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日米同盟の正体 孫崎享 を読んでみた。阿修羅レベルの方にはお勧めの本。
http://www.asyura2.com/09/wara8/msg/335.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2009 年 4 月 20 日 17:33:09: KqrEdYmDwf7cM
 


(引用はじめ)

http://www.amakiblog.com/archives/2009/03/23/


日米同盟の正体を明かした外務省OB 3月22日メルマガ第0113号要旨


 驚愕の本がまたひとつ出た。元駐イラン大使であり現防衛大学校教授の孫崎享氏の

手による「日米同盟の正体 迷走する安全保障」(講談社現代新書)という近刊書で

ある。


 この本の何が驚愕なのか。それは、日本を守ってくれているはずの日米安保体制(日

米同盟)が、国民の知らない間に、完全に米国の戦争協力の道具に変えられてしまっ

ている現実を白日の下にさらしたからだ。


 この本の何が驚愕なのか。それは、国会承認条約である日米安保条約が、2005

年10月29日の「日米同盟:未来のための変革と再編」という一片の行政合意で、

いとも簡単に否定されてしまった事を国民に教えたからだ。法秩序の下克上だ。


 この本の何が驚愕なのか。それはもはや米国にとっての唯一、最大の脅威は、中東

の「テロ」であり、これからの日米同盟とは、米国の「テロ」との戦いに日本がどう

やって協力させられていくかという事でしかない、その事を明らかにしたからだ。

 


 
この本を書いた孫崎氏はキャリア外交官として任期をまっとうした元外交官だ。国

際情報局長という幹部職を経歴し、駐イラン大使を最後に退官した後は、防衛大学校

へ天下って今日に至っている人物である。その経歴を考えるとまさしく権力側に身を

置いて、権力側について飯を食ってきた要人である。日本政府の安全保障政策を担っ

てきた一人である。その彼が、日本の国是である日米安保体制の正体を明らかにし、

もはや日米同盟は空洞化していると公に宣言したのだ。これを驚愕と言わずして何と

言うのか。


 おりしも今日3月23日の各紙は、22日に神奈川県横須賀市で開かれた防衛大学

校の卒業式の模様を報じている。そこで麻生首相は、相も変わらず日米同盟の強化を

訴えている。その光景を報じる写真の中に、あのブッシュの戦争を支持し、この国を

ブッシュの戦争に差し出し小泉元首相の姿がある。おまけに来年2010年には日米

安保条約改定50周年記念を迎え、政府、外務省の手によって盛大な日米同盟万歳の

合唱が繰り返されようとしている。


 壮大な茶番劇である。この本をきっかけに、日米同盟見直しの論議が起こらないと

ウソだ。対米従属から永久に逃れられない。この国に将来はない。


(引用終わり)


天木直人さんが紹介していたので、図書館で借りて読んでみた。

森田実さんの紹介で存在を知ったのだったかもしれない。


これは確かに参考になる。すごい。


私が良かったと思うのは、今までマスコミ情報の解析をするネット情報を参考に、


「真実はこんな感じかな?」と考えていたことが、


元外交官、そして2002年からは防衛大学教授、という、いわゆる一般の方から見て

「まともな人」が書いた本に、資料豊富に説明されていることだ。


発行が2009年3月だから、オバマが大統領になった後だ。情報はとても新鮮でフレッシュだ。


 


この本自体が、大変コンパクトにまとまっているから、ここから一部引用するのも変なものなのだが、

自分のメモとするために、引用してみる。


この本はまず、一番後ろのP.254「おわりに」から読むのがよい。


・安全保障面でのオバマの特色は、同盟国の強力を一段と求める点にある。かつて日本において日米関係に発言力を持ち、推進派と見られる人々、吉田総理、下田外務次官、猪木防衛大学校長などは、日米関係の重要性を認識する一方、日米に国益の違いが生じるのは当然として、日米関係に安全弁をおくこおとに尽力した。


