★阿修羅♪ > 戦争a9 > 108.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
【日経ビジネス】核実験?ロケット?騒ぐだけでは北朝鮮の思う壷:日本は、そろそろ“ゲームのルール”に理解を(菅原 出)
http://www.asyura2.com/09/wara9/msg/108.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 26 日 06:08:05: eZ/Nw96TErl1Y
 

【日経ビジネス】核実験?ロケット?騒ぐだけでは北朝鮮の思う壷:日本は、そろそろ“ゲームのルール”に理解を(菅原 出)

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090522/195489/

戦争詐欺師
日経ビジネス オンライントップ>アジア・国際>戦争詐欺師


核実験?ロケット?騒ぐだけでは北朝鮮の思う壷
  日本は、そろそろ“ゲームのルール”に理解を


      2009年5月26日 火曜日
       菅原 出, 瀬川 明秀
------------------------------------------------------------
   安全保障  外交カード  ブッシュ  オバマ  イラン  パレスチナ 
   核実験  アフガニスタン  パキスタン  イスラエル・ロビー  北朝鮮  ロケット 
------------------------------------------------------------

 2001年1月のブッシュ政権誕生からワシントンや中東で取材を続け、日経ビジネスオンラインでも随時、分析記事を寄稿していただいている菅原出氏が最近、ブッシュ政権の8年間、とりわけイラク戦争を総括された本『戦争詐欺師』を出版されました。

-------------------------------------------
菅原 出(すがわら・いずる)氏

1969年東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェローを経て、現在は国際政治アナリスト。米国を中心とする外交、安全保障、インテリジェンス研究が専門で、著書に『外注される戦争―民間軍事会社の正体』(草思社)などがある。最新刊は『戦争詐欺師』(講談社)
-------------------------------------------

 この戦争を巡る政権内の政策闘争や、政策に影響を与えるべく暗躍した亡命者、ロビイストや情報詐欺師などの姿を通して、ワシントンの政策決定過程の舞台裏を描いています。この取材を通じて見えてきたことを語ってもらおうと思っています。

 その中でも今回は2つの話をお願いしました。

 まずは北朝鮮のミサイル問題。北朝鮮はなぜミサイル発射をこの時期に行ったのか。このことを考えるために、ワシントンの政策闘争に詳しい菅原さんに、オバマ政権の安全保障戦略を整理していただこうと思います。

 そして連載2〜4回目では2001年以降の米国の安全保障戦略の経緯を振りかえります。その中でも、“影の主人公”“米国をイラク戦争に引き込んだ男たち”、菅原さんが言う「戦争詐欺師」たちの話を中心に伺います。 最終回の今回は、米国の安全保障戦略が大きく変わっている今、日本の戦略転換についても考えたいと思います。

------------------------------------------------------------
第1回「オバマに撃ち込まれた北朝鮮のミサイル」から読む
第2回「“戦争に引き込んだ男”アフマド・チャラビとは何者か」から読む
第3回「『事実』をつくった詐欺集団」から読む

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●オバマの戦略「目標は小さく」

 ―― オバマ政権は対イラン、対アフガニスタンでも各国との協調路線を発表しますね。ロシア、中国ともそうですよね。これまでの国際緊張関係がちょっと変わってくるんじゃないか、と期待する半面、一方で経済危機が引き金になって、世界各地の混乱が増える恐れもある。となると、各地の混乱が起きた時、米国はこれまでのような覇権国家的な振る舞いを取ってくると予想しますか。

 菅原 最近オバマ政権が発表した対アフガニスタン・パキスタン戦略。その前に明らかにした対イラク戦略でもそうですが、ベースにある考え方はリアリズム(現実主義)とプラグマティズム(実用主義)です。

 拙著『戦争詐欺師』で、9・11テロの直後にパウエル長官率いる国務省が当時打ち出した「統合戦略」について触れましたが、方向性はこれと同じです。

 対アフガン・パキスタン戦略を例に取ると、要するに「アルカイダを取り締まる」という限定された目標を設定することによって多くの国との協力体制を作っていくというものです。目標を小さく限定するというのは大事です。

 例えば、逆に対処する対象を「イスラム社会全体」に広げてみたり、目標を「アフガニスタンの民主化」のような遠大なものに設定してしまうと、利害関係のある国がたくさんありますから、多くの国々との協調路線を取ることはできなくなってしまいます。これはブッシュ政権がやった過ちの1つで、どうしても一国主義的にならざるを得なくなってしまいます。

 それともう1つは、いろんな国と協力し合い、協調しながら物事を進めるということは、いろんな国々の言うことに耳を傾け、彼らの言い分も聞き、その利益を尊重するということを意味します。

 アフガニスタンの問題で、パキスタンの言い分を聞き、それとは利害の対立するインドの言うことも聞き、ロシアや中国や欧州連合(EU)諸国やイランの言い分まで聞いていたら、とてもではないがその利害調整が大変で、限定された最大公約数的な共通目標しか立てられないですよね。


