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【糾すべきは宮内庁の閉鎖的官僚主義】天皇陛下の特例会見騒動に思う - 北村隆司【アゴラ】
http://www.asyura2.com/10/senkyo76/msg/328.html
投稿者 一市民 日時 2009 年 12 月 17 日 10:42:08: ya1mGpcrMdyAE
 

転載者注:私はアゴラ主催者池田信夫氏には組するものではないが、この論説自体は真っ当だと思ったので、転載する。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的な思考は、なるべくしたくない。<対立陣営側の論説であっても、傾聴に値するものは高く評価したい。

http://agora-web.jp/archives/849089.html
天皇陛下の特例会見騒動に思う - 北村隆司

「特例会見は宮内庁の1ヶ月ルールの慣行に違反し、天皇の政治利用に当たる懸念がある」と言う趣旨の羽毛田宮内庁長官の記者会見説明には正直仰天しました。

天皇の憲法上の地位を定めた、日本国憲法第1章天皇,第3条には「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」と記述され、全ての国事行為は内閣の責任の下に行うと明記されているからです。
宮内庁法を覗いて見ますと、第一条で「内閣府に、内閣総理大臣の管理に属する機関として、宮内庁を置く。」と定め、その2で「宮内庁は、皇室関係の国家事務及び政令で定める天皇の国事に関する行為に係る事務をつかさどり、御璽国璽を保管する。」として宮内庁は事務を司る官庁である事を明記しています。更に、第八条の4で「長官は、宮内庁の所掌事務について、内閣総理大臣に対し、案をそなえて、内閣府令を発することを求めることができる。」と定めて居ますが「1ヶ月ルール」を内閣総理大臣に提案して内閣府令を発した形跡は認められません。

羽毛田発言に、轟々たる非難が起こるかと思いきや、朝、毎、読,日経、産経各紙の社説は、非難どころか異口同音に羽毛田発言擁護一色でした。擁護論の論拠を探して見ましたが、客観的論拠を示した論説は北海道新聞だけでした。マスコミの「官僚信仰の厚さ」が強く印象に残ると共に、永年に亘る官僚の情報操作の根の深さを痛感しました。

ところで、この件についての各紙の記事を読み漁っているうちに、下記のような小沢幹事長の記者会見の記事が私の目にとまりました。

「30日ルールって誰が作ったの。知らないんだろ、君は。法律で決まっているわけでもなんでもないでしょ、そんなもの。それはそれとして、君は日本国憲法を読んでいるか。天皇の行為は何て書いてある。国事行為は、内閣の助言と承認で行われるんだよ。天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだよ。だから、何とかという宮内庁の役人がどうだこうだ言ったそうだけれども、全く日本国憲法、民主主義というものを理解していない人間の発言としか思えない。しかも、政府の一部局の一役人が、内閣の方針、内閣の決定したことについて記者会見して、方針をどうだこうだと言うのは、日本国憲法の精神、理念を理解していない。もしどうしても反対なら、辞表を提出した後に言うべきだ。当たり前でしょう。役人だもん。だからマスコミがそういうところを全然理解せずに、役人の言う通りの発言を報道ばっかりしていてはいけません。ちゃんとよく憲法を読んで。そして、天皇陛下のお体がすぐれないと、体調がすぐれないというのならば、それよりも優位性の低い行事を、お休みになればいいことじゃないですか。そうでしょ、わかった?

 ――1か月ルールというのは、なくてもいいものだと? 

なくてもいいものじゃない。それ、誰が作ったか調べてからもう一度質問しなさい。私は、何でもかんでもいいと言っているんじゃないんだよ。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話あるかっていうことなんですよ。わかった?」

私は決して小沢ファンではありません。小沢氏の強引で威圧的、そして横柄な態度や言葉使いは、民主政治家のイメージには程遠く、国民新党の亀井氏同様、古い自民党的体質はとても好きになれません。先進国には見られないこの横柄さは、小沢氏が如何に正論を述べても、諸外国からは反感を買う恐れが大です。しかし、今回のことに関しては、小沢氏の言っていることは極めてまともであり、この記者会見で、まるで親に諭されている不勉強な子供のようだった記者諸君の姿は、何とも情けない限りでした。

国の大小や政治的影響力に関係なく「1ヶ月ルール」に従い申し込み順に面会を許すのが国際親善のあり方だと言う羽毛田長官の外交論は、越権発言であるだけでなく笑止千万の愚論としか言えません。

