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派遣村からの提言「今年もあと3カ月、悲劇繰り返すな」(湯浅誠・元年越し派遣村村長)
http://www.asyura2.com/09/social7/msg/479.html
投稿者 賢者の石 日時 2009 年 10 月 04 日 16:15:42: Qf5ShLuWtoZHs
 

http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10356866267.html

9月30日のNHKテレビ「視点・論点」に、年越し派遣村で村長をつとめた湯浅誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)が出演していました。湯浅さんの話したテーマは、「鳩山政権 派遣村からの提言」で、先日(9月27日)の「社会保障基本法を考えるシンポジウム」のときの湯浅さんの発言より、さらに整理された話でしたので、以下要旨を紹介します。(byノックオン)

国会は解散から2カ月以上ストップしています。しかし、人々の生活は待ったなしの状態にあります。東京都内の炊き出しに並ぶ人は昨年の2〜3倍となっていますし、私どもの「もやい」 には、きょうあす食べていかれないという人が毎日40人ほど相談に訪れ、電話相談は100件近くあり、1日中鳴り止まない状態です。状況は確実に悪化しています。

OECDによると、日本の相対的貧困率は14.9%とアメリカに次ぐワースト2位の高い水準です。また、貧困層に占める働いている人の割合は、OECD加盟諸国平均の63%を大きく上回る80%に日本は達しており、アメリカの70%よりさらに高い数字になっています。最新の民間給与実態調査によれば、年収200万円未満のワーキングプア層は、1067万人と昨年の記録を更新しました。日本はアメリカ以上の「ワーキングプア大国」になってしまったのです。

そうしたなか、再び冬を迎えようとしています。昨年末、私たちは東京・日比谷公園で「年越し派遣村」を開催しました。「派遣切り」が横行する中で、500人を超える人々が派遣村に集まりました。いわゆる構造改革と規制緩和路線を推し進めた末の惨事であり、「企業犯罪」とも「政治災害」とも呼ばれました。

私たちは、中途解約や寮からの追い出しなど違法行為を平気で行う人材派遣会社や製造業大企業の行為を批判してきました。それは私たちだけではありませんでした。「派遣村」には当時の野党である民主党、社民党などの国会議員が激励に訪れ、政府の無策を糾弾しました。それが厚生労働省の講堂を開放させる力ともなりました。今年の冬はこの人たちが政府です。私は去年の悲劇が二度と繰り返されないことを期待していますが、その対策に対するメッセージは、まだ新政権から聞こえてきません。

総選挙で敗れた前政権も何もしなかったわけではありませんでした。今年4月の平成21年度補正予算では、機能不十分な雇用保険と生活保護の間に、職業訓練受講中の生活費給付を行う緊急人材育成就職支援基金を中核とする「第2のセーフティーネット」が創設されました。

また、職も住居も失った人たちがアパート入居を果たすまでの過渡的・臨時的住居=シェルターを自治体が確保する際の補助金も引き上げられました。しかし、3年間で7千億円を積んだ緊急人材育成就職支援基金は、「天下り法人」の収益源になっていることで話題を呼ぶ一方、本来の目的である雇用保険切れや受給資格のない人々に対する生活下支えの機能は、あまり果たせていません。東京都内のあるハローワークでは、応募人数が募集人数の3分の1にも達していません。原因は広報・周知の不足や、就職に結びつく有効な訓練メニューが少ないことにあります。結果として、巷には失業者があふれているにもかかわらず、利用者は当初予定の数%にとどまっています。

また、シェルターの補助金にしても、ほとんどの自治体が「うちがやったら失業者が流入してしまう」と思い実行しないため、予算を付けても使う自治体がありません。全国の賃貸住宅の23%は空いており、巷には住所をなくしてあえいでいる人たちがたくさんいるにもかかわらずです。

民主党はこれらの制度が、単年度の臨時的措置になっていることに不満を示し、恒久的な制度とすることを予定しています。そのために、求職者支援法案、住まいと仕事の確保法案を準備してもいます。しかし、その成立は早くても来年の次期通常国会であり、この年末には間に合いません。年末には、既存制度の運用改善で望むしかありません。

しかし、現実を生きる人たちは、来年まで生き延びる条件がなければ、
年を越すことはできません。以上を踏まえ、私は新政権に次の提案をしたいと思います。

第1に、緊急雇用対策で、労働者各層のニーズに応える総合的なパッケージで対応していくとまず宣言することです。正社員には雇用調整助成金が必要であるように、失業者には「第2のセーフティーネット」が必要です。そして、住居を失った人たちには臨時の住居が必要です。民主党は「すべての人が居場所を見つけられる社会に」と言って政権についたのですから、「誰も取り残さない」と宣言することです。

第2に、緊急人材育成基金を中心とした「第2のセーフティーネット」の運用を早急に見直すことです。この諸制度には、周知不足の問題や、担当窓口の多さによるたらい回しの問題があります。年末までには時間がありません。ただちにより使い勝手のいい運用を行うための検討チームを発足させる必要があります。

第3に、国の責任で臨時的住居を確保することです。「自治体に任せたから、国の責任ではない」ということでは、誰も納得できません。私たちの試算では、1万戸を容易するとしても必要な予算は年間120億円です。問題となっているアニメ殿堂予算とかわりません。野党と調整の上、次期臨時国会で補正予算を組むべきです。

「普通の暮らしがしたい」−−この素朴な願いが、今回の選挙で民主党政権を実現させました。新政権がこの願いに応えられる政権であることを願ってやみません。(反貧困ネットワーク事務局長・元年越し派遣村村長 湯浅誠さん談)  

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