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北朝鮮の憂鬱 〜国家・民族の存続を賭けた凄絶な戦いがいま東アジアで展開されている! 〔インターネット行政調査新聞〕 投稿者 PBS 日時 2002 年 5 月 17 日 23:20:20:

北朝鮮の憂鬱
国家・民族の存続を賭けた凄絶な戦いがいま
東アジアで展開されている!

八尾証言の意味

 日航機「よど号」乗っ取り犯の元妻・八尾恵の証言により、昭和58年(1983年)に欧州留学中に失踪した有本恵子さん(当時23歳)が北朝鮮に拉致されたことが判明した。その後政府は、拉致日本人調査の会談再開の要請を日本赤十字会を通して朝鮮赤十字会に送り、北朝鮮側は「行方不明者」の調査再開の意向を返答してきている。

 3月19日には「日本人拉致問題に関するプロジェクトチーム」(主査・安倍晋三官房副長官)が発足。政府は表向きには北朝鮮に対して強く解決を迫る態度を見せている。その一方で、これとは別に、外務省や福田康夫官房長官等は「被害者を無事帰還させる」ための水面下での交渉を継続させる意向を示している。

 こうした状況下で、4月3日、韓国の林東源(大統領府特別補佐官)が平壌を訪れ、金正日総書記と会談。金大中大統領の親書を手渡し、一昨年6月に行われた南北会談の合意事項の遵守を求めたようだ。また当然ながら、この会談で日本人拉致問題に関する提案等も俎上に上ったはずだ。

 会談の席上、北朝鮮の金正日は、「北南間は内外の好戦勢力の戦争挑発策謀により北南共同宣言の履行が重大な局面に置かれている。責任は米国とともに南側(韓国)にもある」と語ったと、朝鮮中央放送が伝えているが、その響きには以前よりも米国や韓国に対する敵愾心がトーンダウンされている感じが否めない。

 会談の正確な内容は伝えられていない。だが今回の会談で、再度の南北会談が提案されたはずで、韓国・金大中政権からは米国の対朝強硬政策の見直しを求める動きが出てくるだろう。

 帰国した林東源に会った韓国の金大中大統領は、「金正日・林東源会談」を非常に高く評価している(4月9日朝刊各紙)。4月11日には米国のブリチャード(和平担当大使)がソウルで林東源に会い、「5月中に北朝鮮を訪問したい」との意向を明らかにしている。
 半島情勢は一時の緊張から解き放され、このまま「太陽政策」の目指す方向に向かうと期待する方々も多いことだろうが、実際はそんな単純なものではない。八尾恵証言一つをとってみても、これが真っ当な証言であるかどうかは、まったく別問題なのである。――いや、別問題どころか、八尾証言の奥には非常に厳しい現実が隠れているのだ。その背景にあるのは、現状強硬突破作戦としての「日本国内混乱化(テロ作戦)」から柔軟作戦「よど号実行犯国外追放」に至る北朝鮮の戦略である。

 本紙読者は若い方も多く、日航「よど号」事件をご存じない人々もいると聞く。以下にきわめて簡単に昭和40年代に起きた事件の背景、あらましをご説明しよう。


よど号事件とその後の犯人グループ

 昭和43年以降、日本中を大学紛争の嵐が襲った。その最終決戦場となったのが日大紛争であり、東大安田講堂の攻防戦(昭和44年1月)である。全共闘による一連の行動がすべて敗北に終わり、全学連を中心とした学生たちの間に虚脱感(当時の言葉で「シラケの進行」)が広まるなか、一部のセクトは過激化、武装化へと飛躍を試みる。その一つが赤軍であった。

 赤軍派という武装極左集団は、昭和44年5月に、共産主義者同盟(第二次ブント)の関西武闘路線から誕生したといわれる。彼らは、大学紛争や街頭闘争を捨てて、銃や爆弾で武装した軍隊を組織する必要があると説く。そして同年9月、武器奪取や権力側との闘争を名目に交番を襲撃する「大阪戦争」や、同時多発ゲリラを展開した「東京戦争」を起こすが失敗。翌10月には初の鉄パイプ爆弾を登場させる。だが、11月に入って山梨県の大菩薩峠で行おうとした軍事訓練が警察当局に察知され、大量の検挙者(53名、うち9名は高校生)を出す。

 翌昭和45年1月、東京と大阪で大規模な蜂起集会を行い、「国際根拠地建設」が決議される。その2カ月後に赤軍派最高幹部・塩見孝也(京大)が逮捕されたが、そのとき塩見が所持していたメモに「HJ計画」と記されていた。これが航空機ハイジャック計画であったことは、残念ながら当時の警察は理解できなかった。

 塩見逮捕の半月後の昭和45年3月31日。その日の午前7時21分羽田発福岡行き351便の日航機「よど号」(乗員7名・乗客131人)は春休みで満席状態。この機が富士山上空で乗り込んでいた赤軍派9人にハイジャックされたのだ。日本初のハイジャック事件だった。

