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ご要望に応え転載:静かに葬り去られた「審判惨殺事件」 投稿者 木村愛二 日時 2002 年 7 月 16 日 20:56:14:

(回答先: マスコミって何? 投稿者 聖徳太子 日時 2002 年 7 月 15 日 09:50:31)

ご要望に応え転載。

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【アジア国際通信:「パンとサーカス」とワールドカップ (02/07/14)】

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 ◆「パンとサーカス」とワールドカップ

 ●静かに葬り去られた「審判惨殺事件」情報

 インフルエンザのような「サーカス」が、日本列島を席巻した。
 その余韻に浸りながら7月13日、「何事もなかった」かのように『J1』
が再開した。

 「エクアドル国営テレビが、6月23日午後8時のニュース番組で、イタリ
ア対韓国戦で主審をつとめたエクアドルのモレノ氏が、同日の午後6時ごろ同
国の首都キトで銃撃され死亡したと報じ、凄惨な現場を放映した」という情報
は、マスメディアが完全黙殺して静かに葬り去られている。

 つんのめるような浮ついた姿勢丸だしでハシャギまくった大メディアにして
みれば、冷や水を浴びせるようなこの種の事件に対して、汚らわしそうに徹頭
徹尾冷淡であるのも故なきことではないであろう。

 エクアドルでは、「イタリアマフィアの報復」だと信じられているというが、
あれだけ美辞麗句をもって飾りたて、これでもかというほどに「感動!」を演
出した大メディアが、その裏側で欧米を含む世界的な規模で進行した「もう一
つのワールドカップ」、すなわちサッカー賭博については、知らぬ振りを通した。

 凄まじい勢いで吹き荒れた「サッカー賭博旋風」を取り上げる方がよほど「真
実」らしくて、報道としてはそちらの方が面白いと思うのだが、マスメディアは
それがまるで存在しないもののように、そっと蓋をしたままにしている。

 ある席で、「モレノ惨殺」が話題になったとき、「イタリア対韓国戦で1000
万円をスッた」という御仁が身近にいたのには驚かされた。
 彼は、「インチキ判定のモレノを殺しても飽き足らないと思った」という。「イ
タリアのマフィアでなくとも黙ってはいない」とでも言いたげであった。

 筆者も件の試合をテレビ観戦した。酷い判定だと思ったが、韓国選手たちの
驚異的なスタミナと切れない集中力にも凄みを感じた。これは、日本選手から
強く感じられなかった”何か”であった。

 ●「欧州至上主義」と八百長の「古漬け」

 そもそもFIFA主導のサッカー界は、「欧州至上主義」という体質の色濃
い団体で、FIFAそのものが裏も表も知り尽くした「利権の巣窟」というほ
どに、八百長の「古漬け」のような「サーカス」の仕掛け装置そのものではな
かっただろうか。

 気候風土の著しく異なる開催地の環境に加え、各国のリーグ戦、欧州カップ
戦などが、週2試合のペースで繰り返され、5月中旬まで激しい試合の連続だ
った欧州勢は、ほとんど休む間もなく代表に合流したことから、明らかに疲労
を引きずり、さすがの第一級のプレイヤーたちも本来の力を出し切るコンディ
ションでがなかったに違いない。

 次回大会組織委員会のベッケンバウアー会長の発言などからは、いつまでも
欧州至上主義の神通力が通じるほどにアフリカ、北中米はもとより、とりわけ
韓国、日本が代表するアジア勢を「舐めたらあかんぜよ!」という教訓が強く
感じられる。
 「サッカー賭博の方もそれだけ複雑な要素を抱え込んだ」という警告と受け
とめていいだろう。

 イギリスの新聞『サン』が6月17日付で、14日に韓国の仁川で行われた
韓国対ポルトガル戦の試合中、韓国の安貞桓選手がポルトガルの選手らから、
「引き分けにしよう」と持ちかけられたが、韓国の選手らはこれに激怒したと
して、これについてFIFAは調査する可能性があると報じた。

 しかし、こんなものは「審判の買収」などと比べて「八百長」のうちには入
らない。「単なるゲームの駆け引きだ」といわれれば、それで終わる。
 今後の教訓としては、「審判を買収する局面」も、これまでにない複雑な要素
を抱え込んだということであろう。

 ●サッカー賭博はもう一つのワールドカップ

 ちょうどワールドカップの後半のころ、たまたま筆者はタイにいたのだが、
タイをはじめ東南アジア諸国でも、サッカー・ワールドカップのテレビ中継に
多くの人々が熱狂していた。

 インドネシアではワールドカップが始まるや、犯罪が激減したことを地元有
力紙が報じていた。
 あたかも、ローマ帝国が統治の手段として提供した「サーカス」に狂喜した
有り様を彷彿とさせる。

 あまり知られていないことだが、インドネシアは1938年に「オランダ領
東インド」としてワールドカップに出場したこともあり、サッカーファンが非
常に多い。しかしその異常な熱狂振りは、サッカーファンだという単純な理由
からだけではない。

 タイでやインドネシアでは、家庭でも職場でもワールドカップを賭けの対象
にしていることは公然周知の事実で、これら地域の人々は日頃から「大のバク
チ好き」で知られている。「ワールドカップはお誂え向き」なのだ。

 インドネシアの警察当局などは、「無茶な賭けはやめてほしい。負けたものが
犯罪に走れば元も子もないのだから」と、件の有力紙に語るほどであった。

 マレーシアのジョホール警察は6月6日、ジョホール・バルの「賭博施設」
を摘発して17人を逮捕。コンピュータやテレビ、電話、録音機器などを押収
した。マレーシアとシンガポールの客から電話で申し込みを受け、1試合当た
り300万リンギ(1リンギは30円〜35円)、1日1000万リンギの賭金
を集めていたという。

 20日にはマレーシア連邦警察が、シンガポール、香港、タイ3ヶ国の警察
当局と協力して、マレーシアのクダ州でコンピュータを使って賭けを管理して
いた賭博シンジケートの首謀者らを逮捕した。

 このシンジケートは、インドネシア、シンガポール、ブルネイ、タイ、香港
から1試合で最大500万リンギの賭金を集めており、アジア最大規模の賭博
組織なのだというが、氷山の一角に過ぎない。

 もちろんこれは、東南アジアだけに限られた特殊な現象ではない。欧米を含
む世界規模で行われた「もう一つのワールドカップ」であった。

 しかし、陰と陽、裏と表が一対になってはじめてその意味があるにも関わら
ず、マスメディアや訳知り顔の論者たちは、その「もう一つ」を完全に無視し
て、うんざりするような「ワールドカップ賛歌」の美辞麗句だけを謳いあげる
ことに終始した。

 そんな次第であるからして、目の前に積まれたかどうかは知らないが、例え
数百万円もの報酬を持ちかけられた中米出身の審判が我を忘れたとしても、そ
れも致し方がないのかなあと思えなくもない。■
以上で引用終わり。

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