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Re: アメリカ 京都議定書拒否の一理由 投稿者 武士 日時 2002 年 4 月 21 日 17:41:15:

(回答先: Re: アメリカ 京都議定書拒否の一理由 投稿者 金と銀 日時 2002 年 4 月 21 日 01:11:10)

これらと関係あるのかな。


           Enviro-News from Junko Edahiro

No. 688 (2002.04.21)


<米国、IPCC議長の取り替えに成功、化学兵器禁止機関の事務局長も取り替
えの危機>


[No.199] で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)を紹介しました。

> IPCCは、気候変動に関する最新の科学的知見をとりまとめて評価し、各国政
> 府にアドバイスを提供するための政府間機構で、WMO(世界気象機関)とUN
> EP(国連環境計画)が1988年に設立したものです。
>
> IPCCは1990年に「来世紀末までに、地球の平均気温は3℃程度、海面は約
> 65cm上昇する」とする「第一次評価報告書」を発表し、世界に衝撃を与えました。
>
> 1995年には、シナリオを用いて影響を予測し、中位の排出シナリオでは「2100年
> には平均気温は2℃、海面は50cm上昇する」と予測した「第二次評価報告書」を
> 出しています。
>
> IPCCのレポートは、リオサミットで採択された気候変動枠組条約の礎になる
> とともに、この条約の方向性を決定する基礎資料として、また気候変動に関する
> 知見を集大成・評価するものとして、政策立案の基本文献として使われています。

第三次評価報告書では、平均気温が最大5.8℃上昇する可能性があると警告を強
めました。(第三次評価報告の概要は、たとえば、こちらをどうぞ。
http://eco.goo.ne.jp/wwf-go4kyoto/eikyo.html

IPCCはこのように、気候変動に関する「科学的知見」の拠り所として、重要
な役割を果たしています。そして、その舵取りをする議長の職は、条約そのもの、
ひいては、気候変動と地球(というか、人類)の運命を左右する重要なものです。

これまで、英国生まれの米国人科学者、ロバート・ワトソン氏がIPCC議長を
務めていました。

[No.324] に以下のように書いたことがあります。

> 半年ほど前、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のワトソン議長とお話
> をする機会があったときに、「どのくらい減らさないといけないのでしょう?」
> と尋ねたことがあります。
>
> 議長のお答えは、「いま、世界中で年に約60億トンの二酸化炭素を出しています。
> もし、2〜3℃の温暖化で抑えておきたいなら、これを20〜30億トンに減らさな
> いといけません。現在の半分から3分の1,ということです。
>
> しかも途上国は今後も人口が急増し(今後50年間で増える30億人はほぼ途上国で
> 増える)、経済発展も続くので、二酸化炭素排出量は増えつづけるだろう。とす
> ると、先進国は現在の7〜8割削減しないと、2〜3℃のレベルで温暖化を抑え
> られるよう、世界全体の排出量を減らすことはできない」というものでした。

昨日、このワトソン議長が、米国の働きかけより、議長の座を追われてしまった、
というショッキングなニュースが入りました。

ワトソン議長が「人間の活動が気候変動を引き起こしている」という彼の信念を、
進んで諸政府に伝えようとしていることが気に食わないと、ブッシュ政権は公然
と批判していました。そして、別の候補者を推していました。

そして、昨日のジュネーブでのIPCCでの会合で、76対49で、米国の推してい
たインド人のパチャウリ副議長が議長になることに決まりました。英国は、「せ
めて」の案で、共同議長制(議長2名)を提案していましたが、これも通りませ
んでした。

パチャウリ氏は、科学者ではなく、エンジニアであり経済学者です。環境団体は、
今回の「議長すげ替え」が、気候変動の科学的側面の拠り所になるべきIPCC
の健全性を損なうものだと憂慮しています。

しかも、米国政府が「ワトソン下ろし」をはじめるまえに、ブッシュ大統領の選
挙キャンペーンの強力な後ろ盾であったエクソンモービル社が、ホワイトハウス
に対し、「ワトソン氏を別の人に替えられないか」というメモを送っていたそう
です。(エクソンモービル社は、IPCC議長に関して社としての姿勢は打ち出
していない、と言っていますが)

投票後、ワトソン氏はこのように話しています。

「大変に落胆している。しかし、私が今やるべきことは、IPCCの誠実さを維
持することだ。

パチャウリ氏も誠実さを有してくれていると信じている。彼は経済学者であり、
技術者だ。彼と共同議長を務めることが適切な方法かと思っていたが、民主的プ
ロセスにのっとって、世界の国のうち、変えるべき時期だと考える国が多数あっ
たということだ。