 ハイジャックした赤軍派のメンバー9人の内訳は、リーダー田宮高麿、サブリーダー小西隆裕。それに田中義三、安部公博、吉田金太郎、岡本武、若林盛亮、赤木志郎、そして最年少で当時16歳だった柴田泰弘。

 ちなみに岡本武の弟、岡本公三はこの2年後に奥平剛士、安田安之とともにイスラエル・テリアビブ空港を襲撃し二六名を射殺するという事件を起こしている。

 ハイジャックされた日航「よど号」はその後、福岡空港で給油後離陸。平壌を目指すが、日韓両国の企みで、平壌空港と思わせて韓国の金浦空港に着陸する。周辺は北朝鮮の軍服に身を固めた軍人が立ち、ニセの歓迎プラカードまで用意され、機長・乗員までもが平壌空港に到着したと思ったほど。しかしリーダー田宮は途中で見かけた米軍機に疑念を抱き、「金日成の写真を見せろ」と要求。当時の韓国には、絶対にあってはならない金日成の写真。韓国側はこれを出すことが出来ず、企みは失敗する。その後、山村新治郎(運輸政務次官)ら政府関係者が人質となって「よど号」は平壌に向かった。

 こうして北朝鮮の地を踏んだハイジャック犯のメンバー9人は、金日成の計らいで何一つ不自由のない生活が保証され、主体(チュチェ)思想の勉強を受ける。だが、革命戦士となる夢は達成されることはなかった。彼らは軍事訓練を行うことも出国することも拒否されたのだ。

 昭和50年5月には、金日成が「よど号ハイジャックのメンバーにも結婚相手を見つけて、次代に繋がる革命を行う必要がある」との〔教示〕を示し、これに従って昭和52年(1977年)までに全員が結婚することになった。最初に結婚したのはサブリーダーの小西隆裕と福井タカ子。実はこの二人はもともと恋人同士で、東大闘争時代に結婚していたものだ。続いて安部、岡本、若林が結婚。昭和52年の期限ギリギリになってリーダー田宮、赤木、柴田、田中が結婚した。吉田については結婚したか否か不明。小西の相手以外はすべて、日本国内で「チュチェ思想研究会」などに加入していた女性で、みな北朝鮮に興味を持ち思想的にも近い存在だったとされる。結婚相手は金日成が決めた。

 ハイジャック犯とその家族の待遇はきわめいて良かった。衛星放送や新聞を見ることも許され、日本国内の状況も知ることができた。だがメンバーはその後、病死や逮捕などで欠けていき、現在は四名(小西・安部・若林・赤木)しか北朝鮮に残っていない。
 吉田金太郎は昭和60年(1985年)に死亡と伝えられるが、公調その他の情報によると昭和48年以降の生存は確認されていない。昭和四八年頃に死亡したと推測される。昭和63年には岡本武が事故死。そしてこの年、犯行当時16歳だった柴田泰弘が日本で逮捕された。その数年前から密入国していたらしい。


八尾恵とは何者か?

 元神戸市外大生・有本恵子さんの北朝鮮拉致に関与したと供述した八尾恵とは、そもそも何者なのか?

 当局の調べによると、昭和31年(1956年)生まれの彼女は高校卒業後、保育士になるために専門学校に通う傍ら、北朝鮮に興味を抱き、主体(チュチェ)思想を学習する会に参加するようになったようだ。高校卒業時、18歳の頃からすでに主体思想研究会に出入りしていた理由は、本人の弁によると「北朝鮮の映画を見て魅かれた」というが、そこには北朝鮮に興味を抱く環境が幼少時からあったと考えられる。そんな彼女は、主体思想研究会で知り合った在日朝鮮人の誘いに乗って短期間の留学の予定で昭和52年(1977年)2月に北朝鮮に渡った。高校卒業後約3年、彼女が21歳のときのことだ。

 平壌郊外の一軒家に数人で共同生活して学習を続け、1カ月半ほどしたころ、その指導員から「よど号実行犯」との結婚を提案された。見たこともない男と結婚させられることを最初は拒んだが、2週間ほど説得され、「革命は後継者を作って次代に継いでいくものだ」と言われて、とりあえず相手の男と面会。それが「よど号」犯最年少の柴田泰弘(当時23歳)だった。八尾恵はその後一カ月もしないうちにこの男と結婚し、平壌の『日本革命村』で生活。2人の子を産んだ。

 供述で八尾恵は「その後も続いた主体思想の学習でマインド・コントロールを受けるようになった」と語っている。ここでは田宮高麿(最高幹部)が、日本を『金日成主義化するための具体的工作』を提案した。そして八尾恵は、田宮を中心とする「よど号グループ」の指示を受け、ヨーロッパ各国に出向いては「拉致した日本人男性と結婚させるために日本人女性と接触」する。有本さんもその一人で、八尾恵によると「昭和58年(1983年)に北朝鮮工作員に引き渡した」という。