●“ブルドーザー外交”への反省

 ブッシュ政権のやり方を思い出してもらうと分かりやすいと思います。イラクの現体制を強制的に変えて民主主義を導入し、それがイランやシリアの体制をも揺さぶり、同時にサウジアラビアのような国々の体制をも民主化の方向に変えていき、中東全体を民主化する。

 今振り返って見ますととてつもない大きな目標をぶち上げてしまったわけで、こんな路線と協調して一緒にやっていこうなどという国は少ないですよね。

 ブッシュ政権の頃は、世界で唯一の超大国の自信(過剰な自信)もありましたから、別に他国の言うことに耳を傾けることなく、ブルドーザーで道を開くようにドーっと突き進んでいく勢いがありました。


●「力の限界」を踏まえたアプローチ


 しかし、現在のオバマ政権は「現実主義」で「実用主義」ですから、自分たちの「力の限界」と言いますか、自分たちの持っているリソースを正当に評価したうえで、達成可能な目標はどの程度だろうか、というアプローチを取っています。そうしたうえで、いろいろな国々の助けを借りなくてはアルカイダを打倒することはできない、皆さん、助けてくださいと呼びかけているわけです。

 いろいろな国の言うことを聞いていますから、当然ほかの国の利権も認める、その国のプレゼンスも認めるということを意味しています。

 そうすると当然、中央アジアを含めてロシアの影響力を容認するということにならざるを得なくなり、「コーカサスや中央アジアまで含めて、米国の影響下」に置こうとしたブッシュ政権と比べると、ある意味テリトリー的にも米国の勢力圏(sphere of influence)は縮まっていくと考えられます。

 そのような国際政治の新しいバランスの中で、当然国際的な危機に対処するメカニズムも、先代のブッシュ政権の時とは大きく変わってこざるを得ないということになるでしょう。


●中東のカギはイラクにあり

 ―― そうすると中東においてもイランの影響力を認めるということになるのでしょうか。オバマ大統領はイランに対してビデオ・メッセージを送ったりして対話を呼びかけています。

----------------------------------------

2009年3月20日、オバマ大統領の
ビデオメッセージを見るイランの女性
           © AP Images
----------------------------------------

 菅原 ええ、その通りです。中東においても、とりわけイラクやアフガニスタンにおけるイランの影響力をある程度認めるということになります。実はこのイランの影響力だけはブッシュ政権が何とか抑え込もうとして認めようとしなかったことの1つです。

 イラン側が一貫して主張してきたのは、「自分たちは地域大国としての役割があるのだから、それを尊重しろ」ということだったのですね。当然と言えば当然なのですが、複雑な歴史的な背景があって米国はこれを断固として認めてこなかった。

 ですから、イスラエルとパレスチナの中東和平会議をやるにしてもイランは呼ばないし、イランを抜きにしてすべての地域的な問題を解決しようとしてきた。だからイランとしてはそのような自分たちの利益が反映されない中東和平会議には反対してパレスチナのハマスを支援してきたわけです。

 イラクにおいても、米国が勝手に自分たちの利益を無視していろんなことをできないようにするために、シーア派の民兵組織を支援したりして妨害をしたわけです。


●オバマからイラクへのメッセージ


 それがオバマ政権は、例えばアフガニスタン問題で「イランはアフガニスタンの安定のために重要な役割を果たせる国だ」と明確に述べて、イランの地域的な役割を認めました。

 これは大きな政策転換です。「アフガニスタンの問題はイランにも参加してもらわないとマネージできません」とはっきり言ってしまったわけですから。これは国際秩序、国際関係という点からいうと、歴史的な大きなことだと言えるでしょう。

 オバマ大統領が3月中旬にイランに対してビデオでメッセージを送りましたが、ここでも同様の政治的メッセージが盛り込まれていました。面白かったのは「イランの国民とイランの指導部」と、両方並列で呼びかけていることなのです。

 これまでブッシュ政権は「イランの国民」にしか呼びかけてきませんでした。イランの指導体制は無視されているわけですから、当然面白くないですよね。なぜならブッシュ政権は究極的にはイランのレジーム・チェンジを視野に入れていましたから、当然現体制を認めるような発言はしてこなかったわけです。あえて「イランの国民と指導部」を並列で呼びかけたということは、「われわれはレジーム・チェンジを目指しません」というメッセージを送ったということになるのです。

 それはもちろんイランも分かっているわけで、メッセージを受け取っているはずです。それをどのように解釈して受け止めるかは別の話ですが・・・。


●「無極化」と「イスラエル・ロビー」のせめぎ合い

 米国の勢力圏は基本的に縮小していくのと同時に、いろいろな地域大国、個別の影響力がそれぞれ高まっていく。以前、無極化とか多極化とかいう言葉が言われましたが、やはり極のない無極の世界になっていくというのは、現実的にはこのようなところに現れているのだなと思っています。

 もちろん、相対的には米国は強いですし、相対的な米国の強さや影響力は当然残っていくでしょうけど。

 ただし、中東、特にイランの問題については、一筋縄ではいかない米国内の事情もあります。イスラエルに近い、いわゆる「イスラエル・ロビー」の存在がありますので、「イスラエルの生存が脅かされる」ようなイランの影響力の拡大に歯止めをかけるようなロビイングを彼らは当然行ってきます。

