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イスラエル戦争の波紋(田中宇の国際ニュース解説)
http://www.asyura2.com/09/wara6/msg/540.html
投稿者 近藤勇 日時 2009 年 2 月 03 日 20:30:08: 4YWyPg6pohsqI
 

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★イスラエル戦争の波紋
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「ダボス会議」(世界経済フォーラム)は毎年1月、スイスのスキーリゾート
地であるダボスに、世界の主要な政治家、企業家、政治経済専門の学者や記者、
活動家らが集まり、世界経済のゆくえについて話し合う国際会議だ。この会議
は1970年代に「欧州経済フォーラム」として設立されたが、2000年に
米クリントン大統領が主要閣僚の多くを引き連れて参加して以来、テーマの規
模が全世界に拡大し、「ビルダーバーグ会議」(欧米中枢の人々のみによる年
次非公開会議)をしのぐ、世界の将来を決める会議として注目されている。

http://www.iht.com/articles/2007/01/24/opinion/edgardels.php
America no longer owns globalization

 この会議では、アジアなど新興大国の台頭によって欧米中心の世界体制は終
わりつつあるという論調が、すでに2006年ごろから出ていた。たとえば0
6年のダボス会議に際しては、FT紙のコラムニストが「ダボスで経済大変動
と格闘する」と題する、中国やインドなどの台頭やグローバル化が世界経済に
与える影響についての分析が出た。翌07年の会議のテーマは、世界の中心が
欧米から、BRIC・途上国側に移転していることを意味する「覇権バランス
の移動」(the shifting power equation)だった。

http://news.ft.com/cms/s/fec51e98-928e-11da-977b-0000779e2340.html
Martin Wolf: Confronting seismic economic shifts in Davos

 今年も1月末のダボス会議では、多極化論や、世界不況への対応策としてB
RICや途上国に期待する論調が目立ち、ダボスは多極化に対応する会議とし
て定着した観がある。日本のマスコミが多極化という言葉を使うようになった
のは最近だが、ダボス会議の世界では、もはや多極化は、やや陳腐化した話だ。
(欧米だけの会議であるがゆえに影響力の低下が感じられるビルダーバーグよ
りましだが)

http://blogs.reuters.com/davos/2009/01/28/the-shift-in-power-from-west-to-east/
The shift in power from West to East

▼トルコとイスラエルの喧嘩

 そう思っていると、今年のダボス会議では、新手の乱闘があった。潘基文・
国連事務総長も参加して中東問題を話し合う分科会において、自国の戦争を正
当化するイスラエルのペレス大統領と、それを批判するトルコのエルドアン首
相が対立し、司会をつとめるワシントンポストのコラムニスト、デビッド・イ
グナシウス(David Ignatius)がペレスの側についてエルドアンの発言を制し
たため、エルドアンは怒った。

http://cannonfire.blogspot.com/2009/01/spy-stuff-did-mossad-try-to-topple-nato.html
Spy stuff: Did Mossad try to topple a NATO ally?

http://istanbulcalling.blogspot.com/2009/02/online-conversion-of-david-ignatius.html
The Online Conversion of David Ignatius

 分科会で講演したペレスは、イスラエルは民主主義を守るためにパレスチナ
のテロリストと戦っているのに、世界はイスラエルを不当に非難していると、
制限時間を大幅に超過して約30分間、大声で怒りの演説を展開した。ペレス
より前に10分の時間制限で講演したエルドアンは、ペレスの講演後、イスラ
エルの戦争犯罪を非難する指摘を行ったが、ペレスが反論して言い合いになり、
司会に話を打ち切られた。エルドアンが「イスラエルは人殺しのやり方をよく
知っている」と非難すると、ペレスは「イスタンブールに毎晩ミサイルが降っ
てきたら、君だって同じようにするだろう」とやり返した。

http://news.yahoo.com/s/nm/20090130/wl_nm/us_davos_erdogan_israel
Turkish PM returns to hero's welcome after Gaza row

