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現在の日本に本当に必要な教育とは 投稿者 サイボーグ004 日時 2002 年 6 月 03 日 23:05:56:

(回答先: 偏差値教育とゆとり教育 投稿者 GOE-MON 日時 2002 年 6 月 03 日 18:29:50)

私が思うに、偏差値教育とゆとり教育とは基本的には相対する考え方だと思う。しかしながら私が考えるところの「偏差値教育」(言い方があまり好きではないので、以下「知識教育」ということにする)とは、知識を集積することである。人間が考える葦たるゆえんは、単に知識を詰め込むだけでなく、その知識を組み合わせ、推測し、或いは結果を分析し、将来・未来に役立てることだと思う。つまり、知育には「知識を蓄積すること」と「物事を考え、論理的に組み立てること」の二つの側面がある。上記の「偏差値教育」は「知識を蓄積すること」を重視しすぎたものである。日本の教育は枝葉末節にこだわりすぎる傾向がある。その為に、勉強において本当に大切な過程を考えることよりも、結果をとにかく覚えることが至上命題になってしまう。その最たる例が、歴史教育の年号の暗記である。例えば、フランス革命は1789年に起こったが、大切なのは「1789年」ではなく、この革命により典型的な絶対王政のフランス王国が国王を処刑し、王制でなくなったこと。そしてその後にナポレオン・ボナパルトが出て、帝政が成立し、彼の没落によりウィーン会議が開かれ、メッテルニッヒによる正統主義で王制に反動するという、一連の歴史の流れである。それと、数学におけるマークシート方式の試験。これでは途中の式の変形が答案に出てこないし、極端な話、最後に足すのか引くのかを間違えただけで、0点になってしまう。数学は論理学なのだから、途中式(何故そうなるかという論理)を評価せずして、何を評価するのか?これらは日本の教育の失敗の典型だと思う。
 また、よく言われることだが、海外では、子供が漫画を読み、大人は教養を高めるための本を読むが、日本では子供が参考書を読み、大人が漫画を読んでいるといわれる。これは「学歴」という通過点で人の教養が決まってしまうと思い込んでいる日本人が多すぎる証拠である。教養を高めることや、勉強することはむしろ社会に出てからこそ必要なものであり、学校はその基礎を作るためのものだ。勉強したり教養を高めることに遅すぎることはない。人間一生勉強の繰り返しである。上記の枝葉末節にこだわるのは学生の試験だけではない。社会人が受ける(中には学生で受ける人もいるだろうが)資格試験にもその傾向がある。物の考え方の幹の部分が理解できればよいわけで、細かい枝葉の部分を突っつくのはいかがなものであろうか?これでは、知識量はあっての現実の社会に適用できず、何のための勉強なのか、ということになってしまう。
 昔から3育といって「知育」「徳育」「体育」が教育の基本とされてきた。日本は「知育」を重視しすぎた。昨今の若者は不規則な生活で体力が減退している(体育↓)。昨今の日本社会を見ていると、モラルという言葉はこの国に存在しているのだろうか?(徳育:大幅↓)。そして、ゆとり教育をはきちがえ、ただでさえ知識量が少ないのに、さらに覚えることを減らす(知育↓)。日本は3育とも↓。これからこの国の人間はどの位馬鹿になるだろうか(爆涙)。
 私が考えるに、ゆとり教育とは、例えば、ボランティアに参加して、地域社会とかかわりを持ったり、老人施設で年をとるとこうなるんだと考え、お年寄りや障害者に手を差し伸べる心を育むことだと思う。笑い話でこのようなものがある。高校生くらいの青年がお年寄りの動作が遅いので、「年寄り邪魔だ」といったそうだ。その青年に、年寄り体験グッツ(よく見えないメガネや軍手を2〜3枚重ねてしたり、手足におもりをつけたりして、実際の年寄りの身体状況や、風景の見え方を体験するもの)を使ってもらって横断歩道を渡ったら、その青年よりもお年寄りの方が早く渡れたということだったそうだ。その青年は「お年寄りの身体はこんなに動きづらく、視界はこんなに悪いのか。これからはお年寄りにやさしく接しようと思う」といったそうだ。このような体験こそ、「生きた知識」であり、新たな発見である。このようなことがなければ、この青年は自分が年寄りになるまで、「年寄り邪魔だ」という考え方で生きていっただろう。それを若いうちに気が付くことができたのだから、彼の人生に大きなプラスになったことだろう。他人を思いやる気持ちは非常に大切で、人間として、その人を大きく成長させる。これは偏差値教育では絶対に習わないことである。ゆとり教育を行う際には、このような視点を忘れないでいてもらいたいものである。そうしなければ、日本の教育は馬鹿(専門馬鹿{専門知識はあるが、教養・モラルがない人間}を含む)を大量生産してしまうことになるだろう。そうなったら、嫌だな。(T_T)

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