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レバノン国会議員選挙結果について
http://www.asyura2.com/09/wara9/msg/288.html
投稿者 妹之山商店街 日時 2009 年 6 月 09 日 13:33:23: 6nR1V99SGL7yY
 

レバノン議会選、親米与党連合が勝利宣言
http://www.afpbb.com/article/politics/2609411/4242027

レバノン議会選で親欧米派勝利 ヒズボラ側も現有議席維持
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060801000138.html

レバノン総選挙 親欧米派勝つ
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013482541000.html
http://s04.megalodon.jp/2009-0608-1224-37/www3.nhk.or.jp/news/k10013482541000.html

レバノン議会選挙、反シリア連合勝利
http://news.tbs.co.jp/20090608/newseye/tbs_newseye4153005.html
http://s03.megalodon.jp/2009-0609-0550-49/news.tbs.co.jp/20090608/newseye/tbs_newseye4153005.html

Lebanese vote in tight contest
http://jp.reuters.com/news/video?videoId=105863

レバノン国会議員選挙結果について
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090609_105400.html
6月8日月曜の朝、選挙結果と共にレバノン国民は、それが国の政治には何ら変化
をもたらさなかったことを知った。まるで選挙など行われなかったかのように。
数々の危機と戦争、政治演説に満ちた過去の4年間がなかったかのように。
レバノン選挙史上でも熾烈を極めた競争の後で、何も変わらないとすれば、
選挙というものをどのように理解すべきか。

選挙結果を推移する世論の指標として読むことができればよいのだが、ここでは、世論という言葉に問題がある。
それは、各個人が市民としての感覚を有するという前提にたった概念である。
もしこの市民がある宗派に属していたとすれば、そこでは世論という概念が意味をもたなくなる。
各宗派は、特定の閉鎖的な立場を形成し、他派と連立する時をのぞいて変化を嫌う。

シーア派の南レバノン、スンニー派の北部、ドルーズの山岳地帯、スンニーのベイルート、ほとんどの選挙区で、現実には選挙など行われなかったに等しい。
それは選挙というより国民投票であった。
選挙戦はキリスト教地区でのみ発生した。
そこでも、わずかの例外をのぞいて、シーア派並びにスンニー派が決定票となった。
ジュバイル、バアブダではシーア派が、ザハレではスンニー派が形勢を決した。
メトゥンではアルメニア票であった。
2005年と同じ状態で選挙は終結した。
宗派的配列だけが形勢を決める。

欧米のアナリストは、これをヒズブッラーの武装に関する国民投票として
その政治的意義に注目するが、3月8日勢力(アウン、ヒズブッラーを
主軸とする反体制派)の敗北は政治的選択としてではなく、
宗派的選択の結果生じたという事を彼らは見逃している。
政治的と宗派的、その二つの間のギャップは遠大である。
なぜなら、宗派は政策などもたない。
権力内でいかにして有利な場を得るかという事のみに専心する。
外部からはきわめて政治的な問題に見える事が、実はレバノン国内では、
癒しがたい宗派病となって顕現する。

選挙がレバノン国内の政治バランスを変えるだろうとみなした人々もいるが、
宗派的現実がそれをきっぱりと拒否したのだ。
選挙準備期間とは各宗派が自陣の守備を固めるためのものであり、
選挙は武力を伴わない内戦である。
内戦において理性は機能せず、本能のみが政治シーンを支配する。
このため選挙は行われ、しかもまるで行われなかったかのように見える。

これを見て、レバノンでは宗派間の合意が絶対であると言う人もいるだろう。
そしてそれは事実かもしれない。
しかし、この「合意」見解を示す人々が無視しているのは、この国内的合意が、
(近隣諸国間の)地域的バランスにより制御されているという事だ。
このバランスが揺らぐと、「合意」は風前のともし火となる。

宗派から国は生まれない。これがレバノン選挙の最終結果だ。
レバノン情勢、レバノンで提起される政治的選択に対する理性的な分析は、
全てここから始められるべきだ。
しかし、宗派主義の撤廃、そしてアラブ式世俗主義へと至るためには、
このアラブ的発想自体を根本から変える事、政治構造の抜本的変革、
市民法の改革等々の恐ろしい作業が必須であり、
そのためには政治思想の一大ワークショップを開催しなくてはならないだろう。
かくしてレバノンは、「これまで通り」なのである。


*宗派による議席数が定められているレバノン国会選挙では、
各選挙区で宗派間が連携し、一定の候補者の組合せ(リスト)を提示する。
ひとつの宗派の内部で各種の派閥があるため、このリストは複数となり、
投票者は、その中から支持する組合せを選択してそのまま、
あるいはその中で支持しない候補者名があればそれを消して、投票箱に入れる。  

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