 昨年末のガザ侵攻以来、トルコでは反イスラエルの世論が高まっており、
1月初めには20万人規模のイスラエル非難集会が開かれている。イスラエルに
一矢報いたエルドアンは、ダボスから帰国した空港で国民に大歓待を受けた。
エルドアンは、ダボスに行く前からイスラエルのガザ侵攻を批判しており、イ
スラエル政府内では「もうトルコを信用できないので、和平仲裁を頼めない」
との指摘も出ている。トルコでは3月に選挙があるため、親イスラエル傾向が
あるロイター通信などは「選挙対策だろう」とも書いている。

http://www.haaretz.com/hasen/spages/1060931.html
Israeli official: Turkey's role as Mideast mediator has been compromised

 トルコは90年前の国父アタチュルクらによる近代国家創建以来、それまで
のイスラム教に基づく政治体制を破壊し、欧州型の政教分離された近代国家を
作るナショナリズム(トルコ主義)の政治運動が主流だったが、10年ほど前
から、イスラム主義に戻るべきだとする運動が勃興し、エルドアンが党首をつ
とめるAKP(公正発展党)はイスラム色をしだいに強めている(公式にはト
ルコはまだ政教分離の国是を維持している)。トルコ主義者は軍や法曹界、マ
スコミなどに多く、最高裁は昨年、AKPが政教分離に違反していると審議し
たが、トルコ全体としては、中東全域での反米イスラム化の流れを受け、AKP
支持者が多い。

 この暗闘の中でAKP政権は昨年来、軍人や政界、マスコミのトルコ主義者
が「エルゲネコン」(Ergenekon)と呼ばれる「国家内国家」的な秘密結社を
組織し、政権転覆のクーデターを画策しているとして、著名人を含む150人
以上を摘発してきた。エルゲネコンはイスラエルの軍事諜報機関モサドに支援
されていると、イスラム主義者らは主張している。トルコ当局は、トンジャイ
・ギュネイ(Tuncay Guney)というユダヤ教のラビ(聖職者)を称する人物が、
エルゲネコンを支援するモサド要員だとして取り調べをしている。(彼はラビ
ではないという説もある)

http://www.hurriyet.com.tr/english/domestic/10778564.asp?scr=1
Key testimony handed to defense

 トルコ内外では、エルゲネコンの存在そのものを「無根拠な陰謀論」と見る
向きがある。だが、イラン革命以来の30年の中東でのイスラム主義運動の拡
大の一つとしてトルコで非欧米型国家を目指すイスラム主義が台頭し、既存の
主流派だった欧米追随型のトルコ主義勢力との政争になり、イスラム主義を脅
威と考えるイスラエルが、守勢に回るトルコ主義勢力を助けていると考えれば、
エルゲネコンが存在し、それをモサドが支援してきたとしても不思議ではない。
多くの国で、マスコミが欧米型国家運営の一環としての世論形成戦略(プロパ
ガンダ)として成立していることを考えれば、トルコのマスコミで世俗主義が
強く、マスコミがエルゲネコンを陰謀論扱いする理由も理解できる。

http://www.hurriyet.com.tr/english/home/10861901.asp?gid=244
Is Ergenekon a real threat or imagined ploy?

http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,603581,00.html
Massive Trial in Turkey Provides Look Into 'Deep State'

▼トルコとの対立を煽るイスラエル右派

 トルコのイスラム主義系メディアでは、ダボス会議での対立を受け、イスラ
エルは隠然とトルコに反撃してくると予測している。この懸念は、イスラム主
義者より、米英イスラエルの方が敵を「悪者」に仕立てるプロパガンダ戦争の
技能がはるかに強い(日本もかつて極悪に仕立てられ、日本人自身が昔の祖国
が極悪だったと思い込むという「大成功」をおさめている)ことを考えると、
当然の見方である。

http://www.todayszaman.com/tz-web/detaylar.do?load=detay&link=165764&bolum=101
Pundits warn of psychological retaliation from Israel

 しかし実際には、イスラエルはトルコを敵に回すと「亡国」の危険が強まる。
トルコは、中東イスラム世界では有数の国際政治力(仲裁力)を持った国であ
る。他の有力国のうち、エジプトは米国の傀儡で信頼されていない。サウジア
ラビアは自国の石油利権を守るあまり引っ込み思案すぎる。イランは米イスラ
エルから敵視され、仲裁力を封じられている。イラクは潰され、あと何年かは
復活しない。トルコは唯一、欧米イスラエルとイスラム主義勢力の両方から
「身内」とみなされうる。

