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欧州が目論む世界制覇 = G20は欧州のトロイの木馬(2009年10月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://www.asyura2.com/09/warb1/msg/204.html
投稿者 Orion星人 日時 2009 年 10 月 08 日 13:47:20: ccPhv3kJVUPSc
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1897

ついにこの時が来た! アイルランドがリスボン条約を批准した今、欧州連合(EU)は世界制覇を目指す計画を推進することができる。数カ月以内に、大統領と外務大臣を新たに任命することになる。

 英国のトニー・ブレア前首相は、「EU大統領」の椅子に座るべく準備体操を始めている。外相ポストについても、スウェーデンやデンマーク、ベルギーの政治家が名乗りを上げている。

 新しい対外政策構造を設けて守りを強化するEUは、自らを世界の超大国の1つとして扱うよう主張している。英国のデビッド・ミリバンド外相は、「米国と中国のG2ではいけない。EUも加えてG3にすべきだ」と述べている。

 しかし、EUの本部があるブリュッセルで起きていることは、いや、米中欧の3者間で生じていることも、実はおまけのような出来事に過ぎない。欧州の野望にとって本当に重要なのは、世界の20カ国・地域で構成するG20の方なのである。

 EUの父と称されるジャン・モネ氏は欧州の統合について、「それ自体が目的なのではなく、統合は、組織立った明日の世界に通じる1つの段階に過ぎない」と考えていた。彼の志を継いだブリュッセルの官僚たちも、自分たちがEU式の超国家的な統治形態を1つのグローバルモデルと見なしていることを隠そうとさえしていない。

【G20は欧州のトロイの木馬】

EUサミットのグローバル版?〔AFPBB News〕

 筆者は米国のピッツバーグで先日開かれたG20サミットを取材していて、G20が欧州の「トロイの木馬」であることにはたと気づいた。

 会場の周辺や雰囲気に妙に見覚えがある。そして、すぐになぜか分かった。ここはブリュッセルだ、このサミットはEUサミットのグローバル版でしかない、と。

 手順も形態も全く同じだった。サミットの前夜には首脳たちが夕食会に集まる。丸1日、専門用語ばかりで難解極まりないコミュニケの内容や文言を巡って交渉し、何をするのかよく分からない作業部会を立ち上げる。閉幕したら、記者会見の部屋が国ごとに設けられる、といった具合である。

 これらはすべて、欧州の首脳にはお馴染みの手順である。しかし、欧州がこの新しい構造に注意深く取り込んでいこうとしているアジアや中南米諸国の首脳にとっては目新しいものだろう。


者は、ピッツバーグの会場を(見るからにのんきそうに)ぶらぶらしているインドネシアの代表者の1人を見かけ、気の毒だと思わずにはいられなかった。そして、心の中でこう語りかけた。

 「これからどんな状況に巻き込まれていくか、貴殿はご存じないでしょう。残りの人生を漁獲割り当ての話に費やして終わるのですよ」(あるいは、これはG20だから、二酸化炭素の排出枠の話をするのかもしれないが)

【テーブルに8つも座席を確保する欧州勢】

 欧州勢はG20の流れを決めただけでなく、会議の進行も牛耳っている。出席者の数が過剰なまでに多いからだ。

 ブラジル、中国、インド、米国といった大国でも、代表者は1国につき元首1人だが、欧州勢は会議のテーブルに8つも座席を確保した。英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダの各国から1人ずつと、欧州委員会委員長、欧州理事会議長という顔ぶれだ。

 主要な国際機関を代表する出席者も大半が欧州人だった。国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロスカーン専務理事、世界貿易機関(WTO)のパスカル・ラミー事務局長、金融安定化理事会(FSB)のマリオ・ドラーギ議長らだ。

 その結果、欧州からの参加者たちは、ほかの国や地域からの代表団よりも、会場での出来事にはるかに適応しているように見えた。

 実際、IMFに与えられた各国の経済政策を監視する新しい権限について筆者がよく理解できずにいたところ、欧州委員会に勤める旧友に声をかけられた。彼女はその表現を即座に理解し、「ああ、それは開放型調整方式(OMC)よ」と教えてくれた。

アイルランドはリスボン条約の批准を決めたが・・・〔AFPBB News〕

 しかし、こうしたことは果たして本当に重要なのだろうか。EUのサミットとか声明文と言えば、回りくどくて効果がなく、現実世界にほとんど影響しないことが多い企みの典型例だ。

 リスボン条約も、その誕生に向けた作業が始まったのは8年も前のことだった。アイルランドは国民投票で批准を決めたが、チェコ共和国や英国などの政府が反対の姿勢を崩さなければ、条約そのものが頓挫してしまう恐れもまだ残っている。

しかし、このリスボン条約の物語は、違う読み方もできるだろう。EUは、一度取り組んだ問題は絶対に投げ出さない。また、EUサミットで始まった作業は役所の書類整理のような地味な仕事に見えることが多いものの、何年も経ってから政治的に重要な意味を含んでいたことが分かるというケースも少なくない。

 ピッツバーグで今回決まったこと、例えばタックスヘイブン(租税回避地)や銀行幹部の高額賞与などに関する決議文についても、同じことが言える可能性がある。

 そもそもEUは当初から、経済問題に的を絞った小さな(そして一見技術的・専門的な)ステップを踏みながら発展してきた。いわゆる「モネ・メソッド」である。ジャン・モネ氏自身は、欧州は「共通問題の共同管理」を通じて建設されると考えていた。

 この考え方は、オバマ大統領が最近唱えている「グローバルな問題にはグローバルなソリューションを」と、あまり大きな違いがないようにも思われる。

【G20の課題と可能性】

 もちろん、現代のEUとG20との間には、まだ明らかな力の差がある。G20には、ブリュッセルの官僚機構に匹敵するものがない。決議したことを実行するための法律も裁判所もない。また、米国と中国は自らの国家主権を守ることに非常に熱心であるため、G20の法律を制定する議会ができても、大きな権限を譲ることは当面考えにくいだろう。

 だが、何か新しいものの「芯」は作られている。そこに秘められた可能性を知るには、欧州統合の起点となった1950年のシューマン宣言を読むといい。そこにはこんな一節がある。

 「欧州はあっという間にはできない。たった1つの計画で出来上がることもない。具体的な実績を積み上げていくうちに、まず事実上の連帯が形成されることだろう」

 G20は既にいくつかの成果を上げており、非常に排他的なこのクラブでは、メンバー間の連帯感が急速に強まっている。先のことは誰にも分からないが、大化けする可能性だってあるのではないか?

By Gideon Rachman© The Financial Times Limited 2009. All Rights Reserved. Please do not cut andpaste FT articles and redistribute by email or post to the web.
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