 その1年後の昭和59年7月、八尾はグループの指示によりフランクフルト経由で日本に帰国。やがて神奈川県の横須賀でカフェバー『夢見波』を経営する。昭和63年(1988年)5月になって神奈川県警は公正証書原本不実記載(他人名義で住民登録)で八尾恵を逮捕したが、罰金5万円の略式命令で釈放となった。八尾恵はその後、北朝鮮と彼女を結びつけた報道に対しマスコミ各社を相手に訴訟を起こし、一旦は勝訴して謝罪文等を出させることに成功したが、後には「真実ではないことを語り、ご迷惑をおかけしました」と謝罪している。

 じつは住民登録違反という微罪で八尾が逮捕される半年前に、兵庫県警が「中尾晃」という男を旅券法違反で逮捕している。偽のパスポートを所持していたこの中尾晃とは、数年前から日本に潜入していた柴田泰弘だったのだ。中尾こと柴田が逮捕直前に何度も電話連絡していた相手として、八尾恵が浮上し、彼女の逮捕に行き着いたのである。柴田泰弘は国外移送略取(ハイジャック)や強盗致傷、凶器準備集合罪などで6年2カ月間服役し、平成6年(1992年)に出所している。

 平成10年に八尾は、よど号事件グループの現リーダー小西隆裕を相手に「娘の引き渡し裁判」を起こしたり、今年(平成14年)に入ってからは、有本恵子さん拉致事件について詳細な証言を行うようになっている。これに対し北朝鮮サイドからは「国家権力による陰謀」といった声も流され、また北朝鮮支援サイトなどでは八尾恵を「裏切り者」扱いするようになっている。八尾恵は主体(チュチェ)思想のマインド・コントロールから解放され、北朝鮮による拉致事件について真実を語る真の証人となったのだろうか?

 これについて半島事情に詳しいマスコミ関係者がこう語る。

 「八尾恵はかつて横須賀でスナックを開いていましたが、美人とは言えないが非常に魅力的な、男を魅きつけるタイプの女性でしたね。

 彼女のところから自衛隊関係者の名簿が大量に出てきています。裁判で彼女は『田宮高麿の指示で防衛大学を目指す高校生を獲得しようとしていた』と証言していますが、果して真実かどうか……。とにかく彼女の家から出てきたメモには、現役の陸自の名前が大量に見つかっています。すべて彼女のスナックに通っていた連中で、配属先が変わって引っ越しても、正確に移転した住所氏名等を記録しているんです。この目的が何だったのか。八尾自身は『(田宮高麿の)指示によるもの』以外は答えようとしていない。

 外事(県警外事課)がいつから八尾をマークし始めていたのかも不明です。ただ、柴田との電話を録音していたことなどから考えても、警察は八尾が帰国した直後からマークしていたと考えて良いでしょう。外事はその当時からずっと、現在に至るまで八尾を疑っていると思います。

 個人的な感覚で申し上げれば、高校時代以前から北朝鮮に興味を持ち、主体思想研究会で学習し、しかも北朝鮮に渡って7年半もガチガチの金日成教育を受けた人間が、思想を転向させることなど絶対にないと……。常識的に考えて、あり得ない話です」。


グローバリズム

 昨年9月11日の全米同時テロ以降、「テロリズムと対決する」米国の矛先が、いつ北朝鮮に向けられるかは世界中の注目するところとなった。いや、それは昨年9月以降に始まったものではない。11年前の湾岸戦争時も3年前のユーゴ空爆も、北朝鮮空爆が念頭にあったことは間違いない。

 東西冷戦終結後、東西ドイツ分断の象徴であったベルリンの壁は劇的に破壊された。これほど劇的ではなかったが、東欧各国はさまざまな変遷を経て、全体としては緩やかな形で自由主義社会に溶け込んでいった。ベルリンの壁は崩壊した。だが、ユーラシア大陸の反対側、東の端にある朝鮮半島には、半島を分断する38度線が残されたままだった。

 北朝鮮が世界的統一基準(ワールド・スタンダード)を受け入れた国になること。グローバリズムに溶け込んだ国家になることは、米国を初めとする自由主義世界の願いなのだ。それは自由主義国家のすべての願いであり、平和を願う庶民大衆の願いに繋がるものでもある。そして何よりそれを渇望しているのは、世界金融資本家たちだ。

 グローバリストたちにとって大切なのは、自由競争の原理であり、論理性であり、富や財産、生命が法律の下で平等に守られることである。最も排除しなければならないのは、独裁であり、非論理的なものであり、多数決や民主主義を脅かす暴力・武力である。
 現在の北朝鮮・金正日王権はグローバリズムの敵と見なされているのだ。

 そして同様に、わが国にもそうした不透明な組織、団体が存在している。最近の一連の政界疑惑事件や狂牛病関連のさまざまな事件が、根源的には同和やヤクザの解体を狙ったものだという深奥に気づいている人々も少なくはない。グローバリズムを標榜する勢力にとって、闇世界に蠢くヤクザであるとか、不条理で秘密の繋がりを持つ同和の存在は悪でしかない。