 1月初めには、サウジやエジプトなど中東の親米穏健派諸国と、イランやハ
マスなど反米イスラム主義勢力とを、エルドアンのトルコ政府が仲裁しうると
いう記事が、イスラエルの新聞に出た。トルコが仲裁すれば、イスラエルとイ
ランとの戦争も回避できるかもしれなかった。

http://www.haaretz.com/hasen/spages/1051636.html
PM Erdogan is mediating between two competing axes

 しかし、ガザ侵攻でイスラエルが戦争犯罪を重ね、トルコの世論が激しいイ
スラエル敵視に傾き、エルドアンとペレスが喧嘩した今、トルコがイスラエル
とイスラム主義勢力とを仲裁できる状況は去りつつある。しかもイスラエルは、
政権中枢で好戦派と暗闘する現実派が、米国でのオバマ就任を機に何とか自主
停戦にこぎつけてガザから撤退し、ガザ戦争の泥沼に陥って自滅する危機はと
りあえず回避しているものの、その後はガザでの戦争犯罪行為が国際的に非難
され、イスラエルは政治的に不利になっている。まさにトルコを必要としてい
るときに、イスラエルはトルコと喧嘩している。

 この絶妙なタイミングから、この喧嘩を喧伝するのは、イスラエルを支持す
るふりをして潰そうとする、欧米言論界の「シオニスト右派」であるとも推測
できる。ダボス会議前の1月22日には、米国のシオニスト右派系の中東研究
所(AIPACが設立したWINEP)の研究員が、右派のウォールストリート・ジャー
ナル紙に「エルドアンのトルコは、腐敗した宗教政治に陥り、イランやロシア
とも結託しており、もはや欧米の仲間ではない」と主張する記事を書いている。
これも、シオニスト右派による、米イスラエルを弱めようとする隠れ多極化戦
略の宣伝行為に見える。

http://online.wsj.com/article/SB123266156689407459.html
Is Turkey Still a Western Ally?

▼ホロコースト懐疑者の破門を解いたバチカン

 1月21日のガザ撤退後、イスラエルが悪者にされる事態があちこちで噴出
し、イスラエルはじわじわと立場が悪くなっている。イスラエルは、ガザの国
連施設をこれ見よがしに空爆したため、国連では怒りが渦巻き、1月22日に
ガザを調査した国連代表は「イスラエルが戦争犯罪を行ったと思われる証拠は
十分にある」と表明し、今のガザを戦前のワルシャワ・ユダヤ人ゲットーにた
とえた。イスラエルが劣化ウラン弾や白リン弾を使用する犯罪行為を行ったと
の指摘も出ている。国連を怒らせるのは、イスラエルの以前からの自滅行為で
ある。

http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=83359§ionid=351020202
Falk: Enough evidence of Israeli war crimes

http://tanakanews.com/g0727israel.htm
世界に嫌われたいイスラエル

 米国政府中枢でも、国連大使のスーザン・ライスが「イスラエルは戦争犯罪
容疑について内部調査すべきだ」と表明した。私が見るところ、ブレジンスキ
ー、オルブライトの流れを汲む彼女は、オバマ政権内の隠れ多極化勢力であり、
今後、彼女は国連内のBRIC・途上国勢力(非米同盟)と連携し、オバマ政
権内の親イスラエル勢力と対立する可能性がある。(この手の対立は演出なの
だが、わかりやすい構図なので喧伝され、日本のマスコミも後追いするかもし
れない)

http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=84183§ionid=351020202
US: Israel must probe war crimes

http://tanakanews.com/081216MGI.htm
オバマの多極型世界政府案(スーザン・ライスについて言及)

 スペインでは、イスラエルが2002年に行ったガザでの攻撃で、ハマス幹
部のほかに14人の市民(うち9人は子供)が殺された事件で、パレスチナ人
の提訴に基づき、イスラエル軍幹部を戦犯容疑で起訴する準備が行われたもの
の、イスラエル政府などが、おそらく米国経由でスペイン政府に圧力をかけ、
この裁判を棚上げさせた。

