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米国こそ代表的なテロ国家 ノーム・チョムスキー氏 共同 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 3 月 02 日 18:56:37:

03/02 15:01 米国こそ代表的なテロ国家 秩序操る超大国の横暴  外信439
共同
 ノーム・チョムスキー氏(米マサチューセッツ工科大教授)は言
語学に革命的な成果をもたらした「生成文法理論」などで知られる
世界的に著名な言語学者。一九六○年代にベトナム反戦運動に参加
するなど、イデオロギーにとらわれない立場で米政治・外交の在り
方を鋭く告発してきた。路上に小雪の残る米東部マサチューセッツ
州ケンブリッジの大学研究室には、日本語など各国語に訳された自
著が並ぶ。米国を代表する「天才」は、言語学のチャートが走り書
きされている黒板を背に、穏やかな口調ながら米政府のテロに対す
る「二重基準」に容赦ない批判を浴びせた。(米東部ケンブリッジ
共同=渡辺陽介)                      
 ―米中枢同時テロに接して何を感じたか。          
 「恐ろしい犯罪行為が行われたと感じた。同時に『米国では初め
てだが、われわれには慣れっこだ』という世界の多くの国の人々と
同じ思いを私も感じざるを得なかった。一九八九年、パナマでは米
軍侵攻の際、一度の爆撃で多数の住民が死んだ。ニカラグアでも、
(八○年代初頭からの内戦に介入した)米国のテロ行為で数万人が
殺され国土は完全に荒廃した」                
 「米国がテロとの戦いを宣言するのは二度目だ。約二十年前、当
時のレーガン政権が国家支援を受けたテロとの戦いを宣言した。か
かわっているのも同じ人々だ。ラムズフェルド国防長官は当時、中
東特使だった。当時の中東のテロには米中央情報局(CIA)が関
与した」                          
 「現在の反テロ戦を進めているのは、当時のテロ行為の責任者た
ちなのだ。なぜこんなことが可能なのかと言えば、(米国が使う)
『テロリズム』という言葉は(本来の)テロリズムを意味しないた
めだ」                           
 ―では、テロリズムはどう定義するのか。          
 「ニカラグアで米国が批判されていることで分かるが、テロとは
他者が『われわれ(米国)』に対して行う行為であり、『われわれ
』がどんなに残虐なことを他者に行っても『防衛』や『テロ防止』
と呼ばれる」                        
   ×    ×                     
 チョムスキー氏の定義によれば、「テロリズム」とはなによりも
まず、米国に敵対する行為であり、米国が一方的に他者を断罪する
言葉となる。だが、言語学の大家であるチョムスキー氏にこのよう
な使い分けは通用しない。                  
   ×    ×                     
 ―米国務省報道官はテロの定義を『政治的目的のために罪のない
人々を殺す行為』と言っている。               
 「立派な定義だと思うが、その定義を使えば米国は代表的なテロ
国家となり、ほかの大国もテロ国家になる。それは米政府も報道機
関も知識人も受け入れていない。ある原則を他者に当てはめるなら
、それを自らに適用するのは最も基本的な道徳なのだが」    
 「国家というのはテロの代理人なのだ。最も深刻なテロは国家に
よるテロだということを思い出してほしい。テロは弱者の武器とよ
く言われるが、まったく間違っている。ほかの武器と同様、テロは
主に強者の武器だ」                     
 「日本はこのことをよく知っているはずだ。一九三○年代の日本
は中国に『満州国』という『楽土』をつくり、住民を中国の『匪賊
(ひぞく)』による『テロ行為』から守ろうとした。歴史にこうし
た例は事欠かない」                     
 ―あらゆる暴力を否定する立場か。             
 「私はパシフィスト(平和・反戦主義者)ではない。自衛のため
の暴力は合法的で許される。例としては少ないが、真珠湾攻撃に対
して米国がとった行動は完全に正しいと思う。この点から国連憲章
は理にかなっている。憲章は、安保理が認めた場合と攻撃への自衛
の二つのケースで暴力の行使を認めている」          
   ×    ×                     
 だが、今回の場合はどうか。「米国こそ最大のテロ国家」と決め
付けてはばからないチョムスキー氏は、対テロ戦についても、自衛
の正当性を否定。テロ事件はあくまで犯罪行為として処罰すべきだ
と訴える。                         
   ×    ×                     
 ―今回の米国の対応は自衛と言えないか。          
 「自衛行為ではない。爆撃でアフガン住民を町から追い出し餓死
させた。国連などの援助機関は爆撃が数百万人の住民を餓死の危険
にさらすからやめてくれと懇願した。しかし米国は拒否した」  
 ―では米国はどう対応すべきだったのか。          
 「犯罪行為には適切な対応がある。最近、米国の著名な戦史家が
書いた論文によると、国際犯罪による残虐行為では、まず警察が国
際的な捜査を実施、犯人を突き止める。その後、国際機関に訴え、
犯人の身柄確保の承認を受ける。次に国際法廷で犯人を裁きにかけ
るというものだ。過激な意見でも何でもない。まともな人間として
行動しようという提案だ。国際法を守り条約義務を順守する。この
意見に同意する」                      
 「しかし、米国は証拠の提出を拒否し、国際機関による手続きは
行われなかった。米国は犯人の(正式な)身柄引き渡しの可能性さ
え追求しなかった。『証拠は渡さない。とにかくビンラディンを渡
せ』というのだ。どの国もそんなことはできない。米国が明確な武
力行使容認を求めれば安保理は認めたはずだが、それも求めなかっ
た」                            
 「唯一の超大国として、世界に『承認』など必要ないことを知ら
しめたかったからだ。あなたがマフィアのドンだとしよう。だれか
から集金する必要がある場合、裁判所の命令を求めるだろうか。そ
んなことはしない」                     
 「あなたは力で集金できることをみんなに知らしめる必要がある
。国際政治用語ではこれを『クレディビリティ(信頼性))の確立
』という。それは『言う通りにしないと面倒なことになるよ』とい
うことだ。米国が公式に安保理決議を求めなかったのはそのためだ
。世界の強国として好きなようにする。だれも邪魔するなというこ
と。それは米国の公式政策なのだ」              
 ―そのような『クレディビリティ』は世界秩序を保つために必要
な面もあるのではないか。米国は世界の警察官と言う人もいる。 
 「それは警察官への侮辱というものだろう。マフィアのことを警
察官とは言わない。米国は世界の秩序を保っているのか。ベトナム
侵攻やインドネシアによる東ティモールでの虐殺への支持、トルコ
によるクルド人虐殺への支持、アフガンでの市民への空爆、それを
秩序維持というのか。実際に起きているのは、強い国がやりたいよ
うにやっているということだ」                
―テロの背景をどう見るか。テロ根絶の方策は。        
 「犯人と、彼らに同情して支持を寄せる背景とを分けて考える必
要がある。中東の穏健派のイスラム層も、米国が残酷で腐敗した圧
政を支持していると口をそろえる。米国は(一方で民衆虐殺を支持
しながら、フセイン体制下の)イラク市民を苦しめ、(パレスチナ
に対する)イスラエルの軍事占領を支持している」       
 「犯人を見つけ、裁きにかけ、背景の諸問題に取り組むことだ。
本当の問題は背景にある。(テロの背景となる)不満は、テロ行為
とは別に処理されなくてはならない。それが正しい答えだ」   
   ×    ×                     
 超大国の横暴を糾弾するチョムスキー氏の発言は、「正論」であ
るがゆえに「過激」とみなされ、米国の言論界では極端な少数派だ
。孤立を恐れず、権力批判を「知識人の役割」としてきたその姿勢
には、反戦の立場を貫いてきた強靱(きょうじん)な知性が感じら
れた。                           
   ×    ×                     
 インタビュー英語版はhttp〓//home〓kyodo〓c

