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(回答先: 【民主化バラ革命で政権を奪取した権力者の哀れな末路】グルジア大統領、強まる退陣圧力 野党が来月大規模デモ 投稿者 官からアメリカ人へ 日時 2009 年 4 月 01 日 09:31:49)
ウクライナ：経済どん底 オレンジ革命５年「何も変わらなかった」
◇政治混乱が拍車、市民に絶望感
世界的な金融・経済危機の影響を受けている中東欧・旧ソ連諸国で、特に事態が深刻なのはウクライナだ。国家財政は破綻（はたん）の瀬戸際にあり、政権内の対立が経済危機に拍車をかける。今後の行方が「最も懸念される」（ミロー欧州復興開発銀行総裁）同国の現状を見た。【キエフで大木俊治】
首都キエフ中心部にある大手ナドラ銀行の本店内は、凍結された定期預金の引き出しを求める顧客であふれていた。１７歳の娘の教育資金のため数千ドルを預けていた小児科医のナターシャさん（３９）は「１年前に１４・８％の高利率だったから定期預金にしたが、満期が来ても引き出せない。今、必要なのに、もう１年待てと言われた」と嘆く。同行など経営危機に陥った複数の大手銀行が中央銀行の監督下に入り、融資や預金引き出しを厳しく規制しているためだ。
運転手のセルゲイさん（３４）は「車を買うため２年前にドル建てで借りたローンの支払いが追いつかない。このままでは破産だ」と訴える。通貨グリブナが暴落し、２年前の１ドル＝４・６グリブナが今では８・５グリブナに。返済額は月５００ドルだが、グリブナに換算するとほぼ２倍だ。支払い滞納で車を担保に取られた友人もいるという。
ウクライナは世界危機で主要産業の鉄鋼や化学製品の輸出が急減し、多額の対外債務を抱える政府や銀行が危機に陥った。国際通貨基金（ＩＭＦ）は昨秋総額１６４億ドルの融資を決めたが、ユーシェンコ大統領とティモシェンコ首相の対立などから政権の財政再建能力が疑問視され、ＩＭＦは１次融資として４５億ドルを拠出して以降、２次融資の拠出を見合わせている。
財務省や中央銀行によると０８年の財政赤字は約２００億ドル。銀行や企業など民間債務は全体で１０００億ドルを超える。国際政策研究センターの経済アナリスト、オレクサンドル・ジョルド氏（３２）は「財政赤字は国内総生産（ＧＤＰ）の約８％で、中東欧諸国と比べればそう高くない。ＩＭＦが融資を再開すれば国家財政は破綻せずに済む。だが銀行の中には債務が返済できず、破綻するところも出てくるだろうし、社会の緊張が高まる可能性はある」と話す。
◇ ◇
親欧米政権を誕生させた０４年の民主化運動「オレンジ革命」の舞台となったキエフ中心部の独立広場では、政権の無能さに失望した市民ら約１００人が２月初めから抗議のテント生活を続けていたが、今月２０日早朝に強制撤去された。バスで乗り付けた平服の若者約２００人がテントを破壊し、棒や消火器で殴りかかったという。
抗議の座り込みを呼びかけた１人で教員のゲンナジ・シェフチェンコさん（４２）は「警備の警官は笑って見ているだけだった。襲撃者の中に顔見知りの警察学校の生徒がいたという仲間がいる。当局の関与は間違いない」と憤る。５年前に同じ広場で「革命」に期待したシェフチェンコさんは、「結局何も変わらなかった。裏切られただけだった」と肩を落とした。
近くに「３１日正午から債務者と預金者の抗議行動を決行」と書かれた立て看板が掲げられていた。しかし、冷たい雨が降る中で気にとめる通行人はない。かつて熱気にあふれ返った広場は市民の絶望感に覆われていた。
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毎日新聞 2009年3月28日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20090328ddm007030144000c.html
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