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この裁判に関する新聞の伝え方 投稿者 鳥越俊太郎のコラムから 日時 2002 年 8 月 01 日 14:24:15:

(回答先: 三井前公安部長が全面否認 大阪地裁で初公判 投稿者 ザイン 日時 2002 年 7 月 30 日 19:23:47)

http://www.1101.com/torigoe/index.html

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」 第869回

7月31日のニュースから

昨日につづいて大阪高検の元公安部長、
三井環被告の裁判にに関する新聞の伝え方について
一言言っておきたいですばい。
ほーんなこつ、日本の記者クラブ制度というのは
こういう日本の最高権力が裁かれようとしているときは、
真にだらしない状態となるもんだと
私は身を以って体験しましたばい。
7月30日、火曜日。
大阪地裁の一番大きい法廷で、
三井被告にかかる発公判が始まった。
私はその法廷の傍聴席でつぶさに成り行きを見ていた。
裁判官、検察側、弁護側それぞれの発言も
詳細にメモを取りながらの傍聴だった。
次の日の新聞、これだけの事件だ。
少しは裁判の本質に触れる記事があるかと期待した。
正確にいうと半分ぐらいは期待したというべきかな。
しかし、案の定だ。
失望したぜ!!

毎日新聞は一応1面に3段見出しで

「元高検部長が無罪主張 
 大阪地裁初公判『公訴権乱用で不当』」

記事は前半こそ三井被告が
「飲食などはあったが、犯罪は成立しない」
と述べて全面的に争う構えを示した、
として「公訴棄却」の申し立てをした。
これに対して傳田喜久裁判長が
「起訴事実の真理と密接に関連するので、
 現時点では公訴棄却の申し立てには留保します」
と、直ぐには決定を出さず、ちょっと考えさせて下さい、
という形で
裁判を進行させる構えを取ったことを伝えている。

しかし、後半は、というより記事の3分2は
検察が主張する容疑内容の紹介に終始している。
確かにこれで普通に裁判の記事ならいいんだろうが、
今回の裁判の特徴は何も伝えていない。
いや、伝えようとしていない。
裁判記事のマニュアル通りの記事だなあ、
これは・・・
この裁判は起訴した検察そのものの犯罪も
同時に裁かれようとしている、
という異常性には何一つ触れていない。
記者がアホなのか?
最初から記者クラブ制度で仲良ししている
検察庁にゴマをする体質が
思わず知らずでてしまったのか?
最近の記者はここまで事の本質を見抜こうとしない、
アホ揃いになってしまったのか。情けない。
朝日新聞も同じようなものだ。

31面社会面で3段見出しの地味な扱いだ。
社会面トップ記事は
「日ハム、検査前牛肉を焼却」
2番手は
「帝京大、簿外処理90億円」
3番手は
「21労働金庫、申告漏れ」
社会面の中央には
「東京都庁前 大道芸審査」
という見出しで大きな写真がでているので、
これも目立つきじだ。
これらに比べると、

「前高検部長 『起訴は口封じ目的』初公判、
 公訴棄却求める」

という見出しの字体が一段と
細い活字を使っているので印象が薄い感じだ。
記事自体はかなりの分量があるので
記者もそれなりに書き込もうとしたんだろうが、
記事の扱いは控えめだ。
この事件の抱えている深刻な問題を
認識していればこういう
記事の扱いにはなるはずがないのだけどねえ。

今回の裁判のハイライトは何と言っても
日本の裁判の歴史では前代未聞の
100日前まで現職の検事だった人物と
後輩の検事達が法廷で真っ正面からぶつかるところに
興味深いものがあるのですばい。
しかも被告たる「100日前まで検事」は
検察庁の幹部を犯罪者として告発している訳ですから。
正直言って私にはどちらが
被告か検事か分からなくなる瞬間があったことは正
直に言っておきたいと思います。
1時間半ほど弁護側の公訴棄却の申し立てが行なわれた。
まだ起訴状の朗読も冒頭陳述も行なわれない段階でだ。
圧倒的に弁護側が攻勢に出ていて、
検察側は守りに入っている感じだった。
弁護士11人。
検事11人。
まるでサッカーの陣容だ。
イレブンの対決。
しかし実際には互角の対決にならずに、
公訴棄却・・・つまり、
この事件は検察庁の裏金問題を内部告発しようとした
三井被告を口封じにために強引に逮捕したものだから、
事件自体が公訴されるものではない、
という弁護側が攻めに回り、
検察側はその手に乗ったら危ないと
ほとんど口を閉ざして逃げに
終始したというのが真相だろう。
そして、やがて三井被告自身の意見陳述が始まった。

「私は犯罪行為など決して起こしておりません。
 犯罪行為は、私を逮捕し、
 起訴した検察の側に存在するのです。
 検察首脳の犯罪を(裏金作り)、
 先ず解明するのでなければ、
 本件の真相を解明することは不可能というべきです」

30分ほど用意した
メモを読み上げていた三井被告だったが、
いきなり立ち上がり、
検察官達の居並ぶ席の方に向き直り、
鋭い声でこう言い放った。

「どちらが正義なのか?どちらが犯罪者なのか?
 どちらが卑劣な人間なのか?よく考えていただきたい!」

一瞬法廷は意外な成り行きにシーンとなった。
裁判長が注意した。

「私の方を向いて話して下さい」

三井被告は裁判長の言葉を聞いて正面を向いて

「最後に一言。
 どうして私がここにいるのか?
 ここに座るべきは、原田明夫検事総長、
 松尾法務次官、加納駿亮福岡高検検事長、
 東条伸一郎検事長・・・・・・・」

現職の検察首脳の名前を列挙する被告。
黙って聞き入る法廷。
特に最後まで沈黙を守った検察側の態度が興味
深かった。

こうした裁判の最も面白いところを
新聞はなぜ伝えないのか?
疑問である。

今日はこれから1ヶ月ぶりの病院へ
ではまた明日・・・・

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