今日の日本の政界官界の主流は、米国の要求をできるだけ実現するのが日本の国益と見なしている。これは日本の過去の行き方とは異なる。


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安全保障関係の文献紹介

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これがまたいい。参考図書がたくさん紹介されている。


・安全保障を勉強する上で、筆者の感じてきたことを記述したい。まず第一に、徹底して文献を読むことではないか。


・14の項目ごとに5冊づつ文献を列挙した。

・学ぶとき、重要なのは論点を探す、対立する見解を比較することだろう。


たとえば、戦略論を学ぼうとする。クラウゼヴィッツの『戦争論』を手にして読む。もっともらしいことが書いてあって、そうかと思うが、さして身につかない。ところが、リデル・ハートの『戦略論』を読むと、クラウゼヴィッツ攻撃をしている。それを見ながら、もう一度クラウゼヴィッツに戻ってみる。この箇所はそういう意味だったのかとわかる。さらに、アロンの『戦争を考える』を手にすると、「リデル・ハート対クラウゼヴィッツ」という論文で両者の争点を浮き彫りにしている。リデル・ハートとアロンの視点をもってクラウゼヴィッツを見るとまた理解が変わる。こうして論点を探し、批判を読むことで、理解が深まる。


たとえば、ブッシュ政権で大きな影響を与えたというネオコンの勉強をしようと思う。まずはネオコンの代表的人物ケーガンの『ネオコンの論理』を読む。これをベースにおきつつ、フォーリン・アフェアーズ・ジャパン編・監訳『ネオコンとアメリカ帝国の幻想』やハーヴェイ『ニュー・インペリアリズム』というネオコンを批判する本を読む。こうして、論点を対比しながら、この争点に参加する論客を増やしていく。


あるいは、南北戦争ー真珠湾ー米国同時多発テロという三つの事件を較べながら動機・引き金となる事件・反応などを見ていく。


「歴史は過去のゆえに問題なのではなく、私たちが生きる現在にとっての意味ゆえに問題になるのである」というカーの『歴史とは何か』の視点で歴史を見ると、リンカーンの動きが現代を読み解く参考になり、歴史が俄然面白くなる。


第一章 戦略思考に弱い日本

 
日本に戦略思考がないと名言するキッシンジャー

 
訓練だけの時代は終わった

 
戦略思考の欠如を利用される日本

 
日本に平和維持活動を勧める米国の軍事的狙い

 
シーレーン構想の真の目的

 
米戦略におけるシーレーン構想の意義

 
統幕議長ですらシーレーン構想の意図を理解できなかった

 
日本が戦略に弱い歴史的背景

 
イランの童話が教える戦略思考

 
上兵は謀を伐つ


第二章 21世紀の真珠湾攻撃

 
9.11同時多発テロが米国内に与えた衝撃

 
「21世紀の真珠湾攻撃」という言葉が意味するもの

 
「新たな真珠湾攻撃」を望んだPNACグループ

 
ブッシュ政権はテロ予告情報になぜ反応しなかったのか

 
陰謀は悪ではない

 
トンキン湾事件

 
ノースウッド作戦

 
北方領土の利用価値

 
東西戦略家の説く陰謀の価値


第三章 米国の新戦略と変わる日米関係

 
ソ連の脅威が焼滅するショック

 
アイゼンハワーの警告

 
ソ連崩壊の最大の脅威は日本

 
新たな軍事的脅威の模索

 
米国新戦略の誕生

 
日本を国際舞台で使う方向へ

 
米国が警戒した樋口レポート

 
新たな日米安全保障関係の構築


第四章 日本外交の変質

 
日本外交はいつから変質したか

 
「同盟の非対称性」をどう見るか

 
「日米同盟」で大きく変わる適用範囲

 
国際連合の役割を軽視

 
「国際的安全保障環境を改善する」の意味するもの

 
軍事力を重視する米国、法律・強調を重視する欧州、日本は?