私たちはこれからも、気候変動は、先進国にとっても発展途上国にとっても、深
刻な環境問題であるという主張を進めていかなくてはならない。

私はぜひIPCCにとどまり、世界でももっとも優秀な科学者たちの知見を、政
府、企業、社会全体が真剣に取り上げるよう、力の限りを尽くしたい」。

そして! 気に食わない国際機関は、気に食うように変えちゃえ!という米国の
動きは、別の国際機関にも及んでいます。以下、緊急アピールです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(転送歓迎)                 (翻訳・枝廣淳子+星川淳)


「アメリカによる化学兵器禁止機関の乗っ取りを阻止しよう!」

友へ

瀬戸際にある大変に重要な問題について、ぜひ、ピーター・ガブリエル、アニー
・レノックス、ブライアン・イーノ他の多くの文化人とともに、声を上げてくだ
さい。

この4月21日の日曜日、米国は、化学兵器禁止条約にもとづく「化学兵器禁止機
関」(OPCW)の事務局長であるジョゼ・バスターニ(Jose Bustani)氏を、事務
局長の座からはずそうとします。

バスターニ氏の“罪”は、自分の仕事をあまりにきちんとやっている、というこ
とにつきます。彼のリーダーシップのもと、英ガーディアン紙の言葉を借りると、
「彼の査察官たちは、200万の化学兵器と、世界の化学兵器工場の3分の2の解
体を監視してきた。彼はまた、二の足を踏んでいた国々をじょうずに説得したの
で、この5年間に化学兵器禁止条約の締約国は、87ヶ国から145ヶ国に増えてい
る。近年の多国間条約の中で、これほど伸びているものはない」。

しかし、米国国務省の目からすると、バスターニ氏は目の上のたんこぶなのです。
まず、彼は米国を他の締約国と同じように扱おうとしてきました。そして米国は、
その宿敵であるイラクと同様、彼の選んだ監察官に満足していません。第二に、
彼は査察官を受け入れるようイラクに積極的に働きかけていますが、これは米国
主導の第二次湾岸戦争の根拠を弱めることになります。以上のような理由で、国
務省はバスターニ氏を退陣させたがっているのです。

今週日曜日の会合で、米国は、バスターニ氏の不信任動議を提出することになっ
ています。不信任の理由を明確に出していないのに。もし英国が米国とともに不
信任投票をすることになれば、またひとつ多国間の国際機関が米国政府の傀儡と
なってしまいます。

川口外相に「バスターニ事務局長を信任し、独立した化学兵器禁止機関を守って
ほしい」と訴えて下さい。

●川口外務大臣へ
 電話→03-3580-3311
 ご意見書き込みページ→http://www2.mofa.go.jp:8080/mofaj/mail/qa.html
メール→goiken@mofa.go.jp

このメッセージをご友人やお知り合いに回して、外相へのメッセージを書いても
らって下さい。時間がギリギリなので、できるだけたくさんの人々にお願いした
いと思います。

重要な国際機関を支援するために、どうぞ今日、行動して下さい。
よろしくお願いいたします。

--Eli Pariser, 9-11peace.org
2002年4月19日


賛同者
  (連名で、以下の手紙を川口外相にFAXするとともに、速達で郵送します)
坂本龍一(音楽家)
星川淳(作家)
青山貞一(環境総合研究所所長)
宮内勝典(作家・早稲田大学客員教授)
田中優(日本国際ボランティアセンター理事)
枝廣淳子(会議通訳者・環境ジャーナリスト)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そして、ブライアン・イーノが書き、他の多くの文化人も署名した「サンプル・
レター」がありましたので、これを和訳しました。(環境英語MLのボランティ
アメンバーの方、緊急にも関わらずご協力ありがとうございました!)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                            (翻訳:枝廣淳子)

親愛なる川口外相

非常に重大で緊急を要する問題について、ご一考下さいますようお願い致します。
「化学兵器禁止機関」(OPCW)の事務局長であるジョゼ・バスターニ(JoseBustani)
氏が、事務局長の座からはずされようとしています。これは、イラクを攻撃する
うえでの邪魔を取り除くこうとする米国の働きかけによるものです。米国が、そ
の働きかけどおりに、バスターニ氏解任に成功すると、一方的外交が勝利を収め
ることになり、多国間協力の原則は手痛い打撃を受けることになります。そして、
それだけでなく、世界が第二次湾岸戦争へ一歩近づくことになるのです。

米国はこれまでに幾度となく、国際条約から離脱したり、多国間機関を骨抜きに
したり無視しようとしてきました。いうまでもなく、今回の動きもそのひとつに
過ぎません。ここ数年、だれもが、“例外論者・米国”の様子を見てきました。