 地中海圏に属し、イスラム世界との関係を重視するスペインは、以前からパ
レスチナ和平や、イスラム教世界とキリスト教世界の和合に積極的である。今
回の裁判の件は、過去の戦争を題材にイスラエルが悪者にされ得ることを示し、
しかもイスラエルが横やりを入れて自国の悪事が暴かれそうな裁判を潰すとい
う、多くの人が「やっぱりね」と思って反ユダヤ意識を強めそうな話までつい
ており、今後の流れを示唆している。

http://www.haaretz.com/hasen/spages/1059964.html
Spanish FM: We'll act to prevent war crimes probes against Israel

 ローマのカトリック教会(バチカン)も、イスラエルが弱体化するどさくさ
紛れに、かねてからやりたかったことを実行している。バチカン(ローマ教皇)
は1月24日、ホロコーストの「史実性」に疑問を表明する説話(「ナチスが
殺したユダヤ人は600万人よりずっと少ない。せいぜい30万人だ」などの
言説)を行ったため1988年に破門した英国の4人の司教に対し、破門を解
除し、再びカトリック教会に受け入れると発表した。4人に対する破門解除の
構想は以前からあり、ユダヤ人組織から強い反対を受けていた。

http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=83576§ionid=351020606
Pope rehabilitates holocaust-denying bishop

▼反ユダヤ感情の噴出

 ホロコーストに関しては、スウェーデン北部の町リューレオの議会と教会が
「ガザでイスラエルによって殺された人々のことを思うと、複雑な気持ちにな
らずにホロコーストの惨事を記念する行事を行うことはできない」という理由
から、1月27日のホロコースト記念日の行事(ろうそく点火)をとりやめた。
この件を報じた記事の末尾には「こら、反ユダヤ主義者め。異教徒は、ユダヤ
人に疑問を持つな」という「選民ラビ」と称する読者による、反ユダヤ的な皮
肉のコメントがついている。

http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1232643759716&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
Swedish city cancels Holocaust event

 ドイツでは「ドイツ人がユダヤ人を十分に尊敬しなくなった」「反ユダヤ思
想の取り締まりが足りない」という理由をつけて、1月27日のホロコースト
記念日の行事に、ユダヤ人組織の代表が、抗議の意味で欠席するという事態が
起きた。多くの人が「ガザであんな人殺しをやったのだから、尊敬されるはず
がない」と言いたいだろうが、そんな風に言うと「反ユダヤ思想」のレッテル
を張られるのが、今の世界の実状だ。

http://www.dw-world.de/dw/article/0,,3979024,00.html
Jewish Leaders Boycott German Holocaust Memorial Ceremony

 多くのユダヤ人組織では、右派勢力が強い。イスラエル右派は、世界の人々
の反ユダヤ感情を煽るような傲慢なことを意図的にやるのが特徴だ。イスラエ
ル右派に牛耳られていた米国が隆々としていた従来は、右派がどんなに傲慢に
振る舞おうと、人々は黙って頭を下げていたが、米国が覇権国の座からずり落
ちていく今後は、この傲慢さは自滅につながる。私は、表層しか見ない傾向が
強い日本人には決して真似できないユダヤ人のラディカル(根本的)な思考方
法を尊敬しているだけに、この自滅傾向に対して警告を発した方が良いと思っ
ていろいろ書いてきた。

http://tanakanews.com/c1007israel.htm
イスラエル市民運動のラディカルさ

 国連のIAEA(国際原子力機関)も、前々から言いたかったことを、この
機会に言い出した。IAEAのエルバラダイ事務局長は、イスラエルが07年
9月にシリアの施設を核兵器開発施設であるとして空爆した問題に関して「イ
スラエルは、空爆する前にIAEAに問題を持ち込むべきだった。あの空爆は
戦争犯罪だ」と、初めてこの件でイスラエルを正面から非難した。もともと、
イスラエルが空爆したのが核施設だったという根拠は非常に希薄であったが、
国際政治の力関係上、これまでIAEAはイスラエルを強く非難できなかった。

http://www.ynetnews.com/articles/1,7340,L-3664768,00.html
Elbaradei: Israel violated international law in Syria