 わが国大衆がこれについてどれほど理解を深めているかは別として、北朝鮮・金正日王権は世界のグローバル化を遙かに重大に受け取って対処を続けてきた。最近では一昨年(平成12年)10月に行われた趙明禄の訪米がその対処法の表れだと言える。趙明禄とは北朝鮮に於いては金正日に続く実質2番目の実力者である。当時の新聞は以下のように伝えている。

  「米朝会談、滑り出しは順調『親書に複数のアイデア』実務協議の行方注目【ワシントン10日=西田令一】
北朝鮮の最高指導者、金正日総書記の特使としてワシントン入りした趙明禄・国防委員会第一副委員長の訪米日程は、クリントン米大統領との間で10日に行われた『歴史的な会談』(シャーマン米北朝鮮政策調整官)で順調に滑り出した。趙第一副委員長は会談を終えてホワイトハウスを後にする際に、記者団に手を振る余裕もみせるなど、会談がひとまずうまくいったことをうかがわせた。(中略)シャーマン米北朝鮮政策調整官は趙第一副委員長が訪米直前に金総書記と会ってきたとし、『彼が金総書記からの強いメッセージを携えてきたのは明らかだ』との見解を示した。親書の内容は明らかでないが、CNNテレビによると、米朝関係改善の複数のアイデアが示されているという。(中略)だが、今後の焦点は、ミサイル。核、テロ、二国間関係といった懸案で実のある結果が出せるかどうかだ。例えば、米国のテロ支援国リストから北朝鮮を削除する際の条件となっている日航機「よど号」乗っ取り犯の「赤軍派」元メンバーたちの日本への引き渡しについては、北朝鮮側はまだ明確な回答をしていない。
(平成12年10月11日『産経新聞』朝刊)

 
 このとき趙明禄は軍服(空軍司令官軍服)を着てクリントン(当時大統領)と単独会見を行っているが、この会談の前には米国と北朝鮮の間で「反テロ共同宣言」の調印が行われていた。お断りしておくが、この「反テロ共同宣言」は平成12年に結ばれたものであり、全米中枢同時テロの1年ほど前の話である。

 この共同宣言の内容は、「北朝鮮が半島の緊張を高めるような行為は決して行わない」といった約束である。ところがこの約束に反して、昨年(平成13年)に奄美沖に不審船が現れ、これを追ったわが国の海上保安庁の巡視船が攻撃されるという事件が起きた。ブッシュ大統領が北朝鮮を「信用できないテロ国家だ」と怒ったことのウラには、1年前に締結した「反テロ共同宣言」があるのだ。

 さて、平成12年10月に趙明禄が訪米した2週間後には、米国のオルブライト(当時国務長官)が北朝鮮を訪問している。以下の新聞記事をご覧いただこう。

  「米国務長官、総書記と会談 担当高官を総動員 懸案進展へ本腰 拉致も取り上げか【ワシントン23日=西田令一】
オルブライト米国務長官と金正日総書記との会談は、訪朝初日の二十三日から始まって三時間に延長され、最終日の二十四日にも引き続き行われることになった。二十三日夜の歓迎夕食会も、実質ナンバー2の趙明禄・国防委員会第一副委員長の主催から、金総書記主催に格上げされており、今回の長官訪朝にかける北朝鮮側の意気込みの強さがうかがえる。米側も、クリントン大統領の親書を携えたうえ、北朝鮮政策の担当高官をほぼ総動員して訪朝に臨んでおり、大統領訪朝を視野に米朝間の一連の懸案で実質的な進展を目指す構えだ。(中略)オルブライト長官が今回の訪朝で従えた十四人には、国務省の北朝鮮全般を統括するシャーマン北朝鮮政策調整官、ロス国務次官補(東アジア・太平洋問題担当)、米朝関係の窓口的な存在で米朝核協議の米側代表も務めるカートマン朝鮮半島和平協議担当大使、米朝ミサイル協議の米側代表を務めるアインホーン国務次官補(不拡散問題担当)が含まれている。これらの担当高官は、オルブライト長官が金総書記らとの間で行う一連の会談と並行して、北朝鮮側と事務レベルの協議を重ねて、懸案の詳細を詰めるものとみられる。
 注目されるのは、コー国務次官補の随行で、同次官補は担当の人権問題で北朝鮮側と折衝し、人権問題の側面も持つ日本人の拉致(らち)問題なども取り上げられる可能性もある。
 オルブライト長官は二十三日、性急なクリントン訪朝を案じる米国内の一部の論調を意識して、「極めて慎重」にやっているとし、「われわれは、米国の国益にならないほどに急ぐつもりはない」と反論した。
(平成12年10月24日『産経新聞』朝刊)

 


不審船の引き揚げ問題

 北朝鮮の実質ナンバー2の趙明禄が訪米し、「反テロ共同宣言」を行うまで対米関係を重視した北朝鮮・金正日王権は、なぜ、昨年末になって半島に緊張をもたらす不審船事件を引き起こしたのだろうか。