 
部隊レベルの日米一体化が進む

 
日本はなぜ「日米共通の戦略」の道を邁進するか

 
日米関係を変える中国という要因


第五章 イラク戦争はなぜ継続されたか

 
人的・経済的に莫大な犠牲を強いるイラク戦争

 
イラク戦争開始の理由@大量破壊兵器

 
イラク戦争開始の理由A石油と国内政治要因

 
米国はなぜイラク支配に失敗したか

 
マクナマラ元国防長官のベトナム戦争とイラク戦争の比較

 
米国の各種戦略とイラク戦争

 
駐留長期化は治安維持に寄与しない

 
戦争が継続された2つの要因


第六章 米国の新たな戦い

 
オサマ・ビン・ラディンの戦いの目的

 
ビン・ラディンの首をとれば戦争は終わるか

 
アルカイダとハマス・ヒズボラは同じグループか

 
アルカイダとイスラムの教えは別

 
コーランを教えは過激か

 
ハマス・ヒズボラへの対応が中東安定への鍵

 
土着性の強い戦いと国際的なテロは違う


第七章 21世紀の核戦略

 
核兵器の限定的使用を模索したブッシュ政権

 
ジョセフ・ナイの論理

 
核攻撃の対象国は獣として扱う

 
対イラン核攻撃の軍事作戦計画

 
「相互確証破壊戦略」の放棄

 
戦争に勝利する手段としての核兵器

 
1960年代の核戦略に学ぶ


第八章 日本の進むべき道

 
日本はなぜ核抑止政策を考えてこなかったか

 
核兵器保有は日本の安全保障拡大に利さない

 
大きく異なる日米の対北朝鮮観

 
米国の北朝鮮政策を読み違える日本

 
適地攻撃論は有効か

 
ミサイル防衛は有効か

 
軍事以外の抑止手段は不在なのか

 
グローバリズムと抑止効果

 
国際的に高い評価を得る日本

 
日本独自の道を再評価する必要性

 
欧州との協力が選択肢の一つ


 


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はじめに


2005年10月29日、日本の外務大臣、防衛庁長官と米国の国務長官、国防長官は

『日米同盟:未来のための変革と再編』という文書に署名した。


これは、日米安保条約にとって代わったものと言える。


●変化点

日米の安全保障協力の対象が極東から世界に拡大された。


オバマ大統領の下で、日本に対し、アフガニスタン、イラン、イラクに積極的に関与することを求めてくる。


この要請は多くの日本人が考えている以上に厳しいものになるだろう。


要請の要は自衛隊の関与である。


オバマ大統領の下、早い段階で、アフガニスタンへの自衛隊派遣が、日本の抱える最大の案件として浮上する。


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第一章 戦略思考に弱い日本

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日本に戦略思考がないと名言するキッシンジャー

 
訓練だけの時代は終わった


こうした米国安全保障関係者の話をまとめると、いくつかの論点が見えてくる


★★

1)日本人は安全保障問題を戦略、軍事の視点で十分に理解できない


2)日本の安全保障政策は米国人がシナリオを書く必要がある

 
(日本の安全保障の基本的方向は米国が決定する)