 中東では「イスラエルがイラク北部自国に併合しようとしている」という説
が流布している。イラク北部のクルド人は以前からイスラエルのモサドに支援
されており、イスラエル系のクルド人はイラク北部でさかんに土地を購入し、
米国撤退後もイラク北部を親イスラエルの地域として維持しようとしていると
いう説だ。ユダヤ人は「バビロン捕囚」の歴史があり、イラクにはユダヤ人関
係の史跡(ユダヤ人指導者たちの墓)がいくつか存在するが、そこを拠点にイ
スラエルによるイラク占領が行われるとの見方もある。

http://onlinejournal.com/artman/publish/article_4301.shtml
Israel hopes to colonize parts of Iraq as `Greater Israel'

 イスラエルの今の力から見て、これらが実行される可能性は低いが、たとえ
実現しない無根拠な話でも、このような言説が飛び交うだけで、イラクや周辺
国の人々の反イスラエル感情は高まり、その分、イスラエルとイスラム世界が
和解できる可能性が低くなる。

▼パレスチナ国家を作らないとイスラエルは終わり

 米国のカーター元大統領は最近「イスラエルと仲の良いパレスチナ国家を創
設しない限り、イスラエルは破綻(catastrophe)に直面する」と述べた。パ
レスチナ国家を独立させ、イスラエルを含むパレスチナ地域においてユダヤ人
とアラブ人を分離せずにいると、パレスチナ全体でのアラブ人の人口がユダヤ
人より多くなり、民主主義の原理に基づいて今のユダヤ人国家が消滅する事態
になりかねない、とカーターは警告している。この警告の背景には、親イスラ
エルのパレスチナ国家の建設がどんどん困難になっている現状がある。

http://www.haaretz.com/hasen/spages/1059141.html
Israel to face 'catastrophe' without Palestinian state, says Jimmy Carter

 最近、リビアの最高指導者カダフィも、カーターと同じ指摘を、反対側の立
場から表明した。カダフィはヘラルド・トリビューン紙への寄稿記事で「中東
では(イスラエル建国まで)長いこと、ユダヤ教徒とイスラム教徒とが仲良く
共存してきたのだから、ユダヤ人国家とパレスチナ人国家を別々に作る必要は
ない」「今さらパレスチナ人国家を作っても、それは反イスラエルの国になっ
てしまい、イスラエルにとって脅威が増えるだけだ」「イスラエルには、すで
にいくつかのアラブ系政党があるのだから、これらを占領地のパレスチナ人を
も代表する政党として認めれば良いだけの話だ」と書いている。

http://www.iht.com/articles/2009/01/22/opinion/edgadhafi.php
Mideast's one-state solution By Muammar Qaddafi

 カダフィの提案が実行されると、イスラエルではいずれ、ユダヤ人よりずっ
と出生率が高いパレスチナ人のアラブ系政党が与党になる。その後開く議会で、
国名をイスラエルからパレスチナに、公用語をヘブライ語からアラビア語に、
国旗をダビデの星からアラブの三色旗(もしくは緑色のイスラム旗)に変えれ
ば、平和裏にイスラエルは消滅する。この変更に不満なユダヤ系国民は欧米に
移住すればよい、というのがカダフィの言いたいことである。

 こう考えると、米ブッシュ前政権が掲げた「中東民主化」の戦略が、実はイ
スラエルにとって潜在的な脅威だったことが、今さらのように見えてくる。イ
スラエルは窮地に陥るほど、米政界を牛耳ろうと頑張り、オバマ政権がやろう
とする中東和平策を次々と壊していくだろう。すでにイスラエルの極右政治家
であるアビグドル・リーバーマンは「オバマ政権の中東和平策が成功する可能
性は全くない」と言い切っている。イスラエルでは2月10日に選挙を控えて
いるが、ガザ戦争によって極右が強くなり、選挙戦で最も人気があるのはリー
バーマンだと報じられている。

http://www.haaretz.com/hasen/spages/1059534.html
Lieberman: No Chance for Obama Envoy to Succeed

http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1232292920382&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
Lieberman Gained Most From War, Surveys Say


この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/090203israel.htm


★音声訳
http://www.voice-news.net/
 

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