 この事件についてはすでに本誌でも詳述しているが、マスコミ各誌でも本紙と同様に、奄美沖で自沈した不審船は韓国を目指していた北朝鮮の工作船であった可能性が極めて高いとしている。南浦港から中国船名をつけて出航したこの船は、対日工作用に作られた高速艇ではなく、武装までしていたのだから、明らかに対韓用工作船だった。

 しかし、9・11以降、テロに対して極めて敏感になっている米国を刺激するような対韓工作船を、北朝鮮が仕掛けるものなのだろうか。しかも現在の韓国大統領は、南北融和政策(太陽政策)を採る金大中である。――北朝鮮は危険なテロ国家で、何を考えているかわからない。世界中の反テロの動きなど関係なく、工作船を送りだしたのだ――といった曖昧な想像で片付けられるものではない。

 昨年末の不審船については、正直なところ明確な任務がまったく不明だ。これに関し、半島情勢に詳しい前出のマスコミ関係者はこう語る。

 「趙明禄が米国と交わした『反テロ共同宣言』や、金大中との『歴史的南北会談』を考えると、この時期に北朝鮮がテロ紛いの工作船を出すことはあり得ないですね。しかし現実に不審船が現れた。個人的な感想ですが、恐らくあれは韓国大統領選に関係するもので、太陽制作すなわち南北融和政策を前進させるための資金などが積まれていたのではないでしょうか。資金ではなく、選挙用のスキャンダル情報や証拠などが積まれていたかもしれません。それは引き揚げてみればわかるでしょう。米国は盛んに不審船引き揚げを要求しています。

 ところが、引き揚げの方向が高まり始めたときに、朝日新聞が朝刊一面トップで『不審船は上海の軍港に寄港した』ことを暴露したんです。これは中国側からの『引き揚げるな』というサインですね。不審船には中国も関与している可能性が高いのだから、もし引き揚げたら大変なことになるぞ、という話なんです」。

 そして今月に入って、海保の潜水調査により遺体回収、重武装を裏付ける数々の武器が回収されている。支那北京政府の対応は、共産党政府と共産党軍との間に相当な意見の差があるように思われ、なお沈没不審船回収には手間取ると思われていたが、ゴールデン・ウィーク明け直後に瀋陽市の日本総領事館で起きた北朝鮮人の亡命事件が劇的な効果をもたらした。この亡命騒動が世界中に注目され、わが国外務省の対応の拙さが指摘されているなか、不審船引き揚げに向けての計画が着々と進められるようになったのだ。


北朝鮮の行方

 東西冷戦の終結、世界のグローバル化。こうした趨勢のなか、孤立した小国家・金正日王朝は、国家と民族の存亡を賭けて必死の戦略を立てている。それは微温湯の被植民地的国家でぬくぬくと生き続け、誰も彼もが自己保全だけを考えているような日本とは、本質的に違っている。まさにギリギリの正念場を生き抜いているのだ。

 北朝鮮は当然ながら、最悪の事態すら想定している。最悪の事態とは、米軍による空爆――かつての湾岸戦争時のイラクのような、あるいは最近のアフガンで見られたような地上戦である。これに対しては、東京を火の海にするという脅しと、それを現実に実行できるだけの準備が必要であり、またそうしたテロ工作がいつでも可能であることを見せ続けなければならない。

 しかし、米国あるいは米国を背後から動かす勢力が本気になれば、日本が犠牲になることなど何の意味もないことを、北朝鮮は熟知している。

 国家と民族の存亡が懸かっている以上、「座して死を待つより、撃ちてし止まん」といった精神は当然ながら強硬派のなかに存在しているだろう。また、撃って出ることを躊躇する多数も、米国軍による空爆に対する万全の備え=韓国や日本へのテロ攻撃を画策することは当然である。しかし、体制改革、王権交代といったソフト・ランディング(軟着陸)も当然ながら考えられているはずだ。いやむしろ冷静に考えれば、体面を保ったうえで軟着陸を行うことこそが北朝鮮の望む未来像だ。

 米ブッシュ政権は、北朝鮮・金正日王朝を「悪の枢軸」と規定している。北朝鮮人民を敵に回しているのではない。金正日こそが「悪」だと断言した。

 北朝鮮という国は建国の父・金日成の指導により、韓国とはまったく異質な「国家=一家」という思想に生きるようになった。非常にわかりやすく言えば、北朝鮮では金正日が一家の「父親」であり人民は「子」なのである。かつての半島の民、現在の韓国などでは「忠」より「孝」、「国家」より「家」や「一族」が大切にされたものだが、北朝鮮ではそうした感覚が通じない。ブッシュ大統領が金正日と庶民大衆を別モノと規定しても、北朝鮮人民には通じない話だ。

 金正日王権を認めない米国。そして金王朝を国家の柱として存続させたうえで国際社会への融和に軟着陸したい北朝鮮。

 この二律背反を解決できる方法など、存在するのだろうか。

 絶対に解けないであろう難問というものは、一般的に言って、実に多くの正解を有するものである。北朝鮮に与えられたこの難問にも、いくつかの正解が存在するのだろう。本紙が現在考え得る解決法は2つある。