 オバマ政権がイランに対しても現実主義的な路線が取れるのか、それともイスラエル寄りの従来の路線に戻されてしまうのか。水面下では現在激しいせめぎ合いが続いています。


●アジアにいまだ存在する「冷戦の残滓」


 ―― 東アジアはどうなのでしょうか。無極化の世界で、われわれが目で見えるような変化はもう起きているのか、これから何が起きるのでしょうか。

 菅原 東アジアには、冷戦以来の南北朝鮮の分断や、共産主義を掲げる中国の大国化といった冷戦の残滓がいまだ存在する独特の戦略環境があります。だからダイナミズムもまた他の地域とは異なるのですが、当然そこにおいても、米国の影響力の低下に伴う関与の仕方は変わっていかざるを得ないでしょう。

 日米同盟や米韓同盟のような従来の2国間同盟に直ちに大きな変化が出るわけではありませんが、例えば朝鮮半島を巡る危機事態に対しては、すでにブッシュ政権の頃から6カ国協議という多国間の外交的な枠組みで対処していましたが、今後もそうした多国間協議の枠組みがより重視されるでしょうし、その中で影響力のある国の発言力が当然高まっていく。

 米国の力が圧倒的に強かったものから、それ以外のプレーヤー、とりわけロシアや中国の発言力が相対的に高まるのは避けられないでしょう。

 それと重要なのは、そうした大国、ロシアや中国は東アジア地域だけでなく、別の地域、世界全体で国際政治の主要なプレーヤーとして米国といろいろな利害関係を有しています。イランの核問題しかりアフガン問題しかり。

 そうしたグローバルな国際政治の中で、米国は他の大国と協調路線を取る。つまりそこで米国とそれらの国々との間で貸し借りができるわけで、東アジアの問題も大きな国際政治の中での大国同士の外交的な貸し借りの1つとして取引されるようになると思うのです。


●日本が持つべき「外交カード」

 ですから日本も「自分たちはアジアの問題にしか関心を持ちません」ではなくて、一見直接的には利害関係がなさそうな世界の安全保障問題に関与し、影響力を高めていくことが大事になってきます。

 例えば中東やアフリカの諸問題に対して日本が米国や他の主要国ができないような重要な貢献をすることで、今度は北朝鮮の問題でそれらの国々から日本が必要としている支援を引き出すというような発想です。

 それが「外交カードを持つ」ということの意味であり、日本はより高度で多角的な外交を展開しなければならなくなるでしょう。


●大事なのは“ゲーム”を知ること


 そうすると、どのように日本の外交力を高めるか、グローバルな影響力や外交カードをどのように増やしていき、それらを使っていかにして自分たちの発言力を高めていくかを真剣に考えていかなくてはならないでしょう。

 「米国は常に今までは日本をバックアップしてくれる」という期待の下で動いていたかもしれませんが、もうそうではない。自分たちが使うことのできる外交ツールをもう一度見直し、それらの外交ツールをどのように使っていくかという発想が必要です。

 もちろん外務省などはそのような考えを持っているのですが、このようなグローバルな外交の必要性に関する国民の理解や支持がなければ、外務省だけではやっていけません。

 ―― そうか、そうすると、結局はわれわれ国民一人ひとりが世界で起きている出来事に対して関心を持つことが重要になってくる。北朝鮮がミサイルを発射する時だけ突然大騒ぎするようではもっともっとダメですね。

 菅原 ええ、かえって北朝鮮の思うツボです。

 まずは世界で起きていることを正確に知ること。国際政治の主要なプレーヤーたちがどのようなゲームをしようとしているのかを知ることが大事だと思います。そういう意味ではNBオンラインのようなメディアの役割も重要になってきます。

 ―― 菅原さんの『戦争詐欺師』に出てきたような「情報操作の道具」にされないように、確かな情報を提供するメディアとして頑張っていきたいと思います。これからも国際情勢のディープなバックグラウンドに関する鋭い分析をお願い致します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●このコラムについて

戦争詐欺師

 2001年1月のジョージ・ブッシュ政権誕生からワシントンや中東で取材を続け、随時、日経ビジネスオンラインに分析記事を寄稿していただいている国際政治アナリスト・菅原出氏に、バラク・オバマ政権の安全保障、イラク戦争について総括していただいた。今回のロングインタビューでの話題は2つ。まずは北朝鮮のミサイル問題。北朝鮮はなぜミサイル発射をこの時期に行ったのか。このことを考えるために、オバマ政権の安全保障を分析してもらう。そして連載2〜4回目では2001年以降の米国の安全保障戦略の経緯を振り返る。その中でも、“アメリカをイラク戦争に引き込んだ男たち”、菅原氏がいう“戦争詐欺師”たちの話を中心に伺う。

⇒ 記事一覧

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
菅原 出(すがわら・いずる)

1969年東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェローを経て、現在は国際政治アナリスト。米国を中心とする外交、安全保障、インテリジェンス研究が専門で、著書に『外注される戦争―民間軍事会社の正体』(草思社)などがある。最新刊は『戦争詐欺師』(講談社)。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 戦争a9掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。