常日頃は、「政局に天皇を利用してはならない」と考えている私ですが、この騒動を機会に、天皇の政治利用や国事行為のあり方など憲法問題を中心に議論を深める事は大変意義あることだと思っています。憲法論とは別に、この時期に習副主席との会見を設定した事の是非を巡って論議することも、多いに歓迎すべきですが、「1ヶ月ルールの違反」を口実にする稚拙な論議は意味がありません。

一方、『憲法第1章第7条に規定されている外国大使、公使の接受は国事行為だが、憲法上具体的規定のない天皇の行為は「公的行為」に属し、これには「内閣の助言と承認」を必要としない。「国政に影響を及ぼさないこと」と「天皇の意思」が重要である。』という共産党の志位委員長の主張は、小沢幹事長以外では唯一客観的論拠を示した論議でした。委員長の主張する所謂「国事行為と公的行為の分類論」は、これまであまり深く論議されて来ませんでしたが、今後の命題の一つでしょう。

(尤も、私自身は、『「国政に関する権能を有しない」と規定された天皇陛下が、日本国元首として大使の上位者と面会することは憲法上の規定が無いから、「国事」ではなく「公的行為」に当る』と言う志位委員長の解釈には賛成できません。)

さて、問題は羽毛田長官です。今回の彼の発言は、「国民の中国に対する微妙な感情」までを計算に入れた「売名行為」だと断ずる私には、彼の自己顕示欲と権力欲の異常さは、専門家に診て貰った方が良いのではと思われる程です。これまでにも、彼の記者会見には、「自分が作った基準で天皇家の言動をある意味牛耳りたい」という気持ちが見え隠れしているように思うのは私だけでしょうか?

「 愛子さまの兩陛下訪問が増えていない」発言で皇太子殿下を非難したり、「皇室典範に関する有識者会議」の結論について口を出したり、更に今年の9月には、新内閣が発足するに際してわざわざ記者会見を開き、「皇位継承の問題があることを(新内閣に)伝え、対処していただく必要がある」等と、分際を弁えない発言をしています。この際、羽毛田長官の適格性と宮内庁のあり方を、徹底的に追求すべきでしょう。 

幹部クラスの殆どが厚生省や外務省の天下りと渡りで占められた52人の特別職と、987人の一般職からなる宮内庁の実態は、厚い菊のカーテンに守られ、皆目見等がつきません。最新の概算要求書を見ると、58億8千万円の皇室費(前年比22億円減)、109億8千万円(前年比69百万円の増額)の宮内庁費を要求しています。皇室施設の修繕費は減額しているのに、膨大な間接費である人件費には手を付けていないところは、典型的な「官僚優先予算」としか思えません。

日本に比べると遥かに大規模な英国の宮内庁でさえ、1200人のスタッフで運営されています。欧州では最も保守的と言われる英国王室ですが、バッキンガム宮殿を始めとする王室の施設は公開されており、王室一家は出来るだけ国民との接触を深めています。

それに比べ、宮内庁に幽閉された日本の天皇御一家の姿は、お気の毒に思えてなりません。一般家庭から皇室入りして、宮内庁の掟に苦しめられてきた皇后陛下や、皇太子妃殿下のお気持ちを察すると、皇族方がもう少し人間的に喜怒哀楽を自由に表現できる環境を整えて差し上げる事も、国民の義務ではないでしょうか?

この閉鎖性を打破し、管理費が皇室費の2倍も掛かる宮内庁の非効率を打ち破る為にも、宮内庁を次回の事業仕分けの対象として透明化する事が、国民や天皇ご一家にとって喫緊の課題だと感じたここ数日でした。 

ニューヨークにて 北村隆司

[参考〕
http://profile.livedoor.com/kitamurany/
自己紹介
北村隆司

早稲田大学 政治経済学部を卒業、伊藤忠商事(株)東京本社に入社。2度の駐在で24年間 伊藤忠アメリカ ニューヨーク本社に勤務。(この間、Harvard UniversityのAdvanced Management Programを修了。)
1986年には Senior Vice Presidentに就任。
1984 年にエンプロテック社を創設し、伊藤忠アメリカの機械部門の業務を、商品の売買を中心とする伝統的な日本商社のビジネスから、テクノロジーとシステムエンジニアリングを中核とし、財務と税務の知識を駆使した、新しいビジネスへと一変させ、結果として、従業員3人で出発したエンプロテック社は、1995年末には約1500人の従業員を擁する会社へと発展した。1995年に伊藤忠商事を退社後も引き続きニューヨークに居住し、幾つかののスタートアップ事業や、慈善事業団体の役員を務める。  