 1つは金正日の政権禅譲。それも、国際社会が認める人物であり、かつ、金王朝の正統な後継者であること。

 もう1つは、「テロ国家」と認定されている原因の除去である。

 この2つを同時に行うことは、より効果的な軟着陸へと繋がるだろう。

 では、国際社会が認め、かつ金王朝の正統な後継者など存在するのか。――存在する。金正日の異母弟で駐ポーランド大使の金平日である。金平日はハンガリー、フィンランド等東欧諸国の大使を歴任し、国際社会との協調性も評価されている人物だが、ずっと王権中枢から遠ざけられてきた。それでいながら、総書記の異母弟という立場もあり、中央から断絶されたこともない。軟着陸にはうってつけの人物なのだ。

 もう1つ。テロ国家という烙印からの脱却法は、2つしかない。核開発施設等の国連視察団の受け入れと、世界のテロリスト=日本赤軍「よど号」乗っ取り犯の国外追放である。


八尾恵への手紙

 昭和63年(1988年)に公正証書原本不実記載(他人名義で住民登録)で逮捕された八尾恵は、その後の平成6年(1994年)に、自分に対する「北朝鮮のスパイ」報道についてマスコミ各社を相手に訴訟を起こし、一部では勝訴し、謝罪文や賠償金までも手にしている。そして平成10年には、「よど号」グループの現在のリーダーである小西隆裕(北朝鮮在住54歳)を相手にして「娘を引き渡して」という裁判を起こした。しかしこの訴訟は、2カ月後には自ら取り下げている。

 八尾恵には、柴田泰弘との間に2人の女の子が生まれている。昭和53年11月に生まれた長女(現在23歳)と昭和55年6月に生まれた次女(今年6月で22歳)だ。柴田泰弘・八尾恵の両親はすでに日本に帰国し、いわば子供が人質にとられている状態とも言える。「娘引き渡し要求」の裁判を取り下げたのも、「よど号グループから『裁判を取り下げろ』と政治的圧力がかかり、訴訟を続けると子供にも危険が及び帰国できなくなる可能性が高くなるから」だと説明されている。

 昭和59年(1984年)、日本に帰国後、子供が人質にとられているからにせよ、ずっと北朝鮮側に立って行動してきた八尾恵。2人の子供の安否を気遣い、引き渡し訴訟を起こしたもののすぐに取り下げた母親。その八尾恵が、なぜ今さら突然のように有本恵子さん拉致の証言を行ったのか?

 本紙は断言する。八尾恵の今回の証言は、北朝鮮・金正日王権の企みに乗ったものであり、その背後には未来を見据える朝鮮半島のさまざまな力関係が存在する。何度も繰り返すが、微温湯漬けの平和ボケ日本人には想像できない危機感が、北朝鮮には存在している。それは国家、民族の存亡を賭けた必死の戦いなのだ。この必死の戦略の前には、八尾恵が悪いとか金正日が悪いとかといった善悪論など無意味である。

 では、本紙はなぜ、八尾恵証言を「北朝鮮の企み」だと断言するのか。

 八尾恵宛に届いた子供たちからの手紙である。

 今年に入って、北朝鮮にいる八尾恵の2人の子供から手紙が届けられた。

 日本に帰国後しばらくの間は、八尾恵は平壌の「よど号」グループの事務所に電話をかけ、そこで子供たちと会話をすることができた。ところか「娘引き渡し裁判」以降、八尾恵は子供たちと会話をすることを拒否されてきた(子供たちが話したくないと伝えてきた)。そんな2人の子供たちから、八尾恵宛に手紙が届いた。「私たちのことは心配しないで……」といった内容だと伝えられる。

 すでに八尾恵は昨年(平成13年)夏に、拉致に関与したことを公表していた。だが今年、子供たちからの手紙を受け取った直後から、その話の内容が一気に核心に迫るように変化していった。3月12日の旅券法違反事件の公判に立った八尾恵は、有本恵子さん拉致事件について詳細に証言し、キム・ユーチョルという名の大物工作員が関与していたことも暴いている。

 ちなみにキム・ユーチョルは、すでに20年以上も前から西側情報機関に知られた人物で、わが国公安当局もマークしていた男。ヨーロッパで「よど号」日本人妻と度々接触していることが確認され、北朝鮮における「よど号グループ」のコントローラーだと見なされていた。マスコミ各社は八尾恵の証言に驚き、また入手したキム・ユーチョルの写真を掲載して特ダネ扱いした。――八尾恵が北朝鮮を裏切り、大物工作員まで暴いたという印象を受けるかもしれないが、そんなものは20年も前からわかっていた話なのだ。

 北朝鮮に残された2人の子供から「私たちのことは心配しないで……」と書かれた手紙が届いた。その手紙を見て、自分が何を証言しても娘たちに危害は加えられないだろうと判断したから、八尾恵は有本恵子さん拉致事件等の証言を行ったのか?

