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続きの全文UP 投稿者 てんさい(い) 日時 2002 年 6 月 28 日 19:53:42:

(回答先: W杯サッカーの暴露本 『盗まれたワールドカップ』 /FIFAの体質を鋭く批判 投稿者 八百長 日時 2002 年 6 月 23 日 19:58:07)

ワールドカップ、日本・チュニジア戦にむけて
『盗まれたワールドカップ』のアベランジェ氏批判
http://homepage2.nifty.com/bet-aramaye/tunis/fifa.html
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 ワールドカップの主催者 FIFA を批判する『盗まれたワールドカップ』という本を読みました(詳細は下記)。
 1998 年までの 24 年間 FIFA 会長の座にあり、ブラジル諜報機関のメンバーでもあったアベランジェ氏(写真:右下)を告発した本です (p. 377) 。

 告発されている腐敗の一つとして、

「方々から賄賂のような金を受け取って私腹を肥やし、その賄賂の見返りとして、ワールドカップの試合に手心を加えさせた」

 という行為が挙げられます。

 「手心」は、特にワールドカップを主催したホスト国チームに有利に加えられました。ホスト国は優勝することも多いので、「手心」はもちろん決勝戦でも活用されています。


 例えば78年アルゼンティン大会でのアルゼンティンチームにはこんな「手心」が加えられました。

 まず審判の買収 (p.199-202) 。
 アルゼンティン選手が加えたファールには大方眼をつぶる。しかしアルゼンティン選手に対するファールは厳しく取り締まる。


 アルゼンティン大会で確認された不正はこれに止まりません。

 アルゼンティンの対ペルー戦を巡る取引はさらにすさまじいものでした。

 この試合にアルゼンティンは4点差をつけてペルーに勝たなければ、予選を通過できず、本大会に進めない、という状態にありました。しかも下馬評ではペルーがアルゼンティンを下す可能性さえ低くない、と言われていました。この段階で、要するに、アルゼンティンは予選通過がほぼ不可能となったのです。

 そこでペルーチームの大規模な買収が行われました (p. 204-205)。

 んなアホな、と思われるでしょうが、その実体は、アルゼンティンのジャーナリスト、マリア・ラウラ・アビニョロ氏によって暴露されていますし、著者も独自取材で裏付けとなる情報を得ています。ただしこの真実が明かされるまでには、8年の歳月が必要とされました。

 さて買収の中身ですが、

・3万5千トンの穀物
・ペルーへの5千万ドルの信用限度額の凍結解除
・アルゼンティン海軍の口座からペルーの担当者への賄賂の振り込み
・1人2万ドルで、チーム内の選手を3人買収

 等々です。要するに政府単位で交渉してるわけです。試合運営上にもその他諸々の便宜が加えられて、結局アルゼンティンは6点(!)を取り、めでたく予選通過を決めました。

 また86年のメキシコ大会でも意図的な誤審がなされました。
 決勝リーグでアルゼンティンとイングランドの試合がありましたが、開催地がメキシコであったために、南米のアルゼンティンを勝たすためのレフェリングがなされました。

 マラドーナのあの有名な「手のゴール」です。ヘディングをしたふりをして、手でボールをゴールに押し込み、得点を認めさせたのです。一般には誤審とされていますが、著者は、これを、アルゼンティンを勝たすための「意図的な誤審」とみなしています(ちなみに著者はイギリス人) (p.266)。


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 さすがに最近ではこんな露骨な不正は行われていないだろう、と思われるかもしれません。
 しかし著者は前回98年フランス大会でも開催国寄りの許しがたい不正がなされていた、と推測しています。

 しかも決勝戦のフランス・ブラジル戦を舞台としたものです。


 覚えてる方もまだ多いと思います、

 ブラジルのスター選手、ロナウドの名前を。

 このロナウドの決勝戦での体調はどうだったでしょうか?

 ふらふらでほとんどプレイできる状態ではなかったことを覚えておられないでしょうか?

 これを著者は FIFA 側の巧みな工作の結果だと「推定」しています。


 買収の直接の相手は、なんとブラジル代表のチーム・ドクター。

 当時ロナウドはナイキとの契約の結果

 「医者が健康と判断した場合、試合に90分間出場していなければならない」

 という義務を負っていたと、あくまで予想ですが、みられています(契約の内容は公表されていない)(p.451)。

 さて、ブラジル代表のチーム・ドクターは、決勝戦前から、体調回復のためと称して、実に様々な薬物をロナウドに注射していました。これは実はロナウドの体調回復をねらったものではなく、逆にロナウドの体調を崩すことを狙ってなされたものだったのです。一つ一つはもちろん有効な薬物なのですが、それらが複合されると体調を壊すことが、後に明らかとなった薬物が注射されたのです (p.450)。

 この結果、決勝戦を直前にしてロナウドの体調はとても試合をこなせる状態ではなくなってしまいます。

 ところがこのチーム・ドクターは、ふらふらになったロナウドの健康状態を診察し、その結果を「特に問題ない」と発表します。あくまで「精神的なものだろう」というわけです(p.453)。

 ナイキとの契約があるため、医者のお墨付きが出ている以上、ロナウドは、決勝戦に出場せざるえなくなります。彼の出場を巡ってチームは真っ二つに割れてしまいますが、アベランジェ氏の一の子分にあたるブラジルサッカー協会の会長が出場を強硬に主張して(p.452-453)、ロナウドは決勝のグランドに立ちます。結果はご存じの通り、フランスの勝利。


 こういった悪行は本書に紹介されているアベランジェ前会長の行動のほんの一部に過ぎません。

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 ここでちょっと話題を変えます。
 なぜ日本がワールドカップ開催国に選ばれたのか、考えたことありますか?