3)日本人を説得するには安全保障で述べてもわからないから、経済を絡ませて説得するとよい


・『同盟関係』というが、実体は米国が重要な案件を『一方的に決めているだけ』


★★

 
シーレーン構想の真の目的


「いまや、この同盟はソ連に対するアメリカのグローバルな軍事封じ込め戦略の中心的な構成部分となった」


↑この解釈は知らなかった。これはそういうことだったんだ。。。


 米戦略におけるシーレーン構想の意義

 
統幕議長ですらシーレーン構想の意図を理解できなかった

 
日本が戦略に弱い歴史的背景


世界のほとんどの国民は、いったん外国に支配されれば、支配された国民がいかに悲惨で苦しい状況におかれるかを知っている。

それぞれの国の歴史がそれを示している。

だから、国の安全保障を守ることに真剣になる。


しかし、日本人の歴史的経験はまったく異なる。

第二次大戦後の米国戦略期を除いて、外国の支配をほとんど受けていない。

さらに米国占領期はそれまでの軍部支配を排したことで、総じてプラス評価がなされている。

こうした歴史を背景に、日本国民の中で、自らが国を守らなければ大変な事態が訪れるという実感がない。

これが日本人は安全保障面で戦略的発想が弱い最大の理由であろう。


・戦略研究が日本の大学ではタブー視され、意図的に排除されてきた。

・第二次大戦後の占領期、米国は日本の軍国主義につながる組織を徹底的に壊滅させた。

・大学で戦略を学ばないのもこの流れの中にある。

・防衛大学校も発足同時は理科系のみを教える学校として発足した。その後社会科学の学科が成立しているが、以前理科系中心の学校である。


・戦艦大和の出撃が無謀であるとの論拠があるにもかかわらず出撃したのは「空気」ゆえだったとして「(空気は)非常に強固でほぼ絶対的な支配力を持つ『判断の基準』であり、これに抵抗するものを異端として、『抗空気罪』で社会的に葬るほどの力を持つ超能力である。


・防衛大の人は「議論に勝って、飛ばされるということもありますし」と発言した。正論が議論の場では通っても、発言者は議論を扱う部署から追われる。「だって日本中みんなそうでしょう」。たしかにそうかもしれない。日本では正しいことを述べることと「抗空気罪」ではどちらが重視されるかといえば後者である。議論に勝って、飛ばされる。その警告をもって組織の中で生きるべきかもしれない。でも何と寂しい台詞だろう。


 イランの童話が教える戦略思考


「ある時フクロウの集団がカラスの集団を襲いました。このときカラスの王様は何人かの大臣を寄せ集めどう対応するか意見を聞きました」


最後に首相が次の進言をする。

「自分を傷つけ放り出せ。自分は敵に駆け込み『自分は和平を主張し痛めつけられた恨みがある。カラスをどう攻撃するか助言する』と言って自分を受け入れさせる。相手側に受け入れられている間に敵の弱点を探りそれを知らせる。王様はそれに従い攻撃してください」


 上兵は謀を伐つ


「孫子」では、最上の策は敵の謀を見抜き、それを封じることであるとしている。


 


 