 それは、あり得ない。

 そんな単純な話は、平和ボケ被植民地国家の愚衆にしか通じない。

 金王朝を一家の父と見なし、国家・民族存亡の危機を民族全員が自覚している状態のなかで、「私たちのことは心配しないで、お母さんは自分の道を歩んでください」といった手紙を書かされた子供たち。その手紙を読んで、ただちに有本恵子さん拉致事件の詳細を証言した八尾恵。

 子供たちからの手紙は、明らかに『指令書』だったのだ。

 それは北朝鮮の国家・民族の未来を左右する重大な指令書だった可能性が高い。「よど号グループ」支援の「かりの会」などによる八尾恵糾弾も、じつはこうした指令に乗っている可能性もあると考えられる。


ヨーロッパでの拉致事件

 北朝鮮による日本人の拉致事件として誰もが知っているのは、昭和52年(1977年)に起きた横田めぐみさん(当時13歳)事件だろう。その他、53年に新潟、福井、鹿児島で起きたアベック失踪事件も「北朝鮮による日本人拉致事件」とされ、有本恵子さんを加えると8件、11人が「北朝鮮に拉致された」と政府は認定している。

 米国国務省が今年3月に発表した「人権報告」のなかには、「20人の日本人が拉致され拘束されている可能性がある」と明記されている。現実には、これより遙かに多くの日本人が北朝鮮に捕まっている可能性がある。そうしたなかには、有本恵子さんのようにヨーロッパから北朝鮮に渡った者もかなりいるようだ。

 自身も欧州留学経験を持つ国際政治研究家のH氏は、本誌に対して以下のような感想を語ってくれた。

 「2、3年の期間、ヨーロッパ等に留学する若者たちはたくさんいます。彼らは当初、語学を学ぶだけではなく、国際感覚を身につけるとか語学系の資格を取得するとか、志を持って外国に出かけることが多い。ところが2年3年と留学して、間もなく帰国するという頃に非常に情緒不安定になる。留学しても結局のところ何も身につかないことを実感するんですね。日本を出るときには夢がいっはいだった。でも、留学が終わる頃になって、やっと日常会話ができるかどうかのレベルでしかない。

 当たり前の話なんですが、彼らはそこで落ち込むわけです。また、外国留学希望者の多くは、自分が生活してきた日本の現実がイヤで飛び出してきたわけで、そんな『イヤな日本』に帰ることが辛い。さらに、現地では心から打ちとける友人が作れなかった。留学に限らず、数年間の短期滞在で親友などできるわけがない。しかし留学生にしてみれば、寂しいんです。孤独感でいっぱいになっている。

 そうしたときに、流暢な日本語を喋り、また現地の言葉も巧みに操る東洋系の美男子が近づいてくる。――男性に対しては女性が近づいてくるわけですが。

 日本では外国語で日常会話ができるからといって通訳や翻訳の仕事にありつけるわけではない。だが北朝鮮なら翻訳で上級クラスの生活ができる。一度ためしに北朝鮮に来てみませんか? ――こんな誘いかけがあると聞いています。彼ら工作員は、日本人留学生たちの心情の奥底を見抜いているんです。いや、なかにはもっと強烈な話もあります。彼らはセックス・テクニックに長けているというんです。しかもベッドに入ると、男たちは自分の一物に白い粉を塗りたくって、それで女をメロメロにさせてしまうという。私が経験したわけではなく、あくまで噂ですが、男のなかにもそうしたテクニックに参ってしまう者たちもいるといいます。ヨーロッパから北朝鮮に渡ったという日本人が何人いるかは不明ですが、そのなかには、こうした人たちもいることでしょう」。


「よど号」犯追放

 北朝鮮には茨の未来しか存在しない。最悪の事態としては国家崩壊という図式すら見えている。世界全体がワン・ワールドに驀進するなか、国家・民族の存亡を賭けた凄絶な戦略が展開されている。そのさまざまな選択肢の一つとして、金正日が政権を禅譲し、テロ国家からの脱却を世界に宣言する手段が考えられる。――もちろんそれは一つの手段であり、軍事的強硬作戦だって考えられないわけではない。

 事実、さる4月13日には北朝鮮の機関紙『労働新聞』は対日問題に関してこんな論評を掲載している――「日本は朝鮮人民百年の宿敵である」。弱腰外交を繰り返す日本に対しては、あくまで強気で攻めたてる姿勢を崩すことはない。

 その一方で米国ブッシュ政権から「テロ国家」と認定された北朝鮮としては、「テロ国家」という認定を覆すためには、国連機関による核施設調査受け入れが一つの条件であり、さらに「日本人拉致事件」に対する解決が必要となってくる。たとえ朝鮮人民の宿敵であろうが、自分たちが拉致したとなれば、この解決は困難を究める。

