ」。そう言って表情を和らげた。
 ●動くNPO、認可に費用の壁 
 おはなでは、百数十万円かけて煙探知機や非常誘導灯を取り付けた。しかし、老人福祉法に基づく「有料老人ホーム」として認められるには、建築や消防の法律をクリアできない。このため、東京都には社会福祉法の「宿泊所」として届けを出す予定だ。
 建設費を別にしても、満室で月50万円以上の赤字になるという。訪問看護のもうけで、赤字を埋める。
 コスモス代表で看護師でもある山下真実子さんらが、それでも「おはな」を造ったのは、世話をしてくれる人がいないお年寄りが増えている現実を「どうにかしたい」と思ってきたからだ。
 「生活保護を受けながら暮らすお年寄りが、安心して住める場所が足りない。でも、有料老人ホームを造るにはお金がかかり過ぎる。土地の高い都会では、おいそれとは造れない」と嘆いた。
 行政の無策を補うこの施設に、都内の福祉事務所からの入居申し込みが殺到しているという。(見市紀世子)


 ●都内→都外、法定外の施設へ477人 生活保護費の受給者
 東京都の調査によると、今年の1月1日現在、都内の自治体から生活保護費を受給し、有料老人ホームや高齢者向け共同住宅などの施設で暮らす人は1084人だった。このうち、781人が社会福祉各法に基づかない「法定外施設」に入居している。
 この調査では、477人が都外の法定外施設にいることが明らかになった。最多は江戸川区の98人で、次いで墨田区が72人、練馬区が39人=表。都内の市町村の合計66人に対し、23区の合計は411人で全体の86%を占めた。
 法定外施設には、宅老所や高齢者専用賃貸住宅も含まれる。都保護課は「未届けの施設が、すなわち悪ではないが、行政の目が届くように、何らかの届け出をすべきだという指導をしていく」としている。
 食事や入浴などの生活サービスをする高齢者施設は、老人福祉法で「有料老人ホーム」として都道府県に届け出が義務づけられている。無届けだと30万円以下の罰金となる。「おはな」のような低所得者向けの「宿泊所」は社会福祉法に基づく施設のため、今回の統計には入っていない。


 

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