 それまでは、ヨーロッパと中南米の国で交互にワールドカップを開催するのが FIFA の慣例でした(合衆国は例外)。
 それが、極東の国で、共同開催、しかも日本はサッカー人気がさっぱり無かった国で、アメリカほどの政治力もありません。

 異例づくめである、と言えます。

 何か特別な理由があるはずです。

 残念ながら同書にその理由は明示されていませんが、同書中の情報から幾つかの推定は可能です。

 その情報ですが、

・厳しく非難されているアベランジェ会長は、強く「日本の単独開催」に固執していた(p.336)。

・さて「ISL」という国際的な企業があります。この会社は、1982 年以降、ワールドカップ、および、あらゆるスポーツの「マーケッティングとメディアの権利」を完全に支配してきた会社です。詳細は省きますが、この「ISL」は事実上アベランジェ氏の財布に近い存在でした(ex. p.228-229)。
 驚くべきことに、この「 ISL」社の株式の49%が、日本の電通に所有されているのです (p.188)。

 こういったものが参考となります。


 すると、日本の単独開催が決定すれば、アベランジェ氏 に多大な利益が、おそらく電通も何らかの形で関係して、流れ込む仕組みであった可能性は高いように思います。そしてこの事情が、日本での開催の理由と無関係であると判断するのは、ナイーブすぎるといえるでしょう。

 あまり評判のよろしくないアベランジェ氏の強い支持を受けて、ワールドカップ日本開催が実現されたことは確かなようですから、その舞台裏には美しくない交渉が存在していた可能性が高いと思います。それがあまりにも美しくないことが、共同開催となった大きな理由の一つとなったのでしょう。

 日本が大会会場に選ばれた理由は、誰にでも胸を張って自慢できるようなものでは、ないようです。


 ちなみに降って沸いたように日本でサッカーのプロ化が決まり、その J リーグが急速に人気を獲得していったことも、日本でのワールドカップ誘致、開催、と無関係ではないでしょう。

 こんなやりとりが想像できます。

 日本には金がある。しかしサッカーの人気はいま一つ。思いきって日本でワールドカップを開き、日本でサッカー人気を盛り上げれば、日本は FIFA にとって巨大なおいしい市場にばける可能性が高い。

 しかしサッカー人気の低い日本での、ワールドカップ開催を他の国に納得させることは困難。

 そのために日本にプロリーグを作り、サッカー人気を盛り上げ、大会誘致に説得力を持たせよう。野球の巨人みたいな人気チームと、野球の長嶋みたいなスター選手をメディアの協力で作り上げれば(J リーグ開催前からテレビでは「王者ベルディー」。そのチームを勝たせるための審判の度重なる不正ジャッジにジーコはカンカンでした)、より一層、効果的だろう。

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 さて、こういった事情を前提にして、今回の大会を捉え直す必要があります。
 現在の会長はアベランジェ氏ではなくブラッター氏ですが、このブラッター氏はアベランジェ氏の精神的な(?)後継者といえる人物ですから、運営方針が大きく変わることはないでしょう。


 そこから何が言えるのか。

 アベランジェ時代の開催国は、ほぼ全て不正なサポートを大きく受けています。


 日本も今回、FIFAから不正な援助を受ける可能性が高い、ということです。


 特に日本の予選突破の大きな鍵を握るとされるベルギー戦のジャッジには大注目です。
 
 日本選手からの反則は見逃されるのか?

 ベルギー選手は簡単にファウルを取られるのか?

 ベルギーディフェンスの仕掛けたオフサイドが見逃されたりはしないか?


 それどころか、もしかしたら日本は恒例の開催地特権をすでに活用しているのかもしれません。

 今大会での試合相手抽選の前日、中国の政治家が「中国は韓国で予選を戦うことになる」と発言したそうです。実際その通りになりました。抽選会など茶番だったのです。過去にも抽選会の茶番が露骨にばれた事件がありました。

 そして今大会では、参加国中、実力が最も低い国の一つとされる、我が愛するチュニジアとの対戦が日本に与えられたのです。前回も同じようにジャマイカとの対戦が組まれました。またチュニジア、ベルギーの情報はフランス語で取得可能です。フランス人監督には願ってもない話です。すべてを偶然で片づけることは無理でしょう。

 中東好きの私から見ると、またしてもチュニジアという中東の国が、世界で大きな支配力を握っている国々から屈辱を与えられた、というように写ってしまいます。
 中東を苦しめた列強の悪行を日頃忌々しく思っている自分の母国が、たとえ、ささやかな形であれ、その仲間入りを果たしている光景は、極めて不愉快です。


 ソルトレーク・オリンピックでは明らかに不正なメダルを手にしたアメリカ人選手が何人もおり、世界中を不機嫌にさせました。


 今度はめでたく我が日本が世界を不機嫌にさせる特権を得ているわけです。
 

 確かに、プロ・スポーツに公正や正義を期待するのは、ナイーブ過ぎる、とも言えます。

 しかしオリンピックで合衆国に腹を立てたのであれば、我々は自国の不正な勝利を拒否するべきでしょう。何より選手にとっても、失礼な話です。

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『盗まれたワールドカップ』
デヴィッド・ヤロップ著
二宮清純 監修 小林 令子 訳
アーティストハウス 1999(初版第2刷)定価 1800 円(税抜き)
ISBN 4-901142-07-0

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