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コメント
 
01. 2009年12月17日 11:26:49
http://ameblo.jp/doronpa01/entry-10407817955.html

02. 2009年12月17日 12:15:19
国際的には、日本は立憲君主制。羽毛田は『君側の奸』だな。
奸臣:権力の専横と私利私欲、のなせる業か。

03. 2009年12月17日 16:05:58
かなり偏った?意見の人も居ます。
   ↓
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/336549/

15日付の朝刊各紙は、第1面で大々的に≪小沢−羽毛田≫論争をとりあげていた。

 天皇陛下の習近平中国国家副主席との「特例」会見が、「天皇の政治利用」につながるかどうかが論点である。筆者は、これは民主党の小沢一郎幹事長と鳩山由紀夫内閣の「天皇の政治利用」だと断ずる。羽毛田信吾宮内庁長官は、国家行政組織法で授権された国家公務員としての任務、すなわち、天皇陛下のご健康を気遣い、一視同仁、政治外交上の中立性を守るべき天皇をお守りする任務を遂行した人物で、記者会見で一党の幹事長に、怒りに任せて公然と辞表を出せといわれる筋合いはない。

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国事ではなく「公的行為」 「不勉強な…
記事本文の続き 以下、政治利用と断ずる、その理由を列挙したい。

 1、まず一政党の幹事長に宮内庁長官の罷免権はない。いかに役人嫌いであるからといって、天皇の信任を受けている同長官への悪口雑言は、天皇に対しても非礼である。宮内庁長官の任免は、天皇と内閣総理大臣のなすべきことであり、一政党の幹事長が記者会見でいうことではない。

 ≪「国事行為」の理解に誤り≫

 2、小沢幹事長は記者団に「憲法、読んだこと、あるのか」と礼を失する発言をした。確かに、日本国憲法第7条「天皇の国事行為」の項には、「天皇は内閣の助言と承認により、国民のため左の国事に関する行為を行う」とあり、憲法改正、国会の召集、衆議院解散など10項目が限定列挙されている。外交に関しては第8項「批准書や外交文書の認証」と第9項「外国の大使及び公使の接受」だが、要人との会見は明記されていない。

 今回の習副主席はもとよりオバマ米大統領をはじめ外国の元首、首相などと天皇との会見は「国事行為」ではなく皇室外交の国際礼譲であり、さらにその助言役は宮内庁の羽毛田長官である。今回の会談を「内閣の方針」による「国事行為」ということこそ、不勉強による誤りである。

 3、「1カ月ルールは誰が決めた。法律に書いてあるか」「内閣の決定したことに反対なら辞表を出してから、ものを言え」という小沢幹事長の羽毛田氏非難も多分、国民はその傲慢(ごうまん)で高圧的なもの言いぶりに反感を抱いたと思う。宮内庁への全国各地からの羽毛田氏支持の声はFAX、電話など1日で1千件を超したという。

 4、最も妥当性を欠くのは、「天皇の体調がすぐれないなら、優位性の低い行事はお休みになればよい」という発言だが、鳩山総理もこれを支持したという。その大小の決定をするのも内閣なのか。では問うが、中国は大国だからルールに反してもよいが、小国なら接受しなくてもよいのか。身体障害者施設や老人・児童施設への行幸(ぎょうこう)は、大きいことなのか、小さいことなのか。

 両陛下の国民をおもいやる優しい心からみれば、また皇室のため、内閣のためにも「大きなこと」ではないのか。この発言も、大小、強弱を問わず何事も公平にという両陛下の大御心(みこころ)にそわぬものと心得る。この点、国会開会式に「もっと思いが入ったお言葉を」といった岡田克也外相の発言にも、天皇の政治利用の下心を感じさせられた。

 ≪対米関係にも悪影響≫

 5、習副主席が天皇に会うことは東アジアの平和と繁栄のために良いこと、と筆者も思う。だが、そんな大きな外交日程がなぜルール通り1カ月前に決められなかったのか。そこに、600人を率いて行われた小沢訪中とのパッケージ・バーター外交ではないかとの疑念を禁じ得ない。