第二章 21世紀の真珠湾攻撃


 「新たな真珠湾攻撃」を望んだPNACグループ


おそろしい話であるが、同時多発テロ事件が生じたとき、国防省、国務省の幹部は第二の真珠湾攻撃を歓迎する立場の人々が占めていた。


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ブッシュ政権はテロ予告情報になぜ反応しなかったのか

━━━━━━━━━━━━━━━


南北戦争、真珠湾攻撃、9.11同時多発テロ事件を見てきたが、どのケースにおい

ても”旋風のような愛国心”が生じた。


第一章で、日本人は戦略的な思考が弱いことを見た。特に、謀略、陰謀論的な動きが

出ると、「それはあり得ないでしょう」と思考を停止する。そもそも陰謀論的な動き

は発覚しないことを目指している。陰謀は通常人的犠牲を払い、その犠牲に対する怒

りを利用して目標を達成する。犠牲者を考えれば、謀略を行ったとは口が裂けても言

えない。当然責任者は否定する。100%の確証が出ることはない。こうして信頼に

足る人は陰謀論に手を付けない。ますます、日本人は陰謀・謀略を理解できなくなる。


 陰謀は悪ではない


米国の安全保障政策の中で、なぜ謀略が生まれてくるか。

これは米国の政治風土と深い関係がある。


大統領を含め、安全保障関係者にはなすべき政策がある。第二次大戦に戻れば、米国

は大戦に参加し、ナチスの暴走を止める必要を痛感している。


しかし、米国民は戦争に反対した。


ナチスを止めるという行動をとるには、米国民が参戦に同意する契機が必要となる。


米国では国民の発言力がどの国よりも強いだけに、国民を誘導する謀略がどの国よりも必要となる。


━━━━━━━━━━━━━━━

したがって、米国の安全保障政策では謀略は不可分の関係になっている。

━━━━━━━━━━━━━━━


歴史的には、安全保障関係者は、共産主義の拡大を止めるにはベトナム戦争を行う必

要があり、そのためには北ベトナムに対する空爆が必要と考えた。


しかし、世論が反対する。


ここに世論に対して北ベトナム攻撃を正当化する何かの事件が望ましい。


キューバにおけるカストロ政権の成立は、米国の隣に共産主義ができるという脅威を作り出した。

軍事的にはこの政権を抹殺したい。

しかし、世論が反対する。

そこで世論に対してキューバ攻撃を正当化できる何らかの事件が望まれる。


こうした中で謀略が生まれる。


この理解が9.11同時多発テロの理解に必要である、そのためには米国で陰謀がどのように展開されてきたのかを見る必要がある。


 東西戦略家の説く陰謀の価値


各国は自己の国益に基づいて陰謀・謀を行っている。しかし、陰謀・謀をされる国に

とっては、武力を使われるより、厳しいものがある。第二次大戦後CIAは米国国内

で本当に必要なのかと幾度となく批判され、その存在を脅かされた。そのときCIA

が言う台詞がある。


「戦後の日本を見てくれ。われわれの工作の傑作である」。春名幹男氏は『秘密のフ

ァイル』でCIAの対日工作を記している。この対日工作を見れば、戦後、米国がい

かに日本の政界等に深く食い込み、日本の政治を動かしてきたかがわかる。


しかし、日本のどこに陰謀・謀を真剣に学んでいる所があるだろう。官庁にない。大

学にない。研究機関にもない。ときどき、いかがわしい書籍が出て陰謀論を説き、知

識階級はますます陰謀論を馬鹿にして遠ざかる。日本に対して「謀」を仕掛ける国か

らすれば、日本人が陰謀論、謀を一笑に付して、知識層がそうした戦略に何の考慮も

払わないことくらいありがたいことはない。


 


第三章 米国の新戦略と変わる日米関係


 アイゼンハワーの警告


大統領離任3日前の演説での警告

「われわれは産軍共同体が不当な影響力を持つことに警戒しなければならない。

不当な力が拡大する悲劇の危険性は現在存在し、将来も存在し続けるであろう。

産軍共同体が自由と民主的動向を危険にさらすようにさせてはならない」


 新たな軍事的脅威の模索


★★

1990年代はじめには米国の安全保障をソ連の脅威で構成することは不可能となる


ここで米国は安全保障政策上2つの選択肢を持つ


1)国防費削減。浮いたお金を国内の経済部門に回す。いわゆる「平和の配当論」を採用。

2)新たな脅威認識をする。


★★

米国は、新たな脅威認識を採用。


(コメント者注:文脈から言って産軍共同体の影響だってことだ。そう書いてないけどね)


 米国新戦略の誕生


冷戦後の米国戦略の核心は、イラン・イラク・北朝鮮を脅威の源泉と見なす。


↑このことは今日の米国の中東政策を理解するうえで極めて重要。


イラン・イラク・北朝鮮の脅威が本当の脅威であることを国民に示せなければ、米国軍事費が削減される。


 