 半島事情に詳しいマスコミ関係者(前出)は、こう語る。

 「今回、有本恵子さんの事件について、政府はこれを正式に拉致と認め、これまでの『7件・10人』から『8件・11人』としましたが、これは問題が残ります。というのは、有本恵子さんの場合と横田めぐみさんの場合では、拉致の状況がまったく違うからです。有本さんがどのような形でヨーロッパから連れ去られたのか。八尾恵の証言では、ロンドンで会い、次にコペンハーゲンで彼女と話し合って北朝鮮に連れ出したという。どんな好条件を語ったのか、あるいは実際に有本さんを連れ出したキム・ユーチョル(朝鮮労働党対外連絡部五六課副課長)がどんな甘言を弄したかは不明ですが、それは『拉致』になるんでしょうか? 23歳といえば立派な大人です。万一、国際法廷などが開かれた場合、有本さんに関して言えば『拉致』という表現には当たらないとされるでしょう。

 北朝鮮側は、有本さんと2人の男性について、彼らが北朝鮮に来たことを認める発言をしています。そして2人の男は病死したと。北朝鮮が認めている『拉致事件』は、この3人だけの話であり、いずれも本人が同意の上で北朝鮮に行っている。しかもこの3人は、よど号の妻たちにより連れ出されています。

 北朝鮮側としては、『日本が拉致と言って大騒ぎしているのは、日本人であるよど号妻が、本人の同意の上でヨーロッパから連れ出したこの3人だけである』と言い逃れるでしょう。有本さん事件を拉致と認定し『8件、11人』とした結果、有本さん事件が『拉致』でなくなった途端、すべての事件が消されてしまう可能性すらあるのです」。

 事実、「よど号」犯の一人で現在東京拘置所に拘置されている田中義三は『かりの会』のホームページ上で以下のような文章を掲載している。

 「最近、私たちの仲間である金子恵美子の裁判において、事件とはまったく関係のない八尾恵の『証言』なるものが行われ、《よど号》の人々による拉致疑惑として大きく報道されました。正直なところ、私自身も非常に驚いているところです。60年代後半から、安保条約反対、ベトナム反戦といった運動、国際的な若者の反乱、という時代の中で、もっとも過激な赤軍派として活動しました。(中略)ただ、今回の『証言』を聞いて(朝日新聞と拘置所のラジオニュースからですが)明らかにおかしい、と言えることが幾つもあります。

 たとえば、ヨーロッパから遠い朝鮮にまで大人の人間を『拉致』(本人の意思に反して強制的に連行するということです)するなど、本当に可能なことでしょうか。

 その有本さんという人も大学を出た人のようですが、最低、朝鮮という国が、日本とまったく異なる社会主義の国ぐらいはわかっていたはずです。そうした国に、本人の気持ちや意思を無視して騙して連れていくなど、実際にできるのでしょうか。

 パスポートの問題、旅費の問題、将来どうなるのか、色々と考え、本人としての何等かの判断決心が必ず問われます。距離的にも遠く離れており、時間もかかります。パスポートコントロール、飛行機の乗り換え、などの問題もあります。短い距離を、小さな子供にオモチャでも与え車に連れ込むのとは、根本的にわけが違うのですから。

 また、特に、女性として、初めて会った人の言葉をそんなにも簡単に信じるのでしょうか。本人の同意なしに、そんなことできるはずがありません。そもそもが、騙して連れていって無理に結婚させたりと、いったい、何のためなのでしょうか。私は幾ら考えても常識的に理解しえません。(以下略)」

 田中義三の述べる通り、有本恵子さん事件を『拉致』と決めつけることは実際に問題なのだ。さらに最近では、北朝鮮側が有本さんの記者会見を行うとの情報まで流れている。以下の新聞記事をご覧いただこう。

 「自民党の平沢勝栄・衆院議員は12日、英国留学中の昭和58年、北朝鮮に拉致されたとされる元神戸市外大生、有本恵子さん=神戸市出身、当時(23)=について、『今月中にもある日本のメディアが、北朝鮮国内でインタビューするという確度の高い情報がある』との見解を表明した。

 平沢議員は、情報源については触れなかったが『(インタビューが行われれば)有本さんは《自分の意思で北朝鮮に来た。とても幸せに暮らしている》などと言わされることは分かっている』と指摘。『これは北朝鮮の日本に対する世論工作だ。われわれはこうした工作にだまされないという意思だけは、この場で確認したい』と断言した。」(産経新聞4月13日朝刊)

 北朝鮮は明らかに、事態の推移によっては「よど号」犯とその妻グループを切り捨てる覚悟を決めた。そして拉致事件のすべてを彼らの仕業にするつもりなのだ。

 こうした計画を単に「狡賢い北朝鮮」と受け止め、怒りを露にするだけの間抜けな評論家になってはいけない。建国の父・金日成の意思に逆らってまで、国家と民族存続のためにギリギリの選択を行っている北朝鮮の民に比し、微温湯のわが大衆はいったい何ができるというのか。ぬくぬくとして美食に現を抜かし、政官の悪口にだけ耳を傾けて、また再びのバブルを夢見ているような民には、世界統一化という潮流に乗ることも逆らうこともできそうにない。


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