 中国が天皇を政治外交に利用したいと考えていることは、江沢民前政権以来、明々白々である。そこへ大訪中団を率いて訪れ、国賓並みの歓迎を受け、このパッケージ外交で迎合したのではないだろうか。報道によれば、小沢幹事長は「解放軍の総司令官だ」と自己紹介したという。自民党から「解放」したというつもりなのだろうが、アメリカはそうは思わない。アメリカの占領からの解放ととり、不快感を強めるだろう。

 143人の現役議員全員に、1人1秒足らず、胡錦濤主席と握手させ、写真を撮らせる演出は、まさに宗主国に恭順する近隣国の“朝貢の図”で、誇りある日本人の正視に耐えない。そうすると、先月中旬、学習院大学ホールで上演された中国人民解放軍総政治部歌舞団のオペラを、お忍びで皇太子殿下が観劇したのも、このパッケージの一部だったのかとかんぐりたくなる。総監督の人気オペラ歌手は習副主席の妻だからだ。

 小沢氏の記者会見は、いい気分で凱旋(がいせん)した日本で小役人が反抗したことへの怒りの表れと思うが、天皇を戴(いただ)くのは日本の2千年の政治の知恵であり、世界に比類のない国体である。平時は「権威」として政治に関与せず、民族の存亡にかかわる重大な時に、国民統合の象徴としてお力を発揮していただくというのが筆者の見解だ。ゆめゆめ一内閣の外交、ましてや党利党略に乱用することは許してはならない。(初代内閣安全保障室長・佐々淳行)

04. 2009年12月17日 16:26:22
http://www.asyura.com/2003/war20/msg/419.html
佐々淳行は、「えひめ丸事件」直後の森喜朗の接待後フル続行を正当化した「危機管理無能力者」>それを祭り上げるクライン孝子の知性などこんなもの
投稿者 皮肉屋 日時 2002 年 12 月 23 日 14:19:46:

05. 2009年12月17日 21:35:15
外国元首等との接見は国政に影響しないと言う極めて気楽な発想の持主が高給を食む日本の安全保障責任者だったとは身の毛もよだつ話だ。
天皇無答責の原則からハゲ長官の考えで天皇がやったことも全て内閣の責任に成るゾ。倒閣運動の前触れか?。

06. 2009年12月17日 22:28:38
佐々氏が、テレビに出演して、コメントを聞いていて、違和感があったが、
調べる程のことは無かったので、無視することが多かったが、
ここで投稿しておられるので、やはり、とんでもない考えの持ち主だと分かった。
1 大使、公使以外の日程は、宮内庁長官が決めて良い。・・こんな馬鹿な話はない 国民の税金を使うことが認められなくなる。
2 宮内庁長官の人事は、天皇が決めている。・・これも嘘だ。このような発言を
  したのだから辞表を出すべきだ。当然期限がきたらクビが当然だ。
3 羽毛田氏に応援メッセージが1千件あった。これは、完全に嘘だ。
  この阿修羅の投稿を見ていれば分かる。
4 天皇の体調云々ではなく、一度了解したものを後で記者会見までして
  政府批判することが問題である。宮内庁も政府の一員である。
5 中国外交には、慎重だが批判的なことは佐々氏の基本的なスタンス。
問題は、本気で考えて反論しているが、解釈が全て、独善的すぎることだ。

07. 2009年12月18日 10:11:44
だから、早く官僚の人事権を内閣が掌握する事!
但し、罷免するにはそれ相当の理由が必要。
まあ、今回の様に、上司を跳び越え、世間に上司批判した訳だから、
通常考えれば左遷またはクビですな。
まあ、あの禿げ親父は「内部告発」を模したつもりかも知れないが、
過去を検証すれば、上司批判の正当理由にもならない。

同時にマスゴミの酷さはいよいよ極まってきた。
各社の欺瞞記事・報道をリストアップし、国会で問い質すべきですな。
新聞各紙には押し紙問題(詐欺)を追及すべきだし、再販価格制も必要無し。
テレビは、公共の電波、放送法により公平性、正確性を問い、免許剥奪ですな。
まあ、罪一等免じても、執行役員の総退陣が必要でしょう。



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