o〓jp/worldnow/に掲載します。         
(了)  020302 1500              
☆記号のコロン                       
☆記号のドット                       
☆記号のドット                       
☆記号のドット                       
[2002-03-02-15:01]
http://home.kyodo.co.jp/worldnow/

03/02 15:00 チョムスキー略歴  外信440

 1928年12月7日、米ペンシルベニア州フィラデルフィアで
ユダヤ系の家庭に生まれる。ペンシルベニア大卒後、55年に同大
で博士号取得。同年からマサチューセッツ工科大教授。人間は言語
について生まれながら生物学的な特性を持ち、その特性によって言
語が獲得されていくなどとした「生成文法理論」を提唱、「チョム
スキー前(B・C)」「「チョムスキー後(A・C)」の言葉があ
るほど学界では伝説的な存在。天才の代名詞として映画で名前が取
り上げられたことも。                    
 一方、ベトナム戦争や中南米での米国の介入を厳しく批判、現代
社会、政治の批評家としても知られる。米国内では「左派」「リベ
ラル」などと受け止められることが多いが、イデオロギー的な立場
はとらず、国家権力の支配に反対し、個人の自由を最重視する姿勢
を貫いている。「知識人と国家」など著書多数。米中枢同時テロで
は、いち早く米国の対応を批判し、「9・11 アメリカに報復す
る資格はない!」を出版している。(米東部ケンブリッジ共同) 
(了)  020302 1500              
[2002-03-02-15:00]

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