 日本を国際舞台で使う方向へ


経済・貿易交渉を行っている日本側の関係者にひしひしと伝わってくるのは、日本経

済運営のメカニズムを変えるという米国政府の強い意志であった。


米国側の交渉担当者は、日本経済の強みは、政界・官界・経済界の共同体とも言えるシステムにあるとみなしていた。


逆に日本の脅威を除くには、この政官財共同体の破壊が最も重用視された。

そのうち政の自民党内には、米国との良好な人的関係を作れなければ政治家として大成できないという意識が存在している。

米国として対応は難しくない。


経済界もビジネスとして交渉できる


唯一国益の概念を持ち出す官僚の存在だけが思うようにいかない。


ここから米国は日本の官僚機構、特に経済官庁の排除に焦点を絞った。

その後日本のマスコミが、大蔵官僚への接待に代表されるような官僚の腐敗摘発キャ

ンペーンを張り、この腐敗はすべての官僚に共有されているとの印象を醸成し、官僚

批判は社会の正義となった。


 


第四章 日本外交の変質


 国際連合の役割を軽視


★★

米国が行おうとすることを国連が支持してくれれば、米国にとってありがたい。

米国はそのための努力はするだろう。

しかし、何をなすべきかは米国が決める。

国連が決めるのではない。

この流れは国際協調を主張するオバマ政権でも変わらない。


 日本はなぜ「日米共通の戦略」の道を邁進するか


戦争はどんなときに起こるか。ナンバー1がナンバー2に追い越されそうになるとき。


冷戦終結前後、米国はナンバー2の日本を追い落とすため、戦争に挑むような気持ちで戦略の構築に臨んだ。


これに対し残念ながら日本に危機意識はなかった。


米国はグローバル・スタンダードの採用という形で、彼らの価値観の受容と、日本的は仕組み・価値体系の放棄を求めた。


その象徴的存在である官僚機構の崩壊を目指した。


官僚組織を実質的に崩壊させれば、国家レベルの政策はまず出てこない。


かつて日米交渉の最先端にいた官僚が次のように述懐した。


「われわれが、ある案件で米国と戦っている、今回は自分たちに分がある、少なくとも互角だと思っている。

すると突然官邸から『君、頑張るのはもう終わりにしてくれ』と後ろから矢が飛んでくる。


日本で、仮に米国の戦略と異なる動きが出れば、それを抑え対抗措置が打ち出される。


対日工作は米国にとり、おそらくそう難しい作業ではない。

米国は日本の政治家、ジャーナリスト、官僚、それぞれの分野で自分たちと価値観を共有する者を支援する。

彼らに対し、他の者が入手できない米国の情報を与える。

米側とは密接な話し合いを行い、交渉の成立を用意にする。

すると、その人間の価値は飛躍的に高くなる。

さらに特定人物が価値観を共有していないと判断したら、その人物を然るべき場所から外すように工作する

こうしたことが執拗に実施されてきた。


自民党の中に、米国に嫌われたら総理になれないという認識が定着しているのも、自

民党議員がこうした米国工作の断片を共有しているからであろう。


米国が特定の人物を望ましくないと言ったら、それを聞かされた人間はどう反応するだろう。

多分語りかけられた人物は排除に動く。さもなくば自分が排除される。


本書では第一章から陰謀の役割を見てきた。


冷戦終結以降、米国は明確に日本をある方向もっていきたいという謀(はかりごと)はあった。

しかし、日本側にこの謀を理解した人はあまりに少なかった。

故に理解していても、謀に乗ることに利益を見いだした。

日本側からは『孫子』の「故に、上兵は謀を伐つ」の上兵はほとんどいない。少なくとも今日はいない。


 


第五章 イラク戦争はなぜ継続されたか


 戦争が継続された2つの要因


イラク戦争は米国全体とう広い意味で見れば明確にマイナスである。

そして、この戦争が、開始され、継続された要因は表向きにはでてきていないが、米

国軍事戦略と、米国国内でのイスラエルの影響力が最も強力である。


この勢力にとって、米国軍の関与はイラクに限る必要はない。しかし、中東のどこかに強力な軍事展開のあることが望まれる。


そしてオバマ大統領は多分そうした軍事展開を行うであろう。

 

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