米国は、京都議定書の批准を拒否し、国際刑事裁判所を創設する法規を踏みにじ
りました。生物兵器禁止条約を強化する体制を作ろうという交渉の締結に反対し、
弾道弾迎撃ミサイル制限条約を破棄する意向を表明しました。

最近では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長に対して「信頼を失っ
た」ということですが、それは偶然にも、米国のエネルギー業界の代表者と協議
した後のことでした。

そして、国連特別委員会(UNSCOM)が失敗した(主な原因は米国が情報収集手段
として使っていたため)後、UNSCOMに代えて作られた国連監視検証査察委員会
(UNMOVIC)の委員長であるハンス・ブリックス(Hans Blix)氏の業績をCIAが
調査していたとの報告があります。

今回の問題がこれまでと異なるのは、その結果によって左右されるものがずっと
大きく、明白である、ということです。OPCWは あらゆる種類の大量殺戮兵器の
完全撤廃を検証するための初めての地球規模の機関です。

米国は、過去5年間にイラン、スーダン、リビア、サウジアラビアなどの“なら
ずもの国家”をこの多国間軍縮体制にうまく引き込んできた事務局長を引きずり
下ろそうと意を固めているのです。できるだけ多くの国に多国間軍縮体制に加わっ
てもらうことがバスターニ氏の任務ですから、氏はイラクに対してもずっと交渉
の窓口を用意してきました。

イラク攻撃(心理的攻撃および軍事攻撃)の準備を進めるブッシュ政権にとって
は、このような交渉は大変都合が悪いのです。バスターニ氏解任は、事実上、イ
ラクと平和的な解決を図ろうという最後の道を閉ざすことになります。

OPCWの独立性も危機にさらされています。とともに、他の国際機関の独立性も危
ぶまれています。国際機関のスタッフや事務局長は、経済的にまた別な面で十分
に力を有する締結国が不満を持てば、簡単にその役から引きずり下ろされること
になるでしょう。

バスターニ氏は、「自分が仕えているのは健全なる締約国会議である」と繰り返
し述べ、他の締約国を差別せよという米国の指示に従うことを何度も拒否してき
ました。このことから、米国国務省にとってバスターニ氏は厄介者となり、ブッ
シュ政権は何としても氏を解任しようとしているのです。

米国は、バスターニ氏不信任を正当化するために、根拠のない主張をしています。
その証拠を提示するように求められるたびに、それどころか、正式な調査をする
よう求められても、米国はその要請を退けています。また、不信任動議の要請を
裏付けるいかなる書類も、締結国会議に提出していません。

バスターニ氏を解任する実質的な理由が不足しているので、米国は氏を中傷する
報道を行うという手段に出ました。そして、解任運動への駄目押しとして、米国
はOPCWへの資金拠出を打ち切ると脅しをかけています。こうなるとOPCWは22パー
セントもの資金を失うこととなり、確実にその機能は低下してしまいます。

日本の声を米国政府に届けることによって、日本はイラク問題を武力によらず多
国間交渉で解決する道を開いておくことができます。さらに重要なことですが、
今回の米国の画策が失敗すれば、第二次世界大戦後これほどの配慮と献身で築き
上げてきた多国間協力による国際システムのさらなる低下に、歯止めをかけるこ
とになるでしょう。

4月21日(日)に開催されるOPCWの臨時会合において、道義、良識、そして国際正義
が必ずや勝利を収めるよう、リーダーシップを発揮されることを強くお願いします。

敬具

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

星川さんに確認してもらった後(「非戦」を作っていた頃を思い出します)、賛
同者の名前を連ねて、川口外相にメールおよび郵送で送ります。本来なら最終版
をお送りするべきですが、時間的制約により、確認前の翻訳で送ります。細かい
表現は修正の可能性がありますが、内容は変わりません。

賛同者に名を連ねることを希望される方は、「お名前(ご所属)」を、私までお
送り下さい。このメールへの返信メールでけっこうです。ご所属は「主婦」「無
職」「なし」など何でもけっこうです。

今日の夕方には速達で出しますので、一次〆切は本日21日正午、最終〆切は本日
21日午後3時とします。〆切前にいただいた方のお名前を、私たちの名前といっ
しょに並べさせていただきます。

************************************************************************
5月12日、レスター・ブラウン氏の講演会&エコ・ネットワーキングの会を開催。
http://www.ne.jp/asahi/home/enviro/doc/May12
掲示板はこちら。http://www.ne.jp/asahi/home/enviro/econetwork2002/

このメールへの「返信」でご意見やコメントなどをいただけるとうれしいです。
(私にだけ届きます)すべてにお返事を差し上げられないことはご容赦下さい。

掲載内容の無断複製・転載はご遠慮ください。他でお使いになりたい場合にはご
相談下さい。お知り合いへの個人的な転送は歓迎です。

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