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2009/12/2 16:57
http://netallica.yahoo.co.jp/news/102633
キャバクラで働く女性に対する賃金未払いや、従業員らからのセクハラなどが深刻な問題になっているとして、東京のキャバクラに勤務していた女性らが中心となり、待遇改善を求めて労働組合「キャバクラユニオン」(仮称)を結成することが分かった。東京の個人加盟労組「フリーター全般労組」の分会として発足、今月中にも準備委員会を都内で開く。
キャバクラ嬢らによる労組結成について、連合は「聞いたことがない」と話す。経営者との団体交渉などを通じ、待遇改善などを目指すほか、女性たちが安心して働けるよう、支援や相談に応じる窓口としても機能させたいとしている。
フリーター労組によると、今年に入ってキャバクラ嬢らから賃金未払いなどの相談が相次いで寄せられた。「指定した日に客を呼べなければ罰金数万円」「15分遅刻で罰金1000円」など、労働基準法(制裁規定の制限)に違反するとみられる例も多いという。女性たちが個別に交渉するのは限界があるとして、専門分会として立ち上げる方針を固めた。
結成の中心となっている元キャバ嬢も、賃金未払いや男性従業員からの悪質なセクハラを受けたとして、東京都の労働委員会に救済を申し立てた。「さまざまな悪条件も“夜の世界では当たり前”と店や同僚から言われた。キャバ嬢たちが泣き寝入りしないよう労組を支援の窓口にしたい」と話しているという。
キャバクラ評論家、木村和久氏は、キャバ嬢らの労働実態について、「罰金はおろか、最近では毎月の出勤回数の下限を設けて、これに達しなければ給与を支払わない悪質な経営者もいる。店によっては、入店時に何十ぺージもある契約書にサインさせることで、劣悪な労働条件を強引に承諾させるところもあり、条件面で泣き寝入りしているキャバ嬢は非常に多い」と語る。
そのうえで、「若い女の子たちの人気職業にランクされるなど裾野が広がり、景気が悪くても確実に需要がある業界だけに、労組結成は歓迎したい。客の立場としても、女の子たちがより元気に生き生きと仕事してくれたほうが楽しいに決まっています」と言う。
一方、都内のキャバクラ経営者は「従業員をいいようにコキ使う実態は糾弾されてしかるべきですが、女の子側も権利を主張する以上、一般企業並みに出勤時間や出勤日は厳守すべき。この部分があいまいで、突然音信不通になる女の子が多かったことが、悪質な経営者につけいるスキを与えていた」と話す。
夜の世界で働く女性たちの労組結成は、欧米ではオーソドックス。日本では1956年1月、売春防止法制定に反対した東京の赤線地区で働く女性らが「東京女子従業員組合」を結成。4月には「全国接客女子従業員組合連盟」が結成され、全国の赤線地区従業員約200人が参加したのが初という。