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コメント欄の反応などからして、興味を持っている人が数人くらいはいそうな、この「世界の反戦歌・反戦詩から」という不定期連載のシリーズ、今回は、日本では全く無名ですが、フランスとフランス語圏ではたいへんに有名な1975年デビューのベテラン、ルノーという人の1994年の「勲章」という歌です。
ただし、今回のこれは、食事前には読まないでください。(^^;
■勲章 （La médaille）
作詞作曲・歌 ルノー Renaud
http://www.dailymotion.com/video/xgsds_renaud-la-medaille （←画像の縦横の比率がおかしいけど、音質が良くて曲の後の観客の反応の余韻がよく伝わります。）
http://www.dailymotion.com/video/xzzoc_renaud-la-medaille_music （←画像の縦横の比率はいいけど、音質が少し良くありません。）
一羽の鳩が
フランスの将軍の像の
金モール飾りの肩にとまったのさ
直立した像に
鳩は胃液攻撃で
飾りをつけた
人殺しの将軍様がたよ
あんたらのブロンズの胸像
すばらしい胸についている
あんたらの勲章の数々は
鳩の糞
クソでしかないってことさ
一人の子どもが
フランスの将軍の像の
足元にやってきたのさ
自然の欲求にしたがって
その子は無垢な心で
像に向かっておしっこをした
人殺しの将軍様がたよ
この子は何気なく
美しい復讐を果たしたんだ
あんたらの汚い戦争で
あんたらが殺戮した
子どもたちと母親たちに代わって
ある夜
乞食がフランスの将軍の
像の足元に寝たのさ
朝、死ぬほど酔っ払って
乞食は飲んだ酒を
ものすごい土煙のように吐き出した
人殺しの将軍様がたよ
あんたらの数々の悪事のせいで
あんたらはこの汚らしい捧げ物ほどの
価値もないぜ
あんたらの銃剣で
世界中で血が流されたからさ
フランスの将軍の像の見守る下で
一組の恋人たちが抱き合って
くちづけをかわしてる
像は年老いた長老のように押し黙って
ブロンズのまま
槍のようにこわばっている
人殺しの将軍様がたよ
もちろん、祖国愛以外の愛は
あんたらには興味ないんだよな
残念なことだね
祖国愛というそのむかつく思想の上に
今度は俺がクソをしてやるよ
......。(^^; (^^;; (^^;;;
ちなみに、上にリンクした画像で聴ける曲の最後で、右手を左腕に添えて左腕をぐっと曲げる仕草をしています。これは、フランス語で"bras d'honneur"といい、相手に対する非難や侮辱を示す、たいへんに下品で失礼な仕草です。決して人前でやってはいけない仕草です。(^^; もちろん、この仕草は観客に対してしているわけではなく、彼の嫌いな戦争と軍国主義（軍事優先思想）に対して向けられているわけですけど。上でリンクした画像で見られる（聞ける）観客の反応が私は好きです。(^^;それにしてもピアノだけの伴奏の静かな曲にこれほどの破壊力があるのがフランスの底力だと思います。笑
このルノーという人、日本でいえば忌野清志郎か泉谷しげるみたいな感じでしょうか。フランスでの人気は、「Le Journal du Dimanche」という新聞の有名人人気ランキングをみると、2009年8月の時点で16位となっています。日本でも知られている人と比べると、元サッカー選手のジネディン・ジダン（5位）や俳優のジャン・レノ（9位）やソフィー・マルソー（10位）よりは下ですが、元大統領のジャック・シラク（29位）や現大統領のニコラ・サルコジー（42位）やサッカー選手のフランク・リベリー（31位）やティエリー・アンリ（33位）より上、という感じです。
この歌も確かに、少数派の居場所を広げる歌だと思います。また、『異議申し立てのための文化的インフラ』でもあると思います。
この記事は、「世界の反戦歌・反戦詩から」という不定期連載のシリーズです。
（引用おわり）
- URLです。 こーるてん 2009/9/27 20:18:14
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